富士山 展望の山から樹林の山へ縦断する。
杓子山も富士山展望の名山であります。 山頂の南側は急斜面となり、間を隔てるものも無く忍野の平野の上に聳える富士山はひときわ堂々と感じられます。
隣り合う鹿留(ししどめ)山(標高 1632m)は対照的にブナやミズナラなどの大木が茂り静かであり、ノンビリしたい山である。 忍野の鳥居地峠から三山を縦走して、再び忍野の内野集落へ下る、ダイナミックで変化に富むコースを歩いて来ました。
東に向かって下り、右手のピークを目指す。
ブナ林に覆われた尾根道のアップダウンを繰り返しながら前進。
まだ、若芽の出ない明るいブナ林の中を歩くのが大好きです。
尾根の途中でコバイケイソウの若芽が見られた。 7~8月には綺麗な白い花が見られます。
子ノ神(ねのかみ)分岐に近くなった尾根上の露岩地から富士が望めた。
足元には可憐なキスミレが春を謳歌していました。
10時 55分、子ノ神分岐通過。 ここから鹿留(ししどめ)山までピストン。
鹿留山まで片道 10分だが、その道中にはミツバツツジやヤマザクラが満開でした。
11時 05分、鹿留山到着。 ブナやミズナラに覆われた山頂で、三角点のある所など平らで広々していた。
山頂の中央にはゴツゴツした樹幹のブナの老木が歴史を偲ばせてくれる。
杓子山の展望の良い山頂とは好対照の、こちらの山頂は静かでノンビリ休憩ができた。
再び子ノ神分岐(通過、11時半)に戻り、そこから立ノ塚(たちんづか)峠に向け下る。
露岩混じりの急傾斜だが、部分的にトラロープが設置されているので慌てずに下る。
厳しい下りだが日当りの良い南東斜面であり、ミツバツツジや足元にはエイザンスミレが見られた。
急傾斜の下りが 30分ほど続くが、そこを頑張れば傾斜が緩やかになり右手には富士が見えた。
12時 22分、立ノ塚峠通過。
道標の反対側の小さな松の根元に一体の野仏がたたずみ、峠の無事通過を迎えてくれた。
ここまで来れば、後は内野集落を目指してノンビリ林道を下る。
無事下山を歓迎するかのように、色鮮やかなボケやカントウタンポポが迎えてくれた。
樹林帯の中の僅かな日差しの中にクサソテツが若葉を伸ばしていた。
立ノ塚峠からの未舗装の林道下りは、登山靴に当たる土が柔らかく歩き易かった。
25分ほど下ったら舗装道に代わり、養鶏場 を過ぎてから車を停めた鳥居地峠までの舗装道歩きは暑くて参った。 13時 45分、無事、鳥居地峠駐車場に戻りました。
上の写真は今回歩いた三座の大きな山塊です。 明るいベージュの所が野焼きされるカヤト原、その上のピークが高座(たかざす)山、中央のピークが杓子山、右手のピークが鹿留(ししどめ)山です。
贅沢の極みですね。
殆ど裸木状態の尾根道に走り根、いい風景です。
私はこの山を登っておりませんが、こんなところを歩く感触は忘れておりませんよ。
感動するお二人の様子も見える様です。
意外と山なし県には面白い低山が沢山あり、中々興味深いです。
大きく有名な山々を歩いた、たかさんには低山を知らないと思いますので、これからも紹介していきます。
千五百m前後の山は、まだ若芽もなく樹間越しに景色も見えるし尾根歩きは気持ち良いです。