ただ歩いてゆく旅

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2024年 07月 20日

脊髄側湾症のパキラさん



【Total distance 】 10,439㎞

【歩いた距離】
あゆみ   10,439km  
ふみさん  27,542km

【歩いた国】
日本、台湾縦断、キューバ横断、カナダ横断、グランドキャニオン、ペルーワスカラン国立公園など

珍しく夫婦で札幌に住みながら、次の旅の資金を貯めている最中。
2019年秋に日本に帰国してからヨガとボディワークに目覚め、ただ今修行中。
次の旅はいつになるのやら。

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去年、狭いアパートからちょっと広い今の場所に引っ越したとき、観葉植物でも置いてみようと思い立った。

しかし私は1人暮らしをしていた時に、次々と植物を枯らし、観葉植物のお世話も出来ないのだから、人のお世話なんて到底無理。
生涯独身で居ようと思ったのを思い出す。


それでも諦めきれない観葉植物。
色々調べてみると、最近はフェイクグリーンという名の、人口観葉植物が本物と変わらないくらい質が上がっていて、ニトリやホーマックで安価に買えるようだった。

さっそく植物好きの母と、ホーマックへ行ってみる。
私がイメージする人口植物は、おばあちゃん家のトイレや、中華屋さんのテーブルにある、埃をかぶったプラスチックの植物。
しかし今のフェイクグリーンは、遠目には本物に見えるくらいリアルでお洒落。形も整った美人ぞろいだ

種類買ったのだが、木を育てるのが好きな母は、引っ越し祝いに本物の観葉植物をプレゼントするから、家に置いてみたら?と勧める。

う~~ん・・・。
朝から植物に水とかあげるたちじゃないし(どんなたちじゃ?)虫とかわいたらイヤだから要らないと言ったけれど、母はプレゼントしたいようだし、枯れない植物代表選手のパキラなら良いかと、小さいのを一個買ってもらった。


最初は玄関に置いたままで、水もふみさんがあげる。
それでもパキラは、買ったときと変わらぬ姿で、枯れもせず、育ちもせず、そして文句も言わずに1年間玄関にいた。


ある時フミさんが
「俺が学生時代に育てたパキラは、もっとグングン葉っぱが増えた。このパキラは日に当たりたいんじゃないか?」
と言い出した。

「パキラは強いんだよ、ほおっておいても育つでしょ」


しかし、優しいフミさんは朝パキラを窓辺に置いて日を当てたり、水を多めにしたり、色々とやっている。

ある日、元気な茎をもいで、ここから葉が生えるかもと言い出した。
パキラにあまり興味のない私は、ふ~んと聞き流していた。

とある朝。
もいだ茎の根本から小っちゃい緑の芽が出た。
芽は二つに枝分かれし、毎日ハッキリと違いが分かるくらい伸びていった。
1年間、玄関で存在感のなかったパキラが、1本の茎をもだのをキッカケにライジングしたのだ。

それから私も、毎日パキラの成長を観るのが楽しみになって、玄関から食卓テーブルへとステージを変えた。
寝室に日が入れば、パキラも寝室へ移動。日が当たるよう鉢の向きを変えてあげたり、手厚く世話をしてもらうパキラ。

それに答えるかのように、米粒くらいだった芽は見る見るうちに伸びて小さな葉をつけた。
生まれたての葉っぱは、薄くて柔らかくて、守ってあげたくなるような、でも決して触れてはならない繊細さに満ちている。

朝、そんな若葉の始まりを観るのがますます楽しみになった。

この繊細な若葉には直射日光の刺激は強すぎる。
優しい日差しになるよう向きを変えようとしたら、カーテンが若葉に少しだけ触れてしまった。

破けたか?!
冷や冷やしたけど、見た感じは大丈夫そうだった。


しかしその葉は成長するにつれて、そのときの傷がしっかりと葉に浮き出てくるようになった。
他の葉は真っすぐと伸びるのに、傷を負った葉の芯(葉脈)は傷をかばうように曲がり、成長とともにカーブは強くなる。

まるで成長期に背骨が曲がる側湾症のようだ。
自分を投影して、愛着が強くなる。


葉脈は中心線が主脈、葉っぱに伸びているのは側脈といって、茎から通ってくる水分や養分を葉に運ぶ重要な役目を担っている。

まさに人間の背骨のようでもあり、土台(根)がしっかりしていれば、曲がろうが、傷があろうがそれに対応して成長する。

植物、生物だけじゃなく万物に共通している法則なのかと考えてしまう。





脊髄側湾症のパキラさん_a0115762_12575314.jpeg










傷がある側の葉っぱは、短いの分かるかな?

そして葉っぱは、五枚なんだよね。
陰陽五行論も五、ゴレンジャーも5。

5枚の葉の大きさの違いも絶妙だ。自然界が作った完璧なバランス。

フェイクグリーンだったら、こんなに穴が開くほど眺めたりはしなかっただろ。
脊髄側湾症のパキラさん_a0115762_12571850.jpeg



それにしても面白いものだ。
買ったときは、こいつは強いから大丈夫だと、玄関にほったらかし。
無関心のネグレクト状態。

それがある日、枝をもいだことから突然ライジングしはじめ、毎日成長するもんだから気になって、さらに目をかけてあげたくなる。
私の不注意で傷を負い、そんな傷を負っても健気に成長するものだから、もう可愛くてしょうがないという。

あるよね~~~
存在感ゼロだったアイツ、いつどんなきっかけで成長するか分からないもんだよね~

水をあげれば、あげるほど成長する時期、あるよね~~

そんな時期って、見守ってる方も嬉しいよね~

考えると、パキラのライジングは、勇気をもって「捨てる」ところから始まったというのも感慨深いよね~~
変化せず、そのまま玄関に居ることも出来たけど、フミさんが元気な枝を「捨てた」ところから始まったからね。

お世話しながらも、パキラさんから発見する喜びを得ている私達




偉大な哲学者、物理学者、科学者、神学者、僧侶、武道家が、一人静かに自然界の、ことのなり方を観察し、そこから発見し学ぶという記述をよく目にするけれど、下手な啓発本よりも、このパキラから学ぶことの方がよっぽど多いのではなかろうかと、フェイクグリーンを買った私が言うのもなんだが思っている。

本物を買ってくれた母に感謝せねば。
やっぱり昔の人が言うことは、一理あるんだな。

フェイクグリーンは合理的だが、そこから学ぶことは無い。










毎日特等席で気持ちよく日光浴しているパキラさん。
現在フェイクグリーンは、壁の奥でひっそり。

脊髄側湾症のパキラさん_a0115762_12573689.jpeg









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by ayumiaruki | 2024-07-20 12:55


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