午前中時間が空いたので、近くのサーフに行って「カニ網」を流してきました。
スーパーの鮮魚売場で1パイ200円位で売られているサイズです
帰りのバケツはずっしり重い♪
かつての九十九里浜では、地元のお父さん達が晩酌の肴を獲るためにカニ網を流す光景が当たり前に見られましたが、最近は高齢化で担い手が減ったのか、今日も見渡す限りルアーマンばかりで「カニ網師」は私だけでした。
簡単な道具で手軽に楽しめる海遊びです。
小さな投網を遠投磯竿で投入するライトスタイル(ガチのオールドスタイルもあります)
ターゲットは、地元ではお馴染みの食材「ヒラツメガニ(マルガニ)」。
ワタリガニの一種でガザミよりも小型ですが、外洋のきれいな砂地に生息するので泥臭さが無く、大変美味しいカニです。
サーフからのカニ網漁では、ポイントが近くなる大潮の干潮のタイミングを狙います。
9時から10時までの1時間に全集中
釣場に到着してまず最初にすることは、「離岸流」探しです。
岸に打ち寄せた波が集まって戻るときにできる払い出しの流れ。
この流れに網を乗せて沖へ送り出すのが基本的なメソッドになります。
しかしながら、今日はあいにくの凪模様。
波が弱く、はっきりとした離岸流がありません。
なんとかそれらしい場所を見つけて網を入れましたが、案の定、払い出す流れは弱く、投入した網はほとんど沖へ出て行かず横へ横へと流されていきます。
むむむ・・・
でもこれは想定内。
織り込み済みの展開です。
一投目から幸先良く良型をキャッチ。
スーパーの鮮魚売場で1パイ200円位で売られているサイズです
その後も一投毎に良型ばかり3〜6パイまとまって掛かってきます。
引き上げる網が重い重い。
大漁です♪
え?ちょっと待って。
離岸流が効いていなくて条件は悪いはずなのに、どうして?
指を挟まれないよう注意!手袋必須!
すみません。勿体ぶりました。
種明かしはこうです。
沖に立つ波の形状から、岸から20m程のブレイクに沿ってカニが溜まっていると推測。
長い竿と小さな(軽い)投網のライトタックルのメリットを活かしてポイントへダイレクトに網を投入。
その後、サイドショアの潮流で20〜30m横へ流されたらそちらへ移動し、最短距離で回収。
掛かったカニを外したらその場で次の網を投入するランガンスタイルで広範囲をテンポ良く探りました。
はっきりとした離岸流が無いときに有効なメソッドです。
毎投コンスタントにこの位掛かります
1時間程で十分な量を確保してミッションコンプリート。
まだまだいくらでも獲れそうな状況でしたが、資源保護も意識して早上がりで終了。
スーパーで買ったマイワシ(餌)2尾がバケツ一杯の美味しいカニに化けました。
帰りのバケツはずっしり重い♪
かつての九十九里浜では、地元のお父さん達が晩酌の肴を獲るためにカニ網を流す光景が当たり前に見られましたが、最近は高齢化で担い手が減ったのか、今日も見渡す限りルアーマンばかりで「カニ網師」は私だけでした。
伝統ある地元の貴重な遊漁文化。
微力ではありますが、新しい工夫も加えながらしっかり受け継いでいきたいと思います。
◇◇◇◇◇
さて、今回の反省会。
食材は九十九里名物のヒラツメガニ(マルガニ)です。
毎度ワンパターンですが、蒸し蟹、かにめし、味噌汁を作りました。
無言でつついてしまうやつ(笑)
定番のかにめし
味噌汁も美味い!
お酒は九十九里の地酒「寒菊」を合わせて、外房テロワール。
地元の酒屋さんでは入荷後数日で売り切れる人気銘柄
大変美味しゅうございました♪
◇◇◇◇◇
<追記>
「カニ網」についての補足説明です。
ネットで検索すると所謂「カニカゴ」の画像が沢山出てくるので混同されがちですが、九十九里浜で昔から使われているカニ網は、スカート型に束ねた網の片方に錘が付いていて、そこに餌袋とロープを結んで海中に投入する小型の投網です。
一般的な投網(円錐型の網の外周に錘が付いている)とは異なりカニを獲ることに特化した形状で、九十九里地域独自の遊漁文化としてテレビ等でも度々紹介されています。
こんな形です
サイズは製造元によって異なりますが、小さいものから大きいものまで様々です。
私は主にSサイズ(全長80cm、錘35号)を竿で投げるスタイルですが、波が高く払い出しの離岸流が強い時にはMサイズ(全長110cm、錘70号)も使います。
Mサイズ以上になると竿で投げることはできないので、木枠に巻いた凧糸に結んで足元に投入し、払い出しの流れに乗せて沖へ送り出す昔ながらのストロングスタイルになります。
地元の漁網屋さんか地元の釣具店で購入することができますので、ご興味のある方は、九十九里方面へ遊びにいらした際にチェックしてみてください。