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子どもの頃に親から「心理的コントロール」を受けると、大人になってからの精神的な健康に悪影響する。 5千人以上を対象に検証 英国、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのマイ・スタッフォード氏らの研究グループが、ジャーナル・オブ・ポジティブ・サイコロジー誌において2015年9月に報告。同大学が紹介している。 研究グループは、13歳から64歳の5362人を対象として、精神的な健康について検証した。1946年から追跡調査している。 25項目のアンケートで親の子どもへの関与について調べている。世話、心理的コントロール、行動的コントロールについて調べ、親子の絆について評価した。 「意思決定させない」など悪影響 子どもに影響するものとしないものがあった。 親から温かさをはじめ反応が示されていると、成人期の初期、中期、後期での人生の満足感が高く、精神的な健康に優れていた。 その一方、心理的に子ども
ビタミンCのサプリメントを毎日取ることは、定期的な運動と同じくらい心血管に効果があると報告されている。 太り過ぎや肥満の大人で検証 米国コロラド大学のケイトリン・ドウ氏が、生理学系の学会である第14回国際エンドセリン学会において2015年9月に報告。米国生理学会が紹介している。 研究グループは、太り過ぎや肥満の大人の血管では、小血管を収縮させるタンパク質である「エンドセリン1」と呼ばれるホルモンの一種の働きが高まっていると説明する。 エンドセリン1の働きが高いため、血管はより収縮しやすくなる。血流がうまく確保できなくなるので、心臓病のリスクを高める状況になる。運動はエンドセリン1の活性を抑えるので、運動には意味がある。 研究グループは、運動を続けるのが難しいときに、血管機能を高める役割としてビタミンCの効果に注目。エンドセリン1の働きを下げるか調べている。 血管の収縮を減らす ビタミ
12月12日、私は東京で、研究倫理に関するシンポジウムを傍聴していました。 少し疲れてスマートフォンを覗いてみると、ある情報がソーシャルメディア上で飛び交っていることに気づきました。 「STAP細胞はやっぱりあったのか!?」 「小保方さんは正しかったことを海外の研究者が証明し、論文が『ネイチャー』に掲載された!」 結論から述べると、ここで飛び交った情報にあるような理解は誤りです。 「損傷」という刺激で「多能性様細胞」ができた、が…… 根拠とされている論文は「損傷によって誘導された筋肉由来幹細胞様細胞群の特性評価」という題名で、米テキサス医科大学の研究者らがまとめ、『ネイチャー』と同じ出版社が発行する『サイエンティフィック・リポーツ』という電子ジャーナルに掲載されたものです。 題名からわかる通り、この論文は、マウスから採取した筋肉の細胞を「損傷」させて刺激したところ、多能性幹細胞、
コンピューターの作曲の力が、人間の水準に近づいているようだ。 人間が作ったように聞こえる 米国エール大学が2015年8月に紹介しているもの。 同大学のドーニャ・クイック氏らが開発した作曲用音楽ソフト「クリッタ(Kulitta)」のこと。 報告によると、100人以上の人に、人間が作曲した曲と、クリッタを含むコンピュータ・ソフトで作曲した曲を合わせて40フレーズ聞いてもらい、「絶対に人間」から「絶対にコンピューター」まで、7段階で採点してもらっている。2回のテストを行ったところ、クリッタの作った曲は、平均的に人間が作曲した曲にランク付けされていたと説明している。 さらに、開発者の指導者が行った公演で、クリッタとJ.S.バッハの作品を並べて聞いてもらっている。聴衆にどちらが作った曲かを当ててもらったところ、音楽に詳しい人の中にも間違える人がいたという。 学んで作曲 クリッタは過去に中央アジ
大腸がんの少ないアフリカの人に、2週間だけ食べものを変えてもらったところ、またたく間に大腸がんになりやすい腸の状態に変わってしまった。 食事の影響は怖い。 米国ピッツバーグ大学医学部を含む、英国、フィンランド、南アフリカ、オランダの国際共同研究グループが、オンライン科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ2015年4月28日に報告した。 大腸がんに国による差 南アフリカの農村地域では1万人当たり5人未満で、がん化する場合もある大腸ポリープすらめったにない。一方で、アフリカ系米国人では、大腸がんの発生率は1万人当たり65人と10倍以上もの開きがある。同じアフリカを起源とするにもかかわらず大幅に異なる。西洋ではがんによる死亡で2番目に多いのが大腸がんだ。 いったいこの差は何なのか。 研究グループは食事に原因を求めた。 アフリカ系米国人の食事はアフリカの食事より動物性のタンパク質と脂質が
このたび免疫を抑える薬である「抗TNF薬」による治療を受けた5人に1人で何らかの皮膚の病気が発生すると分かった。 抗TNF薬の用量が多いと皮膚感染症のリスクが高くなっていた。 約580人を追跡調査 フランスのナンシー大学病院の研究グループが、消化器病の専門誌アメリカン・ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー誌オンライン版で2015年8月号に報告したもの。 抗TNF薬は、TNF阻害薬や抗TNF-α抗体などとも呼ばれる。腸や感染などの炎症を抑える薬で、サイトカインと呼ばれる炎症に関わるTNFを標的として効いてくれる。 研究グループは、1カ所の医療センターで抗TNF薬による炎症性腸疾患の治療を受けた成人約580人を対象として、皮膚の病気全体、皮膚感染症、乾癬の累積発生率と危険因子を調べた。 皮膚疾患で投薬中止も 1カ月~約15年追跡した間に、約180人(20%)が皮膚の病気を発症した。
知的障害を持つアスリートを対象に、無料の歯科治療を行う。 そんな取り組みが海外で行われているようだ。 歯学部の教員ら100人以上が取り組む 米国、南カリフォルニア大学歯学部のオストロー校が8月に報告しているもので、100人以上の教員と学生が、スペシャルオリンピックスのヘルシー・アスリート・プログラムの一環として、アスリートたちに無料の歯科治療を行ったという。スペシャルオリンピックスは、知的障害を持つ人を対象としたスポーツの大会となる。 7日間におよぶ期間中、治療を受けたのは360人。300人以上に抜歯、およそ150人に歯の修復、20人に歯管の治療が行われた。 知的障害を持つアスリートに対して、抜歯、修復、歯管を含むこのような包括的治療が無料で行われたのは初めてである。 歯のクリーニングも 複雑な治療だけでなく、歯科衛生の学生たちは200人以上の歯のクリーニングを行い、600人以上に歯
広島や長崎の原爆の被爆者の子どもについて調査を行ったところ、62年後に健康被害を示すものはなかったと報告されている。 被爆者7万人超の子を調査 広島市の放射線影響研究所の研究グループが、ランセット・オンコロジー誌2015年10月号で報告した。 研究グループによると、人が放射線を浴びたことでどの程度の遺伝的影響があるかは、明確な報告はなかったという。 妊娠前に大量の放射線を浴びた人の子どもが成長してからの死亡率を調査したものもないようだ。 研究グループは62年間の経過観察を行い、原爆生存者の子どもの死亡率を調べている。 約7万5000人の、広島と長崎の原爆生存者の子どもについて調査した。 1946年から1984年に生まれた人を対象に、2009年12月31日まで経過を追い、がんとがん以外の原因での死亡について調べた。 原爆の影響は見えず 経過観察を行った結果、5183人が病気により死
このたび性的な行動が女性ホルモンに影響を及ぼして、月経周期で変動する免疫に影響していると分かった。 妊娠しやすさとのトレードオフにつながっているかもしれない。 行動は影響? 米国インディアナ大学の研究グループが、不妊や生殖分野の国際誌であるファーティリティ・アンド・ステリリティ誌のオンライン版で2015年9月15日に報告した。 これまでの研究によって、女性は月経周期に沿って免疫の働きには変化が見られていると分かっている。 月経の後の「卵胞期」(濾胞(ろほう)期ともいう)には、「Th1」というタイプの免疫細胞の働きが高まる。異物に抵抗する「ヘルバーT細胞」に入るもの。排卵後の「黄体期」には「Th2」というタイプの働きが高まってくる。 Th1とTh2は、バランスを取っている。異物への抵抗の仕方が変わってくる。 妊娠は、胎児という自分とは異なる生命を体に宿すもので、免疫との関係も深いと
失業の就業促進で、ポジティブな姿勢をはじめ、精神面の変容を求めるのは適切か。 海外で問題視する動きがあるようだ。 「前向き」な態度を強制 英国ウエルカム・トラストとロンドン大学バークベック・カレッジの社会科学の研究グループが、医学人文科学の国際的専門誌メディカル・ヒューマニティズ2015年6月号に報告しているもの。 失業の就業促進では、「意欲の欠如」や「労働に対して心理的に抵抗がある」などと決め付けるような指導がありがちと指摘する。 研究によると、就業促進の技能教育において、「ポジティブ・シンキング」を奨励したり、「あなたの態度を変える」と練習を求めたり、本人の同意が乏しい中で進め、結果として、心理的な負担をかけている問題が起こり得ると見る。 就業促進の趣旨外れるか 実際に、給付金の承認をバックとして技能講習、自己啓発ワークショップ、講習会などに参加させて、「楽天主義」「自信」「願望
このたび、人間の胸の組織を分析したところ、「ウシ白血病ウイルス感染」と乳がんに関連性があると分かった。 ほぼ全ての牛乳に存在 米国カリフォルニア大学バークレー校/デイビス校の研究グループが、オンライン科学誌プロスワン(PLoS One)で2015年9月2日に報告。同大学も紹介している。 研究グループによると、ウシ白血病ウイルスは、乳牛/肉牛の血液細胞や乳腺に感染して白血病やリンパ腫を引き起こす「レトロウイルス」と呼ばれるタイプのウイルス。世界中の畜牛で見られるという。感染した血液や牛乳を介して、感染するものではあるものの、牛で実際に病気になるのは感染した畜牛の5%未満と低い。 牛乳は農場全体で集められるため、2007年の米国農務省の調査によると、乳牛500頭以上の農場では100%、100頭未満の農場でも83%が、ウシ白血病ウイルスに感染している「陽性」と確認できるという。 研究グルー
広く使われている抗うつ薬であるパロキセチン(一般名、商品名はパキシル)は、若くしてうつ病を患う人にとって「安全でも有効でもない」と報告されている。 有力医学誌BMJ誌が再検証結果を2015年9月16日に報告している。 「元の論文は無効」 オーストラリアのアデレード大学の研究グループによる再分析に注目している。 今回の報告によると、2001年にスミスクライン・ビーチャム、今はグラクソ・スミスクライン(GSK)が、「研究329」として知られる研究に資金を出し、抗うつ薬のパロキセチンとイミプラミン(一般名、商品名はトフラニール)という2つの薬が、若い世代の大うつ病性障害、いわゆるうつ病に有効であるか、安全であるかをニセ薬(プラセボ)と比較。ここではパロキセチンが青年層に安全で有効と結論付けられた。若い年齢層の精神分野の専門誌であるアメリカン・アカデミー・オブ・チャイルド・アンド・アドリーセン
長時間労働では死亡率が20%上昇するようだ。米国ハーバード大学の研究者を中心とする研究グループが報告したもの。 日ごろの働き方に気を付けたい。 死亡率や病気とストレスに関係は? 行動科学や政策についての専門誌であるビヘイビアル・サイエンス・アンド・ポリシー誌創刊号(2015年春号)で報告しているもの。 職場のストレスにはいろいろあるだろう。仕事が不安定であるほか、家庭と仕事の板挟み、仕事上の要求水準が高い、長時間の労働など。 研究グループは過去の研究228をまとめて分析している。 4つの健康問題に注目してストレスとの関係を調べている。4つの健康問題とは、「何らかの病気の診断を受けた」「自分が肉体的に不健康であるという自己申告」「自分が精神的に不健康であるという自己申告」「死亡率」。 要求水準高い仕事で病気が35%増 仕事のストレスの影響で、病気も死亡も可能性は高まるようだ。 仕事
魚をよく食べる人は食べる量の少ない人と比べて、うつの危険性が低くなるようだ。 過去の研究をまとめた 中国の青島大学の研究グループが疫学の国際誌であるジャーナル・オブ・エピデミオロジー・アンド・コミュニティー・ヘルス誌のオンライン版に2015年9月10日に報告した。 魚を食べるとうつの危険性を変化させるか、研究グループは過去の研究データをまとめて分析した。 対象としたのは、2015年3月までの全ての関連する研究。パブメド(PubMed)、エンベース(EMBASE)のほか国際的なデータベースに基づいて文献を抽出している。 うつの危険性は8割程度に 研究グループは26の研究を選び出し、合わせて15万278人分のデータをまとめた。 魚を最も多く食べているグループと、最も少なく食べているグループを比べると、食べているグループではうつの危険性が0.83倍に低下すると分かった。 研究の方法によら
ナッツを食べることにより、がんによる死亡率を下げ、原因を問わない死亡率も下げると分かった。 そう頻繁でなくとも効果が出る可能性もあるようだ。 平均4.3年の追跡調査 イタリアIRCCS神経医学研究所のマリアローラ・ボナッチオ氏らの研究グループが、栄養学の国際誌ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション誌2015年9月号において報告している。 研究グループによると、ナッツは炎症を防いで、脳血管疾患のリスクや死亡率を下げると見なされてきた。 研究グループは、1万9386人を対象として追跡調査を実施。ナッツと死亡率との関連を検証した。 地中海食の習慣ないと効果目立つ ナッツを食べていると死亡率が下がるという結果になった。がんによる死亡率が下がっていた。 平均4.3年の追跡調査の間、原因を問わない死亡者数は334人。ナッツを食べていなかった人と比べて、たまに食べる人(1カ月に2回以
農場で生活する子どもではぜんそく(喘息)やアレルギーが少ない。 このたびその理由の一端が分かった。 アレルギー予防のヒントになりそうだ。 微粒子の影響に注目 ベルギーのゲント大学、フランスのエクス=マルセイユ大学を含む研究グループが、有力科学誌のサイエンス誌2015年9月号で報告した。 研究グループによると、酪農場で育った子どもがぜんそくやアレルギーを発症することはめったにない。 気道に軽い炎症を起こす微粒子が、肥料や家畜のえさの周りにただよっているからと見られている。研究グループはこのプロセスに注目した。 農場のチリにさらされると変化 研究グループは動物実験によって、ネズミを農場のチリに2週間さらして、さらにチリにさらされたときのアレルギーの起こりやすさを確認した。 農場のチリにさらされた場合とさらされない場合で反応は差が生じた。 チリにさらされると、気道の免疫細胞が、農場の
抗菌薬が効かない耐性菌の増加が世界で問題になっている。 このたびの調査で、低中所得国では、正規ルートで薬を得るときに払う価格が上がるほど、耐性菌の増加につながっていると判明した。 どうやら、裏ルートで利益目的で抗菌薬を処方しまくる闇医者が一枚かんでいるようだ。 耐性菌によるダメージ大 米国スタンフォード大学を中心とした研究グループが、感染症分野の有力医学誌ランセット・インフェクシャス・ディジーズ誌で2015年7月8日に報告した。 抗菌薬が効かない「耐性菌」によるさまざまな感染症の拡大は、世界的に公衆衛生上の大きな問題となっている。 特に、衛生状態が良くない低中所得国では、耐性菌が出現した場合に感染が広がりやすい。また、耐性菌を殺せる新しい薬は高くて手が届かないなど、耐性菌によるダメージを受けやすい。 なぜ耐性菌が出現するのか? 研究グループは、低中所得国で耐性菌が出現する理由につい
風邪のウイルスを使った実験から、睡眠不足で風邪を引きやすくなると確認された。 あえて風邪のウイルスを鼻に 米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校の精神科の准教授が、カーネギー・メロン大学のシェルダン・コーエン教授の協力を得て行った研究で、眠りに関する専門誌スリープ誌オンライン版で報告しているもの。カーネギー・メロン大が8月に紹介している。 対象としているのは成人164人。2カ月間、人間ドック、インタビューおよびアンケートを行い、ストレスのほか、性格、飲酒や喫煙などについての情報を集めた。 その上で、参加者の睡眠パターンを7日間、腕時計型のセンサーを使って追跡し、夜の間の睡眠時間と睡眠の質を測定した。 さらに、研究グループは参加者をホテルに隔離して、点鼻薬であえて風邪のウイルスを投与。1週間、状況を見ている。毎日、粘膜のサンプルによって、ウイルスが定着したか確認した。 寝るのが一番
16歳から25歳の全妊娠女性にクラミジア検査を行うべし。 母親や赤ちゃんの合併症を防ぐことができて、費用に見合うような効果も見込めそうだと分かった。 オーストラリアからの報告だ。 クラミジアだと赤ちゃんが危ない オーストラリアのメルボルン大学を中心とした研究グループが、産婦人科学の専門誌インターナショナル・ジャーナル・オブ・オブステトリクス・アンド・ガイナコロジー誌で2015年8月26日に報告した。 研究グループによると、オーストラリアでは、クラミジアが最も多い性感染症の一つであるという。クラミジア・トリコマチスという細菌が、女性では膣や子宮、男性では尿道に感染する。喉に住み着く場合もある。 オーストラリアでは、16歳から25歳の年齢層ではクラミジアの感染率は3%から14%と説明する。 クラミジアでは子宮に炎症が起きるため、妊娠中のクラミジアは母親と赤ちゃんに悪い影響をもたらす。
再婚や死別などによって、血縁のない親子、兄弟などが一緒に暮らす家族「ステップファミリー」。 子どもへの虐待に伴うけがが問題になる場合もあり、養父母からの虐待が問題視される向きがあるかもしれない。 このたび家族構成とけがとの関係を検証したところ、例えばステップファミリーのような家族構成そのものはけがのリスクとは無縁と分かった。 リスクを上げる要因は別にあった。対策を考えるためには大切な視点を提供してくれそうだ。 家族構成は子どものけがに影響? オーストラリアのアドレード大学を中心とした研究グループが、子どものトラウマ対策に関する専門誌ジャーナル・オブ・チャイルド・アンド・アドレセント・トラウマ誌2015年9月号で報告した。 研究グループによると、ステップファミリーでは養父母による子どもの虐待が問題となる場合はある。1980年代から「シンデレラ効果」と呼ばれている。 家族構成と子ども
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ったがん治療が、実現へと近づいているようだ。 東京大学医科学研究所をはじめとする研究グループが報告したものだ。 iPS細胞でがんを殺す細胞に 東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センターの中内啓光教授、安藤美樹日本学術振興会特別研究員RPDらの研究グループが行った研究によるもの。8月28日に同大学が発表した。 iPS細胞は「万能細胞」と呼ばれるように、何にでも変われる細胞。大人になった細胞をリセットして作り出す。研究グループはiPS細胞から、がんを攻撃できる「キラーT細胞」を作り出している。 iPS細胞の課題は、がんを攻撃する細胞だけではなく、いわば暴走してiPS細胞そのものががんになる心配があるところ。iPS細胞は不要な分は、効果的に取り除く技術も必要になる。 研究グループはiPS細胞から作ったキラーT細胞で動物実験を実行。ネズミの体内にある腫瘍を縮
「食品のカロリー計算を止めよ」 そんな論説が英国の医学誌に掲載されている。 「禁煙よりも栄養改善」 3人の研究者が、英国の有力医学誌BMJ誌の関連誌で、オンラインで心臓関係の医学論文を掲載するオープンハートの論説記事として2015年8月27日に報告しているものだ。 単純にカロリー計算を止めろと言っているのではなく、これからは食品の栄養価の往生へと注意を転換すべきだと訴えている。栄養価を高める発想の方が、心臓や血管の病気と死亡を減らして、肥満を抑える効果が高いと見るからだ。心臓や血管の病気とその原因による死亡を早急に削減し、増加する肥満を抑えると伝えている。 研究者は、科学的な根拠に基づいて検証を続けた末に、喫煙を止めるよりむしろ、食事の変更こそ健康を改善するために重要であるというところまで考えが固まったとまでも報告している。 産業が医者に影響力 栄養含有量の大切さが分かっているにもか
「あれ?何を届けるか忘れてしまった」「どこに置いたんだっけ?」 一口の記憶といっても、記憶の内容によって、脳の担当している場所は全く異なるようだ。 アルツハイマー病の謎を理解する助けになるかもしれない。 福島県立医科大学と広島大学の共同研究グループが報告している。 脳の神経細胞を取り除く影響を調べる 福島県立医科大学の小林和人教授、西澤佳代助教、小林とも子研究員と広島大学の坂田省吾教授、岡田佳奈研究員らの共同研究グループが手掛けたもので、8月6日に福島県立医科大学と広島大学が発表している。 人は、一度見た物や見た場所を記憶にとどめて、思い出すことができる。アルツハイマー病の人では初期症状としてこの一度見た物、見た場所の記憶がうまくとどめられなくなる。 ここに関わるのは、「アセチルコリン」と呼ばれる神経伝達物質を放出するタイプの神経細胞と考えられている。 研究グループは動物実験に
従来の目薬と比べてわずか100分の1の量の薬で目の病気が治せるかもしれない。 米国ジョージア工科大学とエモリー大学の研究グループが、インベスティゲイティブ・オフタルモロジー&ビジュアル・サイエンス誌2014年9月号で報告したものだ。 安全で副作用も少ない 対象となったのは、ここでは緑内障という、目の中の圧力が高まる病気。出血すると失明の恐れもある。 研究グループは、微細な「マイクロニードル」と呼ばれる長さ0.7~0.8mmの細い注射針で薬を目に直接注入する。眼球の強膜(一番外側の膜)と脈絡膜(その下の膜)の間の空間に薬を入れていく。 研究グループは、ウサギで目の圧力への効果を検証。100分の1の薬剤量で同じ効果を実現した。 確かに従来の目薬はほとんどこぼれていて、無駄も多いと見られる。新しい方法として注目されそうだ。 文献情報 Kim YC et al.Targeted deliv
最近、目がショボショボ、ぼやけて見にくい。 年を取ると多くの人が白内障や緑内障などさまざまな目の病気は身近になる。いわゆる老眼だけではないようだ。 そうならないうちに、治療法など知っておきたい。これまでのMedエッジを振り返ってみる。 白内障の手術を行うタイミングは 白内障は、目の水晶体と呼ばれる部分が白く濁ることによって目がかすんだり、ぼやけて見えたりする病気だ。治すためには手術するしかないと言われる。 しかし、白内障だからといってすぐに手術をしなくてはいけないというわけではないようだ。多くの人が加齢とともに白内障になると言われ、日常の生活に特に問題がなければ様子を見た方が良いという。 米国眼科学会は、白内障手術を行うかどうかは、以下の4つの質問に当てはまる場合に行うと良いとしている(白内障手術のタイミングは?4点の検討をを参照)。 1.白内障によって日常生活や職業上の活動に支
日本では、総コレステロール値が上がり続けているにもかかわらず、冠動脈心疾患による死亡率は下がり続けていると分かった。 米国、ピッツバーグ大学公衆衛生大学院の関川暁氏らの研究グループが、疫学分野の国際誌であるインターナショナル・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌において2015年7月16日に報告している。 なぜ日本だけ? 研究グループによると、1960年代に世界7カ国が参加した「7カ国研究」において、日本は冠動脈心疾患による死亡率が低く、総コレステロール値が相対的に低いことに起因すると報告された。 米国への日本人移住者を対象として1970年代に行われた研究では、冠動脈心疾患率の高まりが認められて、日本人の生活様式が欧米化するに従って冠動脈心疾患による死亡率も高まることが予測された。 不思議なことに、1970年以降、冠動脈心疾患による死亡率は下がり続けている。 世界の病気発生を調査 研
写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Wojtek Kogut Photography/クリエイティブ・コモンズ表示-2.0 一般) 信頼していた友人に裏切られる。避けたい事態だろう。 このたびオンラインゲームのやり取りを分析した結果から、仲間内で裏切りがありそうになると、やりとりで使われる言葉に微妙な変化があると分かった。 同盟を組むゲームで検証 米国コーネル大学を含む研究グループが、中国の北京で開催されたコンピューター言語協会(ACL)第53回年次総会(2015年7月26日〜31日)で報告。同大学が紹介した。 研究グループが使ったのは、第一次大戦前の欧州を舞台に覇権を争う「ディプロマシー」というゲームのオンライン版。 日本で言えば、戦国時代の戦国大名の役を演じて、国取りをするゲーム。欧州のフランスやドイツなどを担当して、戦争をする。勝敗は運ではなく自軍が持つ力で決
わが国の科学政策に関わる研究者や官僚なら読んだ人がいると思う。 今年4月27日に米国科学アカデミーの年次総会で会長のラルフ・J・シセロン(Ralf J Cicerone)が行ったスピーチのことだ。 私たちが当たり前のように軽く口にしていた「科学研究の再現性」の問題について、科学界の危機としてとらえた優れた演説だった。 科学の再現性に危機あり 特にこの中で、彼が紹介していた2つのプロジェクトが興味を引いた。 その前段として、2013年にエコノミストの記事で指摘された、重要ながん研究論文の実験をアムジェンやバイエルなどの製薬会社が再現したところ、53論文のうち6編の結果しか再現が取れなかったという再現性の危機の問題があった。 2つのプロジェクトとは、科学界ががん研究と心理学研究の再現性を確かめる研究(Reproducibility project: Cancer Biology、Psy
海外で虫刺されと言えば、蚊も問題になるが、南京虫も問題になる場合があるようだ。 トコジラミという虫で、寝ているときに刺してきて、強いかゆみを引き起こす。 このところ米国では虫が急増中で、「来襲」が増えているという。日本からは外務省も米国に限らず海外での被害に注意を促している。 予防策もあるようで、海外滞在の際には参考にしたい。 帰ってきた南京虫 今回、米国ベイラー医科大学の研究者が南京虫対策の情報を提供している。米国皮膚科学会がこの8月にその内容を紹介する。 研究者によると、南京虫の数が米国全体で過去数年間にわたって増加している。 旅行者が「来襲」の被害に遭う場合も珍しくないようで、このところの増加は南京虫の「復活」ととらえられるようだ。 ゴキブリ退治が思わぬ影響 一つの要因は、殺虫剤の禁止の動きがある。「DDT」と呼ばれる過去の殺虫剤が、化学薬品の人や環境への害のため使えなくな
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