全篇、著者が、重度障がい者の権利擁護運動を経て、「重度訪問介護」ビジネスを展開するに至るまでの経緯が描かれている。
「幻冬舎メディアコンサルティング」という出版社は、これまで、詐欺的商法も含めて、福祉ビジネスを展開してきた者の、自己宣伝やポジショントークを垂れ流してきたわけなので、本書で書かれていることを、額面どおりに受け取るのは危険である。
著者は、自社の社員に本書を絶賛する記事を書かせたりもしているので、よけいにいかがわしさを感じてしまうのだが、著者が手かけてきた社会福祉事業が、特筆すべき画期的なものであるのか、人の善意を悪用した、カネと権力を掌握するためのエセ福祉事業に過ぎないのか、現時点では判断がつかない。
ただ、筆者の事業が、数多くの重度障がい者の自立生活を可能にしてきたのは事実であろうし、その点だけでも高く評価されてしかるべきである。今後の事業の展開に注目したい。
介護は人の役に立つ夢のある仕事」という信念のもと業界トップクラスの高収入を実現させた起業家が描く理想の福祉社会とは―。重度障害や難病があっても“自宅で暮らす”を当たり前の選択にするために重度訪問介護サービスの全国展開に挑んだある社会起業家の軌跡。
目次
プロローグ 本当の強さを求めて―福祉の道へ
第1章 重度障害者の介護へ 目の当たりにした過酷な現実
第2章 国の制度ができてもサービスが受けられない 働き手不足の重度訪問介護
第3章 誰もやらないなら自分でやるしかない 重度障害者で自宅で過ごせる介護事業を立ち上げる
第4章 利益の出る仕組みをつくり、従業員には高い給料を支払うことでサービス品質を高める 「福祉は清貧であれ」という業界の常識を覆す
第5章 会社を成長させることが社会課題を解決する 必要な人が必要な介護を受けられる社会を目指して
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