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  • 10/12 八ヶ岳山麓

    妻が野鳥を探したいというのででかけてきた。さすが三連休で道路は車が多かった。いつもより1時間余分にかかった。まだ木々に色付きは見られない。それでも気温は涼しい。孫達はエリーの来訪で大喜びだ。エリーも大はしゃぎ。アサトは生き物が好きで枯葉の下からヒキガエルをつまみ出しもてあそんだ。このあとその手で顔を触ったのでまぶたが腫れ上がった。10/12八ヶ岳山麓

  • 10/11 インド映画『花嫁はどこへ?』鑑賞

    久し振りの映画館だ。映画館サールナートの年間会員になっている。一回ごとの入場料が割引される。さらに無料鑑賞が2回できる。2月から今年度になっているが、その無料券が1回分残っていたので利用した。この映画は新聞の批評欄で見た。現代のインドだが、設定は2001年となっている。インドの田舎では今でも結婚は家または親が決めるらしい。カースト制などがあるので本人同士の恋愛結婚は少ないらしい。妻側が嫁に持たす持参財だとか日本の結納金のように花婿側が負担するものもある。結婚の日にちも占い師などに決めてもらうので、日本の大安のような集中日がある。物語の中心となる花嫁は二人、花婿の田舎へ向かう列車内には大勢の花嫁花婿が乗っている。花嫁はみんなベールで顔を隠している。衣装も同じような衣装だ。長い夜行列車の旅で、途中トイレに行っ...10/11インド映画『花嫁はどこへ?』鑑賞

  • 10/10 槙囲い剪定と『人類前史 下』読了

    週末から地域の秋祭りが始まる。それまでに何とか外側だけでもと残りの一部の剪定をした。西側の垣根より長いので疲れもそれなりに増加する。やはり疲れてくると丁寧さが欠けてくる。アメリカにおける人類の形跡は1万3千年前のベーリング陸橋利用時期からだけでなく、数万年前の遺跡もある。またアマゾンにはオーストララシア(オーストラリア、ミクロネシア人)の遺伝子を濃く持っている民族がある。また北米大陸にも数万年前の遺跡が見つけられた。これらを築いた人々は1万3千年まえの最終氷河退氷後ではなくその前の退氷期13万年前の温暖期にアジアから渡ってきたのかもしれないという。さらに、南北アメリカ大陸の各民族の民話の中での死の認識、例えば人は死ぬとオリオン座を目指して上ってゆき天の川を通って冥土の旅をする、などエジプトなどと同じ考え方...10/10槙囲い剪定と『人類前史下』読了

  • 10/8 グラハム・ハンコック『人類前史』上 読了

    どこかの書評で見たので図書館で借りてきた。彼の名前は昔『神々の指紋』がブームになった時から知っていたが、当時は少しいかがわしさがあって手にはとらなかった。しかし今回の書評ではそんないかがわしさを感じさせづに、「これがハンコックの今までの思索の旅の終着点」、などというような釣り言葉に惹かれて読む気になった。上下二巻ある。南北アメリカ大陸に人類が渡ったのは、1万3千年前とされている。最後のアンドレアス氷河期が終わる前、まだベーリング海峡が陸橋としてつながっていた時、シベリアからモンゴロイドが入っていった、と言われているが実はそのずっと前13万年前頃にすでに人類が暮らしていたということを説いている。著者がこの論の根拠となる最近の様々な研究を参照しながら、実際の研究者が断定していないことを断定しようとしている。そ...10/8グラハム・ハンコック『人類前史』上読了

  • 10/7西條奈加『三途の川で落としもの』読了

    図書館に借りた本を返しに行った。新しく借りようと手続きをすると前に借りた本が返されずに残っていると言われた。6冊返したがと言うと、もう1冊あると言われた。それこの本だ。家に戻って探してみると確かにあった。最初を読んでみると記憶がよみがえってきた。読みかけて後に回したのだ。橋から落ちて溺れ死にそうになった少年が三途の川まで辿り着いたがまだ死んでいないので川を渡れない。そこで死者の川渡りをする船頭たちの手助けをする仕事が与えられる。現世に多く未練を残す死者たちはスンナリ三途の川が渡れない。その障害を無くすためには現世に戻ってその障害を取り除かなければならない。そんな役割を果たしている少年のこの冥界での暮らしぶりが話の筋だ。作者の発想に驚く。よくもこんな話を思い付くものだと。小説の形態は少年向けのライトノベルの...10/7西條奈加『三途の川で落としもの』読了

  • 10/5 浜名湖クラフトフェアー

    妻の毎年の楽しみ浜名湖クラフトフェアーに出かけた。エリーを連れていくつもりだったが天予報なので車が泥だらけになるのを恐れて置いて行った。幸い現地での降雨はなく見学できた。妻には目的があるが私には何の目的もない。妻が商品を吟味している間、私は出品店との間をうろつくだけ。それらしい格好をしたおば様たちが闊歩して、出品者たちと楽しそうにおしゃべりをしている。かつては私も購買意欲を刺激されて、ウイスキー用にカットグラスやスマホの木製スピーカーなどを買ったが今ではほとんど触手が動かない。ただ、カッティングボードとして各種のまな板を並べている出展者が多かった。今私が使っているのは百円ショップで購入したプラスチックの20センチ四方のものだ。魚や肉を扱っても洗浄が楽だと思っている。しかし小さすぎる。もっと大きい桐製のまな...10/5浜名湖クラフトフェアー

  • 10/3 西條奈加『隠居すごろく』読了

    久しぶりの肉体労働をした後なので疲れていて直ぐに寝付けると思って11時前にベッドに入ったが寝付けなかった。1時ごろまた下に降りた。一杯飲めば眠くなるかと水割りをこしらえてみたが眠くならない。2杯目を飲みながらこの本を読みだした。以前読んだ、この作者の『隠居おてだま』が今回の本の続編だった。したがって隠居したところから始まって、孫の千代太がいろんなものを持ち込んでくる様が描かれている。組紐屋の成り立ち、王子権現で境内ガイド会社「千代太屋」ができたいきさつなどが出てくる。人情噺だが様々な商売についての解説も面白い。前作を内容が深く面白いと評したが、この第一話の方が作者の力が入っている。夜中3時過ぎまで2杯が3杯、4杯と飲み続けて半分ぐらいまで読んだ。さすがに翌日昼頃まで寝るのは嫌だと、それほど眠気は催していな...10/3西條奈加『隠居すごろく』読了

  • 10/2 槙囲いの剪定開始

    大谷君の野球もないし、本を読むぐらいしかすることはないかと思っていると、妻が「去年は10月2日に槙を刈り始めている。」と言い出した。仕方なく、ものすごく重い腰を上げて準備し始めた。一番人通りが多く目立つ西側から刈ることにする。妻は電動のマキタを使うが、私はエンジンの方を選択した。重量は重いが刈幅が広く能率は上がる。私が刈っている間妻はバラの消毒。枝の伸びが旺盛で、天の高さを見つけ揃えるのが難しい。午前中外側の側面をすます。昼食後妻は外出した。私は2時近くまで居眠りした後、夕食の買い物を済ませてから刈り始めた。空いた軽トラを利用して天辺を刈る。荷台への乗り降りが大変なので、コンテナを踏み台代わりにする。4時ごろ妻が帰ってきて、刈枝の片づけをやってくれたので、何とか5時近くに終えることができた。残りは内側だ。...10/2槙囲いの剪定開始

  • 10/1 東山彰良『ミスター・グッド・ドクターをさがして』読了

    東京行きの疲れからか、前日は10時過ぎまで寝ていた。それでも身体の調子が今一つなので23時前に寝に就いた。しかし1時間ほど寝ていると蚊に刺された。それで目が覚めてしまい1位間以上眠れなくなってしまった。0時30分下に降りて読みかけだった標記を読み始めた。3時過ぎに読み終わった。読みながら何となく記憶に残っているような気がしていた。それでも確かに読んだという確信は湧いてこない。そこでこのブログで検索してみると2022年9月に読んでいた。その頃は数冊読み終わった後まとめて記録していたので、他の本の感想は記しているが、このほんのことについては「読んでいる時は面白かったが、今はもう内容の記憶がない」とだけ書かれている。今回はさすがに今読み終わったばかりなので内容を覚えている。医師専門の転職サービス会社に勤めている...10/1東山彰良『ミスター・グッド・ドクターをさがして』読了

  • 9/28 シャングリ東京練習

    今日は17名の参加。各パート4人揃い。帰国した成田さんの指揮で、年明けの仙台、2月のKLでのアジ祭の曲をさらう。何時もバースで1人なので4人も揃うと安心して声が出せる。今回は車で上京した。シャングリメンバーで現在育休中(合唱指揮)の杉村さんへベビーチェアを届けた。孫たちが家で使っていたものだ。砧公園の西の方にあるアパートを目指したが、古い町のせいか道路が狭くくねくねとしている。私が阿練習している間、妻は野鳥公園で鳥観察。練習の後は神田の駅前の中華料理屋で打ち上げ。千代田区スポーツセンターが使えるように世話になったメンバーの友人が経営している。休店日だったがわれわれのために開けてくれた。ほかに客がいないので、大声で歌うことができた。勢い余って、店の前でも「いざ立て」を合唱。路地の飲み屋の客が拍手してくれた。...9/28シャングリ東京練習

  • 9/26 車修理

    最寄りのJR菊川駅。現在駅舎改築中。子供のころからこの駅は何回改築されただろう。最初は鈍行に乗って東京から来た1歳の時、次は小学生の夏休み東京へ、網袋に縦に5・6個入れられた冷凍の温州ミカンがうれしかった。プラットホームには水飲み場や顔を洗う水道が設置されていた。この時の駅は高校生で毎日通学に使ていた時改築された。しばらくこの駅を使わない期間があったがその間にも変化した。その後今の改築前の駅舎になった。多分5回目になるだろう。今回は写真の女子高生の前に広がっている開発区がある北側へのアクセスが簡便なように橋上駅になる。車の修理が終わったとの連絡で電車バスに乗って静岡まで取りに出かけた。新幹線以外のローカル電車に乗るのは年に数回だ。静岡までの駅の数は、最初にこの区間を利用したころより3か所増えている。高校生...9/26車修理

  • 9/25 今年最後?の芝刈り。

    昨日刈払い機でエッジを刈ってあるので、今日はローンモアーで芝を刈る。能率を上げようと始めは刈幅の広い大型を使った。しかし、エンジンの吹けがイマイチ。調べてみるとエアフィルターのエレメントが汚れて十分な空気を通していないようだ。なしで何とか刈り出したが埃を吸い込むとエンジンを痛める心配があるので、小型に変えて最後を仕上げた。昨日2時間、今日も2時間程度の労働時間だが途中何度も休憩した。幸い気温が下がり20度台だったのでやり遂げることができた。たぶんこれが今シーズン最後の芝刈りになるだろう。この秋の残りの仕事は祭りの前までに槙囲いの剪定、そのあとバラの剪枝、最後は庭に散らばっている切り落とした木の枝や幹を槙に加工することぐらいか。まだサツマイモの掘り取りもあった。9/25今年最後?の芝刈り。

  • 9/23 紀蔚然著『DV8台北プライベートアイ2』読了

    前作に続いて著者の第二冊目の小説。前作は2011年、今作は2021年刊行だからほぼ10年の間がある。訳者は10年という歳月をかけ、満を持して発表した作品と言っている。確かに前作より小説らしくなっている。話がスムーズに入ってくる。やはり主人公は著者の分身ともいえる、元大学教授の私立探偵呉誠(ウー・チェン)だ。住まいは台北から淡水に越している。やはりあまり仕事はなく、いくつかのバーやカフェを巡ったり街を散歩している。その中で変わった名前のバーを見つける。それがタイトルになっている、DV8だ。DV8は英語のdeviate、つまり逸脱する、踏み外すという意味だ。入口に立つと彼の趣味に合うジョニ・ミッチェルの歌が流れてくる。ためらわずドアを開ける。店内はかなり広く、バーカウンターの中に美人の女主人エマがいる。彼はこ...9/23紀蔚然著『DV8台北プライベートアイ2』読了

  • 9/23 探鳥

    やっと暑さが和らいだ。朝起きて居間のエアコンを止めた。妻が磐田の大池に鳥を見に行きたいと言い出したので同行する。昨日遠江野鳥の会が観察会を子の池で行ったらしい。昨日の天気予報では雨だったので参加しなかったそうだ。この池は二度目だが、鳥の数は少なかったが、それでもサギ類、シギ類それぞれ数種が確認できたそうだ。それに池の端で野鳥の会の元役員という方が妻に話しかけてくださった。彼も昨日の観察会には所用があり参加できなかったので今日見に来たそうだ。この池に飛来する野鳥だけでなく、伊良湖岬の渡りなどについても詳しく語ってくれた。やはり先人の導きは必要だ。9/23探鳥

  • 9/21 紀蔚然著『台北プライベートアイ』読了

    毎日新聞9/14の書評に、この著者の新作が取り上げられていた。図書館で探すと彼の本が二冊あったので借りてきた。先に第一作のこの本を読んだ。彼は1954年生まれで戯曲を数多く書いていて、台湾の演劇界では大物だそうだ。これは小説家としてのデヴュー作だ。作者とほとんど同じような主人公が現代の演劇界に違和感を持ち、大学教授の席も劇作家も放り出して、マンションも売り払い台北の場末の街に越してくる。そこで私立探偵の看板を掲げ新しい人生を歩もうとする。しかし仕事の依頼はなく、毎日カフェや公園、古い町の路地をうろついている。そんなときはじめて仕事が入る。高校生の娘の様子がおかしいというきれいな女性からの依頼だ。娘が父親に対して大いなる嫌悪感を持っているようなのでその原因を調べてほしいということだ。父親は健康保険を扱う役所...9/21紀蔚然著『台北プライベートアイ』読了

  • 9/20 プール片付け

    昨日やっとプールの部材を畳んだり束ねた。一昨日解体して、シート類を乾かしていた。あとは物置の棚にしまうだけだが一人では手に余る。妻の手を借りなければならないが今日の妻の予定は豊橋の園芸屋に行くこと。一緒に行くかと誘われたが、私の車は修理に出してある。妻の車はエリーを乗せることを拒んでいる。4・5時間エリーを独りで置いておかなければならない。エリーのためにエアコンは連続で運転している。もしエアコンが故障して停止してしまうとこの暑さで彼女の命はない。そこでおいてゆくなら私は行かないと断った。裏の土手にいつの間にか曼殊沙華が咲きだした。庭には白花も咲いている。萩もあちらこちらで咲いている。我が家の庭に萩はなかったが、私がここへ越してきたころから植えて増やした。いくつかの種を植えたつもりだったが、繁殖しているのは...9/20プール片付け

  • 9/16 岩崎圭一著『人力世界一周の旅』再読

    昨日のブログで取り上げた本で、借りてきた図書館の本が終わった。昨日交換に行けばよかったが面倒でやめた。今日は土曜日なので休館日、明日にしようと思っていたら図書館からのラインで月曜開館、火曜振替休館の下背が来ていることに夕方気付いた。時既に遅し。そこで自家の書架を当たり、未読かなと思う本を探した。上掲は何かの書評で見て購入したが、読んだ記憶がない。それで読み始めた。読み始めてここは読んだなと気づくところが多かったが、後ろを覗くと確かな自信がない。それで半分まで読み進めると思い出した。それから最後の方を覗くと記憶がよみがえってきた。このブログを検索してみても読書歴になかった。だいぶ心許なくなってきた。28歳まで父親の事業を手伝っていた男が、インドのタージマハールを見てみたいと思い立ち東北の街から友人の車で東京...9/16岩崎圭一著『人力世界一周の旅』再読

  • 9/15 西條奈加著『隠居おてだま』読了

    まだクーラーの効いた屋内で一日過ごしている。私はクーラーを止めたいが妻や娘が拒む。エリーも耐えられないという。そうして冷える足をかばってひざ掛けで覆って耐えている。外気との温度差がそれほどなくなれば外に出て体を動かそうという気にもなれるだろうが、すでに体が熱さに対する耐性を無くしている。要するに軟弱になってしまっている。そこで本を読んだり、ビデオを観たりで日がな一日過ごしている。上掲の本は先日の『大川契り』と一緒に借りてきた。糸問屋の身代を息子に譲り隠居して近くの田舎に隠居所を設け、暇つぶしと人助けで組紐を寡婦や親なし子に作らせ販売するなどしている。また奥方は息子の嫁が頼りなく店のまとめができないのでまだ店で暮らしている。しかし奥方も半日この隠居所に通い、困窮家庭の子供に読み書きを教えている。その子供たち...9/15西條奈加著『隠居おてだま』読了

  • 9/14 趙景達 『朝鮮民衆の社会史ー現代韓国の源流を探る』読了

    今年の8月に出た本だ。新刊コーナーで見つけた。「朝鮮」の文字を見ると気になる。「韓国」だけだと興味は半減する。昔子供のころ、父親が朝鮮の平城で生まれたと聞いた。「それじゃあ朝鮮人?」と訊くと苦笑いをしたことを覚えている。日本生まれで、大学の先生をしていた人だ。岩波でたくさん本を出している。私の世代はそれだけで信頼感が高まる。本書の叙述対象は朝鮮王朝の成立期から1919年の三・一運動までだ。儒教の朱子学が広がり仏教が衰退してゆく時代からだ。現在の韓国は儒教的な社会のイメージが強いが、その社会の底には巫俗(シャーマニズム)、仏教、占卜がしぶとく生き残っている。儒教は「ヘゲモニー宗教・教学」となっているという。14世紀、朝鮮王朝が成立したときは「万歳(マンセイ)」で祝したが、中国の冊封下に入ると「千歳(チョンセ...9/14趙景達『朝鮮民衆の社会史ー現代韓国の源流を探る』読了

  • 9/13 プール水抜き

    しばらく前から解体していた屋敷が更地になった。昨日まで重機が動いていたが今朝見たらきれいになっていた。二反600坪ほどあるだろうか。跡地は分割されて売られるのだろうか。あまり需要はないように思うが、もしここが売れるならば我が家の敷地も整理することができるかもしれない。昨日からプールの水を抜き始めた。昨日半分、今日は残りの八分ほど。明日は用事があるのでできない。二回目のプールで、台風のため孫たちはほんの数分入っただけだった。約8立米の水。庭に散水している。9/13プール水抜き

  • 9/11 西條奈加 『大川契り』読了

    以前この作者は、2021年の直木賞を受賞した『心淋し川』を初めて読んでその後『金春屋ゴメス』など数点を借りたが、名前さえ忘れていた。書架を当てもなく眺め歩いていてさて知った名前だなと目に留まった。それで借りてきた。江戸を舞台にした人情噺が得意な作家だった。これも人情噺だ。質屋を経営する家族とその質屋が差配する長屋の住人が主役だ。その長屋は近所では善人長屋と呼ばれている。しかしこの質屋は裏で盗品故買を行っているし長屋の住人も掏りや美人局などを裏の稼業も持っている。そんな主人公たちが巻き込まれてゆく事件をそれぞれの特技で解決してゆく。事件ごとの短編が並べられ最後にこの質屋家族のいきさつが説明される。時間つぶしも読書の楽しみの一つではある。数日前、トルーマンカ・ポーティの『遠い声・遠い部屋』読了で、知ったような...9/11西條奈加『大川契り』読了

  • 9/9-2 松永K三蔵著『バリ山行』読了

    第171回(2024年上半期)芥川賞受賞作。新刊コーナーに残っていた。同時受賞の朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』はなかった。「バリ山行」なる言葉は知らなかった。調べてみると、「バリエーションコースをたどる山登り」の略語で、特に、登山地図上に記載されている通常の登山道ではなく、等高線地図、赤色立体地図などを読み自分でルートを探していく山登りを指す。一部に愛好家がいるようだが、一般的には、登山道以外に踏み込んでゆくことで自然に対する負荷をより与えてしまうと顰蹙も買っているらしい。小さな設備管理の会社に勤める主人公が会社の山登り仲間に加わり六甲山を歩く。主人公はあまり他人との交わりが得意でなく、会社内の人間関係で転職してきた。この会社でも努力して交わりたいと苦労している。社内で孤立しているように見える同僚が...9/9-2松永K三蔵著『バリ山行』読了

  • 9/9 安本美典著『卑弥呼の鏡が解く邪馬台国』読了

    図書館の新刊コーナーで見つけた。邪馬台国論争の一つだ。「卑弥呼の鏡」とは?と気になって手に取った。「魏の皇帝が卑弥呼に与えたという100面の銅鏡。丹後地方の古社に伝世している鏡こそ、そのうちの2面ではないか。新興の科学・データサイエンスが照らし出す、新邪馬台国像。」に釣られた。この古社とは尾張氏の先祖、天の火の明かりの命を祭る京都府宮津市にある元伊勢駕籠神社.。ここの宮司家に代々伝えられている。著者の邪馬台国の所在地についての意見は、東大の教授であった白鳥庫吉や和辻哲郎、井上光貞などに支持されてきた邪馬台国東遷説である。この鏡を手掛かりに論が展開される。まず鏡の銅同位体比の分析がされる。中国で多く見つかった銅鏡の分析に照らすと、多く北中国系同原料を使っている3世紀後半までの製造だとわかる。それ以後は南中国...9/9安本美典著『卑弥呼の鏡が解く邪馬台国』読了

  • 9/8 南直哉著『苦しくて切ないすべての人たちへ 生きているだけで大仕事』読了

    昨日の行き帰り電車の中で読んだ。養老孟司氏が今年の5月18日毎日新聞で書評していた。その時図書館蔵書を検索したがなかったのでアマゾンでポチョッとした。日頃から、人生啓発本の類は手に取らないのだが、養老氏のおすすめで読んでみようとなった。それから読まずに積まれていたが、新書版で都合が良いと今回の旅に連れて行った。著者は禅僧、恐山菩提寺院代の肩書を持つ。私より10年後に生まれている。大学を出て会社勤めもしたが永平寺で出家した。内容は「著者の考える仏の教えを間接的に説いたものである。欧米風の思想書とは違い、体系的に大所高所から、つまり神様目線で人生を説くのではなく、具体的な著者の体験をつないで語る半自伝でもある。」と書評にある。ブラタモリでの取材の時案内役を務めたそうだ。残念ながら私には記憶がない。著者が初めて...9/8南直哉著『苦しくて切ないすべての人たちへ生きているだけで大仕事』読了

  • 9/7上海グリー練習

    今月の練習会場は川崎市だった。しかし私はその決定のメールを確認できずに最初のメールで予約できたとあった、横浜のチベット区、瀬谷に行ってしまった。開始の一時になっても誰も来ないので気付いた。川崎までの移動は一時間以上かかった。練習の後は例のごとく、川崎の有名な堀之内地区の居酒屋で打ち上げ。このメンバーのうち一人を除いて60歳を超えている。この店でも、街を歩いても、川崎は若い人ばかりだ。土曜日で仕事帰りの人がいないせいもあるのかもしれないが、ほとんどすべてが我々より若い人ばかりだった。川崎といえば昔は労働者の町で、昼間から街角では仕事にあぶれた連中がコップ酒をあおっているというイメージだったが、街はきれいになって、駅に続く道は車も入ることができなくて、若い人が一杯歩いている。将に、勢いのあるアジアの街の佇まい...9/7上海グリー練習

  • 9/5 芝刈り

    昨日妻が刈払い機でエッジを刈ってくれたので、芝刈り機だけの仕事。暑さはそれ程では無かったのでやる気になった。午後3時から初めて、何とか1時間で終えられた。かなり雑な仕事だが。夏の水枯れの時は黄色くなっていたところもあったが、台風10号の雨でだいぶ回復した。先に回復するのはコウブシなどの雑草だ。作業の後はプールに飛び込んだ。モンタロウたちのために再度準備しておいたが台風の雨で、ほんの数分しか入らなかった。いつまで暑い日が続くかわからないがもう暫くハイクロンを入れて浄化ポンプを回し続けてみよう。9/5芝刈り

  • 9/4 廃屋解体が続く

    8月末から壊し始めた屋敷がほぼ解体された。残りは大きな立ち木とコンクリの基礎。3百坪ほどあるだろう。跡地はどうなるのか。いつも行く同級生の床屋の隣が解体された。もとは洋品店だった。戦争で右腕を無くしたご主人がやっていた。ここももう空き家になって40年近くなるだろう。床屋がむき出しになったさびた外壁を嘆いていた。軽トラの前の白い家の隣にも数年前に警察の派出所が壊された空き地がある。更地にされた土地に新築されるところもあるが、半分以上が空き地のままになる。その内雑草が茂ってくるだろう。9/4廃屋解体が続く

  • 9/2永井沙耶子『商う狼』『女人入眼(にょにんじゅげん)』、トルーマン・カポーティ『遠い声、遠い部屋』読了

    モンタロウたちが8月28日から9月1日まで滞在した。上の本はその直前に読み終わっていたが、彼らが来た後ではブログにアップする間がなかった。落ち着いてPCを立ち上げる気にもなれなかった。江戸時代の終わりに近い文化文政年間のこと、実際に起きた出来事を話の筋としている。隅田川にかかる永代橋が老朽化して落ちた。その後端を修繕し維持管理するため三橋会所を設立し、その資金として菱垣廻船の近代化により潤った江戸の大店の集まり十組問屋から冥加金を出させた杉本茂十郎が主人公だ。その経済的手腕の独特さから毛充狼とあだ名された男だ。彼の妻と娘が永代橋の崩落事故で亡くなった。橋は幕府ではなく町方で維持管理することになっていた。町方では金をケチって十分な維持管理が行われていなかった。それが崩落の原因だ。彼は大商人達をまとめて三橋会...9/2永井沙耶子『商う狼』『女人入眼(にょにんじゅげん)』、トルーマン・カポーティ『遠い声、遠い部屋』読了

  • 8/22 猛暑続く

    エリーの食事。娘がドッグフードばかりでは健康に良くないと主張し小松菜、大根、カボチャなどを蒸して混ぜている。そこへ最近はリコピンが必要だと言い出したので庭でとれるミニトマトも載せている。一方人間様の食事は私が朝昼晩と準備している。昨年7月の妻の入院以来なぜか私の仕事となっている。8/22猛暑続く

  • 8/16 ジョン・バカン『三十九階段』読了

    新刊コーナーで表紙が目に留まり手を伸ばした。見開きに釣り書きが貼ってある。「ヒッチコック監督が映画化した、スパイ小説史上不朽の名作がカルト的人気を誇るエドワード・ゴーリーの魅力的なイラストをまとい蘇る!」スパイ小説の原点だとも書いてある。1915年発表の小説だとか。南アフリカの鉱山で一稼ぎした鉱山技師リチャード・ハネーがロンドンに帰ってくる。特に目的があるわけでもない。ロンドンに飽きてきたころおかしなアメリカ人男が訪ねてくる。どうもそのころきな臭くなってきたヨーロッパのドイツと英国とに関係する何事かの秘密をにおわす。窓の外には彼を狙うと思われる怪しい影が。彼を部屋にかくまうが、翌日そのアメリカ人は殺されていた。このままだと犯人にされてしまうとハネーは牛乳配達の男の衣装を借りて脱出する。この後いろいろなとこ...8/16ジョン・バカン『三十九階段』読了

  • 8/15 高坂正尭『歴史としての二十世紀』読了

    ここ暫くは小説などの柔らかい本ばかり読んでいたので読み通せるか心配だったが読み終わった。著者は若くして(25歳)にして京都大学助教授に就任し、早くから若手の論客として論壇に登場した。私より14歳年上だが、我らが世代という意識はあった。しかし、1960年代後半ごろからの時代は世界的に若者が声を上げ行動する時代だった。彼は若くして当時の政治権力者と近くそのブレーンとみられていた。彼の主張の中身をあまり知らずに保守反動と思って、テレビなどでの発言も頭から真面に聞こうとはしなかった。彼の著作も読まずに来た。彼は30年ほど前62歳の若さで亡くなった。この本はそんな彼の著作として昨年冬に出版された。1990年に行われた6回の連続講演をベースにしている。今頃新刊書の棚に並んでいるのを見つけ借りてきた。講演を文字化したも...8/15高坂正尭『歴史としての二十世紀』読了

  • 8/14 映画『ある一生』鑑賞

    ドイツ・オーストリア映画で、世界的ベストセラー小説の映画化だそうだ。映画は久しぶりだ。この映画館の会員には2回の無料鑑賞権が与えられるが、そのひとつ目を利用した。2月に新年度になって半年ぶりだということだ。オーストリアアルプスの山の農家にそこの遠縁の孤児エッガーがやってくる。20世紀初頭の農村では家父長的な家長が厳しく当たる。その男の母親らしき老婆がエッガーに親切にしてくれる。数年経過してその老婆がなくなると、青年になったエッガーはそこを出る。近在の農家の賃仕事などをして生活する。山にでプウェイの開設工事が始まる。そこで働き始める。よく行く飯屋の女性とお互いに惹かれあうようになり結婚する。幸せな家庭を築き始める。しかし、彼女が懐妊しこれからというとき、住まいの山小屋が雪崩に襲われ妻を亡くす。その雪崩の原因...8/14映画『ある一生』鑑賞

  • 8/12 金原ひとみ『ハジケテマザレ』読了

    去年の秋の中日新聞「大波小波」で取り上げていた。彼女の作品はたぶん芥川賞受賞作『蛇にピアス』を読んだか読みかけだったと思う。同じとき同賞を受賞した綿矢りさの最近作『パッキパキ北京』は今年の1/28に読了してこのブログに挙げた。これもやはり書評で見つけて読んだ。彼女の受賞作『蹴りたい背中』を読了した記憶はなかったがこの作品は読み終えた。この二つの作品は去年の暮れ辺りに発表されたもので同じように新聞が注目した。彼女たちも受賞後20年以上たち、ともに40歳台になっていると思う。今の二十歳前後の若者よりは余程私に近い年代だ。だから私が読むことができたのかもしれない。受賞当時の彼女たちの年代は当時の私が理解できる年代ではなかったのだと思う。彼女たちも私を含む年代に入ってきていると言えるのか。あるイタリアンレストラン...8/12金原ひとみ『ハジケテマザレ』読了

  • 8/10 永井沙耶子『きらん風月』読了

    やはりまだ時差ボケは癒えていないのかも知れない。昨夜は早く寝ようと10時には床に就いた。この本を読みながら眠くなるのを待った。12時近くに兆しを感じたので本を閉じ灯りを消した。しかし眠れない。午前2時近く耐え切れず床を抜け出した。それから朝の6時まで続きを読んだ。これは直木賞を受賞した前作よりも数段優れた小説だ。最近私の心に残った多和田洋子や村田喜代子に並ぶ作家になるのではないか。読み始めてなぜこの本をスクリーンショットして残したか思い出した。表題のきらんは栗杖亭鬼卵のこと。風月は享保の改革で名を成した松平定信が隠居した後の号。舞台は掛川宿、鬼卵は日坂宿で煙草屋を営んでいる。松平定信は田沼意次の跡を継ぎ、老中として幕政を立て直したと自負している。老中を引いた後、家督を子に譲り、楽隠居として楽翁とか風月翁と...8/10永井沙耶子『きらん風月』読了

  • 8/9 永井沙耶子『木挽町のあだ討ち』読了

    静岡県島田市生まれの女性だ。育ったのは横浜。次に読む『きらん風月』を書評で見て図書館の棚を探しているとき一緒に借りてきた。これが直木賞を受賞した作品で、後のが受賞後第一作とあった。明け方近くまで読んだ。それから寝たので午前10ごろまで眠ることができた。意図した時差ボケ解消になったかもしれない。江戸の木挽町の芝居小屋を主な舞台とする人情噺だ。木挽町は現在歌舞伎座があるあたりの古い地名だそうだ。田舎の武士の子供菊之助が父親の仇討のために江戸に上る。まだ少年にとっては大任だ。江戸の街で往き暮れて覗いた芝居小屋が物語の始まりだ。この少年の縁筋にあたる男が後日江戸を訪ねて、芝居小屋を中心とする関係人にこのあだ討ちの話を聞いて回るというのが筋立てだ。芝居小屋の入り口で客の呼び込みをやっている木戸芸人の一八、立て指南の...8/9永井沙耶子『木挽町のあだ討ち』読了

  • 8/8 時差ボケ

    数年前まで老婦人が不自由そうな足で車に乗って買い物をして生活する様子が見られたが、ここ一二年その姿見かけなくなった。そのうち不在が分かるような佇まいだった。今朝散歩で通ると、ガラス戸が少し開いていた。中には食器類が山積みになっている。ガラス戸をよく見ると、汚れたガラスに、「ご自由に」と記されている。多くの家族との暮らしが営まれていたころの様子に記憶はないが、その家族が使ったと思われる、何客もの数がそろった食器もみらっれる。生々しい家族の存在が忍ばれるようなものを、”ご自由に”持ち帰る人がいるとも思えない。6日夕方羽田に着き、夜帰宅したが、昨日も今朝も5時前に目が覚めてしまう。24時前に寝てもだめだ。昨日は朝早くにエリーを迎えに愛知と三重の境の木曽岬まで行った。道路が良くなって2時間で行けた。エリーはさすが...8/8時差ボケ

  • 8/5パリ第9日

    午前中、買い物に出かけた妻や娘の留守の間モンタロウ、アサトの子守で宿に残った。子守といっても、二人ともタブレットばかりで何も手はかからない。時々水や菓子を出してやればいいだけだ。同じ姿勢ばかりだと疲れるのか、時々奇抜な格好でタブレットを見ている。昼過ぎ外出していた娘たちが帰ってきたので、空港へ向かう時間までの隙間で一人街に出た。右岸のポンピドゥーセンター辺りまで歩いた。センターの外面もオリンピック協賛だろうか。センター前の広場でにぎやかにアフリカン音楽らしきものを演奏しているグループがあった。金儲けなのか自分たちの楽しみなのかよく分からない。この後、楽器を抱えて歌い演奏しながら歩き始めた。カフェが並んだ街を行き少し広いところがあるとまた止まって歌っていた。ポンピドゥーセンターからオペラガルニエ辺りまでの路...8/5パリ第9日

  • 8/4パリ第8日

    夜は陸上競技の参観があるのでそれまで妻と2人だけで散策。モンタロウ達はエッフェル塔見学。セーヌ沿いに歩いて修復中のノートルダムをみながら自然史博物館へ向う。途中ノミの市、骨董ガラクタの市が開かれていた。確かに殆どガラクタとしか見えない物も並べられていた。記念に何かと思って探すと、小さな刃が3つ組み込まれたナイフが目についた。値段を聞くと20ユーロ4千円弱、値切れば3千円位にはなるかも知れないがしばし時間を置くことにした。パリ大学横を通って自然史博物館に入る。自然史博物館は13世紀ルイ13世の時代、設けられた薬草園が起源だそうだ。上の写真は進化大陳列館。ここの展示はユニークだ。哺乳類の展示では多くの動物の剥製が展示されている。鉱物陳列館では宝石になる鉱物中心に展示されている。モンタロウは入口近くに展示されて...8/4パリ第8日

  • 8/3パリ第7日

    今日のオリンピック観戦はない。前から予約して合ったカタコンブ見学に全員で向かった。人間の骨や骸骨が沢山あるよと聞いても孫たちは少しも怖がらない。並べられた頭蓋骨には穴の空いたものもある。「鉄砲でうたれてしんだの?」等と質問してくる。娘がこのすぐ近くに住んでいたので来る度に参観しようとしたが、休日だったり長蛇の列だったりで一度も実現できなかった。二十数年振りにかなった。カタコンブは古くからの採石場跡に十八世紀末から百年程掛けて市内のあちこちの共同墓地から集めたそうだ。一部は教会としても利用されていたという。帰りに娘の旧居に回ってみた。多分上の写真のトラックのある辺りだ。一階で何時も窓を閉めていなければならなかった。本人も定かな記憶がもうない。そこからはそれぞれ別行動になった。アサトがオリンピック開会式でマリ...8/3パリ第7日

  • 8/2 パリ第6日

    今日は朝からのモンタロウが発熱し私が一緒にホテルに残った。夕方ホテルを同じ系列の少し高級なセーヌ沿いのホテルに移る。移る前のアパートメントホテルの部屋。別にダブルベッドの寝室がある。しかし、エアコンはない。暑い時は扇風機を回しっぱなしにする。出発前に高級な方が予約できたので後半をそちらに移った。しかし、前のホテルは全期間前払いしてあるとのこと。私の貧乏旅行とは全く違う。今回のモンタロウの目的、ルーブルでモナリザを見ること。まだ少し熱があったが予約通り参観した。モナリザのみ見て出た。私は独りで観て回ったらと言われたが殆ど興味関心がなくなっていた。過去5回は訪れていると思うがこんな無感動は初めてだ。老人になったのだな。出た後は、ホテルに帰るモンタロウ達と別れて、40年以上前初めてパリに来たとき泊まったホテルド...8/2パリ第6日

  • 8/1パリ第5日

    今日は独りで散策。少し前に読んだ『アフリカの女』に出てきた植民地博物館を訪ねた。今は移民史博物館と名前も変わっている。1931年に開催されたパリ万博で開館した。当時はフランスの植民地の博物館で確か、植民地の人間も展示されたと記憶している。その後は、アジア・オセアニア美術館だとか色々名前も変わり、2007年に今の名前になったとwikiにある。最近の移民比率の高まったフランス社会の中で移民の子供たちにアイデンティティを確立させようとする狙いがあるのだろう。アフリカからの奴隷貿易でルアーブルの港が世界への積出しのハブ港だった事実や、ナチズムの台頭で広がったヨーロッパから難民受け入れ、シリア、イラク、東南アジア等での戦争や混乱からの難民だとかをフランスは如何に受け入れ助けているかが展示されている。ここヴァンセンヌ...8/1パリ第5日

  • 7/31パリ第4日

    今日も散策。リュクサンブール公園。孫たちは池でヨットを走らせて楽しんだ。ニューヨークに贈られた自由の女神像のモデル。モンタロウは夏休みの自由研究にフランスと日本の違いを取り上げようとしている。その資料集めに写真を撮っている。公園でサンドイッチで簡単な昼食として、凱旋門に向かった。ここもモンタロウの目的地の1つだ。予約時間を少し過ぎてしまったので入れるかと心配すると、かなり悲しげな顔になった。しかし全くそんなことは問題にされず直ぐに入場出来た。眠くなったアサトがこの階段で音を上げた。頂上のテラスは気持ち良い風を期待したが全く無風だ。暑い1日だった。夜娘たち家族は水泳競技を観戦に行った。我々は初めて魚貝のレストランで夕食。ここもエアコンはなく、汗を垂らしながらの食事。7/31パリ第4日

  • 7/30 パリ第3日 市内散策

    マレ地区は貴族の館が多く残った地区だ。最初に訪れたのはコニャック・ジュイ美術館。娘が昔から訪ねたいと思っていて実現できなかったということだ。展示されているのは屋台商売から成功してデパートまで経営した富豪の奥さんが集めた物を展示。芸術品の展示はこの古い館を残すためだ。近くにもピカソ美術館が同じ流れで設置されている。歩いて次ヘ向かう途中、母娘がブティックを覗きに入った間時間を潰した隣の公園、炎天下の下を歩いたので木陰が爽快だ。次の目的ビクトル・ユーゴー館のあるヴォージュ広場。ブルボン朝の創始者アンリ4世がパリを世界一美しい街にしたいと17世紀初めに作った広場。周りには王の館、王妃の館等が同じコンセプトの建物として廻っている。この館の一部にユーゴーが19世紀に住んでいた。ユーゴーの居館から見た広場の一辺。この館...7/30パリ第3日市内散策

  • 7/29体操団体決勝観戦

    アサトが行きたくないと言い出したので予定のなかった私にチケットがまわってきた。中国と組み合わされた日本は最初の床から先行されながら進んだ。途中アメリカ、中国、英国と目まぐるしく順位が変動した。一時トップにたった日本も最期の鉄棒の前の平行棒では4位、メダルが危ないかと思われた。しかし最期の鉄棒でトップの中国が大きな失敗を繰り返した。お陰で日本はトップに立つことが出来た。大逆転と言えるだろう。初めてのオリンピック観戦で思わぬドラマに出会っった。USA、USAと中国隊加油の大合唱の中で、ニッポン、ニッポンの声は負けていたのだが。7/29体操団体決勝観戦

  • 8/28 パリ到着。

    妻はトイレに寄っているので私は先に機内に入った。どこかで見たことのある大男が赤いチームJapanのシャツを着て隣の妻のシートに座った。確かにそこが妻の席との確信がなかったので黙っていた。妻が入ってきて確認すると確かに妻の席だった。「斎藤さん、そこは妻の席なんだが?」と声を掛けると慌ててチェックして後に移った。丁寧ないい子だった。柔道の斎藤選手だった。このことで一気にオリンピック気分が高まった。CAも少し年嵩ばかりだったので、殊更という大人の対応だ。飛行航路はロシア上空を避けるため、アラスカを通った。昔のようにアンカレッジに寄ることはない。しかし、その後はグリーンランドの上を通過して北西からパリに入った。このルートは初めてだ。この迂回のために14時間以上必要となる。お陰で見たくもない映画を3本も見ることにな...8/28パリ到着。

  • 7/28 パリへ出発

    深夜2時に家を出た。羽田の駐車場の予約が取れなかったので、フリーで確保するには午前5時頃までに入らなければならないからだという。空港は何時もより混んでいる。飛行機は10:20、ラウンジで少し寝た。9時前にモンタロウアサトが合流、これから先が思いやられる。7/28パリへ出発

  • 7/26プール水抜き

    昨日今日と二日かけてプールの水を抜いた。小さな水中ポンプで庭に散水しながら抜いた。ケッチって排水能力の低いポンプなので時間がかかる。水を湛えている間はほぼ毎日ハイクロンを50グラム前後投入して循環器を回しておかなければすぐにアオミドロがわいてしまう。明日の夜からしばらく家を空けるので面倒を見ることができない。水のなくなったプールは軽いので台風が来れば煽られてしまう。明日はその対策をする。しかし、留守の間エリーを彼女の生まれたブリーダーの家に預かってもらうため、三重県まで送ってゆかなければならない。その前に処置をすることになる。7/26プール水抜き

  • 7/26 戸矢学『赤の民俗学』読了

    著者は國學院大學神道学科を卒業したと経歴にある。日本古代史に造詣が深いようだ。新刊新着コーナーで目に入った。古代より色彩としての赤や化学物質としての丹(に)には多くの物語がある。この著作で初めて知ったことは、縄文土器の多くには赤で彩色されていたものが多いということ。しかし、火炎土器で彩色されたものは見つかっていないということだ。縄文土器といっても、日常の煮炊きに使うものから祭器としてのものまで幅が広い。土偶など祭器や呪術に係るものだろう。色としての赤と丹は色彩としては異なるという。”丹は学術的には辰砂と称し、硫化水銀からなる赤褐色で半透明の鉱物で、別名「賢者の石」「朱砂」「丹砂」などと呼ばれる。古代シナでにおいては丹は薬であり、また朱肉や朱墨のように朱色の顔料としても珍重された(これを「水銀朱」ともいう)...7/26戸矢学『赤の民俗学』読了

  • 7/21芝刈り

    昨日エッヂの芝を刈払機で刈ったので、今日は芝刈機。連日の猛暑で36度超え。少し気温の下がる夕方4時から始めた。プール設置の前だから3週間振りだ。今年は梅雨で余り雨が降らなかったせいか芝が伸びない。何時もだったら2週間は空けられない。伸びていなかったためか1時間で終わった。やっぱり刈った後は清々しい。汗はプールで流した。この浮き輪に乗って水の上で揺られていると、熱中症気味の火照った身体ががクールダウンされる。それと同時に疲れも癒されてゆく。この浮き輪、前回モンタロウアサトが来た時に穴が開いたらしくすぐ空気が抜ける。穴を見つけて修理する。しばらくは快適だったがまた萎んできた。前に空いた穴の近くに見つけた。30分ほどたつとまた空気が少なくなった。探すとまた同じところだ。孫たちがバラの棘で開けたと思ったが、そもそ...7/21芝刈り

  • 7/18 長者町岬著『アフリカの女』読了

    新刊コーナーの棚に並んでいて、この表紙に釣られて手に取った。東京芸大で美術史を専攻し、展覧会企画や芸術関係の評論を主な活躍場所としてきた著者が自ら芸術を創造する欲望抑え難く、初めて挑戦した小説第一作目だ。年齢は後期高齢者の手前だ。長年貯めてきた蘊蓄、知識が止め処なく溢れてくるような筆の運びだ。こちらもつい昨夜から読み続けてしまった。舞台は1930年代中頃、アメリカの大恐慌の影響が残る頃。パリに住んで10年以上になる日本人男女が、当時の新造船ノルマンディー号でアメリカに渡る船内が中心。男は三門次朗53歳、画家を志しフランスに渡り30年以上になる。画家では成功できず、家具の商売で何とか生計を立ててきたが大恐慌の影響で商売がうまくゆかず、店をたたみアメリカでの再起を目指す。一人では不安だということで森谷広子を誘...7/18長者町岬著『アフリカの女』読了

  • 7/15 東京都合唱祭

    晴海アイランドトリトンスクエアにある第一生命ホールで東京都合唱祭が行われた。合唱祭は7月に3日、8月に2日行われる。どの日も60程度のグループが出場する。各団10人と仮定すると参加者は3千人を超える。中には50年以上連続して参加している団もある。男声合唱のグループはごく少なくなっている。大学のOB団がいくつか見つけられた。本番前千代田区スポーツセンターで声出し練習。上海、仙台、大阪と遠くから集まった。舞台に上がる前、袖での記念写真。選んだ曲は怎マ能とソーラン節の2曲、頭にクラブソングのファンファーレ。同じエリアにある台湾料理屋で打ち上げ。そのブロックの出場グループがすべて終わるまで客席にいなければならない決まりなので、半数のメンバーを会場に残し、早めに帰りたいメンバーで一次会が行われた。それでも開始が19...7/15東京都合唱祭

  • 7/10 橋本治『お春』読了

    明治直前の江戸最末期、浅草花川戸の乾物問屋北国屋の一人娘お春は17歳。縁談が持ち込まれたらしい。母親は数年前に亡くなっている。父親は外に囲っている芸者上がりを後添えに迎えたいが、一人娘が家にいるので実行しがたい。一人娘なので跡取り婿を迎えなければならない。そうなれば娘はずうっと家にいる。それでも結婚させて身代を継がせれば娘も納得するだろうと考え縁談を進めている。美人の誉れ高かった母親の死んだ原因は流産による出血し。しかしそのころ父親はすでにその妻に対する興味を失っていて、妻の腹の子の父親は芝居役者。この夫婦がそれぞれ家の外で奔放な遊びをしていることは店の者も娘も知っている。母親も平然と役者の子を産もうと考えている。店の手代の一人に21歳の清七がいる。色白の役者のような男だ。しかし気が弱く町で茶の女に声をか...7/10橋本治『お春』読了

  • 7/9 行政不服申し立て

    だいぶ前に図書館から借り出し、返却した上掲書、私の不注意で、濡れたテーブルに開いておいたらしくページを汚していた。返却時にその旨申し出た。ページが数頁にわたって汚れてしみになっているが読むのには問題なさそうだった。しかし弁償してくれと言われた。今までも何冊かエリーにかじられて弁償には慣れている。その場でアマゾンを開くと新刊はすでに在庫にいない。中古ならある。その通りに返却口の職員に伝えると、奥に入って誰かと相談して出てきた。同じ著者の、同じ程度の価格の新刊書で弁償してほしいと言う。もし所蔵している本が重なったらどうするかと聞くと、最初はそれでも構わないと言う。それはおかしいと言うと、また奥に入って、この本はないからこれにしてくれと同著者の別の本の名前を持ってきた。どうも納得できないとごねると館長らしき人が...7/9行政不服申し立て

  • 7/8 爺バカ吐露

    孫たちは昨日夕方帰っていった。最後は憎らしいことを言って、「バカ爺は洗うのが下手だから一緒には風呂に入りたくない。」などとのたまわった。「そんなことを言うともうここには来させないよ」と婆がいうと、もう言わないと応える。この二日、午前午後とプールで遊んだことが相当楽しかったようだ。一方ジジババは一週間滞在していたような疲れを感じている。こんな孫たちとの会話、夕方車で走っていると夕焼けが始まった。アサトが「百万ドルの夕焼けだ。」というと、モンタロウが「違うよ、ゼロ円の夕焼けだよ。」と応じた。アサトは夕焼けの美しさを金高で表現したが、モンタロウは夕焼けのコストで答えたようだ。街の明かりを百万ドルの夜景と表現するが、それは美しさの価値を金高で評価している面もあるが、モンタロウはその明かりには電量を消費しているコス...7/8爺バカ吐露

  • 7/6 橘玲『タックスヘイブン』読了

    橘の二冊目、これは2014年昨日のは2017年。彼は2002年小説家デヴューしているようだ。この話は、同じ静岡の高校を卒業した女一人と男二人の物語。女の夫、シンガポールで大きくファンドマネージャーとして大きな金を動かしている、がホテルから墜落して死ぬところから始まる。三人は高校生の頃は親しく付き合っていた。男の一人はメーカー勤めが性に合わず海外事業の職場を退職し、翻訳業で細々暮らしている。もう一人はプライベートバンキングで成功しこれまた独立して日本人富裕層の金を海外に移したりトラブルで失った金を回収したりで大きな金を得ている。ファンドマネージャーの死によって、三人がまた集まり事件の謎に迫ってゆく。政治資金を作るために、ブラジルへ原発を販売する話で投資資金を集めたり株価操作を仕掛ける保守党大物政治家や北朝鮮...7/6橘玲『タックスヘイブン』読了

  • 7/5 橘玲『ダブルマリッジ』読了

    橘玲のフィクションは初めて読む。今まで社会評論の類はたくさん読んでいる。彼はこれらのジャンル以外にも金儲けの本もたくさん書いているようだ。この小説は、大手商社の部長で同社中興の祖と言われる男の孫娘と結婚して出世のラインに乗っている男とその娘が主人公だ。男は結婚する前にマニラに駐在したことがある。その時夜の世界で少女と出会い、現地で結婚式を挙げた。その後、現地の女性に入れ挙げていることで本社へ帰任を命じられマニラを離れる。帰任してからは忙しさに紛れ彼女のことは忘れる。前述の女性と結婚して娘を設ける。男がパスポートの更新で戸籍をとったところ、マニラ時代の女性の名前が配偶者の欄に記載されている。妻は戸籍が乗っ取られたと友人の弁護士などに相談する。男はかつてマニラで結婚式を挙げたことは話せない。そのうち若い男の名...7/5橘玲『ダブルマリッジ』読了

  • 7/3 乘代雄介『皆のあらばしり』読了

    やはり高校生が主人公の小説だ。歴史研究部に属する主人公が町の城址で不審な中年男に声を掛けられる。男は高校生が歴史好きと知って、この町にかかわる歴史的なことを質問し、自分の知識も披歴する。そんな会話の中で、高校生が持っている町の旧家でかつて酒造業を営んでいた竹沢家の古文書リストを見る。その中に映画監督として有名な小津安二郎の祖先筋にあたる学者の、知られていない著書に気づく。それが『皆のあらばしり』という表題の書物だ。いろいろな歴史的知識を高校生に話しかけるうちに、この旧家の蔵書は面白いとそそのかす。この『皆のあらばしり』についてその学者の著作リストにないという秘密も語り、高校生にその現物に近づくように促す。高校生もその男の歴史的な知識の豊富さに惹かれ協力する。そんな会話の中で、その学者の時代、幕末から明治の...7/3乘代雄介『皆のあらばしり』読了

  • 6/29 辻原登『籠の鸚鵡』読了

    深夜2時を回って読み終えた。小さな町の役場の出納係がスナックのママに入れ込み公金を横領破滅してゆく。そこにヤクザでのし上ろうとする男、スナックのママの亭主、田岡を殺され勢力争いする山口組の各組織などが絡んでくる。山口組の抗争はドキュメンタリー調だ。初めは女で狂った男の破滅の物語かと思ったが、途中からヤクザの抗争でのヒットマンの逃走劇、ハードボイルドサスペンスになってゆく。スナックのママにはヤクザがとりつき、そのヤクザとママが出納係の公金使い込みをそそのかす。一方山口組の抗争が田舎のヤクザ社会にも及んで、このヤクザがヒットマンにならざるを得ない状況を作る。このヤクザ、少し頭が切れて、ヒットに成功した後はヤクザの組織を頼らずに自分で山中の温泉、高野山の宿坊などにうまく隠れる。最後は登場人物全員がそろい踏みで人...6/29辻原登『籠の鸚鵡』読了

  • 6/26 東山彰良『どの口が愛を語るんだ』読了

    2021年に出された本だ。四つ短編が収められている。前の三篇を読んでから数日開けて最後の作品を読んだ。その時は前に読んだ話を全く記憶していなかった。それほど印象が薄かったということか。本の題名と同じ表題の作品はない。それぞれが現代の愛の形をテーマとしているのだろう。著者の作品は主に中国、台湾をテーマとしたものが興味深く読めた。現代日本の夜の世界に材をとったものも面白かった。それらは著者のまだ若いころの作品のようだ。今回の本は中年になってから書いたものだ。感性がだいぶ変化してしまったのだろうか。6/26東山彰良『どの口が愛を語るんだ』読了

  • 6/25 デスクトップパソコン入手

    合唱練習の翌日、友人に頼んでおいたデスクトップパソコンを受け取りに東上線に乗った。彼が4Kのモニターを手に入れたという話から始まった。写真の表示が驚くほどきれいだそうだ。私は長くノートPCを使っている。以前から使うノートパソコンの動きが遅く、別のノートを手に入れて、彼に調整してもらったがどうもうまくなかった。それに小さな画面がどうも見難くなってきた。それなら大きなデスクトップのほうが良いかと思いついた。とりあえずは4Kでなくても良いと探してもらっていた。彼の職場の図書室で、持って行ったもう使う予定のないノートからメモリーを外したり、彼の余ったディスクを取り付けたりの作業をしてもらった。ノートからデータの移設もやってもらった。もう今ではこんな作業を自分でやる気力はなくなっている。お陰様で、立ち上がりもスムー...6/25デスクトップパソコン入手

  • 6️⃣/23 シャングリ東京練習

    千代田区スポーツセンターでの練習。神田駅から練習会場までは歩いて数分の所で過去何度か利用している。大体の方向は掴んでいるが、駅を出て直ぐ西に向かう道でなく北に伸びる笑店街に入った。広い道に出て左折すればそこにあるだろうと思った。しかしちがった。マップを開いてみようとするがネットに繋がらない。仕方なく近くのカフェで休んでいた男性に尋ねると、「すぐ近くです。一緒に行きましょう。」と歩き始めた。数十メートル歩いて角を曲がるとその先に見えた。「そこです。」と言って戻った。同じ方向へ行くから同行してくれると思ったが、わざわざ私のために同行してくれたのだ。途中、もう直ぐ近くにあべのハルカスより高いビルが出来て風景が変わるなどと親しげに話しながら歩いた。これほどの親切は期待していなかったので驚いた。日本にこれほどの"敬...6️⃣/23シャングリ東京練習

  • 6/17 村田喜代子『ワニを抱く夜』読了

    図書館で彼女の棚の前に立った時、まだ読んでない本はあるかと探した時、まだだと思って借りてきた。彼女の初期の作品を数編集めた短編集だ。読み始めて、ところどころ、記憶を掠めるところも出てきた。特に最後のクラスメートは大学に勤める女性二人が共同生活を始める話だが、食物学科の女性がタンパク質の構造模型を組み立てる個所などはおぼろに覚えていた。しかし登場人物も話の流れも全く思い出せない。村田については、ある時図書館にある彼女の本は全部読んでしまったな、という感想を抱いたことはかすかに覚えている。確かの読んだことがあるのだろう。しかし、読んでいるうちは面白いし、惹かれる。年寄りの読書はこれでよいのかもしれない。散歩の途中で見かけた花。ワルナスビと牧野富太郎が命名したらしい。妻に見せたら、我が家の庭にもあるではないか、...6/17村田喜代子『ワニを抱く夜』読了

  • 6/14 辻原 登 『Yの木』読了

    辻原登の名前は聞き覚えがあったがまだ読んだことはなかった。本棚を渉猟しているとき何気なく手が伸び、釣り書きにあった「どこでも見たことのない感情に、あなたは、ここで出会う。」の言葉に惹かれ借りてきた。短編三つと表題の中編で構成されている。短編はそれほどでもなかったが、表題の中編は読み始めたら止まらなかった。妻に先立たれ、老境に入った「私」が犬を連れ、団地の裏に続く森の中へ散歩に入ると、目の間に地上二メートルほどのところで枝分かれし、まさにYの字に見える木に気付く。その時、昔知り合い交渉のあった小説家大瀬渉(筆名大瀬東二)の自死の様子を思い出す。大瀬は団地のベランダの低い手すりにロープを掛け、座った状態で首に巻いたそのロープを自ら引き縊死した。「私」は思い出すままに、大瀬が若いころ同人誌で一緒した小島信夫や大...6/14辻原登『Yの木』読了

  • 6/12 林真理子『李王家の縁談』読了

    梨本宮の伊都子妃が第一王女子方子(まさこ)を朝鮮の李王家李王世子垠に嫁がせる工作をするところから始まる。伊都子が残した日記をベースに話を膨らませたようだ。梨本宮家は明治になってできた宮家で当主守正は二代目、伊都子との間には二人の女子しかおらず、宮家の婿養子は認められていないので守正が最後で家は終わる。方子は後の昭和天皇裕仁の妃候補だったが、大正天皇の貞明皇后が反対で成立しなかったようだ。理由は新婚の大正天皇が鍋島家の姫だったころの伊都子が気に入りえらく執着していた。これが不快だった貞明が首肯しなかったとされている。伊都子はこのためなんとしても天皇家に次ぐほどの家系に嫁がせたいと考え、李王家の垠が候補に挙がった。娘の幸せのためなどと言いながら、己の見栄と満足を追い求めていく母親像だ。方子を嫁がせ、妹の縁談も...6/12林真理子『李王家の縁談』読了

  • 6/11 西尾幹二『日本と西欧の五〇〇年史』読了

    図書館の新刊コーナーで見つけて借りた。著者の名前には「新しい歴史教科書をつくる会」や天皇制問題などで保守的な論者という印象を持っていた。つまり若干侮蔑的な印象だ。それでも借りてきたのはこの本の構成だ。第一章そも、アメリカとは何者か第二章ヨーロッパ五〇〇年遡及史第三章近世ヨーロッパの新大陸幻想第四章欧米の太平洋侵略と江戸時代の日本今まであまり私が意識したことのテーマが並べられていた。著者はドイツ文学者であって歴史学者ではない。しかしドイツ文学といってもニーチェやハイデガーなどの哲学を中心に勉強してきたらしい。したがって読書の幅、量とも相当なもののようだ。この読書を通じて近世の歴史を五〇〇年さかのぼった時に思いついたことを記述している。彼が意識しているのは、その中心にあるのはやはりキリスト教による世界認識がベ...6/11西尾幹二『日本と西欧の五〇〇年史』読了

  • 6/10 枝垂れ桜剪定枝粉砕

    先日の枝垂れ桜と姫コブシの剪定枝の粉砕をした。この二本分だけだが、午前午後と5時間近く要した。何時もと同じ能率で作業しているつもりだが。粉砕したチップは腐葉土置き場に積み上げた。嵩は50センチほどになったが、数か月でまた沈んでゆくだろう。妻は一日バラの下草取りだ。よくやる。夕方のエリーの散歩は30分程度だが、暑さの為か途中で歩くのがのろくなる。まだ子犬なので暑さに弱いとか、疲れやすいとか娘はネットの知識で言うが、体の疾患でなければよいのだが。かえって玄関のタイルの上で暫らく寝そべって休んだ後は元気を回復する。6/10枝垂れ桜剪定枝粉砕

  • 6/8 エリーの水遊び

    浜北森林公園の北側を流れる阿多古川。珍しく娘の仕事が昼で終わり、エリーを連れて何処か水遊びができるところへ行きたいというので出かけた。以前の金谷の川は流れが小さくあまり遊べなかったのでもう少し広いところと選択した。妻が数日前、野鳥情報としてこの川の橋桁にコノハズクが営巣していると知り訪れたことがあった。確かに川は清流で、広い河原、適当な幅と深さの流れと条件は良かった。しかし、土曜日休日とあって、遊びに来ている人が多い。エリーのリードを外して遊ばせることができると期待していたがとても無理だった。帰りは森林公園内でエリーを歩かせた。6/8エリーの水遊び

  • 6/7 富士山五合目奥庭山荘

    初めて富士スバルラインを登った。五合目駐車場の手前に奥庭と称する回遊展望場所がある。ここにひっそり一軒だけ佇む奥庭山荘という山小屋兼土産物屋。浜北森林公園で野鳥の会指導員の男性から教えられたバードウォッチングの穴場だ。この店の右側に溶岩で囲われた水場がある。このあたりにはほかに水場がないそうで、次から次と野鳥が水浴びにやってくる。昼過ぎに着いたが既に先客が四人いた。早い人は8時過ぎから粘っているという。妻の写真。キクイタダキ(菊戴き):頭長に菊の花びらをいただいているように見えることから。ホシガラス(星鴉):白い斑が星空のように見えることから命名されたそうだ。全世界の針葉樹林に生息、日本では高山帯に。妻は短時間でこのホシガラスのチャンスに恵まれた。朝からいる若い男性はこの日二回現れたいずれのチャンスにも昼...6/7富士山五合目奥庭山荘

  • 6/4 枝垂れ桜再剪定。

    冬の剪定で花数が少し増えたので、新芽が出た今で花芽がまだ形成されないうちにもう少し剪定すれば更に花数が増えることを期待して剪定することにした。樹冠を下から透かして見ると空があまり見えないほど葉が茂っている。これでは風の通りも日当たりも行き渡らない。しかし、冬の時のように自分でやるのは、葉が茂っているので少し怖い。そこで職人に頼んだ。私とそれほど歳が変わらないような見かけだったが、梯子を上る様子は軽々だった。聞けば十歳近く若かった。切り始めて、かなり大胆に刈り込んでゆくので心配になったが、終わってみればこの程度までやって正解かと思えた。二時間ほどで終わった。来春が楽しみだ。6/4枝垂れ桜再剪定。

  • 6/3 村田喜代子『あなたと共に逝きましょう』読了

    東京では大分飲み過ぎていたようだ。品川まで付いてきてくれた人が、大阪まで行ってしまわないかと心配してくれているのを覚えているが、食事の勘定をしたのかどうかが記憶にない。無事掛川駅で下車できた。朝まで少し残っているようだった。何もする気力はなく、残っていた上掲を読んだ。図書館の棚で読んだ記憶がないなと借りてきた。読んでいるうちに読んだことがあるなとの思いは強くなっていったが、一向に筋書きや結末は思い出せない。大学の教師をしている妻と設計事務所を経営している夫、高齢者に入りかかっている。ある時夫の声がかすれ始める。病院で受診すると心臓からの動脈にこぶ動脈瘤が出来ているという。それもいつ破裂してもおかしくないほどの大きさだと。手術を怖がる夫、手術以外の治療法を探す夫婦。食事療法や温泉の岩盤浴など効果があったと聞...6/3村田喜代子『あなたと共に逝きましょう』読了

  • 6/2 シャングリ東京練習

    今回は港区のありすいきいきプラザが練習場所。有栖川公園に隣接している。さすが港区と言える新しい立派な建物だ。レストランも併設されていてカレーライスがコーヒー付きで550円。7/15の東京都合唱祭に向けての練習。次は6/23。打上は広尾駅前の餃子屋で。エリーの悪戯。買ったばかりのスマートバンドとサングラス。6/2シャングリ東京練習

  • 5/30-2 橋本 治『幸いは降る星のごとく』読了

    橋本の本で初めて最後まで読み終えた。初期の『桃尻娘』『窯変源氏物語』など話題になるたびに挑戦したがどれも途中で挫折した。どうも語り口になじめなかったようだ。今回の本は彼の最後に近い2012年の発行だ。彼の語り口が変わってきたのか、世の中が彼に追い付いてきたのか、私が新しいものにも馴染めるようになってきたのか。女芸人になろうとする女性の半生だが、彼女の内面が多く語られる。読んでいると、彼の語り口のテンポや話題の発想が広いことなどでどんどん引き付けられて読書自体が楽しい。今後も作品を選べば楽しく読める本がありそうだ。昨日は一昨日収穫した梅で梅干を6キロ、梅酒を2キロ仕込んだ。5/30-2橋本治『幸いは降る星のごとく』読了

  • 5/30 エリーの入浴

    娘が犬用の強力ドライヤーを買ったので早速エリーを洗った。彼女は10日置き位で入浴するが、ランよりも風呂が好きみたいだ。ランは絶対に浴槽に入らなかったが、エリーは少し促すと飛び込む。お腹が浸かるか浸からないか程の深さにしておくとシャンプーもやりやすい。時によって写真のように前足を縁に乗せればお腹も洗い易い。出た後乾かすのも短時間だった。さすが人様用の数倍の風力だ。5/30エリーの入浴

  • 5/29 スマフォのカメラ

    前回芝刈りをしてから一ヶ月近く過ぎた。芝の目が詰んでしまったせいかあまり伸びがない。それでも雑草が少し目立ち始めたので芝刈りの準備で草刈機でエッジ刈りをした。明日にでも芝刈り機を動かす。最近カメラで薔薇や野鳥を撮影している妻が、スマフォのポートレートモードで撮ると一眼レフみたいに遠景が少しぼやけた写真になるよというので撮ってみたのが上の写真。どちらがポートレートモードか判らない。カメラが悪いのではなく腕が悪いのかな。5/29スマフォのカメラ

  • 5/25 森の古民家ショップとカフェ 佐藤正午『放蕩記』読了

    ここ数年、毎年バラを見に来てくれる女性の夫が山の中の生家を改造してギャラリーにしている。周りで同じように古民家を利用している人たちとイベントを行っているというので出かけた。エリーを連れて行ったので中に入ることはできなかったので外から眺めた。もとは畑だった所に木を植えて庭にしようとしたらしいが、鹿、カモシカ、イノシシが出て荒らされるのであきらめたらしい。電柵が廻られている。所在地はメインの川沿いの道から小さな谷を入ったところにある。このお宅に至る山道はこのすぐ先で去年土砂崩れがあって通行止めになっている。現在も何ら復旧の手が付けられた様子はない。昼食はもう一軒のカフェで田舎料理、野菜の煮物、棚田で摂れたもち米の赤飯。きれいな山の景色で、清々しい思いをしたが、数十年前はどんなに不便なことだったろうと偲ばれる。...5/25森の古民家ショップとカフェ佐藤正午『放蕩記』読了

  • 5/22 エリーの近況

    夕食を前に”待て”をさせられているエリー。今回の軽井沢で、アサトが食事前に”待て”をさせられているエリーを見て、「なぜエリーは”待て”をさせられているの?」と訊いてきた。一瞬応えが出なかった。「我慢を覚えさせるためだよ」と言ってみたが、確かに確たる目的があって躾けたわけではなかった。昔から犬には”お手””お座り””待て”あるいは”お預け”を躾けてきた。人間とのコミュニケーション、または人間が主人で犬は従者だということを覚えさせるためなのか。深く考えたことはなかった。今日夕方、エリーの体重を測ってみた。16日に満一歳を迎えて、そろそろ体の成長は止まるだろうと思っていた。25.6キログラムだった。ここしばらく計測したことがなかったが、前回は24.5キロ程度だったと思う。毎日の散歩はゆっくりこちらの歩みに合わせ...5/22エリーの近況

  • 5/18-19 軽井沢

    北海道からの帰りは娘の部屋に泊り、翌朝娘たちの車で軽井沢に向かった。モンタロウと父親が軽井沢ハーフマラソンに出場するためだ。しかし、朝起きてみると、モンタロウが腸炎の症状がでた。数日前アサトが罹患し今は症状が消えていたのだが、どうもそれに感染したようだ。小児科にかかり薬をもらってから出発した。軽井沢のアウトレットで妻と家にいる娘と合流、モンタロウと父親はそのままホテルに直行して休憩。娘たちが買い物している間、私はエリーとドッグランで時間をつぶした。ホテルはペット同伴可能なホテル。広い部屋でモンタロウ、アサトは思いっきりエリーと遊んだ。翌日、マラソンは父親だけが走ったが、途中から父親にも症状が出て、死ぬほどの思いで何とか完走したらしい。父親を待つ間はタリアセンという公園で時間つぶし、モンタロウも一晩寝たら大...5/18-19軽井沢

  • 5/15-17 北海道旅行

    今度の北海道は女満別空港のIN、OUTだ。飛行機の窓からはオホーツク海や釧路湿原が眺められた。天気も良い。屈斜路湖と斜里岳。摩周湖の山桜。湿原を流れる釧路川、下はカヌーの乗り場。大陸の川を思わせるたたずまいだ。野付半島では干潟を渡るエゾシカの群れを見た。知床の夕日。知床五湖からの知床連山。知床峠で見る羅臼岳。雪渓が沢山残っている。五十年以上前に登ったが、どこからどう登ったのか全く記憶がない。5/15-17北海道旅行

  • 5/12 橘玲『もっと言ってはいけない』読了

    東京への行き帰りに読む本として、ベッドサイドに積まれた本の中から選んだ。多分読み終わっているだろうが、拾い読みしてみると新しい感じがしたので持って行った。彼の本は沢山読んでいるが、どれも彼(あるいは編集者)が表題につけるほどセンセーショナルな内容ではない。読んでなるほど、その通りと思うが、その内容はあまり記憶に残ていない。今回読んで、いくつか心に留めたい事項があったので抜き書きしておく。まず彼は人種によって知能に差があることを述べている。イギリスの認知心理学者リチャード・リンの著書「知能における人種的ちがい」2015第二版に基づいて。ヨーロッパ系白人は95~100、サハラ以南のアフリカ65~75、中南米白人95前後、アフリカ系65~75、北東アジア105前後。言語知能が低いと保守的になる。アフリカを起源と...5/12橘玲『もっと言ってはいけない』読了

  • 5/11 シャングリ練習

    例によって打上の風景。横浜市のチベット区と言われているらしい相鉄線三ツ境駅近くの焼き鳥屋で。今回は関西のメンバー二人とニューヨークグリーのメンバー一人が参加してくれた。久し振りに各パート3名以上で歌えた。しかし、残念なことに昼食で摂ったパスタが脂っこ過ぎたかダンピング症状が発生してしまった。はじめは苦しさを抑えて歌ったが、とうとう耐えられず中座して近くの公園のベンチで休むことになってしまった。結果半分以上歌うことができなかった。幸運というか不運というか最後にクラブソングを歌ったら苦しさが消えてきた。途中では打上は失礼しようとの考えも浮かんできたが参加した。隣で次々とジョッキを開けてゆく阿弖流為(アテルイ)大王を見ながらなんとか二杯まで飲むことができた。それも恐々だ。話はいつものように弾んだ。シャングリ20...5/11シャングリ練習

  • 5/9 サツマイモ植え付け

    久しぶりの畑仕事、数日前から草取りをして石灰、化成肥料を撒いておいた畑に畝立てして4通りに60本のつるを挿した。サツマイモはマルチングをしておけば夏場の水涸れ期の散水以外手を掛けなくて済む。5/9サツマイモ植え付け

  • 5/6 古処誠二『いくさの底』読了と孫たちの川遊び

    朝のうちに孫たちが帰ったので午前中から読書。読みかけていた上掲小説をお見終えた。今回はサスペンスな内容だ。ビルマに進出してきていた重慶軍を一応押し戻した後の国境近くの村での話。押し戻したはずの重慶軍がどうも再侵入を企てているらしいとの情報で若い少尉の警備隊が派遣される。少尉は7ヶ月前同じ村で警備隊として駐留経験があり、村人とも顔見知りだ。その日以前使用していた宿舎の小屋の整備などをした。その夜半少尉はトイレに行ったところで惨殺される。しかしその事実は当番兵と次の位の准尉と通訳だけで秘される。村民にも知らせない。少尉は急なマラリアの悪化で急遽本隊に戻ったことにする。次の晩は村長がやはりトイレの帰り同じ刃物で惨殺される。これは村人たちに知れ渡る。この二つの殺人事件の解明が話の筋だ。7年前の重慶軍との銃撃戦で日...5/6古処誠二『いくさの底』読了と孫たちの川遊び

  • 5/4 孫達の元気

    家の中では居られない。半日は何処かへ連れ出さなければならない。海岸の松林の中でエリーのリードを外して歩く。エリーは余り遠くへは離れない。まだ不安なのだろう。池の水を見るとためらいも見せずに飛び込んだ。泥臭くなったので波打ち際で洗おうとするが、寄せて来る波にはためらう。ハマヒルガオが丁度満開だ。5/4孫達の元気

  • 5/1 古処誠二『中尉』読了

    ビルマ戦線、インパール作戦に失敗しその敗残兵が落ち延びてゆく街道沿いの部落が舞台。街道から少し入り込んだ山裾の部落にペスト患者が発生した。その防疫のために派遣された軍医中尉と彼を護衛する軍曹の物語。軍曹を主語として語られる。軍医は衣服も顔つきもいかにもだらしなく、軍曹よりよほど年上に見える。しかし軍曹より一つだけの年上だった。軍医は三年以上ビルマにおりビルマ語も堪能だ。しかしマラリアで高熱を出し人格も変わってしまっているらしい。50人ほどの部落で、一組の夫婦が罹患、この夫婦を隔離して、部落を閉鎖、ネズミの駆除と部落の主要個所に石灰剤を散布するなどの防疫対策をする。この数週間の部落の住民たちとの交流が描かれる。ビルマは英国の植民地となって三度独立闘争をして失敗している。それが日本軍が来て英国を追い出してくれ...5/1古処誠二『中尉』読了

  • 4/28 古処誠二

    2012年出版の本だ。主人公の高校生哲也の祖父武也はビルマ戦線の生き残り。今でも戦争自慢をする。周りの友人たちに訊くと、戦争帰りの爺ちゃんは殆ど戦争の話をしないという。家族は爺ちゃん、父親道也と哲也の三人暮らし。祖父も父もともに妻に逃げられて独身だ。専制的な爺ちゃんの下で小さいころから家事をこなしてきた。爺ちゃんはビルマでのどこまで本当かわからないことをいろいろ話す。もしかしたら作者の本当の爺ちゃんがモデルなのかもしれない。もう少し他の小説も読んでみよう。作者がなぜここまでビルマの戦争についてこだわるのか見えてくるかもしれない。4/28古処誠二

  • 4/27 古処誠二著『ビルマに見た夢』読了

    図書館の書架で見つけた。まず「ビルマ」が目に付いた。今では国名はミャンマーになっているのでこの「ビルマ」は懐かしい。それに当地にはまだ足を踏み入れたことがない。現状が改善されたら是非行ってみたいと思っている。「戦争小説であると同時に優れた文化人類学小説である。」の帯の釣り文句に惹かれた。主人公はインパールに近いビルマ北部の兵站地区隊の軍曹。兵站地区隊は兵站の警備も受け持つが兵站の維持管理のために現地の人々から労働者集めもする。韓国が騒ぐ徴用工とは違う。軍曹が近隣の部落を巡回し、部落長や長老と誼を通じ、必要な数を出してもらう。当然日当も現地の人にとっては魅力的な額を出す。こうしてビルマの人々と接する中で現地の人々の敬虔な仏教徒としての考えや行動、人情を知ってゆく。これが文化人類学といわれるところだろう。英軍...4/27古処誠二著『ビルマに見た夢』読了

  • 4/24 多和田葉子『球形時間』読了

    2002年出版だから1993年に芥川賞受賞から10年後ほどの作品だ。女子高校生、男子高校生の話。単純な二人の恋物語ではない。女子高生サヤは何事にも疑問を持ち独自な思考をする。ある時喫茶店で高齢の西洋人女性と話をする。その女性はイザベラ。彼女の西洋化されていない地域の旅の話に興味を持つ。彼女は本に書いているという。図書館で探してイザベラ・バードの『日本奥地紀行』に出会う。男子高生カツオはフィリピン人の母親を持つ美貌の男子高生マックンと性的関係を持っている。ほかにも悩める大学生の友人などが登場する。読み通すことができるほどは面白かったが、読み終わってなんだかなという感想が残った。ネットで書評を見てもよく理解できていないようだ。豊橋の園芸店で妻が時間を過ごしている間エリーを連れて隣に広がる山に登った。写真の左部...4/24多和田葉子『球形時間』読了

  • 4/23 佐藤正午『鳩の撃退法』読了

    この著者の三冊目だ。年譜で調べてみると『冬に子供が生まれる』2024年、『月の満ち欠け』2017年、『鳩の撃退法』2014年となる。ここ10年ほどの最新作品だ。前二作とは少しテイストも手法も違う。前二作はテーマが絞られてシンプルで解りやすくなっている。それに対してこの『鳩の撃退法』は複雑だ。主人公の小説家はかつて直木賞を受賞したことがあるが、今は書けなくなって各地を放浪している。舞台は放浪の三か所目、西日本の街での出来事。デリヘリのドライバーをしている彼の回りで生きた事件、バー経営の男の家族三人の失踪、デリヘリの女の子の失踪を小説家として想像、創作してゆく。これを小説にしようという企みもある。この主人公は40歳前後、やさぐれの感じがいい。これらの失踪にはデリヘリの社長の中学の同級生、街のやくざのボスが絡ん...4/23佐藤正午『鳩の撃退法』読了

  • 4/18 万城目学『ヒトコブラクダ層ぜっと』読了

    万城目らしい奇想天外、荒唐無稽なお話だ。月刊誌に連載していた作品を纏めたものらしい。それで上下二巻もの大分になった。三歳の時隕石の落下で両親を失った三つ子の榎土三兄弟がある企みに巻き込まれ、結果としてそれぞれの望みを達成する。長兄梵天はティラノザウルスの化石の発掘、次兄梵地はメソポタミアでの遺跡調査、末弟梵人は本物の戦い。作者の奇想天外の発想には驚く。連載小説なので毎回引き付ける要素を盛り込まなければならないのは理解できる。そのためにこれだけのことを創作できる能力に脱帽する。最近の読書はファンタジーだとかのエンターテインメント系が多くなっている。読んでいる間楽しむ、まさに読書の楽しみだ。読了後に心に残るだとか、感動したというのとは少し異なる。大江健三郎についての本を読んで、まだ読んでいない作品への関心が出...4/18万城目学『ヒトコブラクダ層ぜっと』読了

  • 4/15 森見登美彦『夜行』読了

    前回森見の本を借りてきたときこの本も借りていた。しかし『夜は短し歩けよ乙女』は何とか読み終わったが、次に読み始めたタヌキを主人公にした『有頂天家族』が途中で挫折した。それでこれも読まずに返した。しかし、今年度の本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』の著者宮島美奈があるインタビューで答えている。「小説を書き始めたのは同じ京大出身の森見登美彦の『夜行』を読んだことに触発されたから」と。そこまで影響力を持った小説なら読んでみようとまた借りてきたのだ。大学のサークルのメンバーで鞍馬の夜祭を見に行った時、メンバーの一人長谷川さんが消えてしまった。そして十年が経ち、大島はまた鞍馬の火祭を口実に当時のメンバーに招集をかけた。集まったメンバーがこの十年の間のことを次々と物語る。この話がなぜか不思議な体験談で、どこか...4/15森見登美彦『夜行』読了

  • 4\13 バラ名札制作

    バラの名札は数年前、木の枝を丸くカットして全ての株につけたがそれの殆どが腐ってしまった。そこで新たに作ることになった。知り合いの娘さんが絵を描いていて、彼女が使ったキャンバスのフレームが沢山不要になったからと薪にするためにもらってきてあった。その物差しのような板を利用する。一部は白くペイントされている。それだけでは足りないので家にあるものやホームセンターで材料を購入してきて250個ほど制作した。ここ数日はこの作業で過ごした。今シーズンのバラは新しい名札で少し締まって見えるようになるかもしれない。井上満郎『渡りくる人びと』読了。京大の先生をしていた人が京都新聞にコラムなどで寄稿していた記事をまとめたものらしい。平安遷都の経緯などに渡来した人々の影響が強く働いたと説明している。特に京都西北部の太秦や嵯峨野あた...4\13バラ名札制作

  • 4/9-2 佐藤正午『冬に子供が生まれる』読了

    図書館の新刊コーナーで見つけた。毎日新聞の書評で読んでいた。著者は6年前『月の満ち欠け』でな直木賞を受賞している。これが受賞後第一作だそうだ。前作は「生まれ変わり」だったが、今作は「入れ替わり」だ。7月のある日主人公の一人丸田君のスマホにメールが届く。「この冬、彼女はおまえの子供を産む」と。この冬生まれるというのならもう既に妊娠4か5か月になるはずだ。彼には全く身に覚えがない。そんな時テレビで、彼の高校の同級生だった男がバンドで有名になり、ほかの同級生がそのバンドのことを話す座談会が放送されているのを見た。その中で彼らの話題は、有名になる前にバンドから離れていった「マルユウ」という同級生の話題になった。その「マルユウ」は「丸田優」に基づく彼のあだ名だった。彼らは「マルユウ」が今は結婚して、田舎で少年野球の...4/9-2佐藤正午『冬に子供が生まれる』読了

  • 4/10 桜散る

    夕べから今朝の雨風で満開だった桜が大分散った。北の川縁の桜。道路に散り敷かれた花びら。我が庭の枝垂れ桜が大分花をつけた。春先の剪定にもかかわらず花芽が増えたのだろうか。やはり剪定が必要だったのだろうか。花が終わって葉が茂りだしたらもう少し厳しく切ってみよう。来春は万朶の桜がみられるかもしれない。市議会と市長の選挙が始まってうるさいことだ。市長候補の一人は、静岡空港から市内までモノレールを敷設することがわが公約だ、などと戯けたことを宣伝カーから叫んでいる。とても現実が見えていない人なのだろう。4/10桜散る

  • 4/7 東京シャングリ練習

    東京千代田区スポーツセンターで練習のため上京。モンタロウアサトたちは今日東京に戻るが、私だけ先に新幹線だ。練習後の懇親会、次回5月の練習では新たな帰国者を含め更に東京メンバーが増えるらしい。7月の東京合唱祭、11月のKL合同曲の神戸練習、1月の仙台男の合唱祭、2月のKLアジ祭と今後の活動で話が盛り上がった。もう既にKL行のチケットやホテルを取っている人もいる。かなりの熱の高まりだ。モンタロウアサトは帰る前に海で遊んだようだ。この後父親が迎えに来た。4/7東京シャングリ練習

  • 4/6 桜満開

    昨日今日でこのあたりの桜はほぼ満開となったようだ。今朝は早くに目が覚めたのでエリーを連れて神社の方の川に行った。朝日が桜に当たり始めたところ。もう少し待っていれば全体に明るくなって輝きが増しただろうが。下は上の写真の反対側の上流から同じ並木を写した。スマホでなくもう少し上等なカメラなら深度が出るのだろうがこれが限界か。昨日のいつもの土手の桜、まだ五分か七分だった。つま恋のレクリエーションセンターで初めてのアーチェリーに挑戦するモンタロウ。なかなか形になっている。的を射ることもできてインストラクターに褒められた。4/6桜満開

  • 4/2 桜咲く

    今シーズン初めての芝刈り。芝刈りと云っても芝は伸びていないので雑草刈りというべきか。それでも気分はよくなる。31日に一二輪だった堤の桜が、昨日今日の暖かさで三から五分咲きになっている。目覚ましいものだ。家の桜も咲きだした。花桃の陰でうまく見えないが入口の桜。庭のソメイヨシノ。墓地のオオシマは葉と花が一緒だ。去年まではこんなに花数はなかった。今日は妻の知り合いが息子を連れて訪ねてくれた。去年バラを見に来てくれたとき、その彼は学校を卒業した後、外国でのワーキングホリデイを経験したいがと迷っていた。妻がそれは是非行くべきだとえらくけしかけた。それでオーストラリアにて一年のワーキングホリデーに出かけ、帰国したばかりだ。報告に来てくれた。今度は他の国にも行ってみたいと話したので、それなら自転車で回ったらどうだ、とま...4/2桜咲く

  • 3/31 さくら

    東の川沿いの並木は全く咲いていない。去年は今頃満開の桜だったはず。よく見ると数輪開花している。今日の暖かさなら明日はもっと開いているだろう。しばらくはエリーの散歩は桜の木を求めて選ぶことになる。3/31さくら

  • 3/29森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』読了

    新聞の書評でこの著者の本を見て、図書館で探したら目的の本は借りられていた。そこでこれを借りてきた。京都を舞台に京大の学生が主役のファンタジーだ。著者も京大出身。万城目学も同じ京大出身で似たような学生ファンタジーを書いている。名前も似たような余り見ない名字だ。話は京大の学園祭を巡る若い男女のドタバタだ。最後まで読み通すのが少し辛かった。万城目の方が上手に思う。妻は昨日から東京、今日は熊本へ出張の娘たちと同行している。娘の仕事は熊本のクライアントと今夜食事するだけだそうだ。父親は東京で仕事なのでモンタロウアサトを置いて行くわけにいかず連れていかねばならないので妻にベビーシッターをさせようということだ。明日明後日と何処かで遊んで帰るらしい。3/29森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』読了

  • 3/25 家永真幸『台湾のアイデンティティ「中国」との相克の戦後史』読了

    久し振りに図書館に行き新刊コーナーで見つけた。書名を見て既視感があったが、パラパラとめくってみて読んでいないのを確認した。既視感は新聞の書評で目にしたからだと気付いた。確認してみると1月の毎日新聞の書評だった。著者は初めて見る名前だった。1981年生まれとある。私が初めて台湾へ行った頃の生まれだ。若い研究者が出てきて頼もしい限りだ。日本の敗戦後からの台湾の歴史を中心に記述している。「抗日の国民党」、「親日の台湾」などの先入観では正しく台湾のことが理解できないよという前提で述べている。あとがきで著者は誰に読んでもらいたいと思って書いたかについて述べている。自分の大学の学生は勿論だが、「人民中国」を理想化して支持していたが現在の中国を見て困惑しているかつての「左翼」や、そんな「左翼」的な台湾観を疑問に思ってい...3/25家永真幸『台湾のアイデンティティ「中国」との相克の戦後史』読了

  • 3/21 庭木剪定第二次

    前回の剪定で出来なかった高いところの枝を今回クレーンを使って処理。今日は高齢者ばかり5人での作業だ。今日の剪定枝を置くところを作るため、ここ数日は枝のチップ処理をしている。小さなチョッパーだがそこそこ仕事ができる。チップを積んで堆肥にする場所が一杯になり、とりあえず積んでおくだけだ。明日場所を作ろう。3/21庭木剪定第二次

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