木漏れ日が揺れているでも揺れているのは木の葉の方だ我が家の若者たちは昨日の疲れか夜に備えてか泥のように眠っているでももしかしたら眠っているのは僕の方かも知れな…
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とっても元気な人が体のあちこちを痛めて「ちょっと働き過ぎじゃないですか」「そんなことないよ、寝る前に蜂蜜をスプーン一杯舐めてるから大丈夫」「えっ、それっていい…
小雨の中を手ぶらで歩いた西の空には太陽が東の空には虹が出ていたから点滅信号のボタンを押して車を何台か止めた横断歩道を渡って太陽を背にゆるやかな上り坂を歩く今確…
風呂上がりにさて何を飲もうかと思案するアルコールの選択肢はないだからといって麦茶は味気ないかといってアイスコーヒーやオレンジジュースや炭酸飲料でもない夕暮れの…
夕暮れに三日月を見つけていた午後十時に歩いてスーパーへ急がなくてもいいけどあってもいい買い物を口実に月を見ながら歩きたかったじゃあついでに飲み物をと頼まれそれ…
夕暮れのセピア色の雑木林を歩く色を失う前の褪せた世界に魅入られ空想に迷い込むあっついさっき観たファンタジー映画の中に足を取られている急いでこの雑木林を抜けない…
カステラを食べた胸がつかえているしっかり噛んだはずなのにカステラの形の直方体のまま食道で止まってる気がする頑張って五ヶ月で五キロ痩せたなのに周りの人は年取って…
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いっぱい花をつけたレウコフィルムはいっぱい花を落とす掃いても掃いてもちょっとしたそよ風ではらりと落ちるきりがないから止めましょうずっと昔に言われたことがあるな…
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忘れた頃に咲いてくれるレウコフィルム綺麗と思う前に感謝の気持ちが沸くのは僕も成長したのだと思うことにするこの際その思いが間違いだとか正しいとかはどうでもよくて…
ツクツクボウシの声を聞いたから夏はもう終わり始めていてあちこちでトンボを見るから秋はもう始まっている部活で汗びっしょりになってまだ夏は続くのと聞く君はそんなこ…
スノードラゴンを剪定するといつも葉で指を切ってしまうだから注意深くハサミを入れて慎重に葉をつかんでいるのにやっぱり指を切ってしまう馬鹿だなと思う幼稚園児の頃土…
僕は中二の14歳の時から世の中を斜めに見てきてそれが自分らしいんだと思って生きて来たその方が物事の本質が見えると思い込んで正面から見ることを拒んでへそ曲がりな…
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その人は恋愛の始まりの縁に立っていたその人の中ではもう恋愛は始まっていて物語は何話も進んでいるなのに躊躇する気持ちがどうしたらいいのかと言わせるけどその言葉さ…
見上げると夕焼けだった見上げながら歩いた晩ごはんはまだ決めていないと言っていた妻がハンバーグを作り始めていたハンバーグはよく作ってくれるけどいつもソースが少な…
足首の体操を始めて二ヶ月ついにウオーキングで足首の可動域が広くなった歩幅が広くなって歩くスピードも速くなって当たり前のことなんだけど自分の足で歩いてるという気…
川の縁にある雑草が生い茂り堤防を越えて背丈ほど伸びているそこには色んな生き物がいて人間が想像も出来ない営みがあるみんなが関わり合って共に生きている人間だけが人…
定まらない気分のまま来た道を戻るとまた背後に足音立ち止まると足音は止む思い切って振り返ると誰もいない歩き始めるとまた足音人は理解不能に陥ると足元を見つめるらし…
天使が視界から消えてそれを機に振り返って足音の主を確かめようという思いとそれはずるい仕草じゃないかと天使をダシにそれはないなと自戒して前に目をやると折り返し地…
川の堤防沿いの道には途中に保育園があって夕方になると預かり保育の園児を迎えに来る人が車でやって来る園児たちはみんな元気で使い切れなかったエネルギーを持て余して…
雨上がりの夕暮れの道湿ったままのアスファルトを歩くと足音がいつもと違う空に帰る雨が生暖かい匂いがするのは人の危うい思いも一緒に連れて行くからだろう背後に誰かの…
土砂降りの後の照りつける日差しでシンボルツリーのレウコフィルムがぐんっと枝を伸ばした夕暮れの不思議な雲を眺めながら剪定をすると枝葉の小山が出来た昔なら気配を察…
模様替えが趣味の妻にベッドの位置を変えてと言われたそのベッドで昼寝しようと思っていたけど言えなかったベッドを動かす為に寝室の家具をパズルのように動かすと面白く…
ウォーキングに出ると綺麗な月が浮かんでいた満ちていく面長の月だったこの月をずっと眺めながら歩こうとルートを決めるあまりに綺麗でため息が出るだけど帰り道には月は…
激しい雷だった光と爆音が繰り返す昔はねこのくらいの雷ですぐに停電になってなかなか復旧しないからロウソクを出して暗がりの中で過ごしたんだへぇ〜と息子は気のない返…
地植えのブルーデイジーの根もとで蝉が息絶えていた毎朝僕を起こしてくれたのは君だったか君の一生はどんなだったか精いっぱい鳴いて次の世代に送り出せたかこんなに暑い…
北側の窓を開ければ熱気は含んでいるものの湯冷ましのような風がやって来て僕を外へと誘うだけど扉は南側にあってそこはまだ危険な暑さふとコーヒーを熱いブラックコーヒ…
「お父さん、顔が赤いよ」そうだった僕は二十年ぶりに酒を飲んだのだった缶チューハイを一口飲むと顔の内側を熱いものが上っていくのが分かるし体じゅうが驚いてるのも分…
ルーは市販のを使うスパイスは家にある定番を適当に7種類入れたそして隠し味これには秘策があった今までに色々試したけどそれらはある意味定番で種明かししても「あっそ…
サラダも作ろう冷蔵庫を覗き込むと赤パプリカがあったピーマンも沢山あるタマネギと合わせてイタリアの国旗にしたなのでドレッシングは当然イタリアン酢にオリーブオイル…
チキンカレーにするので鶏むね肉の皮と筋を取る包丁で丁寧に作業を進めるといつものあの感覚がやって来る手はねちゃねちゃになるけど僕はこの作業がたまらなく好きでこれ…
タマネギを炒めている間に洗い物を済ませ洗濯物を取り入れて米を研いでセットした昨日の晩にご飯を食べながらやっぱり君が炊いたご飯の方が美味しいねと妻に言った炊くの…
晩ごはんにカレーを作ることになったスライスしたタマネギをフライパンで炒める予定は1時間それで飴色になろうがなるまいが終了して次に進む2時間後にヘアカットの予約…
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高二の息子が昼寝している寝返り際ににっこり笑った微妙だ幼児の頃なら可愛くてたまらなかっただろう小学生の頃でも充分に可愛かったはずだ今は・・・・可愛いかなって感…
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久しぶりに会った友はギラついた圧が消えて穏やかな表情になっていた来月に古傷の踵を手術して二ヶ月入院するという不自由な歩行が自由な歩行になる可能性に挑む君は何か…
大学三年の長男は只今絶賛就活中で高校二年の次男は今日オープンキャンパスへ行って来た各々が将来を見据えて前進しているにぎった拳の人差し指と親指の渦巻きの向こうに…
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昼間の風は熱風だった川沿いの道は日差しを遮るものがなく南風に向かって自転車を漕ぐと熱風が纏わりついて離れないこの状況を楽しいなと思う僕の脳は溶けてしまっている…
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午前四時赤い満月が西に沈んだ東には木星と火星滲んだように見えるのは昴アルデバランとヒヤデス星団この辺りを双眼鏡で覗くと息を飲むような美しささっきから腕や脚は蚊…
その人は朝起きたら夜寝るまで座りたくないと言って休憩も取らず昼ご飯も食べずずっと仕事している出勤時間の2時間前に出社してトイレ掃除や雑用をしていて昭和のモーレ…
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100円ショップへ行ったが目当ての物が見つからないではなくて何が欲しくてここに来たのかを忘れ店内の真ん中で立ち尽くすだけどじっと立っているのは迷惑だし挙動不審…
蝉の声で目覚めた朝うるさくて寝てられないと妻は一足先に寝室を出た横たわった体を通り抜けた蝉の声はずっと先のその先の人間が知らない領域に響いてるそんな気がして聴…
大きくなってしまった子供たちのなんてない仕草に幼かった頃の面影を見つけて思い出に浸るのはこの上ない幸せだけど余り長く浸っていると明日を見逃してしまう1分は長す…
老いはぴったりと背中に貼り付いて自分では見えない後ろを歩く人には簡単に見えるのに平穏な暮らしの中ではその存在に気付けないそして濡れたティッシュペーパーを一枚ず…
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帰り道は風速10mの向かい風だった思うようにペダルが漕げない自転車が左右に揺れる向かい風の中を進めという歌があったと思い出し比喩としてはいいけど現実は厳しく困…
ふと目が覚めて時計を見る午前四時三十三分朝焼けに間に合うそう思った瞬間躊躇なく布団を蹴飛ばす屋上に上がると新聞を配達する人や散歩する人が見える穏やかな朝の空気…
午後七時半この薄暗さは十数年前にボールが見えなくなるまで息子と遊んだ記憶を呼び起こすあの頃なんでもよく知っている凄いお父さんだった僕は今では真面目によく働くけ…
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梅雨の合間に晴れ渡ると日差しは夏そのもの薔薇の花びらを二枚三枚八枚と拾ううちに背中がジリジリと焼けるウォーキングに出ると道端に蝉のぬけ殻確実に季節は進んでいる…
ビーマンよりはハッチマンの方がいいのではと思うけど誰にも言わないでおくもしも明日朝この命がまだ生かされていたなら残りの人生を人類の為に捧げようと思いたいけど明…
どう贔屓目にみてもぶつかった僕の方が悪いしかもさっき種類は違うだろうけど蜜蜂の命がけの蜂蜜を3匹分僕は搾取していたのだなんだか身体じゅうの血管がヒクついている…
良かった刺されずに済んだ帰って家族に話すとほんとに刺されてないのかと心配顔もし刺されてたらスパイダーマンみたいにビーマンになるかもでも語呂が悪いから映画化はさ…
その日の夕方僕は雨の中を自転車で走っていた車1台が通れる程の狭い道で前から来た車とすれ違う時目の前に蜂が浮かんでいた僕は蜂を避け切れずぶつかって蜂は何処かに消…
献血依頼メールが日本赤十字社から来た献血バスに乗り込む前に手続きをする僕の後ろに女子高生がいた「あっ」彼女が言うと彼女の手から用紙が一枚ひらりと落ちた拾い上げ…
海は色んなものを見せてくれて色んなことを考えさせてくれる大雨で川から流れ出た土砂やゴミで濁ってしまっても何度も何度も波を打ち返すうちにまた綺麗になる人間は元々…
前々日の大雨の影響か海は濁っていた砂浜に出ると誰もいなかったシーグラスを五個拾ったら帰ろうそう決めると四個目で青いのを拾ったこの濃い青は珍しいので嬉しい五個目…
海に出る前にトンネルがあって1段上がった所に巾1mほどの柵のついた歩道があるさしかかった所で女性が向こうから走って来るこのままではすれ違えないと思いトンネルの…
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店の駐車場にはロープが張られて定休日の文字も昨日あんなに練った予定がボロボロと崩れ落ちるその後は何をやってもうまくいかない今日はそういう日だったんだと諦めかけ…
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雨の日車の中で人を待つスマホがあるからいくらでも待てるでもスマホがなかった時代でもフロントガラスにぶつかって流れ落ちる雨粒の様子はいつまででも見ていられた今な…
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ウォーキングの折り返しに大きな木が群生しているこんにちは挨拶するけど何も言わないでも本当は僕より先に何か言ってるのに僕には聞こえていないのだろうこの世はきっと…
思いがけない休日の朝予定はまだないだらりと伸びた身体は水飴のようだけどそんなに甘くはない学生の頃炉端焼き屋でバイトしていて経営者が醤油ダレを作るのを見せてくれ…
僕は気が動転していたと思うみんなが食べてもちろん僕も食べて残ったわらび餅が三つきな粉を薄く纏って肩を寄せているこういう時は僕が完食するのが通例だけどなんだか気…
時々やってくる浮遊感身体は軽いけど軽過ぎず心はすべすべの縁取りの中を行ったり来たりおかげで心もすべすべのつやつやぎゅっとつかんでもすぐに元に戻りそうだからとい…
僕はその人が苦手だったその人がいきなりやって来て何かの説明を始めたけど全く理解できないその人の言った言葉が頭の中には入らず目の前でフライパンで煽られて跳び跳ね…
今年初めてスイカを食べた年に一度か二度しか食べないのにまだ六月なのにもう食べてしまったスイカはスイカ以上でもスイカ以下でもスイカ以外でもなくスイカだった思った…
風に揺れる枝葉に心奪われるのはとても疲れているからか悟りの境地に近いのかそれほど疲れていないからきっとどっちも違う手を伸ばして触れたい何かがあるとぼんやり分か…
年配女性のコミュニケーション能力の高さには頭が下がったまま上がらない整形外科の待ち合いでそれはすぐに始まるしかも声が大きいから会話の内容は全筒抜けで個人情報は…
念願の朝五時に起きた目覚まし時計に頼ることなくとういうことは起きられたら起きてそうでなかったらまあいいかという淡い念願だった朝焼けに間に合うそう思って屋上に出…
他人のせいで自分の予定が狂ったことを空間をねじ曲げるように自分の思いをねじ曲げて自分のせいにしたり狂った結果が予定より良かったと思うことは出来ると思う空間をね…
雲が繋がっているのか離れているのかまだら模様でどっち付かずそこに飛行機が繋げようと縫っていくもう充分に繋がったタペストリーキャロル・キングの歌を聴きたくなる夕…
夕方六時前でもこんなに明るいのは水平線の向こうまで夏が来ている証拠だ歩幅を少し広くとって足首を使って歩くそう決めていても歩いていると色んな思いが浮んでおろそか…
こんな時代が来るなんてひとつの部屋に家族全員がいてみんな別の方向を向いて手にはスマホかタブレットそれでも誰かの声に反応はして言葉が行ったり来たり昔は視線も姿勢…
天気は下り坂坂はまだまだ続くだろう身体が重く感じる午後ふとやって来た小鳥がひょいひょいと枝を渡っているから僕は窓に駆け寄ったけど思ったよりも身体は鈍くて窓ガラ…
宝石が浮かんだような空はほんの少し立ち止まっただけですぐに消えた目は見開き口は半開きで声は出ない思考もないこの一瞬を永遠と呼ぶのか同じ空には二度と会えない誰も…
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夏が振り返ったような朝ゴミ出しに出るとサンダルが壊れた二十年以上愛用しているお気に入りだ家からゴミ収集場所までの真ん中辺りで立ち止まった半分まで来たからこのま…
古い映画を観た五回泣いた二十一年前に観たときは三回泣いていたどうして二回増えたのか誰に聞いたら教えてくれるだろうか誰にも見つからないように涙を拭きながら考えた…
そうやってこのネタで私のことを一生イジるんでしょ?ホンマ腹黒いわ〜いやいやそんなつもりはないけどい〜や絶対にイジるわ逆にこのネタでイジらせてそれを責めるってい…
次男がスイカを食べたいと言ったちょっと遅すぎだよなと思ったけどまだスーパーに売ってた今年初めてで最後のスイカは思ったより甘くて美味しかった冷蔵庫を開けるとプリ…
なんてない話をだべり仲間二人と誰ひとり話し過ぎることなく誰ひとり黙ることなく誰ひとり話を遮ることなく絶妙のバランスで三人の重心に話のボールが浮ぶふわっとした気…
やりたいことを全部やった一日締めくくりに屋上で空を眺めると蚊が何匹もまとわりつく君たちの夏はまだ終わってないか代わる代わるやって来ては腕に止まろうとする一匹だ…
ふわっと浮いているようでだけど流されることなく佇む目を閉じれば様々な模様が生まれては消え終わらない何かを見つめているようで何かに見つめられている気がして見上げ…
「これなら、タラコクリームの方が良かったな」晩ごはんはタラコスパゲティだった長男の発言に妻は「そう?」といった表情で次はそうしようと心に決めているに違いないも…
このまま一生プリンを食べられない身体になってしまったのだろうかこの前のスズメの知らせはこのことだったのか新しい何かを好きになって今までの好きを好きでなくなる事…
あんなに好きだったのに・・・・いやそんなことはなかったプリンよりもフィナンシェやエクレアの方が好きで選ぶならプリンのライバルのコーヒーゼリーを選ぶ僕だっただけ…
なんというこだこんな日が来るなんて雷に撃たれたような衝撃これを青天の霹靂というのだろう冷蔵庫を開けるとプリンがちょこんと座っていた絶対に僕を待ってるポースだ今…
午前五時半屋上はまだ夜明け前だったそら豆みたいな月が浮かんでる寝転がって薄青い空を眺めていると園児のように甲高いスズメの声無視してストレッチしている間もずっと…
ウォーキングはいつもの川沿いの道50mほど前を歩く人がいる競う訳でもないけど少しペースを上げて距離を縮めようとするけど全く縮まらない膝や足首に負担がかかって息…
夏はもう行ってしまった秋はまだ来ていない夏の残り香にすがるように風は雲を呼ぶけどいつだって雲はまた来るよと言ってもう来ない諦めきれない風は優しく強く木の葉を擦…
「海が見たいな」そう言われた時の僕は十代だったそう言ったのはひとつ下の女の子で僕らはバンドのメンバーだった波打ち際までの砂浜を高いヒールで歩くのは辛そうでおん…
シマトネリコの木が大きく育った 高枝剪定鋏で枝を落とすシマトネリコにとってはせっかく成長したのになんてことしてくれるんだというところかそれは人間的な考えでこの…
なんにも楽しい事ないよなんでいつも楽しそうなの?そう言われても普通にしてるだけなんだけど嘘!なにか楽しい事してるでしょ?教えてよいやこれと言ってなんにもしてな…
レースのカーテンに映る木漏れ日を眺める音にすればサワサワではなくザワザワでもなくサワザワ午後三時半のリビングに僕ひとり音はなく言葉にすればシーンではなくボンヤ…
午前一時ふと屋上に上がると東の空には木星が夜空を独り占めするように圧倒的な光量で輝く街灯の灯りが束になって群がっても太刀打ち出来ない不意に南東の空が光る音のな…