■■ はじめに・・・ ■■ *当ブログは2人組で運営しております。*内容は男性同士の恋愛等をメインに取り扱った一次創作です。 BLなどのご理解を頂けていない方、嫌悪感を抱かれる方は回れ右でお願い致します。 ま
オリジナルBL小説です。主に高校生の恋愛(R-18)。管理人は2人で文と絵、基本ハピエン。毎日更新
CP傾向はドS×ネガティブ天然・後輩×先輩・弟×兄中心に展開です。 どんな形であれ受け溺愛。 S/鬼畜/わんこ/ツンデレ/ネガティブ/天然/不憫/小悪魔/クール/男前/など
「あれは私が持つべきものだ」 キャンドルの灯りの中、モーヴェルトは呟いた。 彼らと話していて不意に目に入ってきたそれを見た時、モーヴェルトは自分の目を疑った。ほんの一瞬過ぎて幻を見たのかとも思った。 何という……
そのアルスも成人して体がしっかりできてきたからだろうか。以前は馬鹿力であっても筋肉などまったくないように見えていた体が最近は結構引き締まってきているように思える。 ちなみにアルスの体を日々覗き見しているのではなく、風呂を時折一緒に入る羽目
「オレに奪われんのかって思ってるような態度よせ。オレが、んなことしてどうするよ。ったく。とばっちり過ぎんだろが」 微妙な顔でファインが見下ろせば、フォルアはじっとファインを見た後に抱きかかえた楽器兼武器に顔を摺り寄せた。 そんな様子のフォル
ふと少し口元がほころんでいるアルスに気づき、ファインはとりあえず心の中にその表情を秒で保存してから続けた。「でもな。それこそ神に一番近そうなヤツがそんなこと、考えたり言ったりするか? しかも患者は王族の誰かだろ? 普通、それこそ希望がある
横にも幅のある男だけに、身を乗り出すと勢いもあって迫力があるなとアルスはそっと思った。顔はおそらく整っていると思うのだが、横幅があるせいでそちらに気が行きがちだ。「その彼が持っている剣……」「は?」 ファインが
モーティル教徒、それも教皇と聞いてアルスは相当驚いたが、それはファインも同じのようだ。少し唖然とした顔してから、ファインは軽く頭を下げ口を開いた。「はじめまして。オレはファインと申します。いきなり不躾な質問で申し訳ないですが、何故モーティ
ギルドの部屋へ通され、責任者っぽい人と交渉しているファインを見て、アルスはなるべく顔に出さないようにしながら内心ひたすら感心していた。アルスだったら言われるまますぐにきのこを出していただろう。 でも目の前でファインと話しているギルドの上席
カルフォン王国は想像していた以上に大きな王国都市だった。風属性の土地で気温なども過ごしやすいということもあるのか、通常ならかなり賑わっていたと思われる。 ただ、噂や実際行っている通行制限のせいだろう。ようやく町中へ入った時はどこか閑散とし
「あの、ファイン? ほんと大丈夫か?」 どうやら不本意ながらフォルアのことを考えていて、アルスの問いかけに答えていなかったようだ。真剣に不本意だ。「ああ、悪い。問題ない。えっと、どういう話だってことだよな?」「うん…&hell
「リブス病……」 ギルドへ向かいながらファインが言った疫病の話に、アルスはポカンとしていた。だが少しして「あ! そうか、きのこ……」と独り言のように呟いている。 そう、とファインは頷い
唖然としてしまったが、しても仕方ない気がする。噂とはいえこれほど大掛かりな様子で話題に出る上、以前実際に出入りを制限していたのを知っている。多分本当に流行っているのだろう。 そんなヤバそうな疫病が、きのこで? 何を言っているのかとアルスは
カザンはさほど大きな町ではなかったが、それなりに賑わっていたのだろう様子が窺えた。とはいえ今は少々閑散としている。「カルフォンでどうやら疫病が出ているらしい」 そんな話をそこここで耳にする。そのせいで地元住民以外あまりいないのかもしれない
モーティル島から戻るには、いったんまたローヴァン王国へ向かうしかなかった。他の国へ向かう方法もあるが、未知の土地すぎて旅をしているとはいえさすがに警戒心のほうが好奇心よりも強い。カースは「もしかしたら言語とか文化は全然違っても、多分この辺
カースからここはかつて町だったと聞いていたが、今はその名残すらない。ただ木々に囲まれた自然あふれる島にしか見えなかった。 囲まれるっつっても、何だろな、自然織りなす森ってよりは手入れの行き届いた静かな自然公園って感じだけどな。 島に着いた
ローヴァン王国を出て南に下るも、町や村は見当たらなかった。ましてやそこから海へ出る船などあるはずもなく。「まあ、作ればいいわけだしな」 カースがさらりと言っている。普通なら「虚言癖か」とさえ思いそうなことだが、実際作って乗ったファインやア
「ブログリーダー」を活用して、s-negaさんをフォローしませんか?
■■ はじめに・・・ ■■ *当ブログは2人組で運営しております。*内容は男性同士の恋愛等をメインに取り扱った一次創作です。 BLなどのご理解を頂けていない方、嫌悪感を抱かれる方は回れ右でお願い致します。 ま
ずっと一緒に旅してきたからか、自然と動きの連携は取れていた。それに、ルビアと対決した時とやり方は似ていた。 あの時もファインが指示を出してくれていた。魔力や戦闘の強さで言うならダントツにカースやフォルアだと言い切れるが、こういう時にさっと
◆水晶の涙◆ ── とある王国 神の子が禁忌を犯し、居なくなってから長い年月が過ぎ去った……。 辺境の村で少年2人は、いつも通り平穏に暮らしていたはずだった。 *赤&ra
いい加減にしろとファインは本気で忌々しげに怒鳴っているが、目の前にいる老人をアルスは少々引きつった気持ちで見た。 あれから結構経っている。だが今でも覚えている。魔法が得意でないアルスですら、初めて見たボルフォルドに対し相当な魔力の持ち主で
結局アルスは何ともなかったようだ。診てくれたカースいわく「少し疲れてただけじゃないかな」らしい。フォルアも診てくれたのかもしれないが、とりあえず安定の無反応だった。「でも……」「本当に大丈夫だって。だいたいあの
しばらく抱きしめたままでいたが、アルスが「そろそろ離して」と言ってきてファインはようやくハッとなった。「あ、えっと、悪い」「ううん。悪くはないけど、ずっとだと何だか落ち着かなくて」「落ち着かない? 何で」 アルスに自分の気持ちがバレてから
カルフォンの王に提案されたことはさすがに即答するわけにもいかず、一旦持ち帰りでファインはアルスと話し合った。とはいえその話が長くなることはなかった。 二人ともに魅力的すぎる話だと理解はしている。だがありえないほど破格の申し出をされ、むしろ
ファインが持っていたクレブスだが、実際処方したのはフォルアだった。「オレだとまだ扱ったことなくて詳しくわからねえから何かあってもまずいし、万が一効きが悪くなっても困る」 ファインはアルスからすれば大抵何でも知っている。蓄えている知識は豊富
水晶の件はすぐ王の耳にも届いたようだ。アルスたちの存在も知ることとなり結果、クレブスのこともあからさまになった。 身元が確かではないため数日かけて様子を窺ってからとモーヴェルトが言っていたのは案の定、クレブスの存在を公にしないためとアルス
ここへ来てからのフォルアが何となくおかしいような気がして、アルスはとうとう直接本人に聞いた。「フォルア、どうかしたの?」 ただ聞き方が抽象的だったのだろう。フォルアは首を傾げながらアルスを見てくる。ついでにファインも少し首を傾げながらアル
「あれは私が持つべきものだ」 キャンドルの灯りの中、モーヴェルトは呟いた。 彼らと話していて不意に目に入ってきたそれを見た時、モーヴェルトは自分の目を疑った。ほんの一瞬過ぎて幻を見たのかとも思った。 何という……
そのアルスも成人して体がしっかりできてきたからだろうか。以前は馬鹿力であっても筋肉などまったくないように見えていた体が最近は結構引き締まってきているように思える。 ちなみにアルスの体を日々覗き見しているのではなく、風呂を時折一緒に入る羽目
「オレに奪われんのかって思ってるような態度よせ。オレが、んなことしてどうするよ。ったく。とばっちり過ぎんだろが」 微妙な顔でファインが見下ろせば、フォルアはじっとファインを見た後に抱きかかえた楽器兼武器に顔を摺り寄せた。 そんな様子のフォル
ふと少し口元がほころんでいるアルスに気づき、ファインはとりあえず心の中にその表情を秒で保存してから続けた。「でもな。それこそ神に一番近そうなヤツがそんなこと、考えたり言ったりするか? しかも患者は王族の誰かだろ? 普通、それこそ希望がある
横にも幅のある男だけに、身を乗り出すと勢いもあって迫力があるなとアルスはそっと思った。顔はおそらく整っていると思うのだが、横幅があるせいでそちらに気が行きがちだ。「その彼が持っている剣……」「は?」 ファインが
モーティル教徒、それも教皇と聞いてアルスは相当驚いたが、それはファインも同じのようだ。少し唖然とした顔してから、ファインは軽く頭を下げ口を開いた。「はじめまして。オレはファインと申します。いきなり不躾な質問で申し訳ないですが、何故モーティ
ギルドの部屋へ通され、責任者っぽい人と交渉しているファインを見て、アルスはなるべく顔に出さないようにしながら内心ひたすら感心していた。アルスだったら言われるまますぐにきのこを出していただろう。 でも目の前でファインと話しているギルドの上席
カルフォン王国は想像していた以上に大きな王国都市だった。風属性の土地で気温なども過ごしやすいということもあるのか、通常ならかなり賑わっていたと思われる。 ただ、噂や実際行っている通行制限のせいだろう。ようやく町中へ入った時はどこか閑散とし
「あの、ファイン? ほんと大丈夫か?」 どうやら不本意ながらフォルアのことを考えていて、アルスの問いかけに答えていなかったようだ。真剣に不本意だ。「ああ、悪い。問題ない。えっと、どういう話だってことだよな?」「うん…&hell
「リブス病……」 ギルドへ向かいながらファインが言った疫病の話に、アルスはポカンとしていた。だが少しして「あ! そうか、きのこ……」と独り言のように呟いている。 そう、とファインは頷い
職場から数日もらっていた休みだが、ニルスの仕事が忙しそうなのでエルヴィンはラウラの結婚準備の手伝いをして過ごした。と言っても大きな準備はほぼ終わっているため、ちょっとした小用のお使いなどだろうか。 そして後日。エルヴィンは両親にニルスのこ
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
穴があったら入りたいとはまさに今の気分を言うのだろう。居たたまれなさと恥ずかしさで今すぐ入りたいし、何なら自ら掘ってでも埋まりたい。勘違いしたままのやり取りをなかったことにしたいが、できないのなら穴に入りたい。 いや、っていうか、俺、結構
多分、とても嬉しくて大切な言葉をニルスから貰った。そう思う。大好きな人から大事にしたいからって言われて嬉しくないはずがない。 でも複雑なんだよな……。「ニルス。言わなくてもわかるだろけど、俺、男なんだ」「ああ」
とりあえず手を離すと、エルヴィンはブローチを外した。そしてまたケースにしまう。「……何故?」 ニルスから怪訝そうな響きしかない言葉を頂き、エルヴィンはとりあえず微笑んだ。自分ではとてもうさんくさい笑みなのではと
そう返ってくるとはさすがに予想していなかった。確かにそれはわかるが、そうじゃない。「い、いや。そうじゃなくて、えっと男同士のやり方っていうか」 苦笑しながら言えば、おそらく怪訝そうな顔をされた。そんなに怪訝そうな顔をされる難しいことを言っ
「違うのか?」「違うな……」 ニルスの勘違いはわかった。だがこれではまだニルスが挿入について知っているかどうか決定打ではない。単なる勘違いなのか、知らないからその発想になったのか。あとついでに尻の違和感は何だった
質問のことで言葉を濁しつつ逡巡しているエルヴィンに、ニルスは「うん」と頷いてくる。何だかそれが純粋そうに思えて、ますます言いにくい。「その……まあ、その、えっと、あれだ。その……あー
近寄ってくる者たちは深刻そうではないので、おそらくは好奇心といったところだろうか。話の餌にだけはされたくない。「ちょ、っとここではまずいな。どこか移動しよう。というか、仕事大丈夫? 日を改めようか?」「問題ない」 焦って促したエルヴィンの
とはいえとてつもなく気になる。 君は何故これを俺に渡してきたの? もしかしてエルヴィンとニルスの関係を何か察知しているのだろうか。もしくはコルネリアに限らず案外バレバレなのだろうか。それともニルスは関係なく、エルヴィンが同性を好みそうに見
その後ようやくエルヴィンは自分の上司の元へ顔を出しに向かった。服は仕方ないのでリックに借りた。借りたというか「返さなくていいよ」と言われたが、部屋着ともども完璧にクリーニングして返そうと心に誓う。ただでさえ借りしか作っていないし、それを理
聞きたいこと。 ほんの微かとはいえ、尻に感じる違和感。 これの正体が知りたい。 俺はニルスと最後までしたの? それともたまたま違和感ある気がするだけで、単なる気のせいなの? 果物のおかげで最後までできたというのはあまりありがたくない。おま
リックが腹を抱えて笑っている。それをエルヴィンは何とも言い難い表情で見ながら「いい加減笑うのやめてください」と絞り出すように頼んだ。「だって。君がそんな勘違いしてたなんて思いもよらなくて」「そりゃするでしょうっ? あんな苦しかったのに何も
はっきり聞いてしまいたい。 だが、聞くのも怖い。とはいえ聞かないままというのも駄目だとエルヴィンは頭を抱えた。何もなかったことにして流してしまいたいが、そうしていいはずもない。 昨日の自分は明らかに異常だった。何故そうなったかわからないが
そうか、と頷いたニルスをじっと見てきた後、リックは微笑んできた。「心配?」「心配しない恋人なんているのか?」「中にはいるんじゃないかな?」「そんなのは知らんし、どうでもいい」「護衛騎士にして欲しくない?」「いや。エルヴィンの腕は確かだ。お
「とにかく、よどんだ空気や散らかったゴミを綺麗にするのも王子の仕事だと思うんだよね」 続きを促したものの、相変わらず回りくどそうだ。あと、こいつは何を言っているのかとニルスは呆れたようにリックを見た。 言い方。「いや、それはそういった掃除を
部屋を出ると、ニルスは自分の仕事をするためデニスの元へ向かった。リックの補佐だが、リックのそばでしか仕事ができないわけではない。 今はとにかく危険思想の過激派貴族を芋づる式に捕らえていかないとな。 リックから派閥のことで抱えている問題につ
ようやく自分も楽になり、ニルスはエルヴィンを抱えて浴室へ向かうことにした。多分この様子ではちょっとやそっとでは目を覚まさないだろう。 エルヴィンをとりあえずざっと綺麗にしてからその体を一旦ソファーに横たえさせ、ベッドのシーツを取り除く。一
*R-18指定あり注意今回のお話は性的表現が含まれる部分がございます。18歳以上でR指定大丈夫な方のみおすすみ下さい。
相手はリックだと頭のどこかでわかっているにも関わらず、ニルスは咄嗟に剣を抜いていた。「ちょ、待っ、待て待て待て! 待ちなさい! 一旦冷静になって。落ち着こう」 冷静に? 俺はいたって冷静だが。 ニルスは冷静に、エルヴィンに何かをした上で今