2012年2月に鬼籍に入ったモーリス・アンドレのEMIへのセッションをまとめた13枚組のボックス・セット。彼の没後ユニヴァーサルからも6枚組の追悼盤が逸早くリリースされたが、そちらのほうは曲目の殆んどがバロック音楽に絞られている。それに対してこ
🤯音質の解像度が飛躍的に向上🎙️沸き立つばかりのリズムの躍動感🕺🏻管弦楽と合唱のダイナミックな音楽に思わず興奮させられる🤩ヨッフムのオルフ:カルミナ・ブラーナ[SACD]
名指揮者オイゲン・ヨッフム以下ソリスト、コーラス、オーケストラ総てをドイツ勢で固め、ドイツの底力を示した稀代の名演。ヨッフムの棒の下に非常に几帳面な音楽作りがなされていながら、結果的にはこの曲が持つ神秘的な静寂と、大地の底から湧き上がる叫び声のような
スコアリーディングの緻密さ📚演奏全体の造型の堅牢さ、剛毅さ🧐ヴァント&ケルン・ギュルツェニヒ管🎼ブルックナー:交響曲第8番/ブラームス:交響曲第2番🎵第4番
ヴァントが北ドイツ放送交響楽団の首席指揮者の就任前に長らく音楽監督を務めたケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団との録音集。ヴァントは、1990年代に入ってブルックナーの交響曲の崇高な超名演を成し遂げることによって真の巨匠に上り詰めるに至ったが、ブルックナー
端正でバランスに優れ📝深い楽譜の読みと端正なテクニックの行使に支えられた説得力あふれる📚ブレンデルのベートーヴェン🎼ピアノ・ソナタ全集🎹ピアノ協奏曲全集
このBOXは、ブレンデル旧盤のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集+ピアノ協奏曲全集である。ピアノ・ソナタ全集は、ブレンデルのきわめて知的なベートーヴェン解釈が、はっきり表面に打ち出されている。ブレンデルは、納得のゆくまで作品を研究した上で、その曲を
戦後バイロイトの頂点⛰️官能的な美しさ💑ドラマティックな迫力😮実演ならではの劇的な👨🏻🏫ベームのワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(1966年ライヴ)
本盤の演奏は、1966年のバイロイト音楽祭のライヴ録音である。名指揮者ベームが最も充実した時代の演奏であると同時に、戦後のバイロイトの最も実り多かった時代の記録でもある。ベームの遺したワーグナーのオペラの録音には、バイロイト祝祭管との歌劇「さまよえ
どのオーケストラも出すことのできない❤️🔥ロシアの広大な大地を彷彿させる咆哮サウンド😮スヴェトラーノフ&ロシア国立響🤝ラフマニノフ:交響曲全集🪨管弦楽曲全集
1995年10月2-7日 モスクワ放送局第5スタジオにて収録。スヴェトラーノフが1990年代にセッション・レコーディングを行なったラフマニノフ交響曲&管弦楽曲全集が再リリースされた。スヴェトラーノフが遺した最高傑作の呼び声もある同アルバムは、今でもラ
👨🏻🎓肉体的に大きなハンデを負いながら医学を修め👨🏻⚕️ひ弱さや翳りがなく生き生きと明晰でバランスが良い😛テイト&イギリス室内管のモーツァルト:交響曲全集🍸
本BOXには、テイト&イギリス室内管弦楽団によるモーツァルトの交響曲全集が収められているが、現代モーツァルト演奏のひとつの高峰を示した集成であると高く評価したい。テイトの演奏には、録音当時40代という年齢を思わせない成熟と落ち着きがあり、常にテンポを
🍀古典派時代の単なる伴奏ピアノと独奏楽器という様式を脱した真の二重奏ソナタとしての緊張感に満ちた🫀ヨーヨー・マ&アックス🍃ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全集🍷
バッハの『無伴奏』がチェロにおける「旧約」聖書ならば、ベートーヴェンの『ソナタ』は「新約」聖書に匹敵すると言われるが、デビュー間もないヨーヨー・マと、盟友アックスによる若々しい掛け合いが音楽に溌剌としたエネルギーを与えた快演盤。まさにベートーヴェンの
スタンダードとすべき名演奏📣強靭なサウンドとマーラーの精神性をめぐらし🔊細部の細部にまで音に命を宿らせる🎧インバルの真骨頂が全開🗼交響曲第5番
インバルが東京都交響楽団を指揮して演奏したマーラーの新チクルスシリーズは素晴らしい名演揃いであるが、本盤に収められた「第5」も素晴らしい名演と高く評価したい。インバルは、マーラーの「第5」をかつての手兵フランクフルト放送交響楽団とスタジオ録音(198
緩急自在のテンポ設定🌟アッチェレランドの効果的活用😲あらゆる至芸を駆使して🤌🏻濃密でドラマティックな音楽を構築🏯インバル&都響のマーラー:交響曲第2番「復活」🗼
インバルは、東京都交響楽団との間で新マーラーチクルスを完成させたが、第1番に続いて本盤も、この黄金コンビの好調さを表す素晴らしい名演だ。インバルは、かつてフランクフルト放送交響楽団と素晴らしい全集を作り上げたが、当該全集では、インバルは劇的な要素をで
シューリヒト&フランス国立管🍽️ブラームス:悲劇的序曲😭モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」(フェラス)🤯ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」🦸🏻
1955年2月5日 シャンゼリゼ劇場、パリに於けるライヴ録音。シューリヒトは、颯爽としたインテンポの下、繊細なニュアンスを随所にちりばめるという、言わば渋くて、枯淡の境地を垣間見せるような名演を繰り広げた指揮者だと思っていた。しかし、それは、録音状態
卓越したリハーサル術と指揮法🫰🏻様々なオーケストラと素晴らしく息の合った演奏を聴かせた👨🏻🦲シューリヒト&コンセール・コロンヌ管🍂ブルックナー:交響曲第7番🥂
シューリヒトのブルックナーの「第7」と言えば、ハーグ・フィルとのステレオ録音盤が名演として誉れ高い。確かに、ハーグ盤は、シューリヒトの晩年の枯淡の境地を示すいぶし銀の名演であるが、オーケストラがきわめて非力という欠点があり、音質もやや冴えない。シュ
🍂ブルックナーに深い愛着を持ち続けたチェリビダッケ💞晩年に到達し得た自らの指揮芸術の集大成とも言うべき名盤👨🏻🎨交響曲第4番「ロマンティック」[SACD]🎛️
チェリビダッケは生前、自作を除いては自らの演奏のCD化(LP化)を一切禁じていた。表向きは、実演をCD(LP)では表現尽くすことができないというのがその理由であったとされるが、ベルリン・フィルの芸術監督に係るフルトヴェングラーの後継者争いで敗退したカ
スケールの雄大さ🗺️ニュアンスの豊かさ🎵表現の彫りの深さ❗リヒテルのブラームス:ピアノ協奏曲第2番(ラインスドルフ)❤️🔥ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
本盤に収められたブラームスのピアノ協奏曲第2番、そして、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの第23番「熱情」は、東西冷戦の真っ只中であった時代、当時の鉄のカーテンの向こう側からやってきた壮年期のリヒテルによる記念碑的な名演だ。協奏曲、ソナタともに、リヒテ
シンフォニックな厚みのある💝巨匠風のスケールの大きな大芸術👨🏻🦳バーンスタイン&ウィーン・フィル🎼モーツァルト:交響曲第25番、第29番、クラリネット協奏曲🎖️
レナード・バーンスタインは、その晩年にウィーン・フィルとともにモーツァルトの主要な交響曲集のライヴ録音を行ったところであり、本盤に収められた交響曲第25番及び第29番はその抜粋である。バーンスタインは、かつてニューヨーク・フィルの音楽監督の時代には、
まさに美しさの極み🌺朗々たる奥行きのある響き🎶音楽が滔々と淀みなく流れていく🌌ベーム&ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集🎚️序曲集[SACD]
2012年はベーム没後40年であった。生前は、とりわけ我が国において、当時絶頂期にあったカラヤンに唯一対抗し得る大指揮者として絶大なる人気を誇っていたが、歳月が経つにつれて、徐々に忘れられた存在になりつつあるというのは残念でならないところである。そ
🎺楽器を大きく打ち鳴らすだけの“迫力”とは次元を異にする🎻洗練された“凄み”のようなものが伝わる🎙️ショルティ&ウィーン・フィルのワーグナー:管弦楽曲集🎛️
ショルティは20世紀後半を代表する指揮者の1人であるが、我が国の音楽評論家の間での評価は実力の割に極めて低いと言わざるを得ない。お亡くなりになった吉田秀和氏などは、数々の著作の中で、公平な観点からむしろ積極的な評価をしておられたと記憶する。ヴェルデ
🧚🏻♂️オーケストラの音色の透明性🥃100人からなるオーケストラをまるで1つの楽器のように演奏する🙂チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル🌍独墺系交響曲集
本盤には、チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルによるハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームスといった独墺系の交響曲集が収められている。それにしても、何という圧倒的な音のドラマであろうか。チェリビダッケは、リハーサル
☠️間近に迫る死を予見しているかのような不気味さを湛え💖熱い共感と晩年の芸風が端的に示された👨🏻🦲フリッチャイ&ウィーン響🫶🏻モーツァルト集
白血病という不治の病を患い、49歳という若さでこの世を去らなければならなかった悲劇の指揮者フリッチャイであるが、米国において鉄壁のオーケストラトレーナーとして君臨した同じハンガリー人指揮者のライナーやセル、オーマンディ、そしてショルティなどとは一線を画
🎌インバルを世界的巨匠へ押し上げたマーラー演奏🧑🏻🏫圧倒的な技術とアンサンブルで驚くべき見事な演奏を繰り広げる東京都交響楽団🗼交響曲第1番「巨人」👏🏻
凄い演奏だ。いまや世界最高のマーラー指揮者として君臨しているインバルの勢いや、もはや誰もとどめることが出来ない。インバルを世界的巨匠へ押し上げたマーラー演奏であり、圧倒的な技術とアンサンブルで驚くべき見事な演奏を繰り広げる東京都交響楽団と、両者のボ
🦴骨太のテクニックによる強靭にして重厚な打鍵😠怒れる獅子ベートーヴェンを見事なまでに体現💫ブレンデル&ラトル🤝ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
現在では既に引退してしまったブレンデルによる4度目のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集であるが、当時、進境著しかったラトル&ウィーン・フィルという豪華なバックを伴って、ブレンデルによる全集中、最高の名演を成し遂げることになった。まさに、ピアニストに指揮
💐最も美しい音を持つミケランジェリ✨雄大なスケールでモニュメンタルな名演を打ち建てるジュリーニ🧑🤝🧑ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」🫅🏻
1979年ステレオ・ライヴ録音。大ピアニストのミケランジェリと大指揮者のジュリーニ。お互いにイタリア人であるが、その芸風は全く異なるところであり、加えて、ミケランジェリの録音が限られていることに鑑みれば、テレビ放送とは言え、このような形で両者の競演
壮麗で哀愁を秘め🙏🏻祈りの心を込めて真摯に歌い上げ🪶隅々まで透徹した情感豊かで崇高な神秘性を引き出した⛪カラヤンのモーツァルト:レクイエム(新盤)🪷
カラヤン最晩年(1986年)のモーツァルトのレクイエムである。祈りの心を込めて真摯に歌い上げる壮麗な合唱と哀愁を秘めた清澄な独唱、そして重厚な響きのウィーン・フィルをカラヤンが見事に統率し、彼の意思が隅々まで透徹した情感豊かで崇高なる演奏を聴かせてい
音楽家として熟成したポリーニ🧓🏻指揮もあわせてウィーン・フィルとのモーツァルトの世界に帰ってきた💞“弾き振り”による逸品🫰🏻ピアノ協奏曲第12番🌠第24番
ポリーニの“弾き振り”によるモーツァルトのピアノ協奏曲第17番&第21番に続く第2弾で、2007年にライヴ録音された逸品。前回に引き続いて「後期の傑作」と「初期の魅力的な佳作」のカップリングとなっているが、筆者にはポリーニがベームと録音した第19番と
ベームの追悼コンサート💘緊張と解放を自由自在に繰り返しながら🔥未曾有の燃焼度を達成した🧑🏻🦳C・クライバー&バイエルン国立管🤩ベートーヴェン:交響曲第7番[SACD]
カルロス・クライバーは、その実力の割にはレパートリーがあまりにも少ない指揮者であったが、ひとたびレパートリーとした楽曲については、それこそより優れた演奏を志向すべく何度も演奏を繰り返した。ベートーヴェンの交響曲第7番は、そうしたクライバーの数少ないレ
🌇自己の回想録のように深く沈み込んだような美しさ🌆枯淡の境地にも通じるような味わい深さ🌇カラヤン&ベルリン・フィルのR.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」(Blu-ray)📽️
カラヤンはR.シュトラウスを十八番にしていたが、とりわけ交響詩「英雄の生涯」に私淑していたようであり、R.シュトラウスの全交響詩の中でも最もスケールの大きい作品だけに、遺された録音はいずれも精緻さと重厚さを兼ね備えた20世紀最高のR.シュトラウス演奏と言え
クラシック音楽演奏史上燦然と輝く金字塔🏆数ヶ月後に他界したノイマンの精神が細部にまで宿った🫀ノイマン&チェコ・フィル🫶🏻マーラー:交響曲第6番「悲劇的」😢[SACD]
巨匠ノイマンが最晩年にレコーディングした至高のマーラー・サイクルの頂点とも言える「第6」がSACDハイブリット化。これこそクラシック音楽演奏史上燦然と輝く金字塔であり、 このレコーディングの数ヶ月後に他界したノイマンの精神が、この演奏の細部にまで宿って
チェロとオーケストラが融合しながら協奏曲とはひと味違う🎻真の意味での管弦楽曲作品🎺ロストロポーヴィチ&カラヤン👥R.シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」🦸🏻
同曲演奏史上最高の超名演だ。ロストロポーヴィチを迎えての「ドン・キホーテ」で、カラヤンによるR.シュトラウスの録音中屈指の名演として有名なもの。ベルリン・フィルの豊穣な響きはもちろん、ロストロポーヴィチの卓越した演奏もまた素晴らしい。録音は1975
少年による👦🏻天国的な美しさを誇る純真な美声😇静謐さ、崇高さを更に助長するのに大きく貢献😴コルボのフォーレ:レクイエム(1972年スタジオ録音)💤
フォーレのレクイエムはコルボの代名詞と言っても過言ではない楽曲であると言えるところであり、本演奏を皮切りとして、ローザンヌ声楽・器楽アンサンブルとの演奏が1992年と2005年(東京でのライヴ録音)の2種、そして、ローザンヌ声楽アンサンブル、シンフォニ
巨匠たちの夢の共演🥳オイストラフ&ロストロポーヴィチ&リヒテル&カラヤン🤴🏻ベートーヴェン:三重協奏曲🎆オイストラフ&ロストロポーヴィチ&セル🤯ブラームス:二重協奏曲
ベートーヴェンの三重協奏曲はベートーヴェンが作曲した労作であり、一部の評論家が指摘しているような駄作とは思わないが、それでもピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲などと比較するといささか魅力に乏しいと言わざるを得ないのではないだろうか。もちろん、親しみやす
🎀ザンデルリング生誕95周年記念の2枚組🎁ブルックナー:交響曲第3番🎵マーラー『さすらう若人の歌』🎶ショスタコーヴィチ『ユダヤの民族詩による歌曲集』
クルト・ザンデルリングの貴重なレコーディング3曲を収録した2枚で、1枚目がブルックナーの交響曲第3番ニ短調、2枚目にマーラーの『さすらう若人の歌』及びショスタコーヴィチの『ユダヤの民族詩による歌曲集』全11曲。このCDも既に製造中止の憂き目に遭っているので
ワルターの最晩年のヒューマニティ溢れる🥰情感豊かな指揮ぶりとベートーヴェンの楽想がマッチ💌全ステレオ録音🎚️SA-CDハイブリッド・エディション🎧
ワルターは、数多くの名録音を遺してきたが、本全集に収められた「第2」と「田園」は、その中でもトップの座を争う不朽の名盤と高く評価したい。特に、「第2」は、ワルターの最晩年のヒューマニティ溢れる情感豊かな指揮ぶりと楽想が見事にマッチしている。ワルター
隅々にまで光を当て✨さまざまな意味・感情のすべてを的確に表現した決定的名演❗インバル&フランクフルト放送響🌃マーラー:交響曲第7番「夜の歌」🌆
インバルは1980年代に、当時の手兵であるフランクフルト放送交響楽団とともにマーラーの交響曲全集を録音した。いずれも、名演揃いだと思うが、その中でも随一の名演はこの「第7」ではないかと考える。レコードアカデミー賞を受賞したのも、確かこの「第7」だけ
🫀最晩年のシューベルトの死への恐怖と人生への達観の境地🥹後年のブルックナーの交響曲につながる巨大さ❤️🩹ワルター&コロンビア響の交響曲第9番「ザ・グレイト」☠️
ワルター晩年の一連の録音の中でも、彼の温かい人柄と鋭敏さの表れた屈指の名演奏と高く評価したい。シューベルトの「第9」は超名曲であるが、演奏そのものは非常に難しいと考えている。というのも、シューベルトが相当な意欲を持って作曲しただけに、ここには、あら
💥テンポの緩急やダイナミックレンジの幅の広さは桁外れ💪🏻劇的な要素にも不足はない🙆🏻ラトル&ベルリン・フィル🪐マーラー:交響曲第2番「復活」[SACD]
ラトル&ベルリン・フィルの充実ぶりを示した素晴らしい名演だ。本演奏を皮切りとしてマーラーチクルスを開始する予定だったのことで、今後の録音に大いに期待していたが、頓挫したようで残念至極だ。ラトルのベルリン・フィルへのデビューは、マーラーの「第5」であ
👂🏻聴き手を作品の世界に嫌がうえにも導き入れて💝陶酔させてしまうドラマティックな吸引力💓アシュケナージ&ハイティンク🎼ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集
アシュケナージは、プレヴィン指揮のロンドン交響楽団ともラフマニノフのピアノ協奏曲全集を完成していたが、15年後のこの演奏には、この間のアシュケナージの豊かな経験が余すところなく示されている。指揮者としても交響曲全集を完成するなど、ラフマニノフの音楽に
スケールの壮大さで勝負💦自我を極力抑えて😮💨音楽を精緻に美しく描き出していくことに専念🙏🏻ゲルギエフ&ロンドン響のマーラー:交響曲全集[SACD]🎛️
2007年収録の第6番でスタートし、2011年の第9番で完結したゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団によるマーラーの交響曲全集が、10枚組のBOXセットとなって低廉に入手できる運びになったことをまずは喜びたい。ゲルギエフのマーラー交響曲全集は、第8番を除き
🧑🏻🎨チェリビダッケがこよなく愛した🗼日本でのコンサート録音🗾密度の濃さもあって冗長さを感じさせない🧑🏻🦲ブルックナー:交響曲第4番・第6番・第7番・第8番
チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルによるブルックナーの交響曲集のSACD盤が発売された。本セット盤には、ブルックナーの交響曲第4番、第6番、第7番、第8番が収められており、このうち第8番については、先般、アルトゥスレーベルから同一音源のシングルレイヤ
指揮者人生最大の挫折を克服😣漸くベルリン・フィルに復帰した時期に集中的に取り組んだ録音🌞マゼール&バイエルン放送響💮ブルックナー:交響曲全集👏🏻
マゼールが手兵バイエルン放送交響楽団とともに集中的に取り組んだブルックナーチクルスのコンサート記録である。本全集が廉価で手に入ることも考慮に入れれば、後述のようにすべてを名演と評価するには躊躇せざるを得ないが、全体としては水準の高い演奏で構成された全
🎓古色蒼然たるバッハ解釈に新風を吹き込み🤹🏻♂️芸術性を損なうことなく❗知られざる魅力を堪能させてくれた💎グールドのゴルトベルク変奏曲-メモリアル・エディション-
グレン・グールド没後20年/生誕70年を記念した3枚組メモリアル・アルバム。彼の代表作である、1955年と1981年の「ゴルトベルク変奏曲」をカップリングし、さらにレアな音源(1955年の録音時のアウトテイク)を初CD化。グールドの全く対照的な新旧
1996年2月🌁ミュンヘンのガスタイク・フィルハーモニーにおいて🌃3夜にわたって行われたリサイタル👱🏻♀️ムター&オーキスのモーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ集🎻
本盤は、ヴァイオリン奏者、アンネ=ゾフィー・ムターとピアニスト、ランバート・オーキスが1996年2月ミュンヘンのガスタイク・フィルハーモニーにおいて、3夜にわたって行われたリサイタルのライヴ・レコーディング盤で、ムター・モーツァルト・プロジェクト最後の1
最もスケールが雄渾で壮麗な名演🎶“精神”でなく“美”を求める人にお薦め🎖️ワイセンベルク&カラヤン🤝ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番🎹第4番
ワイセンベルクが1966年に復帰して約10年後、彼とカラヤンの絆が実を結んだ全盛期の頃の演奏。リハーサルなしで録り上げた第4番をはじめ、すべての楽章、旋律、どれもが聴き応え充分な内容の1枚。しかしながら、そもそもカラヤンが、協奏曲の指揮者として果た
白血病という不治の病を患い🩸49歳という若さでこの世を去った悲劇の指揮者🧑🏻🦲フリッチャイ&ベルリン放送響🩻チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」🧬
白血病という不治の病を患い、49歳という若さでこの世を去らなければならなかった悲劇の指揮者フリッチャイであるが、米国において鉄壁のオーケストラトレーナーとして君臨した同じハンガリー人指揮者のライナーやセル、オーマンディ、そしてショルティなどとは一線を画
☯️美しい旋律とハーモニーの陰に隠された😱恐ろしいまでの孤独と寂寥感👁️アルバン・ベルクSQのシューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」♍第13番「ロザムンデ」
アルバン・ベルク四重奏団は、1971年に第1ヴァイオリンのギュンター・ピヒラーをリーダーとして結成されたウィーンの団体で、ベルク未亡人の同意を得てこの名称を冠し、ベルクの作品でレコード・デビューを果たしたことは周知のとおり。レヴェルの高いこのデビュー
彼岸の音楽🌊北欧を吹く清涼感あふれる一陣のそよ風のよう🍃ヴァント&北ドイツ放送響🎼ブルックナー:交響曲第6番(1995年ライヴ)[SACD]🎚️
ブルックナーの交響曲第6番は、ポピュラリティを獲得している第4番や峻厳な壮麗さを誇る第5番、そして晩年の至高の名作である第7番~第9番の間に挟まれており、知る人ぞ知る存在に甘んじていると言わざるを得ない。楽曲自体は、極めて充実した書法で作曲がなされて
🔅かつての輝きを今後も維持できるのか🌟岐路に立たされている🎍五嶋みどり&アバドのチャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲🎻ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
アバドは、私見であるが、これまでの様々な名指揮者の中でも、最高の協奏曲指揮者と言えるのではなかろうか。ベルリン・フィルの芸術監督に就任する前には、ロンドン交響楽団とともに圧倒的な名演奏を成し遂げていた気鋭の指揮者であったアバド。そのアバドは、ベルリ
伝統的なオーケストラを一度解放🛸楽員の自発性を発揮させながら🌱新たに全体をまとめていく🆕アバド&ロンドン響のメンデルスゾーン:交響曲全集🌚
アバドの指揮する独墺系の作曲家による楽曲については、そのすべてが名演とされているわけではないが、その中で、メンデルスゾーンについては、既に録音された演奏のすべてが名演との評価を得ている数少ない作曲家である。本盤には、アバドが1980年代にロンドン交響
🗺️最も積極的にレコーディングに取り組んでいる⏺️P・ヤルヴィ&フランクフルト放送響📻ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」[SACD]🎛️
現在、最も積極的にレコーディングに取り組んでいるパーヴォ・ヤルヴィであるが、楽曲によってオーケストラを巧みに使い分けているのが特色である。その中でも、独墺系の作曲家による楽曲の演奏に際しては、原則としてフランクフルト放送交響楽団を起用することにしてい
全体的に動的というより静的🤫細部の隈取がクリア🪟いつも巨大なあざやかな壁画を眺めているような印象🖼️クレンペラーのモーツァルト:4大オペラ🎭
まずは、モーツァルトの4大オペラがクレンペラーの名指揮の下で廉価で聴けるのを大いに歓迎したい。「フィガロの結婚」は、異様なまでにテンポの遅い重厚な演奏だが、クレンペラーの巨大な視野に支えられた独自のバランスが保たれ、見事なまとまりを示している。ここ
高音質化🧑🎨底知れぬヴァイタリティとカリスマ性を持ち合わせた🪆ゲルギエフ&ウィーン・フィル🎨ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲<展覧会の絵>🖌️
底知れぬヴァイタリティとカリスマ性を持ち合わせるワレリー・ゲルギエフが、名門ウィーン・フィルを指揮した迫真のライヴ録音の『展覧会の絵』に加え、ムソルグスキーの名作3曲をカップリングした素晴らしい高音質UHQ-CD/MQAの登場だ。本演奏は、レコード・アカデミー
完全無欠な演奏でありつつも🌕豊かな情感や味わい深さを失っていない💯インバル&フランクフルト放送響🛸マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」🚀
インバルがかつての手兵であるフランクフルト放送交響楽団とともにスタジオ録音を行ったマーラーの交響曲全集(1985年~1988年)は、インバル&フランクフルト放送交響楽団の実力を世に知らしめるとともに、インバルの名声を確固たるものとした不朽の名全集である
豊かな詩情性をナチュラルに美しく🏞️淡々と滑らかに表現🥺奥深い情感と独特のニュアンス🍃時代と風土を共にした👑ビーチャム&ロイヤル・フィル💫ディーリアス:管弦楽曲集
母国の作曲家ディーリアスと親交を結び、彼の音楽の普及に最も貢献した指揮者トーマス・ビーチャムが遺した、ディーリアスのステレオ録音の全てを収録したアルバム。このような演奏こそは、まさに英国の詩情極まれりと言ったところであろう。ディーリアスの管弦楽曲は
🪄リスト弾きとして人気を博した巨匠ボレット🧙🏻“ピアノの魔術師”と呼ばれた🧿リスト珠玉のピアノ曲ばかりを集めた🧚🏻癖の少ないオーソドックスな名曲集
“ピアノの魔術師”と呼ばれたリスト珠玉のピアノ曲ばかりを集めた名曲集で、演奏しているのはリスト弾きとして人気を博した巨匠ホルヘ・ボレット。リストの直系の孫弟子と言われているボレット特有の優しく、そして微妙な強弱の駆け引きに長けた名演奏が存分に味わうこ
ドラマティックな要素を多分に有し🎭演奏全体に漲る熱き情感🍂根源的な力強さは圧倒的👴🏻マタチッチ&チェコ・フィル😇ブルックナー:交響曲第9番
ブルックナーの交響曲の演奏スタイルは、1990年代以降に成し遂げられたヴァントや朝比奈による神がかり的な超名演の数々によって確立されたとも言える。それ以前において、ブルックナーの交響曲の名演を成し遂げていた代表的な指揮者と言えば、シューリヒトやマタチ
作曲者本人からの薫陶を受けた数少ない指揮者💞演奏会にも積極的に取り上げ⏏️広く紹介した👴🏻セル&クリーヴランド管🗽R.シュトラウス:管弦楽曲集
管弦楽の魔術師R.シュトラウスの傑作を集めたアルバムで、セルは若い頃R.シュトラウスに可愛がられ、演奏会にも積極的にR.シュトラウスの作品を取り上げ、広く紹介した指揮者である。ロマン主義から現代音楽への橋渡しをした存在とも言われるR.シュトラウスは、若き
自然な表情をもって🏞️美しい佇まいのなかにも緊張感の漲った感動的な表現🥲詩人ブレンデルの面目躍如たる名演💮シューベルト:即興曲集(新盤)🆕
シューベルトの即興曲全8曲を演奏したものとしては、ブレンデルのCDが特に優れたものと言える。そのシューベルトをおそらくは全ピアニストで最も理解しているブレンデルの即興曲集は格別の美しさだ。まろやかなタッチで、これらの作品からロマンの息吹きを詩情豊か
音楽そのものを語らせる指揮ぶり🤌楽曲の魅力をダイレクトに表現した自然体の演奏🌃アシュケナージ&チェコ・フィル🌌マーラー:交響曲第7番「夜の歌」🌉[SACD]
本盤の売りは、同じくエクストンレーベル(オクタヴィア)から発売されたアシュケナージ&チェコ・フィルによるR・シュトラウスの管弦楽曲集の名演盤(1998年)と同様に、何と言ってもシングルレイヤーによるマルチチャンネル付きのSACDによる臨場感溢れる極上の
一聴すると何らの変哲もない曲想の中に👴晩年のベームならではの🌶️スパイスの効いた至芸を垣間見ることができる🎚️R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」[SACD]🔊
R.シュトラウスと親交があった往年の巨匠カール・ベームによる《英雄の生涯》を収めたSACD盤。ベーム晩年の落ち着いた音楽運びが描く雄大なスケールと、一昔前のウィーン・フィルらしいふくよかなサウンド、そしてヴァイオリニスト、ゲルハルト・ヘッツェルが添える
🗺️世界的な巨匠指揮者としての名声を獲得していない壮年期にたびたび来日🗾ヴァント&N響🗼ブルックナー:交響曲第8番(1983年ライヴ)📻[SACD]
ブルックナーの交響曲を数多く演奏・録音してきたヴァントが、最も数多くの録音を遺した交響曲は、何と言っても「第8」であった。ヴァントは、1990年代に入ってブルックナーの交響曲の崇高な超名演を成し遂げることによって真の巨匠に上り詰めるに至ったが、198
スケールは雄渾の極み💮さすがは大指揮者と思わせるような円熟の名演👴🏻ハイティンク&コンセルトヘボウ🤝ブルックナー:交響曲第8番[SACD]🎙️
ハイティンクの円熟を感じさせる素晴らしい名演の登場だ。ハイティンクは、アシュケナージなどと並んで評価が大きく分かれる指揮者と言えるのではないだろうか。ハイティンクは、全集マニアとして知られ、さすがにハイドンやモーツァルトの交響曲全集は録音していない
20世紀前半にオペラ界🎭演劇界に君臨したロッテ・レーマンの遺産👸🏻ワルターのピアノ伴奏のシューマン:歌曲集「女の愛と生涯」❤️🔥歌曲集「詩人の恋」💌
20世紀前半にオペラ界、演劇界に君臨したロッテ・レーマンの遺産であるとともに、ブルーノ・ワルターのピアノ伴奏が聴けるはなはだ貴重なディスクである。何と言ってもピアノはその人の人間味が直接肌にふれてくるだけにワルターを愛する者には懐かしく、指揮以上の魅
親しみやすい旋律に満たされたバレエ音楽の魅力🩰聴き手は安定した気持ちで満喫することができる🥿N.ヤルヴィ&ベルゲン・フィル🎼チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」🦢
史上最高のレコーディング・アーティストと評されているのはかのヘルベルト・フォン・カラヤンであるが、そのカラヤンをも遥かに超える膨大なレコーディングを行っている指揮者が存在する。既に80歳代を迎えているが、今なおレコーディングへの意欲をいささかも失って
輝かしく芳醇な音色🪔古き良き時代の芸術的な香り🖼️鮮明な英デッカのステレオによる名録音🧑🏻🎨カラヤン&ウィーン・フィルのブラームス:交響曲第1番😢悲劇的序曲
ブラームスの「第1」はカラヤンの名刺代わりの作品であった。頭に思い浮かぶだけでも、ベルリン・フィルとの3種のスタジオ録音、先般相次いで発売された最後の来日時、死の前年のロンドンでの両ライヴ録音など、まだまだ数多くあるような気がする。カラヤン得意の曲
中庸の美🖼️整然とした秩序🚫セレナードの中でも特に人気の高い🙆🏻美しい旋律が次々と流れる👴🏻ベームのモーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク🌃ポストホルン
清冽な活気と優美な楽想を備えた珠玉の名作第13番、駅馬車用のポストホルンが巧みに用いられているところから標題が付された第9番、モーツァルトのセレナードの中でも特に人気の高い、美しい旋律が次々と流れてくる2曲を、カール・ベーム指揮による2大オーケストラで
幻の指揮者😶🌫️音というものの可能性を徹底して突き詰めた音のドラマ🎞️功罪相半ばする➰チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル🎼ブルックナー:交響曲集
チェリビダッケは生前、自作を除いては自らの演奏のCD化(LP化)を一切禁じていた。表向きは、実演をCD(LP)では表現尽くすことができないというのがその理由であったとされるが、ベルリン・フィルの芸術監督に係るフルトヴェングラーの後継者争いで敗退したカ
聴衆を前にした燃える🔥カラヤン&ベルリン・フィル🎥ドビュッシー:交響詩「海」🌊牧神の午後への前奏曲🕛ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲 [Blu-ray]🎦
このフランスの名曲に、カラヤン&ベルリン・フィルの演奏、しかも映像作品を選ぶというのは、奇を衒っていると思われるかもしれないが、本当に気に入っているのだ。カラヤンはこの曲の組み合わせで、本盤以外に1964年3月と1985年12月~1986年2月にそれ
🌎リヒテルのアメリカへのセンセーショナルなデビューの翌年に収録された記念碑的な録音🗽シューマン:幻想曲🎹ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」🎛️[SACD]
リヒテルのアメリカへのセンセーショナルなデビューの翌年に収録された記念碑的な録音で、今でも当時の聴き手に与えた衝撃が色褪せずに伝わってくる、彼の演奏を語る上で欠かすことのできない1枚。まさにリヒテル壮年期の名盤で、ベートーヴェンとシューマンの名作を緊
剛毅さ・艶麗さ・凄絶さ・黄昏の美🌇緩急自在のテンポを駆使した起伏の激しい😡ショルティ&ウィーン・フィル🦸♂️R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」👏🏾
《英雄の生涯》は、カラヤン&ベルリン・フィルによる複数の録音が世評が高いし、筆者も好きでよく聴く。しかし「《英雄の生涯》のユニークな演奏を1つ選べ」と言われたら、ショルティ&ウィーン・フィル盤なのである。ショルティとウィーン・フィルは、決して相性の
緻密な解釈📚抒情からパッションの爆発🧨ダイナミックレンジの広さや変幻自在のテンポ設定🤯インバル&フランクフルト放送響📻マーラー:交響曲第4番
インバルがかつての手兵であるフランクフルト放送交響楽団とともにスタジオ録音を行ったマーラーの交響曲全集(1985年~1988年)は、インバル&フランクフルト放送交響楽団の実力を世に知らしめるとともに、インバルの名声を確固たるものとした不朽の名全集である
力強い打鍵の圧巻の迫力💪表現力の幅の広さ🎆圧倒的なテクニックに裏打ちされて感動的🥲ポリーニのシューベルト:ピアノ・ソナタ第16番🎹シューマン:ピアノ・ソナタ第1番
これは素晴らしい名演だ。1970年代前半までのポリーニは、圧倒的な技量を全面に打ち出しつつ、そこに、若さ故の生命力、気迫に満ち溢れた勢いがあり、聴き終えた後の充足感が尋常ではない。1970年代後半になると、技量の巧さだけが際立った無機的な演奏が増え
滋味豊かさには抗し難い魅力⚛️派手な「香辛料」も「添加物」も加えていない🆓噛めば噛むほど味わいが出てくる🎼クーベリックのマーラー:交響曲第2番「復活」♾️
本盤には、クーベリックが手兵バイエルン放送交響楽団とともに1967年から1971年という短期間で完成させたマーラーの交響曲全集のうち、交響曲第2番「復活」(1969年スタジオ録音)が収められている。本盤の録音当時は、近年のようなマーラー・ブームが到来
👨🎨悠揚迫らぬインテンポを基調⏩効果的なテンポの振幅を織り交ぜ🔀名人芸の域に達した👴🏻ハイティンク&バイエルン放送響のブルックナー:交響曲第5番[SACD]
2010年2月12日 ミュンヘン・フィルハーモニーに於けるライヴ録音で、ハイティンクの円熟を感じさせる素晴らしい名演だ。ハイティンクは、アシュケナージなどと並んで評価が大きく分かれる指揮者と言えるのではないだろうか。ハイティンクは、全集マニアとして知
🗺️世界的なブルックナー指揮者として🌐世に馳せる後年の大巨匠予見させる📅ヴァント&N響のブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」🗾(1982年ライヴ)[SACD]
ヴァントは、1990年代に入ってブルックナーの交響曲の崇高な超名演を成し遂げることによって真の巨匠に上り詰めるに至ったが、1980年代以前のヴァントがいまだ世界的な巨匠指揮者としての名声を獲得していない壮年期には、たびたび来日して、NHK交響楽団にも客
🔆現代ショパン演奏の最高水準を後世に伝える🧚20世紀の偉大な遺産🧬現代を代表するピアニストによる一大記念碑❗アシュケナージのショパン:ピアノ作品全集
ショパンのピアノ曲に関しては、アシュケナージが素晴らしい全集を録音しているので、各曲についてはおそらくアシュケナージの本セットを求めれば、最上のショパン・コレクションが出来上がると言える。世にはあまたショパン弾きと言われるピアニストが存在しているが、
死と隣り合わせの壮絶な演奏を展開💀妥協を許さない全力投球の極めて燃焼度の高い❤️🔥テンシュテット&シカゴ響🤝マーラー:交響曲第1番「巨人」🗽(1990年ライヴ)
マーラー演奏の遺産ともいうべき最初の交響曲全曲レコーディングの後、テンシュテットが1990年にシカゴ交響楽団への唯一の客演をしたときの、まさに一期一会のライヴ録音。近年様々なライヴ録音が発掘されることによってその実力が再評価されつつあるテンシュテット
純真無垢🤍穢れなどはいささかもなく🦢あたかも純白のキャンバスに水彩画を描いていくような趣き👱♀️ピリス&ジョルダンのショパン:ピアノ協奏曲第1番、第2番[SACD]🎶
筆者は、本盤の演奏内容については、既に以下のようなレビューを投稿済みである。「若き日のピリスによる素晴らしい名演だ。ピリスは、ショパンのピアノ協奏曲第1番をクリヴィヌ&ヨーロッパ室内管弦楽団とともにスタジオ録音(1997年)、ピアノ協奏曲第2番をプ
🏆強靭な打鍵から繊細な抒情まで表現の幅は桁外れ🥇テンポの緩急も変幻自在😶🌫️アルゲリッチ&デュトワ🤝ショパン:ピアノ協奏曲第1番🎹第2番[SACD]
本演奏の評価に入る前に、ワーナーがフルトヴェングラーの遺産にとどまらず、クレンペラーやシューリヒト、カラヤン、テンシュテットなどによる名演のSACD化を進めていることについて大いに歓迎したいと考える。今回はアルゲリッチによる一連の演奏のSACD化であ
享楽的な要素が一切なく🤨きわめて集中度が高く求心的⚡長年弾きこんできたレパートリー🫰まさに自信に満ちた🎌内田光子&テイト🧑🤝🧑モーツァルト:ピアノ協奏曲全集
内田光子は近年クリーヴランド管弦楽団を弾き振りして、モーツァルトのピアノ協奏曲の再録音を進めているところであり、きわめて高い評価を得ているが、内田のモーツァルト弾きとしての名声を決定づけたのが、30年ほど前にジェフリー・テイト&イギリス室内管弦楽団と共
精巧なガラス細工🫗鋭い音感覚と独自の美学が反映❗一瞬の美しさも逃さずに磨き抜かれた🔮ミケランジェリのドビュッシー:映像第1集、第2集🧒子供の領分
ミケランジェリの鋭い音感覚と独自の美学が反映され、一瞬の美しさも逃さずに磨き抜かれた演奏。ピアニスティックな美感を存分に生かした演奏で、まるで精巧なガラス細工をみているかのような、驚くべき繊細さである。これほど響きと造形のバランスのよい演奏も珍しく
「幸福のメッセンジャー」🧧ゆったりとした気持ちで音楽の素晴らしさ😄美しさを味わうことができる🎼ルービンシュタインのザ・ベスト・オブ・ショパン🎹
タイトルの名の通り、様々な曲集からいいとこ取りした、ルービンシュタインによるショパンの超有名曲をギッシリ詰め込んだ作品。ルービンシュタインのショパンは、実にゆったりとした気持ちで音楽の素晴らしさ、美しさを味わうことができる。もちろん、ここぞと言う時
🎨世界一級品の美術品の本物を目にした時のような直接性🖼️リスナーを瞬間的に虜にする畢生の名演😇収録後まもなく訪れるグールドの死💀ハイドン:後期ピアノ・ソナタ集(6曲)
1981年、グールド初のデジタル録音による、傑作中の傑作で、いかにもグールドらしい超個性的な名演だ。ハイドンは偽作・真偽未確定作・一部分消失作を含んで58曲のソナタを残したと言われているが、このアルバムはその最後の6曲を取り上げている。第56番や第
エスプリ漂う瀟洒な味わい🏵️シンフォニックな重厚さ🪨独特の魅力を醸し出した💐フランソワ&クリュイタンスのラヴェル:ピアノ協奏曲🫲左手のためのピアノ協奏曲[SACD]
天才ピアニストフランソワと名指揮者クリュイタンス、加えてオーケストラはパリ音楽院管弦楽団という、当時のフランスを代表していた最高のメンバーによるラヴェルの有名な2つのピアノ協奏曲を収録。 クリュイタンス&フランソワという夢のようなコンビによるラヴェルの
💮表現力のすべてをぶつけ合う🔱緊迫感あふれるスリリングで感動的な名演🌘スーク・トリオのチャイコフスキー:ピアノ三重奏曲<ある偉大な芸術家の思い出のために>💗
チェコを代表する名手によって構成されるスーク・トリオによる円熟の名演である。スーク・トリオによるチャイコフスキーの2度目の録音で、ピアノは名手パネンカ。チェコの至宝として年輪を刻み、練り上げられたアンサンブルが奏でるスラヴの魂に脱帽してしまう。パ
新ウィーン楽派と称される🆕現代音楽の作品を世に広げた記念すべき録音🗺️カラヤン&ベルリン・フィルのシェーンベルク:浄夜🌃ペレアスとメリザンド
本盤は、カラヤンにしては異例のレパートリーで、1974年発売の≪新ウィーン楽派管弦楽曲集≫より代表的な作品を集めたアルバムである。シェーンベルクという新ウィーン楽派と称される現代音楽の作品を世に広げた記念すべき録音と高く評価したい。カラヤン唯一のス
燃えたぎる緊張感❤️🔥感興に満ちた精妙で澄み切った音楽🔷滋味溢れる温かみのある演奏を繰り広げる☕ギレリス&セル🎹ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集
ギレリスとセルという名手同士ががっぷり四つに組んで作り上げた名演だ。クリーヴランド管弦楽団をセルの楽器と称されるまでに徹底的に鍛え上げたセル、そして、鋼鉄のピアニストとの評価がなされたギレリスの両者の組み合わせ。この両者が組んだ協奏曲は、何か血も涙
テンポに一貫した緊迫感🧐生命力の横溢した表現🩸創意豊かな気迫に満ちた🪖フルトヴェングラー&ベルリン・フィル🫶ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(1942年ライヴ)
フルトヴェングラー56歳の時のライヴ録音だけに、若々しく、アゴーギクの様相にはこの指揮者ならではのものがある。テンポに一貫した緊迫感があり、素晴らしく生命力の横溢した表現で、創意豊かな気迫に満ちた「第9」だ。ベルリン盤と有名なバイロイト盤との間には
高踏的な芸術性💨緩急自在のテンポを駆使🤳奔放で変幻自在🪜ノリントン&シュトゥットガルト放送響🔘ハイドン:ロンドン交響曲集(全12曲)
ノリントンならではの個性的な名演だ。手兵のシュトゥットガルト放送交響楽団を指揮しているが、ハイドンが作曲時に想定した40名程度という、かなり人数を絞った編成で演奏しており、いわゆる古楽器奏法を旨としている。しかしながら、そこはさすがはノリントン。
🪨重厚かつ情感あふれる個性的なトーン🛂最もドイツ的なオーケストラによる力の漲った鳴りっぷり💪スヴェトラーノフ&ミュンヘン・フィル🎭ワーグナー:管弦楽曲集
旧ソ連の巨匠指揮者エフゲニ・スヴェトラーノフが、1988年というチェリビダッケが鍛えに鍛えた全盛時代のミュンヘン・フィルに客演したワーグナー・アーベント(恐らくこれが唯一の共演)・ライヴ。スヴェトラーノフとチェリビダッケ支配下のミュンヘン・フィル、そ
🌠マーラーブームなど予測できなかった時期📅深い愛着と来るべき時代への先見性🧑🏫シューリヒト&フランス国立管:交響曲第2番「復活」👼「さすらう若人の歌」
シューリヒトのINA音源シリーズを聴き“本当に生きた音楽”に接したという感激で一杯になった。その中でも特に本盤を最上としても差し支えなく、このような崇高にして感動的なマーラーの「第2」を前にしては、ただただ首を垂れるのみである。シューリヒトは、特に
🔥炎のように熱く水のようにしなやか🫧異常な熱狂と浄化された美感が奇跡的に同居💧C・クライバーのワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」💑
これは、現在CD化されている「トリスタンとイゾルデ」のなかでも、初心者から通まで、存分に唸らせることのできる稀有なセットである。「トリスタンとイゾルデ」は、筆者もこれまで何度も聴いてきたが、本盤を聴いて、あらためてワーグナーのオペラの最高傑作ではない
🤫幻のリスボン・ライヴ㊙️超スローなテンポにも入りきらないほどにぎっしりと詰まったメッセージ🗣️チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル🍻ブルックナー:交響曲第8番
はじめに、筆者は、必ずしもチェリビダッケの良い聴き手ではないということを告白しておかなければならない。同業他者への罵詈雑言の数々、生前に録音を殆ど許可しなかった(海賊盤しか手に入らなかった)という異常なまでのこだわり、そして、あのハリー・ポッターのマ
音楽を奏でる楽しさを保ち🧑🤝🧑共に良き音楽を作り上げようと協調😮真摯かつ彫りの深い👸🏻ピリス&アバド🎼モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番&第27番
実に素晴らしい名演だ。アバドとピリスは若い頃から長年にわたって共演を行ってきたお互いを知り尽くした名コンビであるが、その関係の更なる深化を十分に窺い知ることができる演奏になっていると言えるだろう。先ずは、アバドの近年の充実ぶり、そして円熟ぶりに目を
🍐鉄のカーテンの向こうから登場🛤️西側諸国がリヒテルから受けた衝撃の強さを物語る💥シューベルト:さすらい人幻想曲🛳️ピアノ・ソナタ第13番
卓越した構成力と驚異的な集中力、巨匠リヒテル壮年期の名盤。発売当初から名盤として広く評価されてきたもので、この演奏を聴きながら、本物のリヒテルってどんな演奏なんだろう、と心を躍らせたものだった。前へ前へと進むダイナミックな推進力にあふれたさすらい人
眼光紙背に徹した峻厳な芸風👀最初から最後まで峻烈で厳しい😧ムラヴィンスキー&レニングラード・フィル🪆ブルックナー:交響曲第9番[SACD]🔉
ムラヴィンスキーは、ブルックナーの後期3大交響曲のCDを遺しているが、この3大交響曲の中で、その眼光紙背に徹した峻厳な芸風から、もっとも、ムラヴィンスキーに向いているのは「第9」と言えるのではなかろうか。どの作品に於いても客観性が重視されるムラヴィン
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2012年2月に鬼籍に入ったモーリス・アンドレのEMIへのセッションをまとめた13枚組のボックス・セット。彼の没後ユニヴァーサルからも6枚組の追悼盤が逸早くリリースされたが、そちらのほうは曲目の殆んどがバロック音楽に絞られている。それに対してこ
ジャン・マルティノンは60代になってから精力的にフランス物の録音に取り組んだ。それらはベルリオーズ、ラヴェル、ドビュッシー、オネゲル、デュカスなど枚挙に暇がないくらいだが、このサン=サーンス交響曲全集も同時期、つまり1970年代のセッションでそれら総て
チェコ・スプラフォンが順次リリースしているドヴォルザーク作品集シリーズの第5巻目にあたり、今回は既刊の9曲の交響曲を除いたその他のオーケストラル・ワークと彼の協奏曲全4曲を収めた興味深いものだ。このシリーズの特徴は総ての曲目をチェコ勢で固めた、良
チェコ・スプラフォンが2012年にデジタル・リマスタリングのリニューアル盤として復活させたのが、この8枚組のオーケストラル・ワーク集だ。録音データの内訳を見ると『交響的変奏曲』が1968年、9曲の交響曲が71年から73年、4曲の交響詩が77年、3
日本でもおなじみの名匠ブロムシュテットと400年を越える伝統を誇るシュターツカペレ・ドレスデンという燻し銀コンビによる美しく香り高い名演。ブロムシュテットはかつての手兵シュターツカペレ・ドレスデンとモーツァルトの最後を飾る4曲の交響曲を録音した。
ワーナーでは2017年フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集のバジェット・ボックスをリリースして、それまで決してリーズナブルとは言えなかったEMI音源の個別売りやセット物がひとつに纏められた。これはその第2集に当たり、ブラームスの4曲の交響曲
R.シュトラウスの交響詩集は密接に文学やそのストーリーに結び付けた音楽と言うより、文学作品から受けたイメージを洗練されたオーケストレーションによって発展させ、結果的にはタイトルの如何に拘らず、独自の音楽的なインスピレーションとアイデアを披露する場にな
中世ドイツの研究では第一人者だった阿部謹也氏によるドイツ史の専門的な俯瞰で、ドイツの誕生から今日にいたる歴史に、「ドイツ的」とは何かを思索する、通史とは一味も二味も異なった魅力を持った一冊。この作品を読んでいると現在のドイツ的国民性や彼らの思考回路を
デイヴィッド・ジンマンとチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団がアルテ・ノヴァとRCAレーベルでこれまでに制作した全録音を収録したCD50枚組ボックス。デイヴィッド・ジンマンは1936年ニューヨークに生まれ、オバーリン音楽院他で学び、モントゥーのアシス
この2枚組のUHQCDにはジャン・マルティノン指揮、フランス国立放送管弦楽団によるドビュッシーのオーケストラル・ワーク集が収録されていて、それらは現在に至るまでSACD化を含む再販を繰り返している名盤の誉れの高いものだ。それは丁度クリュイタンスがラヴェル
このディスクにはヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるリヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』及び『ドン・ファン』の2曲が収録されている。どちらも1987年にドレスデン、ルカ教会でのPCMディジタル録
先ず廃盤になって久しかったこのCDの廉価盤化での復活を歓迎したい。ヨゼフ・スークが60歳を迎えた1990年のセッションで、ピアノ伴奏はヨゼフ・ハーラ。彼らはこのほかにも幾つかのアンコール・ピースを録音していて、そちらの復刻も望まれるが、何と言っ
本書は2001年に出版された単行本の文庫版で、ルネサンス、マニエリズム、ロココそしてバロックという美術史の流れを通して、バロック芸術の占める位置関係を明らかにしながら数多くの作品例を引用してその特徴や傾向、並びに意義が読み解かれていく。パリのポンピド
このセットはアルトゥス・レーベルから同時にリリースされたカレル・アンチェルのコンセルトヘボウ管弦楽団への一連の客演シリーズの第2集で、以前のターラ音源をリマスタリングした都合3枚のCDの完結編だが、最後のハイドンの交響曲第104番のみはオランダ放送フィ
これは、チェコの名手ヨゼフ・スークが、ピアノのヤン・パネンカ、チェロのヨゼフ・フッフロとともに1976年に来日した時に録音されたもので、スーク・トリオにとって2度目の録音になる。彼ら3人の充実ぶりが如実に示され、3つの楽器が伯仲した力量で、実に白熱し
クルト・ザンデルリンクは1960年にベルリン交響楽団の首席指揮者としてドイツ帰国を果たして以来、ヨーロッパの楽壇でもその実力が認められるようになった。ナチスの迫害を避けるための亡命だったが、25年に及ぶソヴィエト滞在はショスタコーヴィチとの交流やムラヴィン
1969年と翌70年にカレル・アンチェルがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団に客演した時の音源の第1集になり、同時に残りの2枚分の第2集もリリースされた。これらは初出音源ではなく、既に全曲とも仏ターラ・レーベルから出ていたものだが、日本のアルトゥス
ショスタコーヴィチは若い頃からクラシック以外のジャンル、ポピュラー・ミュージックやジャズにも造詣が深く、習作とは言えないほどのかなりの数の本格的な作品を書いているし、また映画音楽にも取り組んでそのオールマイティーな才能を発揮した。それらは彼の後の
ルネサンスと言えば日本では文芸復興と訳されて、フィレンツェ、メディチ家が私財を投じて設立したアカデミアでの当時の最高の知識人達による古典を基礎とした学術の探求に象徴されているが、温故知新に則った忘れ去られた過去の優れた文化の模索は既に12世紀には芽生
シューベルトのピアノ五重奏曲『ます』にリヒテルのような巨匠が加わることは稀だが、若い頃からアンサンブルに積極的に参加していた彼だけに、ここでも超一級の協調性をみせた力強く隙のない合奏が特徴だ。ライヴならではの緊迫感がすこぶる快く、聴き手の関心の中心に
2012年2月に鬼籍に入ったモーリス・アンドレのEMIへのセッションをまとめた13枚組のボックス・セット。彼の没後ユニヴァーサルからも6枚組の追悼盤が逸早くリリースされたが、そちらのほうは曲目の殆んどがバロック音楽に絞られている。それに対してこ
ジャン・マルティノンは60代になってから精力的にフランス物の録音に取り組んだ。それらはベルリオーズ、ラヴェル、ドビュッシー、オネゲル、デュカスなど枚挙に暇がないくらいだが、このサン=サーンス交響曲全集も同時期、つまり1970年代のセッションでそれら総て
チェコ・スプラフォンが順次リリースしているドヴォルザーク作品集シリーズの第5巻目にあたり、今回は既刊の9曲の交響曲を除いたその他のオーケストラル・ワークと彼の協奏曲全4曲を収めた興味深いものだ。このシリーズの特徴は総ての曲目をチェコ勢で固めた、良
チェコ・スプラフォンが2012年にデジタル・リマスタリングのリニューアル盤として復活させたのが、この8枚組のオーケストラル・ワーク集だ。録音データの内訳を見ると『交響的変奏曲』が1968年、9曲の交響曲が71年から73年、4曲の交響詩が77年、3
日本でもおなじみの名匠ブロムシュテットと400年を越える伝統を誇るシュターツカペレ・ドレスデンという燻し銀コンビによる美しく香り高い名演。ブロムシュテットはかつての手兵シュターツカペレ・ドレスデンとモーツァルトの最後を飾る4曲の交響曲を録音した。
ワーナーでは2017年フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集のバジェット・ボックスをリリースして、それまで決してリーズナブルとは言えなかったEMI音源の個別売りやセット物がひとつに纏められた。これはその第2集に当たり、ブラームスの4曲の交響曲
R.シュトラウスの交響詩集は密接に文学やそのストーリーに結び付けた音楽と言うより、文学作品から受けたイメージを洗練されたオーケストレーションによって発展させ、結果的にはタイトルの如何に拘らず、独自の音楽的なインスピレーションとアイデアを披露する場にな
中世ドイツの研究では第一人者だった阿部謹也氏によるドイツ史の専門的な俯瞰で、ドイツの誕生から今日にいたる歴史に、「ドイツ的」とは何かを思索する、通史とは一味も二味も異なった魅力を持った一冊。この作品を読んでいると現在のドイツ的国民性や彼らの思考回路を
デイヴィッド・ジンマンとチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団がアルテ・ノヴァとRCAレーベルでこれまでに制作した全録音を収録したCD50枚組ボックス。デイヴィッド・ジンマンは1936年ニューヨークに生まれ、オバーリン音楽院他で学び、モントゥーのアシス
この2枚組のUHQCDにはジャン・マルティノン指揮、フランス国立放送管弦楽団によるドビュッシーのオーケストラル・ワーク集が収録されていて、それらは現在に至るまでSACD化を含む再販を繰り返している名盤の誉れの高いものだ。それは丁度クリュイタンスがラヴェル
このディスクにはヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるリヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』及び『ドン・ファン』の2曲が収録されている。どちらも1987年にドレスデン、ルカ教会でのPCMディジタル録
先ず廃盤になって久しかったこのCDの廉価盤化での復活を歓迎したい。ヨゼフ・スークが60歳を迎えた1990年のセッションで、ピアノ伴奏はヨゼフ・ハーラ。彼らはこのほかにも幾つかのアンコール・ピースを録音していて、そちらの復刻も望まれるが、何と言っ
本書は2001年に出版された単行本の文庫版で、ルネサンス、マニエリズム、ロココそしてバロックという美術史の流れを通して、バロック芸術の占める位置関係を明らかにしながら数多くの作品例を引用してその特徴や傾向、並びに意義が読み解かれていく。パリのポンピド
このセットはアルトゥス・レーベルから同時にリリースされたカレル・アンチェルのコンセルトヘボウ管弦楽団への一連の客演シリーズの第2集で、以前のターラ音源をリマスタリングした都合3枚のCDの完結編だが、最後のハイドンの交響曲第104番のみはオランダ放送フィ
これは、チェコの名手ヨゼフ・スークが、ピアノのヤン・パネンカ、チェロのヨゼフ・フッフロとともに1976年に来日した時に録音されたもので、スーク・トリオにとって2度目の録音になる。彼ら3人の充実ぶりが如実に示され、3つの楽器が伯仲した力量で、実に白熱し
クルト・ザンデルリンクは1960年にベルリン交響楽団の首席指揮者としてドイツ帰国を果たして以来、ヨーロッパの楽壇でもその実力が認められるようになった。ナチスの迫害を避けるための亡命だったが、25年に及ぶソヴィエト滞在はショスタコーヴィチとの交流やムラヴィン
1969年と翌70年にカレル・アンチェルがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団に客演した時の音源の第1集になり、同時に残りの2枚分の第2集もリリースされた。これらは初出音源ではなく、既に全曲とも仏ターラ・レーベルから出ていたものだが、日本のアルトゥス
ショスタコーヴィチは若い頃からクラシック以外のジャンル、ポピュラー・ミュージックやジャズにも造詣が深く、習作とは言えないほどのかなりの数の本格的な作品を書いているし、また映画音楽にも取り組んでそのオールマイティーな才能を発揮した。それらは彼の後の
ルネサンスと言えば日本では文芸復興と訳されて、フィレンツェ、メディチ家が私財を投じて設立したアカデミアでの当時の最高の知識人達による古典を基礎とした学術の探求に象徴されているが、温故知新に則った忘れ去られた過去の優れた文化の模索は既に12世紀には芽生
シューベルトのピアノ五重奏曲『ます』にリヒテルのような巨匠が加わることは稀だが、若い頃からアンサンブルに積極的に参加していた彼だけに、ここでも超一級の協調性をみせた力強く隙のない合奏が特徴だ。ライヴならではの緊迫感がすこぶる快く、聴き手の関心の中心に