読む人によっては、答えの出ない問いについての、出口の見えない延々とした思索にしか思えないだろうが、認識の枠組み自体を問い直す思考実験としてとらえると、なかなかに興味深い内容だ。
対談集だけに読みやすい。
「生まれてこないほうが良かった」と言われたとき、あなたは何を語ることができるだろうか。反出生主義はほんとうに自殺を導かないのか?加害者であることは引き受けられるのか?日本語で哲学することは可能か?対話によって開かれる哲学とはどういうものか?―気鋭の論者とともに、生きることの深淵を覗き込む。現代における重要テーマをめぐって重ねてきた言葉たちを結晶化した対談集。
目次
第1章 生きることの意味を問う哲学×戸谷洋志
反出生主義とは何か
「生まれてこないほうが良かったのか」という問いの意味
生まれてくることは誰にとって良い/悪いのか
出生の肯定/否定を超えて―絶滅のまえに
第2章 “血塗られた”場所からの言葉と思考×小松原織香
被害者と加害者―それぞれの生のリアリティ
赦しをめぐる(結論のない)問い
「単独者」としての加害者―石原吉郎を読む
学術と「私」のはざまで
第3章 日本的なるものを超えた未来の哲学×山口尚
大森哲学との出会い
見透し線のその先
ロボットの意識とことだま論
自由意志と重ね描き
ほか
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