オリジナル『夫夫小説』 推奨肉食系時代劇。オールド上海。薩摩藩風男子高。現代モノ。完結作品多数あり!
男と男の情愛やら肉欲やらをはらんだ娯楽小説を目指しております。 キャラの猛禽ケモノ率、高め。衆道色、濃いめ。男臭、きつめ。情愛、うざいほど! 作品は「江戸もの」「上海もの」など。楽しんでもらえたら幸いです。
パチパチと爆ぜる囲炉裡火が、古弦太(こげんた)の張り詰めた頬に暗い火影を揺らす。「頼近様は……おまえらを連れて来いと申された。なんぞ企(くわだて)があるのやも……」 鋭い切れ長の眼が、炎を映して半太夫を見る。「某も左様に存ずる。雨月丸とか申す妖(あやかし)の暗鬼(くらやみおに)との言、捨て置けませぬ」 仙蔵も眼差しを険しくする。半太夫は頷いた。「確かめねばならぬ。まこと頼近様が……」 言葉を飲み込む。...
「半次郎殿、頼近様のお熱はまだ下がりませぬのか」「先の狩での疲れが癒えぬのだ。もう暫く養生せぬばなりませぬ」「なんと脆弱な。休んでばかりではないか。紀伊の山村で、村人が一晩で死に絶えたとの報せが入り申した折、かような有様ではとても陰狩の鷹とは呼べませぬぞ」 襖を隔てた隣室に頼近が臥せっているというのに、詰る(なじる)声に遠慮はない。声の主は、鷹眼の熱による障で頼近の耳がほとんど聞こえないことを承知...
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