ヴァーミリオン / キット・ダウンズ
次世代のUKジャズを担う逸材と期待されているピアニスト/キーボードプレーヤーのキット・ダウンズ。
欧州の名門レーベルECMから、3作目のアルバムをリリースした。
なかなか表現の幅の広いひとで、2018年リリースの『Obsidian』は、教会のオルガンをメインにした作品。
2019年リリースの2作目『Dreamlife of Debris』では、オルガンとピアノの両方を駆使し、サックス、ギター、チェロ、ドラムスを加えたクインテット編成だった。
そして今回の『Vermillion』はピアノトリオ。
長年の盟友であるベースのペッター・エルド、ドラムスのジェームズ・マドレンを迎えての作品だ。
演奏は、いかにもECMのピアノトリオらしく、静謐で端正で、美しく、知的。
ただ淡々と流れるかといえばそうではなく、コードワークやアクセントの入れ方に独自のセンスと技があり、ときおりハッとさせられる。
次のアルバムはデュオか、ピアノソロか。
いずれにしても、まだ35歳という若さ。
これからのキャリアが楽しみな逸材だ。
全曲You Tubeで聞けるが、やはりこれは良い音、良いオーディオで聴きたい。
<了>
そのほかのジャズアルバム紹介記事はこちら