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  • ユーフォの本

    ユーフォルビアは,ほぼ守備範囲外です.結構な大家族なのに,ウチにいるのはわずかに数種,しかも無加温ハウスでサボテンと同居させても元気に過ごせるという条件をクリアーするものだけ.おのず珍しいものは皆無.ボクにとって,ユーフォは沼でもなんでもありません.それでも時々目の前を通過するユーフォを少しでも理解すべしと思い,この新刊を手にしました.90種余りを写真で解説されていて,ユーフォ全般を眺められるよう...

  • ヘキランに出る病気

    少し古い写真を取り出し,ヘキランに出る病気を記録しておきます.他の有星類にも出ますが,特にヘキランで目につく病気です. まずは古い写真ですが,7年前の三角ヘキラン,秋の姿です.茶褐色のシミが次々と広がっていました.ダコニールを塗布し,さらに半年後の様子です. こうした処理により病斑はそれ以上は広がらず,下の写真は現在の様子.増稜してすっかり風貌は変わりましたが,その後病気の再発はありません. 次...

  • オクルタの優しい花

    昨年7月にキリンに乗せたヒルホの一つが咲いてきました.これはEriosyce occulta RS1958です.Neochilenia occultaだったりPyrrhocactus occultusだったりThelocephala occultaだったりと収まりの悪い種です.このRS1958の故郷情報は,チリのタルタルとラスブレアスの間で アグアベルデ山の方向とあります.GEで見ると乾燥したガレ山のような風景です. このオクルタの花色は,白っぽいものから黄色味を帯びたもの,さらにはピ...

  • もう梅雨明けなかな

    一年を通じて雨の少ない讃岐地方にしては,今年は陽性の梅雨,よく雨が降っています.おかげで作業の出遅れた畑は,すっかり雑草に覆われ,どうしたものかとため息が出ます. 外で雨よけ栽培をしている金鯱くんも,今は強い陽射しを待ってじっとしています.その稜間でアマガエルがひっそりへばりつき,こちらを見ているようです. 春に生まれたたくさんのカマキリの子が,ハウス内にまで棲息場所を広げていますが,雨続きのハ...

  • オシャレなマイニアエ

    マイニアエ(M.mainiae)のオシャレな花が咲いてきました.ピンクのストライプの花弁の基部に黄色い葯がまとまり,その中をこの仲間特有の先端が大きく割れるピンクの雌しべが伸びます.どうしてこんなにオシャレな花に進化したんだろう,と見るたびに感心します. このマイニアエはどれぐらいの種内変異があるのだろうか,と思いFNの付いた種子を蒔いてみました.これはSB540,故郷はメキシコ ソノラ州のエルモシージョ(Hermo...

  • 亀甲竜の移植

    亀甲竜の小さい株が揃って梅雨とともに休眠に入りました.枯れた枝をむしり取ってやり,表面の軽石を取り除いてやると,ようやく亀甲模様の出てきた球根が見えました.何年移植していないのか分からなくなっていましたので,気まぐれではありますが移植することに. 鉢から抜いてみるとしっかり根が張っていました.鉢底に日向土の中粒,その上にバークを入れ,さらにその上に普通サボテンに使っている用土を用いて植えられてい...

  • キリン花咲かプロジェクト④キリンの花

    キリンウチワに花が咲き始めたことを報告したのは5月のことでした.あれからも次々と花が咲き,5つの異なる系統で花が見られました.今回は花の特徴などを報告しておきます.5系統のうち2つは花径が他の3系統より大きい感じでした。ただ,花芽の着いた位置や樹勢により花の大きさは変わることもあるので決定的ではないかも知れません.参考に大きいもの,小さいものの写真を載せました. またある系統では下の写真のように星形の...

  • 赤いピンポン玉

    春に交配した綾波の果実が日に日に赤みを増し,ある日ウチのハウスを訪れた方が,赤いプラスチック,ピンポン玉のようだと言うのを聞いてなるほどピンポン玉だなーと感心しました. 梅雨が入って間も無く,ピンポン玉を収穫しました.まだしっかり母体にくっ付いているのですが,これが簡単に外れるまで待っていると種子の休眠が深まってしまうとされています.どのタイミングで休眠に入るのかなど詳細な情報はありません.趣旨...

  • 梅雨の中休みの荒目

    夏に咲いて来るマミたちが次々と開花しています.その中で荒目丸が綺麗に先揃っていました.この荒目丸は学名のM. alamensisから来たものかと思いますが,現在はM.sheldoniiに統合されています.カリフォルニア半島のメキシコ側の対岸に広く分布し,このシェルドニーはかなり変異に富んだ種とされ,幾つものシノニムがあります. 花はほぼ白で薄茶色のストライプの入るものからピンクまであるようで,何が典型的なのかは決めが...

  • ムニタの素敵な花

    いかにもアカントらしい風貌のサボテン,Acanthocalycium munitum HD10です.A.thionanthum var. munitum ともされ,どうやらA.thionanthumに包含される流れのようです.グラウカムとはごく近いものです.故郷はアルゼンチン,広く分布しているようです.種小名のmunitumは武装している,つまり刺があるという意味ですが,確かに刺がうねるような個体もありますが,この種が特にアカントの中で強刺ということでもなさそうです....

  • カプトメデューサエの実生密度と生育の関係

    効率良くカプトメデューサエの実生を生育させるのにはどれぐらいの密度で播種すれば良いか,昨年7月に小さな実験をしてみました.種子はイヤというほど採れるのです.発芽もまずまずです.しかし生えたものを移植すると歩留まりが低い.これはどこか栽培方法に問題がるものと思われました.出来ることなら発芽後の移植を省いて何とかならないでしょうか.そこでいつも使っている25穴のトレーを用いて播種密度を5,10,15,20,25...

  • 来ぬハチドリを待つ

    この南米の柱ものアレキパは,6年前の春に山城さんのところで,これは一体なんだろう?と思って手にしたモノです.当初名前が分からず困ってましたが,どうやらArequipa spinosissimaらしいと言うことで落ち着きました.すっかり立派になったなと感心して眺めています. 彼らの花は,ハチドリ受粉に適応した形態を進化させています.こうして2花が揃って咲くとそれ自体が何か鳥の様にも見えます.残念ながらここにはハチドリは...

  • 梅雨の舞衣

    梅雨空の下,舞衣(Mammillaria wrightii)が大きな花を咲かせていました.このライティーは,何度か登場するウィルコキシー の元となる種です.1800年代にすでに記載されており,古くから知られた種ですが,日本で広く流通しているかと言えばそうでもありません.勿体ないなと思います.この株はSB86で,故郷はニューメキシコ州Manzano Mountainsです.かなり分布が広いらしくメキシコ北部のソノラ砂漠にまで広がっている様です...

  • コピアポア実生のススメ

    黒王丸など一部のコピが欲しい人がまだ結構居るらしく,サイズのある株は高価です.そんなに興味あるなら自分で種子を蒔けばよいのにと思うのですが,どうやらそんな人は少数派のようです.確かに少し時間がかかりますが,コピたちは,自分で育てたぞという達成感というか満足感というか優越感というか,一言で言えば栽培の楽しみを存分に享受できる代表的な種類です.まず交配すれば種は簡単に採れます. 蒔けばよく発芽します...

  • ミズクエンシスと紫野

    3年前の夏に“夏のロビビア”という記事を書いています.多分この時に交配してみたのだと思うのですが,ミズクエンシス×紫野の一つが開花しました.草姿,刺の様子などはかなりミズクエンシス(Lobivia calorubra var. mizquensis)に近い印象です.花型は中間型ですが,花色は相当紫野(L. winteriana)に引っ張られている感じです.紫野と交配したものを色々見て来ましたが,喉が白くなるのは潜性なのか,後代には現れません....

  • 紅籠を見て想う

    この紅籠はちょうど10年前の京都シャボテン大会でグランカクタスさんから分けてもらったものです.当時の日本ではまだ紅籠はとても珍しく,興味津々で眺めたのを思い出します.竜神木接でしたので,台を短くして栽培して来ました.すっかり竜神木の部分は木質化しています.自然とたくさんの分枝を出して多頭株になっており,一斉に開花するととてもかわいい姿です.過去記事を辿るとこの紅籠が登場するのは大変久しぶりのことで...

  • パキプスの掘り上げと移植

    パキプス オペルクリカリアがあまりに人気なので,一体何が良いのだろう?と一鉢手にしたのが2019年春のことです.ラベルを見ると62歳の誕生日に自分のプレゼントとして購入したようです.手にしてみて,ああこれはただの盆栽やな,と直感したのですが,何故かこの盆栽が今も衰えることない人気を保っています.地植えが良いと聞いて鉢を埋めたのが2年前のこと.鉢が傾いて来たのは,どうやら地中で鉢から外に出た根が,押し上...

  • 故郷から来た銀姫様

    銀姫(Mammillaria slevinii)が大好きなマミラリアの一つだということを何度か書きましたし,事実何度も登場して来ました.少し前にFN付きの種子を蒔いていたのですが,ようやく開花して来ました.このSB1251の故郷はカリフォルニア半島の先端近く,San Juan de la Costaです.何か種内変異が見られるかなと思っていましたが,基本皆同じ顔つきでした.花は大小あるように見えますが,まだ小株なのでなんとも言えません. 下の...

  • 短刺の琴系丸

    数年前からこの短刺の琴系丸(Mammillaria camptotricha)が出回り,マミ好きのボクとしてはぜひ観察してみたいものでした.なかなか良い機会に恵まれず最近ようやく手にしてじっくりと観察してみました.ユーモラスな感じさえするこの短刺カンプトくん,人気者となったのがなんとなく頷けます.なおこのタイプの琴系丸をモンストと称する向きもありますが,これはモンストに当たらないと思います. 下の写真はウチに居る普通に...

  • ギラウミニアナムの種採り

    昨年の夏に種採りのことを記事にしました.今年も春から手交配をして種採りに励んでいます.毎朝見て柱頭が出ているものに小さな絵筆で花粉をつけます.柱頭は先が3つに分かれ赤いのですぐに目に付きます. しばらくすると丸三角の果実が見えて来ます.手交配しても100%着果するわけではありませんが,放置して,アリさんに任せているよりは格段に着果数は増えます. 今年はタピオカストローなる胴太のプラスチックストローが...

  • 梅雨空には黄色の花

    雨がちの日は,何となく暗い雰囲気です.こんな時は黄色の花がハウスを明るくしてくれます.最初はバウミー綿花玉(M.baumii),春から何度も咲いてくれます.この鮮やかな黄色は本当に素敵です. 次は金星(M.longimamma)です.子供の時始めて金星を見た時,なんと大味なサボテンだろうと思いました.種小名にあるように長いイボが特徴です.株が大きくなるに従いこのイボの大きさも増し,なんとなく大味なマミラリアになるの...

  • キリンの園も代替わり

    接降ろしの時期がやって来ました.大体7月にキリンの接木をするのですが,1年で降ろすか,もう一年台の上に居てもらうか,いつも悩むところです.ただ1年である程度のサイズまで成長したものは,2年間据え置くと穂木はすっかり間延びしてしまいます.下の写真は昨年の接木たち,この中でサイズの出たものは,降ろすことにします. 太平たちはいつもキリンの上に2年間居てから接降ろし,その際は短い茎を着けて挿し木します.今...

  • 仲の悪いマグドガリー

    昨年のこと,マグドガリーはありませんか?と友人から聞かれ,ウチに居るのは一株だけで,種子は採れませんとお答えしました.そしてネットを探すと結構な値段,おやこんなものが品薄なのかと驚きました.早速小苗を手に入れ開花するのを待っていました. 不思議なことですが,ウチに以前からいる大株はまだ蕾さえ見えない4月の初旬に次々と開花しました.そんなに開花期が違うのはどうしてだろうかと唸ってしまいました.とり...

  • 神竜太平の美しさ

    梅雨の最中,ウチにいくつか居る神竜太平の一つが開花しました.実に綺麗な花です.神竜×太平は,用いた太平のタイプが異なるためでしょうか,それぞれ花の様相が少しずつ違うのが楽しいですね. この株は神竜×翠平と言うことで入手したものですが,ただどんな翠平なのかの情報はありません.しかし,神竜×太平は大概このような形態のサボテンになります.肌は燻んだ緑で,稜の数は多く,刺は太平と神竜の中間型ですが,大抵は...

  • 三河サボテン園さん 24夏至

    この3月にカクタスクラブのツアーでお邪魔しましたので,それほど間が空いたわけでもありません.ただボクの気分は随分久しぶりのような感じがしていました.ハウスの入り口には多肉の寄せ植え、こんな寄せ植え置いてあったっけ?と見つめてしまいました. ようやく梅雨入りした三河地方,曇りがちなのでハウスも過ごしやすい温度でした。遮光のない強刺類のハウスでは,フェロの大株たちが気持ちよさそうに過ごしていまし...

  • パキポの種蒔きも進行中

    前年に採種したパキポジウムの種子は,いつも気温が上がる6月以降に播種しています.パキポの芽生えが揃った様子はなかなか可愛いものです.この段階では全く普通の双子葉類の芽生えですが,この後下胚軸が肥大して,あのパキポになってゆくのですから面白いことです. 今年はプラグトレー育苗にも挑戦してみました.箱蒔きに比べて生育はどうか,植え替えが楽になるかどうか見ておきたいと思います. 今年の3月に交配したパキ...

  • 梅雨入り間近の西武屋上

    いよいよ関東も梅雨入りしたようですね.何事も東京中心のこの国では,お天気の話でも東京の暑さや風雨,そして雪に至っては国の一大事のようにテレビで盛んに伝えられます.梅雨入り直前の西武屋上を覗いてみました. しばらくぶりの西武屋上です.あの騒動以降,屋上のベンダーさんの多くが店を閉めてしまい,かつての賑わいはありません.でも嬉しいことに鶴仙園さんは現在です. いつもながら,幅広い品揃えはビギナーから...

  • フレームとテフロ

    3年前にフレーム1号を作り,ウチに居るほとんどのテフロをその中に移しました.最初は少し焼けたのですが,だんだん慣れたのか今はごく普通に過ごしています.ここに置くことで長らく咲いたことのなかった白狐が咲いたことを以前に記事にしました. 今年もいくつかのTephrocactus articulatusたちが花を咲かせたり,気まぐれに新しい茎節を伸ばしたりしています.アルティクラータスたちは,刺の有無を始め, 刺の形も実に様々...

  • 梅雨のお出かけ

    全国的にようやく梅雨に入ったのかと思われる天気になっています.先日,梅雨の中休みを狙って,ハウスに遮熱遮光資材ふあふわを掛け,夏の備えも完了しました.ハウスは陽が射すと40℃に迫る状態ですが,サボテンたちもだんだん慣れてきています.幸い今のところ最低気温は20℃以下まで下がるので,まだ暑さはあまり心配する必要はない状態です. ハウスでは夏マミが咲き始めており,朝のうちにハウスに入る楽しみを作り出してく...

  • デンシスピナの親子

    Frailea buenekeri var. densispina の花が綺麗だという記事を書いたのはもう3年も前です.当時3株あったのですが,だんだんと調子を崩して今は一株になっています.株自体はそれほど大きくはなっていませんが,以前と変わらない綺麗な花です.フライレアの仲間は花を開かずに種子を残す性質があり,花が咲かずに種子ができてしまうことがあります.このデンシスピナは比較的よく咲いてくれます.今ウチのフライレア達の多くは少...

  • グラウカムの花較べ

    昨年秋にFNの着いたグラウカム(Acanthocalycium glaucum=Echinopsis glaucina)種子由来の初花を記事にしました.春になり幾つもの個体が花を着けました.それぞれ特徴があることが分かりましたので,記録しておきます. 最初はFR970,爽やかなレモンイエローの花です.アカントカリキウムは大体球体の側面のアレオレに花芽が着き,花筒は短いのが特徴です.FR970の故郷は,アルゼンチンCatamarca州North of Belenです. グラ...

  • 赤い実を楽しむ

    早春に咲いたマミたちが赤い果実をあげています.中には花よりもこっちの方が観賞価値があるんじゃないかと思われるものもあります.花と実,2回楽しめるのは嬉しいですね. 景清(M.sempervivi).この時期白い綿毛に赤い身が突然生えてきてしばらくこの姿を楽しめます. 小型のマミ,コロンビアナ(M. columbiana)です.花時もやや地味な彼らですが,赤い実を着けた今が一番の見頃なのかもしれません. 小型のタイプのグラ...

  • 大きくなってきた偉壮玉

    この偉壮玉は,〇〇偉壮玉と岡山のO氏の名を冠につけたものとして随分前に入手しました.長い間ゆっくりと成長していましたが,ここ数年で急に大きくなってきています. 偉壮玉にはFerocactus acanthodes var. rostiiという学名が使われ,鯱頭の変種とされていましたが,現在ではF.cylindraceusの1タイプとされています.花を見ると確かに鯱頭と同じなのだなと思えてきます.鯱頭といえば,赤やオレンジのうねる刺が特徴ですが...

  • 小さくても古参のフェロ

    この紅裳竜は2011年に西沢さんのところからきたウチに居る古参のフェロです.毎年元気成長して花も咲かせていますが,株の下側がだんだん萎縮するのか,この十数年で大してサイズは伸びていませんが,すっかり大人顔.これはある意味フェロの理想形です. この紅裳竜はFerocactus viridescens subsp. littoralisすなわち竜眼の変種とされます.littoralisとは海岸に生えるという意味で,バハカリフォルニア北部の西海岸が主な生...

  • 白花礼賛

    サボテンの花に赤や黄色があるのは,花弁の中にベタシアニン系の色素があるためです.生体内で前駆物質から様々な酵素により修飾され最終的に色のついた物質になります.その過程で何らかの突然変異が起こる,多くの場合はある酵素の機能が欠損すると色がつかない花,すなわち白花になります. これは太陽の白花変異品種.太陽の特徴である赤紫の雌しべも色が抜けて緑になり,大変印象的な白花になります. 次は白花テレサエ....

  • テレサエの優しい花

    テレサエ(Mammillaria theresae)は,軟質マミの代表選手.水を吸うとぐっと伸び,成長が止まると思いっきり縮みます.なんといってもその刺の奇妙な形態と柔らかさが彼らの最大の特徴でしょうか.あるサイトでテレサエの刺はクラゲのようだと書いてありました.なるほどクラゲねーと眺めて感心しました. まずは咲き始めの写真.花は柔らかな雰囲気で,開いてまもない時間に最も色が濃く,二日目になるとより柔らかな色合いに...

  • 見事な身割れ袖ヶ浦

    春は身割れの季節です.しばらく十分に水を吸えてなかったサボテンが、ガツンと灌水され,暖かさに誘われて急に吸水すると硬くなった表皮が対応しきれず,物理的に破裂してしまうのです. 今回の身割れは袖ヶ浦,3月初旬のことでした.こんな綺麗な袖の身割れは初めて経験しました.それにしても見事な身割れ,上から下まで一刀両断って感じです. この袖の身割れ,ちょっと心配しましたが程なく傷口はきれいにカルスが出来て...

  • 復活した恐竜その後

    昨年の冬に干からびた恐竜(Gasteria hybrid)が膨らんだことを記事にしました.その後植え替えてやり順調に復活してきました.今年はさらに大きな鉢に移植してやる予定で,本来の姿に戻る途上にあります. ガステリアの仲間は,花の形が胃(gaster)に似ていることからガステリアという属名になったようです.確かにちょっと変わった形をしていますね.また恐竜は交配種の故でしょうか,臥牛などより花茎にたくさんの分枝を出...

  • 梅雨入りの頃

    讃岐地方の梅雨入りは平均値で6月5日だそうで,今年は4日ぐらい遅くなりました.梅雨といってもずっと雨が降るわけでもなく,梅雨の中休みといわれる日差しの強い日があり,これがなかなか曲者です.風通しに気をつけ日焼けさせないようにやり過ごしたいものです.例年,この梅雨の中休みを使って,遮光材ふわふわをハウスに掛けます.去年は6月16日でした. 梅雨といえばアジサイの季節ですが,ハウスでも毎年この季節に咲い...

  • サボテンと多肉植物展in牧野植物園2024

    今年も初夏の3日間,牧野植物園でサボテンと多肉植物展が開かれました. 高知サボテンクラブの方々等の力作が展示されています.昨年も書きましたが,展示会場はこれ以上ないだろうと思えるほど素晴らしい場所です.ライティングの効果抜群で,どの植物も輝いて見えます.人に感動を与えるにはただ大きいとか珍しいとかでは測れない何かが必要です.改めてサボテンを観賞するには美的センスが問われるなあと思いました. 昨年...

  • ハリネズミは黄色の花

    この春,Coryphantha schwarzianaを手にしました.赤い新刺が綺麗だなと思ったのです.ウチには居ないコリファンタでした.蕾が見えたので花を待つことに. 花が咲いてきました.この大輪の黄色い花を見れば,なるほどコリファンタです. 今このシュワルジアーナは針鼠丸(Coryphantha echinoidea)に統合されているようです.またこの仲間は蜜線がイボの間にあってかつてはNeocoryphanthaという亜属にされていたもののようで...

  • 麦秋の夜

    ここ讃岐では,他の地域に比べ多くの麦を生産しており,麦秋という季節をより身近に感じることができます。ハウスの周りも先日まで当に麦秋の風景でしたが,あっという間に麦刈,耕運,田植えが行われました.それに伴って夜になるとうるさい程のカエルの恋歌が聞かれます.こんな時期になるとディスコカクタスたちが次々と咲いてきます.夕方に蕾が大きくなってきたホルスティーを持ち込んでデスクに置きました.良い香りに包ま...

  • 野に咲くエキノプシスたち

    2020年から23年にかけてエキノプシスの原種たちを19記事に渡って紹介してきましたが,彼らもだんだんと大きくなり,今年も元気に花を咲かせています.FNの情報に従いここでは旧ロビビアの名称をそのまま使います. 最初は清楚な薄ピンク花はLobivia cardenasiana TB044.2です.丸弁がかわいい印象を生み出しています. この鮮やかな赤い花はL. calorubra var. mizquensis TB488.1.真上からの写真なので分かりませんが,この種...

  • 露地で冬を越した葉ウチワ

    讃岐は暖かいところと思われがちですが,少し内陸に入ると結構寒くなります.今の家はそんな地域にやや近く,冬は西風が強くかつ気温が下がります.こちらへ来て初めての冬には,大丈夫だろうと高を括って外に置いたサボテンたちがひどいダメージを受けたのには驚きました.同じ市内でも海に近い方は随分と暖かく,葉ウチワが茂っているところがあることは以前に記事にしました.その記事にある株を昨年地植えにし,冬季は簡単な...

  • 神仙金鯱の子供達

    神仙金鯱が2020年頃から開花を始め,自家受粉して種子を作り,それがちゃんと発芽,キリンで養成を始めたことを以前に報告しました.いくつか大きくなってきているものたちを紹介しましょう. まずは最初に作った2個体,これらは生えてきた数少ない実生の内,葉緑体がありかつ赤刺を出しているものをピックアップして接木したものです.刺色や刺の形状に若干の個性が見られます. 次に今キリンの上にいてこの夏に降ろしてやる...

  • 赤花兜の貢献

    昔は赤花兜なんて普通には流通していませんでした.子供の頃,確かシャボテン誌だったと思うのですが,初めて見てそれは驚きました.2010年代半ばぐらいからよく出回る様になり,今では特に高価なものではなくなりました. この赤花株を使って,昔からよくある有星類の交配種を作ってみるとなかなか綺麗なのです.別に真っ赤な花になる必要はありません.中間色とも言える花色が良いのです.これは白ランスーパー兜に赤花兜をか...

  • 今年の種蒔き完了

    連休前後ぐらいから順次今年の種蒔きをして来ました.ウチでは場所,他の作業,接木の時期やらの関係で,播種時期が決まります.早く大きくしたいものはキリンに実生接するのですが,実生接ぎする時期から逆算すると5月が蒔き時になるのです.今期第1陣は25穴トレーが入ったバンジュウ11箱,これで一応今手元にある種子ストックは蒔き終えました.播種の方法は,以前に記事で紹介した通りで,何年も同じ方法で全ての種類の種子...

  • カプトメデューサエの花力

    今年もカプトメデューサエの大株が,春以降2度3度と一斉開花をしています.不思議なことに蕾を着けた枝(イボと言うべきですね)の発達ステージが異なるのに,一定の範囲に入った蕾は一斉に開花します.この種の開花は午後咲き,しかもかなり遅くの時間に開花します.一体誰がポリネーターなのでしょうか.蜂の仲間であれば午前中に咲くのが有利だと思うのですが. この花を見ていると何やら悍ましいほどの生命力というか妖力と...

  • 白ランモンスト養成中

    キリンの園に養成中の白ランモンストがいます.ある程度のサイズになり,確かに際立った亀甲タイプの白ランになってきました.実生接をして間も無くの発達初期には,どれもこれもしっかりと刺をだしており,この白ランモンストなるものが雑種起源であることが示唆されました. これは以前にクラブの会員の放出苗から救出した白ランモンストらしきものです.いくつか竜神に接いだのですが,いずれも動きが鈍く,何か不具合があり...

  • キリン1年生たちの開花

    昨年の7月に実生接したキリン台の面々.昨年からずっと順調に生育し続けています.その中で気の早い幾つかの種では,初夏になって花をつけ始めていますのでとりあえず紹介だけしておきます. 最初はMatucana oreodoxa subsp. roseiflora,赤い花がポツンと咲いているのが目に入り,最初はなんだろう?と思いました.名札を確認して,ああこんなものを蒔いていたんだねと感心しました.比較的新しく発見されたオレオドクサの亜種...

  • 美しいピンク花のノト

    これまで旧ノトカクタス随一の美人さんは,紅冠丸(Notocactus rutilans)だと思っていました.しかしこのロゼオルテウス(N. roseoluteus DV75)も負けていません.こんな綺麗なピンク花が旧ノトにいるとは知りませんでした.このノトは一昨年に友人から頂いたものですが,昨年は開花せず,報告ができていませんでした.どうやらちょっと花つきは悪いようですね.午後咲きタイプで午前中は気温が上がっても花が開きません. 草姿...

  • 久しぶりのミラレシー

    このミラレシー(Gymnocalycium millaresii)は,正確には年はわかりませんが,10年以上前に廣仙園さんで手にしたもので,随分と大きくなりました.でも近年はこれ以上大きくなって欲しくないので,同じサイズの鉢に植えています.この株は昨年植え替えたので,元気よく膨れて鉢のヘリに刺した名札を薙ぎ倒しています. 花は ゼガラエの仲間の特徴的な花型.渋い花で,それが良いといえば確かに良いのですが,特に感動もなくあ...

  • ギガンテアの10年

    初夏の陽射しの下,ギガンティア(Copiapoa gigantea KK614)が気持ち良さそうに咲いています.まあコピの花はどれも同じで観賞するようなものではないのかも知れません.横から見ると花筒が綿毛に隠れているので扁平な花に見えます.ウチにはギガンティアがこれ一株なので種子生産はしていません. この株は10年前に小さな接木苗を買い求めたものです.9年前に接降ろしをした時と比べるとなんと大きくなったことでしょう.昨...

  • ギムノたちの今

    初夏から梅雨の走りと言われる雨の日もあり,ギムノの季節になりました.まずは瑞晶玉(Gymnocalycium stellatum),ギムノらしい底紅の白花.子供の頃大好きだった竜頭はやはりこんな感じの花,それもそのはずで,同じステラツムでした. そしてやはり子供の頃憧れだった緋牡丹錦.今はよほどのものでない限り手頃な値段で手に入りますね.自分で選抜しようとするとどれだけ実生を育てなければならないか,気に入ったものが手...

  • 黄大文字に花が咲いた

    黄大文字(Trichocereus spachianus (Echinopsis spachiana))は,子供の頃から馴染みのサボテンです.昔は結構接木の台木として使われており,ボクも子供の頃台木として使用していました.刺がたくさんあるので,扱いにくいのですが,何より丈夫で耐寒性もあり,北陸では重宝していました.そんな黄大文字の花を見てみたいと思い,大鉢に植えて養成していました.この春幾つかの茎の先端部分のアレオレに綿毛が吹き,やがて花芽...

  • エスコたちのアンソロジー

    大体地味系の種が多いエスコバリアですが,花もまた地味なものが多く,せっかく開花していてもパッと目に飛び込むようなことはありません.しっかり観察していないといい時を見過ごしてしまいます. このツベルクロサ(Escobaria tuberculosa)は,崩壊した大株から枝先を救出したものです.サイズダウンして今は元気にしています.エスコバリアによくある色合いの花です. 次のジルジアーナ(E. zilziana)もいかにもエスコバ...

  • 今年も咲いたエンゲルマニー

    やや咲きにくいとされるEchnicereus engelmannii.今年も咲いてくれました.昨年の様子と見比べると随分立派になってきました. ちょっと天気周りが良くなくて,やや開き方が良くないですが,大きな花です.大株になって群花したらさぞ見事でしょうね. このようなキリン養成群生株が3つあるのですが,実は咲くのは一株だけ.同じフレームに居るのにどうしてそうなるのか分かりません.エビたちの開花はほんと気まぐれだね. ...

  • 黒刺ブルー肌のエキナス

    いかにも硬い感じのエリオシケです.Pyrrhocactus echinus FR537(Eriosyce taltalensis subsp. echinus)として入った種子由来です.ブルー肌に硬い黒刺がびっしりと生えなかなか勇ましい姿,蕾が出てくると赤い感じに何やら優しさもあります. この種にも以前に記事にしたアンディコーラと同様白花とピンク花があるようです.このFNから出た3個体は皆白花でした. ただこの植物を上記のアンディコーラと見比べ,web上の情報...

  • 天下一植物界を見渡す

    以前から気になっていたイベントですが,なかなか見にゆく機会がありませんでした.今回は第4回で神戸駅の真ん前が会場,アクセスは至極便利です.午前中に入るにはかなり並ぶ必要があると聞かされていましたが,朝にSNSを確認すると800人近い人が並んでいるというので,敢えてゆっくりと出発.神戸駅で早めのお昼を食べて会場入りしました. たくさんのブースがあり,もちろんサボテンばかりではありません.ランあり,ビカク...

  • キリン花咲かプロジェクト③ついに花が来た!

    ここ数年キリンウチワに花を咲かせて種子生産するってことにそれなりのエネルギーを注いできました.昨年,幾つかの系統を袖に接木しました.しかし昨年は全く花が咲かず仕舞いでした.そこで9月に150cmぐらいの高さで選定して,効果があると聞いたカリ肥料を施肥しました. そしてこの初夏,たった2系統ですが,花芽が誘導されました.全部で10個ほどの花芽があります.複数の系統で花が着いたことは,単なる偶然ではなく,開花...

  • 久しぶりのディモルファ

    久々の登場のEriosyce dimorpha(Pyrrhocactus dimorphus),今はE. heinrichianaのようです.このディモルファは流通している株と随分見た目が違います.それもそのはず,種小名のdimorphaとは二形のという意味で,株が小さい時はほぼ刺がなく,それでも開花するのですが,さらに大きくなると立派な刺が出て来て,まるで違う種のようになることからこのような種小名が与えられています. 大きな花ですが,実に渋い雰囲気.本体...

  • ちょっと気分転換2024皐月

    このところちょっと気持ちが塞ぎがち,何事にも今ひとつ気力が湧かない.自分でもこれは何やら危ないのではと思い,ちょっと気晴らしに出かけることにしました.要は気持ちの問題,ゆめゆめ老人性うつなどにならないよう気をつけなくちゃ. 移植は大体目処がつき,今月初めに蒔いた150種類余りの種子は今発芽を始めています.少しだけですが柱への接木もやり,挿し芽を始たキリンの実生接は来月後半からになります.今年の太平...

  • エビサボたちのアンソロジー その5

    これは広義のエビサボですが,銀紐(Echinocereus poselgeri)の花はなるほどエビだなと思います.銀紐ありませんか?と最近よく聞かれるので,交配しておきました.実生はすぐにスックリ立ち上がるので面白いですね. 次は昔から明石丸(E. pulchellus var. weinbergii),綺麗な花なのでいつも咲くのを楽しみにしています. そしてカエスピトーサ(E.reichenbachii subsp. caespitosus),この個体はちょっと変わった色合いの花...

  • 初夏を彩るロビオプシス その1

    この時期,毎日何かのロビオプシスやエキノプシスが咲いていて,栽培棚を華やかにしてくれます.夜咲きのものと昼咲きのものがあるのですが,この時期朝にハウスに入ると両方が咲いていてとても華やかです. 一昨年頂いたSunny,大きくなったので接降ろししましたが,さらに元気になっており,今年はたくさんの蕾を着けています. 次は正式な名前ではないのでしょうが通称那須の朝焼け.色合いが気に入って残しています. そ...

  • エビサボたちのアンソロジー その4

    今回はダシアカンサスたちです.御旗はEchinocereus dasyacanthusとされますが,E. pectinatus var. dasyacanthusともされ,ペクチナタスとは親戚筋と言えます.なので今日は真のアンソロジーではなく,親族集合です.この御旗はBS253同士の種子から得たものをキリンで育成したものです.若干刺色に個体差が出ました.花はいずれも黄色大輪です.開花から3日目ぐらいが最大の大きさになります. 次はボク自身が交配したダシアカ...

  • ボーちゃんにやっと花

    2016年の秋に鶴仙園の本店で手に入れました.当時本店はいつでも訪ねることができ,入荷したてでいくつも転がっているものの中から好きなものを選ばせてもらいました.毎年春に葉を伸ばし,夏に枯れるというサイクルを繰り返し,それなりに元気にしていたのですが,なかなか花が上がりませんでした.4月後半のある日,ハウスのメンテをしていて偶然目がボーちゃんの鉢に行き,おーっと声をあげてしまいました. 花茎が伸びるの...

  • カマエロビビアたち

    昨年に一度友人から頂いたカマエロビビアを紹介しました.その時未開花だったいくつかの品種が,ようやく咲いてきたので紹介したいと思います.カマエロビビアのコレクターはそれほどいるわけでもないので,流通も超マイナー,なかなか名前のついた品種を見ることもありません.なので頂いたものを眺めるのはボクにとって貴重な経験です.まずこれはChamaelobivia ‘Lincoln Gem',優しいオレンジ色で花弁のフリルがはっきり見て...

  • 澄んだ黄花のメラレウカ

    ハウスに入ると黄色い花が目に入りました.これはMammillaria melaleuca,和名はありません.うちでは初開花なので,しげしげと眺めてしまいました.彼らはタマウリパスが故郷らしいですが,どうやら生息地は限定された場所のようです.澄んだ綺麗な黄色の花,旧Dolichntheleらしい花色です.この黄花が特徴のドリコテレは,マミの中では結構独立性が高いのではないかなと思われます. 普段は地味で小さな株です.覗き込むと黒...

  • 気まぐれなアリゾニクス

    エビたちが居るフレームの中でアリゾニクス(Echinocereus arizonicus)がポツンと一つだけ花を咲かせていました.この株は,10年前に開花したことを記事にしています.その後開花したのかどうか記憶にありませんが,とにかく滅多に開花しないことだけは確かです. アリゾニクスの横で,いくつか居るコッキネウスが咲いていますが,風貌,花姿は共によく似ています.実はアリゾニクスは,E.coccineus var. arizonicusともされ,...

  • マミたちのアンソロジー その3

    春はいよいよ駆け足になり,あっという間に初夏になりました.比較的開花期間の長いマミラリアたちですが,紹介が追いつきません.最初は白美人(M.spinosissimaの白刺タイプ)と呼ばれるもの.もっと純白の刺のものもありますが,ウチのはこの程度です. 次は白絹丸(M.lenta)です.実生では成長がゆっくりさんでなかなか大株になりません.これはキリンで養成したものですが,レンタはキリンの上でもメタボにはなりませんので...

  • エスコミニマの群花

    エスコバリア ミニマ(Escobaria minima)は大好きなサボテンの一つです.春に新しい刺が出てくる様子はなかなか素敵です. ウチには以前からいくつかミニマの群生株があるのですが,時折調子を崩すものが出ます.そんなわけで数年前実生苗をキリンにいくつか乗せてみました.相性が良いようで,自然と群生株になり,しかも決して間延びした姿でもなく,それらしく仕上がりました. 面白いことに刺色に僅かな個体差が見られ,群...

  • レブチアたちのアンソロジー その2

    連休も終わりましたが,レブチアたちがまだ次々と咲いてくれています.彼らは温度に反応して花を開くのですが,たとえ曇天でも僅から温度上昇に敏感に反応して咲いてくれます.毎朝彼らがいる栽培棚では誰かが咲いています. 最初はSulcorebutia polymorpha SE130,レブチアらしからぬ厳つい草姿ですが,花はなかなか美しい. 次はパープレクサ(Rebutia perplexa),これはなんとか維持している大株です.毎年,これが見納めじ...

  • 獅子王丸の仲間たち

    数年前に友人からFNのついたパロディアを色々いただきました.その中で獅子王丸の仲間たちが,それぞれ特徴がわかるサイズになって来ましたので,改めて確認してみました.パロディア(旧ノトカクタス)の獅子王丸は,それは普及種中の普及種,初夏になるとホムセンなどでも結構なサイズの花着き株がリーズナブルな値段で売られています.ボクも子供の頃持っていたサボテンの中にちゃんとこの獅子王丸がいました.よく普及してい...

  • ウィルコキシーの花色変異

    これまで何度も登場してきたマミの美花種ウィルコキシー((M. wrightii subsp wilcoxii)です.少し自分で増やしておこうと思って種子を蒔いていました.育ってきた実生たちを眺めると刺色の濃淡がかなりはっきりしています.どういうことかなと思い,トゲ色の薄いものを一つだけ個鉢に移して栽培していました.その株がこの春に開花したのですが,驚いたことに白花です.正確に言えば白花ではなく,うっすらとピンクの中筋が入...

  • 月光殿の狂おしげな花

    月光殿の群生株から大きな蕾がニョッキリ出てきました.なかなかの迫力です.これは咲くのが楽しみだなと待っていました. 気温が大して上がらない曇天の昼,気がついたら満開です.この恐ろしいほど派手なピンクの花は,とても心穏やかな気持ちで観ることはできません. そして夜になるとすっかり閉じて,細長い蕾のようになってスタンバイ. また翌日には満開に.雄しべの展開する様はまるで花火のようです. この月光殿は...

  • 芸術的開花

    黒竜(Pterocactus tuberosus)の花は毎年のように載せています.自分でも不思議なのですが、この花が好きなんでしょうね.コイツが暗い赤色の花を咲かせたらもっと素敵だろうなと想うのですが,こればかりは叶わぬ夢でしょう. さてウチには2株この黒竜が居るのですが,そのうちの一株がなかなか狙ってもできない姿で花を咲かせました.本種を含め所謂ニョロニョロくんたちは茎をどのように誘引するか悩むところです.放任する...

  • 美しい瑞鳳兜

    子供の時のことです,初めて瑞鳳兜を見てその見事なまでの中間体にいたく感心しました.お父さん似とお母さん似がいることは子供でも知っており,足して2で割ったかのようなことはないものだと思っていました.瑞鳳兜はまさに足して2で割った姿で,しかもそれが美しいのです.そんな訳で子供時代のコレクションにも瑞鳳兜はいました.時代は変わり,今は赤花兜というものがあり,この瑞鳳兜は瑞鳳玉×赤花兜です.花いろが微妙に...

  • 透き通る花

    この透き通るような黄色の花を見ると幸せな気分になります.これは旧イスラヤ属の花輪王子と呼ばれたものです.現在は色々あったイスラヤの家族は全てEriosyce islayensis一つに統一されています. 時を経るとともに貫禄ある姿となり,なかなか素敵なサボテンです.この独特の姿を見ると,イスラヤという懐かしい響がやはり良いなあと思ってしまいます. 自分でも少し種子から育てて見たいなと思ったのですが,いざやってみる...

  • 紅白のアンディコーラ

    これはNeoporteria curvispina var. andicola (Pyrrhocactus andicola)という名前でMesaから入った種子由来のものです.アンディコーラというのは「アンデスの」って意味かと思うのですが,由来を示すにはちょっと大雑把ですね. 密に刺が重なり,なかなか美しいサボテンです. 花色は結構鮮やかなピンクと白があります.花が咲くまで外観から花色を推定することは出来ませんでした. 花後に綺麗な果実を見ることができるのは...

  • バッタとリンゼイ

    エビサボの勇者リンゼイ(E.ferreirianus subsp. lindsayi)が盛んに新刺を伸ばしています.天気がすぐれないので,ハウス内のメンテをしていると,何か刺の先に緑のものがたくさんいます.近づいてみるとバッタの赤ちゃんです.普通バッタの休眠卵の孵化は5月ごろからと言われていますが,ハウスの中なので少し早いお目覚めなのでしょうか. どうして刺の先ばかりに集まるのかな.孵化したらとりあえず近くの草に取りつき,上へ...

  • チレンシスの穏やかな花

    まだ小さな株で本領発揮していないと思われるのですが,初花なので記録のために載せました.これはEriosyce chilensis var.chilensis FK3です.同時に育成したいくつかの株を見ていると刺の色がかなり違います.これはまだ実生数年の小さな株ですから,もっと大きくなると印象も違ったものになると思われます. チレンシスは,旧ネオポルテリアなのですが,ネオポルテリアによくある剣弁が多数重なる花形ではなく,開花と同時に...

  • 肌の癒合

    太平の花の季節がやって来ています.それぞれの株見ていると,ある古株の太平丸の肌に何やらポツンポツンと傷がありました.よく見ると稜間の線を挟んで左右対称にあるのです.これは何?と全体をよく見てみました. するとまるで焼けた餅を引き延ばしたように組織が分かれようとしてるところがありました.なんでこんなことになるの? さらに成長点付近を見ると稜間の組織が癒合しているところが何箇所かみられました.こうし...

  • エビたちのアンソロジー その3

    来週はもうGWの始まり,季節は春から初夏へ急速に変わりつつあります.サボテンの移植も続けながら,色々な草花の種蒔きもあって,頭が混乱しそうです.そんな中,エビたちが次々と咲きます.まずは珠毛柱,これはWilcoxia属でしたが今はEchinocereus schmollii.穏やかな花が結構好きです.垂れ下がるように作ろうと思いながら,ここ数年放置されています. チソエンシス(E.chisoensis),美しいエビサボです.気に入っているの...

  • 天使の花

    移植をしているとマミラリア小苗に見慣れぬ花がありました.花の形からしてこれはバハグループだなと思われました.名札を見るとM. angelensis,メサから買った種子のようです.これはM.dioica subsp. angelensisとする見解もあるようで,なるほどなと思いました. 故郷はバハカリフォルニアの湾内のsla Ángel de la Guardaという島です.なかなか栽培が難しい種とされますが,バハグループは大体において気難しいですね. 一応...

  • 春のマミ アンソロジーその2

    マミラリアは色々と咲きすぎて,何を記事にすべきか迷っているうちに時間がすぎて行きます.本当は拘れば色々ツッコミ所があるはずですが,あー今年も咲いているなーとほぼスルーの面々. まず早くから咲いていた景清(M.sempervivi).近年は多毛景清ばかり,どうしたわけか多毛系は薄い花色でちょっと寂しいです.やはり景清はこんな花がいいですよね. そしてフラウテンベルゲリ(M. freudenbergeri syn. M. winterae)は...

  • 刺の長短

    これはMammillaria huajuapensis FO250として頂いた2株.刺の長さが随分と違う.小苗の時から違いは明瞭で,どっちがか間違いなんだろうなと思って見ていました.しっかり花が咲く大きさになり,改めて調べてみて,これは種内変異と見たほうが良いかと思い直しました.左の株は外観がミスタックスに似てるなと思っていたのですが,このhuajuapensisは,M.mystax var.huajuapensisとされ,さらに今はM.mystaxに統合されています....

  • 物価とサボテン

    色々な物価が上がり生活費を圧迫していると言われます.そもそも日常生活であまり買い物をせず,野菜などは自給しているわが身には物価高騰という印象はそれほどありません.確かに都会のホテル宿泊代は高騰しています.レストランでの食事代も少し高くなったように思います.果たしてサボテンの値段はどうでしょうか.先日東京へ行った際にいつものように西武屋上の鶴仙園さんをのぞきました. ハオルチアはせいぜい2−3千円で...

  • 綾波モンストは開花せず

    昨日は普通の綾波でしたが,今日はモンストの話です.ウチにいる綾波モンストは入手してから12年経ち,結構なサイズになっています.それなりの貫禄も出てきましたが,全く開花しません.でも真上から見た刺模様はとても魅力的です. これなら将来花が咲くかも,と経験豊かなランポーさんから小さな綾波モンストの袖接ぎ苗を頂いたのは2022年の6月のことです.これがその時の様子,アレオレは縦長になっていますが,稜線もはっ...

  • 今年の綾波たち

    今年はどうしたことか綾波たちが元気です.早春からガツンと水をあげたせいでしょうか.春の綾波を見ると誰しもが,これはすごい刺が出て来たと期待してしまいます.大抵は普通の刺におさまるのですが,毎年騙されます. 綾波の花は文句なく綺麗です.太平丸などは個体間でかなり花色の濃淡があるのですが,普通の綾波はそれほど差がありませんね.花弁先端の羽状の切れ込みも大体皆同じです.これは王綾波系.ここ何年も本調子...

  • 卯月のお出かけ

    またまだ移植が終わらないのですが,今日からちょっと息抜きに出かけて来ます.昨年は丁度今頃メキシコへ行っていました.ですから昨年に比べるとなんとなく余裕のある4月なのです.昨年と比較して3月の気温が低く,サクラを始めとしてあらゆる植物の動き始めがゆっくりでした.しかし上手くしたもので,だんだんと追いついて来た感があります.サボテンたちも早春の花から初夏の花へと移行しつつあります.この花サボは,紫野×...

  • レブチアたちのアンソロジー その1

    春の花レブチア&スルコレブチアがどんどんと咲いています.ハウスに入って彼らのかわいい花を見るとホッとします.そう言いながら栽培に力を注いでいるわけでもなく,春に植え替えするとあとはほぼ放置,中には調子を崩すものも出て来ます. 明るいオレンジ色の花のR.fiebrigii R784(= Aylostera walteri)です. ホフマニー(R.hoffmannii R521a), 温かみのあるオレンジ色の花.何度も咲いてくれるので,結構長い間楽しんでい...

  • よし分離した!

    超普及種の月影丸には赤花と白花があります.白花は原産地では確認されたことはなく,園芸生産の中で生まれたものとされています.この赤花と白花を相互交配してみました.後代は下の写真のように全て赤花になりました. もし白花が花弁の色素合成に関わる遺伝子の突然変異ならば,白花は1遺伝子の潜性(昔は劣勢と言いましたが,実態に合わない用語なので,学術的には使わないことになり,今はこれを潜性と言います)である可...

  • 大豪の白

    プシスの白花なんて誰も見向きもしないのかもしれません.しかし,朝まだ陽が差し込まないハウスに入り,この花を眺めるとその良さが分かります.これは大豪丸錦の花,何かを語りかけるかのようにこちらを向いているように見えます.仄かな香りを楽しんでから写真を撮りました. 下の写真の株は,Echinopsis subdenuda L943です.だんだんと大きくなり,たくさん花をつける様になりました.短毛丸や花盛丸系のものは相当な大株...

  • エビのアンソロジーその2

    春は駆け足,毎日違った表情を見せながら,季節はどんどん進んでゆきます.ぼっとしていると色々なことを見過ごしてしまいそうな勢い,エビたちも次々と咲いてきます. これは白元(E. reichenbachii),少し花弁の先が弱くてヨレてしまうのが少し残念.全ての白元がこうなるわけではありません. そしてラウイ(E. lauii)穏やかな花色が素敵です.基部からだんだんと仔を吹いてきました.群生株となってたくさんの花を一斉に...

  • 白鷺が舞う

    3月の終わり頃,白鷺多頭株にそれはたくさんの花芽が出てきました.これは期待できるぞと,ワクワクしながら待っていました. お天気がすぐれない日が続きましたが,薄日に反応して一斉に開花. 再び,三度と咲いてだんだんと豪華に,株全体が花で見えなくなりました. 花姿も良いのですが,一度開いた花が閉じた姿がまた良いですね. これらの多頭株は,キリンで大きく育成したものを胴切りして作ったものです.実生から3年...

  • ニベウムが先陣を切る

    瑞鳳系の中で,このニベウム(Astrophytum capricorne var. niveum)が今年は先陣を切りました.他のカプリコルネたちはようやく新刺を伸ばし始めたところです.いつ見ても彼らの花は魅惑的で,吸い込まれそうです.一体誰を誘ってるの?と聞きたくなります. このニベウムの不幸は以前に記事にしました.こうして横から見ると,普通の瑞鳳より刺はしっかりとしており,なるほど大鳳の系統だなと思わせます. 園芸的に言う白瑞...

  • 好調な大文字

    今年はなんだか大文字白鳥が好調なようで,たくさんの蕾を上げてきました.ちっとも大文字らしくないねと言われそうですが,締めて作ると大文字の模様は出てきません.接木でふっくら作ると明瞭なのですが,今度は白鳥らしくなくなります.やはり白鳥は詰まった真っ白の刺じゃなくちゃと思っています. 程なくして一斉に開花しました.花は全く普通の白鳥です. もう一つ単頭の大文字がいます.これは少し大文字らしい縞が見え...

  • 英丸と桜丸

    英丸(Echinomastus dasyacanthus SB120)が綺麗に咲いています.輝きのある伸びやかな花弁はとても綺麗です.草姿も花も桜丸に似ています.それもそのはず,E.intertextus subsp. dasyacanthus,つまり桜丸の亜種とされています.さらに今では,E.intertextusに統合する見解もあります. 形態的には英丸は刺が立っていて,素手で触ると刺がかなり当たります. しかし,実生を見ると刺が立っておらず,いわゆる桜丸とはあまり...

  • マレッティアーナ今の姿

    このマレッティアーナ(Copiapoa malletiana)は,昨年あるイベントの廣仙園さんのブースで手にしたものです.順調に成長して少し丸みを帯びて来ました. コピの花の写真を撮ってどうすんだってところですが,一応花が咲いたので撮ってあげることにしました.コピにしてはやや大きめの美しい花です. 日本の園芸家に馴染みの黒士冠は,C.dealbataという学名に対応するとされて来ました.園芸的理解は,白肌で一本の刺がシュッ...

  • 不明のパキポの正体

    随分と昔のこと,ある有名園で象牙宮と名札の立っている小さいパキポを買いました.その頃まだパキポのことは全く知らず,これがグラキリスなのかと思い持ち帰りました.程なく葉が展開して来ましたが,なんだか違うようです.でもずんぐりと育つ姿は,ちょっとそれらしくも思えました.その後たくさんのパキポを扱うようになり,ああこれは何かの交配種だと思うようになりました. しかしサイズは十分になったのになかなか花が...

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