舟原上の大豆畑。ともかく株が元気だ。元気すぎて実が付かないか心配なぐらいだ。花もだいぶついているし、小さな身もあるから、今年はかなり行くだろう。反収で200キロを超えたことが2009年の収量で書かれている。反収150キロが全国平均。北海道が200キロ。今年は250キロぐらい行くのではないだろうか。
農の会の畑を見て歩いた。まず、家の脇の大豆畑がすごい出来である。ともかく丈が高い。1mあるものもある。これでは葉バカリ山のホトトギスかと心配になるほどだが、葉もそれほど虫に食われていないし、ともかく葉がしっかりしていて、色つやが良い。上出来ではないだろうか。
去年の 全国の平均の10a当たり収量は169kg だから、それを上回ることは間違いがない。小糸在来種という収量の少ない在来種を有機農法でさいばいしている。反収で全国平均をはるかに上回ることは、もう農の会では当たり前のようになっている。
これが専門の農家ではない者たちが、自給の為にやっている農業なのだ。手をかけさえすれば、農薬や化学肥料を使わないでも、農家より収量が上がるのは当前のことなのだ。そうでないなら、自給農業が遊び農業になってしまう。使わせていただいている、農地というものに申し訳が立たない。
溜池の一番上の畑。新しい畑だった3年前はほとんどとれなかった。一年一年収量が上がるようになった。みんなが手をかけて草とりをしていることもある。一番の原因はそば殻を繰り返し入れてきたことだろう。今年の夏の草とりはかなり大変だったが、これだけ成長してくれれば、汗を流した甲斐がある。
長野の大盛堂生産農場 の大沼さんは大豆を17ha作って、反収500キロというから驚異的。大豆は長野県や北海道の気候があっているのか。大沼さんの大豆は背丈が1.5mという。大豆も1mを超える大きさにならなければ多収は出来ないのだろう。
そこまで大きくしてどうやって実を沢山つけるかが技術なのだろう。大沼さんの品種は銀嶺で農の会は小糸在来種である。銀嶺は長野の試験場が作出した長野の気候に合った品種だ。多収も出来るという事なのだろう。いつかそんな大豆づくりまで到達したい。
9月4日の欠ノ上の10番田んぼ田んぼ。満作の出来と言える。このまま自然災害がなければ、畝取りは確実だろう。農の会の欠ノ上田んぼでは有機農業で連続的に10年は畝取りを続けている。確かに有機農業は草取りなどで手間はかかるが、有機農業の方が作物にとっては優れた栽培法だという事が、ここでもわかる。
有機農法で田んぼを栽培して、畝取りが出来ない場合は栽培法のどこかに問題がある。肥料が足りない人が多い。有機農法と言うと、無肥料とか、不耕起栽培とかについ意識が行く。何をやってもいいが、畝取りできることを目標にしなければだめだ。満作の作物が一番良い作物なのだ。
9月末が稲刈りになりそうだ。今年は凄い株の出来なのに、倒れていない。背丈は105㎝平均ぐらいだろう。止葉が50㎝で幅2㎝平均。一穂のお米の数は125粒平均はあるだろう。一株23穂以上だろう。全体で見ると、サトジマンよりもハルミの方が出来がさらに良い。倒れるギリギリの線だ。
どこの田圃も甲乙つけがたく管理が良い。全体に水管理が良かったのだと思う。間断灌水の効果だろう。畔がしっかりしているので完全な水管理が出来る。田んぼの中の均平がとれている。19ある内の15番がマンゲツモチで、いくらか倒れているのが気になる所だった。どうもウイルス病が出ている気がする。
中央の三角田んぼが種籾の田圃である。どこの田圃も良く出来ている。すべて1本植の30㎝角植である。有機の田んぼはこのように、穂が黄色みが出て来ても葉のみどりが落ちてこないで緑を保つ。この段階で葉が黄色くなる田んぼは根が弱いために、早く枯れたのだ。
最後まで根が活性化していて、活動を続けていれば、13,14,15番目の葉は光合成を盛んに行い、穂を充実させてゆくことになる。特に15番目の大きさと葉の幅と暑さが重要だ。ひこばえ農法では、この3枚でやる農業のようだ。
健全に病気を出さずに、穂を充実させるためには間断灌水が必要だと考えている。間断灌水をすることで、田んぼの後半の土壌を腐敗させずに、根に肥料を供給できるものにして置く。間断灌水の期間にとイネが花を咲かせ、受粉することには水が必要になる。湿潤土壌なら問題がない。
当然穂肥が十分になければ、穂の粒張りが多くはならない。そして、水分が18%ぐらいになるまで稲刈りはせずに粘る必要がある。最後の1週間の頑張りで、5%の収穫量が増える。1本植の苗の場合、どうしても穂の出のばらつきがある。遅れて出た穂が十分実るために時間を稼ぐ必要がある。
これは舟原田んぼの酒米の山田錦である。良い生育である。現在120㎝の背丈がある。穂数は30を超えている。この後倒さないで育てられるかどうかが課題だろう。理由は分からないが、水口の方が生育が進んでいる。水管理の問題かもしれない。
以前山田錦で畝取りしていたが、その時もこういうお化けのような株にしなければ畝取りは出来なかった。この後どう倒さないで行けるかこの後の水管理にかかっているだろう。干しのタイミングではないが、それでも一度干しを入れた方がいいのだと思う。
農の会では稲刈り前に、機械整備を行う。9月2日であった。ちょうど間に合って出ることができた。新しい、籾摺り機が来たので、その据え付けを担当した。調子は良さそうであった。ただ籾がなかったので、実際に試せなかったのがいくらか心残りであった。