西田宗千佳のRandomTracking

第553回

「Apple Vision Pro」実機を撮ってきた。15インチMacBook Air、Mac Proも

アップルの開発者会議「WWDC 2023」の取材で、米・クパチーノにあるアップル本社に来ている。

今年のWWDCもアップル本社で開催

WWDCでは色々な発表があったが、最後にじっくりと時間を取った「One more thing」として発表された「Apple Vison Pro」が最大のトピックであることは間違いない。

アップルのティム・クックCEO
噂通りARデバイス「Apple Vison Pro」が発表に

体験など詳細な取材はまだ行なえていないが、基調講演後、同社内のスティーブ・ジョブズ・シアターで、外観撮影の機会があった。

フォトセッションは本社内の「スティーブ・ジョブズ・シアター」で行なわれた
Vision Pro撮影に世界中のプレスが殺到

同時に発表されたMacBook Air 15.3インチや、Appleシリコン搭載Mac Proの写真も一緒にお届けする。

全面は薄型、ふっくらしたバンド

Vision Proの詳細については、まずはアップルのビデオを見ていただきたい。そのくらい、単純な文章や写真で説明するのが難しい。

Introducing Apple Vision Pro

現時点でわかっているのは、正面が多少薄く、バンドで頭の後ろへ止める形のもので、バッテリーは本体からケーブルでつないで供給する。

Vision Pro。本体全面が意外と薄く作られていて、丸く美しい前面のカバーが印象的
真横から。顔をおさえるパッド部が大きく伸びている
バッテリーはケーブルで左側から接続

展示されていたものがモックアップか実働モデルかは判然としないが、レンズなどはちゃんと組み込まれていたし、表面のディスプレイ部も動作していたのは確認できた。

正面のディスプレイ部。イメージ的な映像が流れていた

なお、レンズ部の接写は認められなかったものの、かなり仕上げの良さそうな光学系が搭載されていた。

バンドはファブリック調で、かなり柔らかそうに見えた。Apple Watch Ultraに付属する「アルパインループ」バンドにちょっと近いイメージがある。

バンドはグレー

本体右上にはApple Watchでおなじみの「デジタルクラウン」があり、操作に生かすのだろう。ボタン的なものは、デジタルクラウンの反対側にも1つ、細長いものがある。

本体上下にはエアフロー用と思われる穴がかなり目立つ。プロセッサーなどの処理系がHMD内にあるので、その関係だろう。

本体を少し下から。ちょっと穴が目立つ

外付けバッテリーの正確なサイズはわからないが、一般的な大容量バッテリーに近いサイズに思える。ケーブルはマグネット式のケーブルで、右側に取り付ける形だ。

つながっているバッテリー
アップルのARデバイス「Apple Vision Pro」実機展示

サイズだけ大型化した「15.3インチMacBook Air」。Mac Proはあえてインテル版と同じサイズ

最後にMacの話も。

MacBook Airは15.3インチモデルが登場。カラーは今の13インチモデルと同じく4色。プロセッサーも同じくM2で、ディスプレイが15.3インチになったのに合わせて大型化した、という感じに見えた。

15.3インチMacBook Air。カラーは4色
13インチ版とスペックなどは同じで、サイズだけが変わった

Mac StudioはM2 Max・M2 Ultraベースになったが、デザインは同じ。

Mac Studio

新しくなった「Mac Pro」は、M2 Ultraベースだ。内部を見るとかなりスペースが広く、プロセッサーのサイズが巨大であるのが良くわかる。

Mac Pro。PCIでの拡張性を重視している
M2 Ultra。プロセッサーの巨大さがわかる

なお、Mac Proはインテル版とサイズが「あえて全く同じにしてある」(アップル説明員)という。仕事環境の中でそのままインテル版から置き換えることを想定してのものだ。

西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、週刊朝日、AERA、週刊東洋経済、GetNavi、デジモノステーションなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。
 近著に、「顧客を売り場へ直送する」「漂流するソニーのDNAプレイステーションで世界と戦った男たち」(講談社)、「電子書籍革命の真実未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「スマートテレビ」(KADOKAWA)などがある。
 メールマガジン「小寺・西田の『マンデーランチビュッフェ』」を小寺信良氏と共同で配信中。 Twitterは@mnishi41