ただ歩いてゆく旅

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2013年 04月 21日

そして鹿児島とお別れ

【これまで歩いた総距離数】 3,970km

【現在地】 鹿児島県 屋久島

【旅の行程】
屋久島 ライダーハウスにテント泊 











打ち解けた頃にやってくるのがお別れ、出発前日はY兄弟のアパートで最後の晩餐をしてくれた。
フミさんがこの冬一番通った思い出の場所だ。
Y弟さんは、この日も一日休みを取って部屋の掃除や料理の準備をしてくれ、えいこさんや
風邪が直ったばかりで忙しい奥さんも夜に駆けつけてくれた。
Y兄さんも、まだ病み上がりなのに仕事が終わった遅い時間に参加してくれて、私もなんだかもう
ずっと前から一緒に飲んでいた仲のような気分だ。
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出発の朝、いつものように慌てて準備する。
屋久島へ向かう為の買い出しやら何やら、いつものようにモタモタして翌朝まで持ち越してしまったのだ。
そして重大な問題が発覚。
私のカートの補強材がナイ!これがないとカートはすぐに折れ曲がり運転不可能、ということは旅も不可能。
カートメンテ担当のフミさんが慌てふためく。

ちょうどそのとき、準備の進み具合を心配して顔を出しくれた奥さん、中園さん、Y弟さんがが来てくれ
フミさんに代わって、どうするべきか話し合ってくれている。
奥さんが溶接の得意な明廣建設の人に電話して、現場から来てもらうことになった。




市成さんは、カートの問題部分を見てどんな道具で、どこを加工したらいいのか一瞬で判断した。
すぐに中園さんが、足りない部品を買いに走ってくれる。
申し訳なさ過ぎて、どうしてよいのか分からず、さらにあたふたする私達。





弱い部分を固定するのは簡単だが、折りたたむ必要もあるため、補強しつつ取り外しも出来なければならない。
元々あるカートのネジの部分を利用して、スチールの板をはめ込むことになった。
板という考えは思いもよらない。
板は横からの力には弱けど、縦にかかる負担には強いし軽いそうだ。
なるほど。





サイズを測り
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切り取って
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穴を開けて
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と、書くのは簡単だが見本も何もない物を作りあげるには、起用な手先と柔軟な発想と頭が必要だ。
市成さんは仕事中だったにも関わらず、気持ちよく引き受けてくれた。
完成
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作業もひと段落し、私は一度事務所に戻る。
その頃、フミさんは数日前にリサイクルショップで買った自分のカートの補強作業もしてもらっている。
すでにこのとき、フミさんの信じられない失態の種は蒔かれていた。
しかし悲しいかな誰もその現場を目にしてない。
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私は、出発直前になってカートを買い、しかも試運転もしていないフミさんに、不満を言っていた。
二人が喧嘩をする原因の60%は、事前に準備しておきたいたちの私と、そのときになってからするという
フミさんとの考え方の違いから始まる。
ああした方がいい、こうした方がいいと口は出すが、結局のところ実際に作業をしてくれるのは
フミさんだったりする。







出発時間も迫って来ていて、フミさんのカート補強は出来る範囲でして頂いた。
カートを車に積み込んで、お騒がせさせてしまった皆さんも、間に合った~と安堵のため息。
あ~このときに時間が戻せれば・・・・。
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あび~る館の番台で記念撮影。社長も来てくれた。
社長はフミさんの前だと、お前はまったくなあ・・・と小言を言いながら、いないところで
「お前ほんとに行くんか・・・」寂しげだったりする。
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Y弟さんが、あび~る館のワゴン車でフェリー乗り場まで運転してくれる。
風邪を引いてしまったのに、片道1時間半の道のりだ。奥さん、中園さんも一緒に来てくれる。
あび~る館のスタッフの方に見送ってもらい、さあ出発だ。
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途中、えいこさんの家の前を通る。
えいこさんも風邪を引いてしまったのに、出てきて見送ってくれた。
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次は、Y兄さんがパチンコ店から出てきて手をふってくれる。
あまりの速さで写真を撮り損ねた。
Y兄さんごめん。






車を走らせ、今度は図書館の皆さんも集まってくれて
フェリーでのご飯や、いちごなど、また差入れを頂いた。
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いよいよお別れなんだなあ、感傷的な気分で窓からの景色をみていると。
奥さんの携帯が鳴った、市成さんからだ。
「作業場に何か大きな荷物がある?」「え?忘れもの!?」
車内は一瞬静まり返る
フミさんは忘れ物なんかしてないけど?と、おとぼけ顔だ。
もう一度聞いてみる
「ホントに何も忘れてない?」
「あああ~~~~~」
「あ~何だ?」
「ひょっとしたら、テントと・・・調味料、食料ボックスも」

一同唖然・・・・。

またしても市成さんが高速を走らせ、フェリー乗り場まで届けてくれることになった。
申し訳無さ過ぎて、恥ずかし過ぎて何も言えない。

フミさんは自分のカートを修理してもらうときに、積んであったテントが(リコール対象で新品に
なったばかり)汚れないよう、奥まったところに置いてそのまま忘れてしまったそうだ。

結局、出発時間には間に合わないので、フェリ乗り場受け取ってもらい、発送してもらうことになった。





感傷的な気分もすっ飛んで、フェリー乗り場到着。
スライドショーにも駆けつけてくれたトミー&ジュミーさんも見送りに来てくれていたのに、ゆっくり話す
間もなく、なんだか最後の最後までドタバタ珍道中だ。
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フェリーに乗り込んですぐに外へ出てみると、皆が笑顔で手を振ってくれてる。
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汽笛が鳴って、船がゆっくり、ゆっくり進んで離れてゆくと、じわじわ最後なんだなって気持ちになって
あんまりゆっくりだから、出会ってからのことや親切にしてくれたことが思い出されて切なくなってしまった。
もう誰も笑顔じゃない。
奥さんが涙を拭ってる姿もまだ見えて、船の別れって悲しい。
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冬の半年間を一緒に過ごしたフミさんは、しばらく皆のいる方を見つめたままだった。
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終り

今日から2泊3日で屋久島の山を縦走してきます。
ブログの更新は4日後くらい?





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一緒に歩いている歩き人ふみのブログはこちら「歩き人ふみの徒歩世界旅行 日本・台湾編」

by ayumiaruki | 2013-04-21 12:39


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