私が温かなミルクを飲み終わってカップをソーサーの上に返していると、花沢さんがふふふっと笑い声を溢した。何だろう、おかしな振る舞いをしてしまっているのだろうかと花沢さんの様子をそっと窺うと、視線は私ではなく、もっと遠くの何処かに向かっていて、つられて私もそちらを向く。何か面白い事が起こっているのかと思いきや、目に飛び込んで来たのはこちらに向かって歩いてくる総二郎先生だった。それに気が付いて、心臓がび...
花より男子の二次小説 総×つくメイン ちょい暗総二郎とエロ門さんがいます あき×つく・類×つくもあり
花男にはまって幾星霜… いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。 コミックは類派! 二次は総二郎派!(笑) 総×つくメインですが、総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!
2024年8月
私が温かなミルクを飲み終わってカップをソーサーの上に返していると、花沢さんがふふふっと笑い声を溢した。何だろう、おかしな振る舞いをしてしまっているのだろうかと花沢さんの様子をそっと窺うと、視線は私ではなく、もっと遠くの何処かに向かっていて、つられて私もそちらを向く。何か面白い事が起こっているのかと思いきや、目に飛び込んで来たのはこちらに向かって歩いてくる総二郎先生だった。それに気が付いて、心臓がび...
花沢さんが雨宿りに・・・と連れていってくれたのは、公園のすぐ横にある大きな建物。近付いてみるとそこは、足を踏み入れるのを躊躇ってしまうような豪華な造りのホテルだった。高い高い天井のエントランスの中は、磨き上げられた大理石の柱に、複雑な模様が織り込まれたカーペットが敷き詰められている。見上げるときらきらとしたシャンデリアが美しく輝き、ホールの真ん中には大きな生花のアレンジメントが飾られ、行き交う人は...
テーブルの向こう側から、花沢さんの屈託のない声が聞こえてくる。「あー、俺、朝ろくに食べてこなかったからお腹空いた。牧野、食べられない物ある?」「いえ、特には。」「うん、ホントは知ってたけど、一応聞いてみた。じゃあこのランチのコースで。飲み物は・・・、季節のノンアルコールカクテルっていうのを試してみようかな。牧野も同じでいい?」「はい。」花沢さんはメニューをパタリと閉じて、お店の人に返している。私は...
総二郎先生は私を見なくなった。ちらりとこちらの方に視線を投げる事すら無くなった。以前のように話し掛けられる事も一切ない。お茶のお稽古に呼ばれる事もない。まるで私なんてここにいないかのように、私は空気になってしまったかのように、先生は振る舞われている。それは身を切られるように辛い事だった。実際に切れた掌の傷なんかより、よっぽど激しい痛みを感じる。いつかそんな日が来るのだろうと、ぼんやりと想像はしてい...
2024年8月
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私が温かなミルクを飲み終わってカップをソーサーの上に返していると、花沢さんがふふふっと笑い声を溢した。何だろう、おかしな振る舞いをしてしまっているのだろうかと花沢さんの様子をそっと窺うと、視線は私ではなく、もっと遠くの何処かに向かっていて、つられて私もそちらを向く。何か面白い事が起こっているのかと思いきや、目に飛び込んで来たのはこちらに向かって歩いてくる総二郎先生だった。それに気が付いて、心臓がび...
花沢さんが雨宿りに・・・と連れていってくれたのは、公園のすぐ横にある大きな建物。近付いてみるとそこは、足を踏み入れるのを躊躇ってしまうような豪華な造りのホテルだった。高い高い天井のエントランスの中は、磨き上げられた大理石の柱に、複雑な模様が織り込まれたカーペットが敷き詰められている。見上げるときらきらとしたシャンデリアが美しく輝き、ホールの真ん中には大きな生花のアレンジメントが飾られ、行き交う人は...
テーブルの向こう側から、花沢さんの屈託のない声が聞こえてくる。「あー、俺、朝ろくに食べてこなかったからお腹空いた。牧野、食べられない物ある?」「いえ、特には。」「うん、ホントは知ってたけど、一応聞いてみた。じゃあこのランチのコースで。飲み物は・・・、季節のノンアルコールカクテルっていうのを試してみようかな。牧野も同じでいい?」「はい。」花沢さんはメニューをパタリと閉じて、お店の人に返している。私は...
総二郎先生は私を見なくなった。ちらりとこちらの方に視線を投げる事すら無くなった。以前のように話し掛けられる事も一切ない。お茶のお稽古に呼ばれる事もない。まるで私なんてここにいないかのように、私は空気になってしまったかのように、先生は振る舞われている。それは身を切られるように辛い事だった。実際に切れた掌の傷なんかより、よっぽど激しい痛みを感じる。いつかそんな日が来るのだろうと、ぼんやりと想像はしてい...
艶々として張りのある真っ直ぐな髪の毛。日頃触れる事の多い双子達の細くてふわふわとした猫っ毛とは全く違う手触りだ。丸みを帯びた後頭部をそうっと撫で下ろす。何度も何度も同じリズムで。するすると滑っていく指先で、最後に少しだけ髪を梳いて、また上から下へと撫でていると、牧野からはあっさりとすうすうという寝息が聞こえて来た。よっぽど根を詰めて勉強して疲れてたんだろう。絵夢や芽夢を寝かし付ける時、繰り返し同じ...
近畿地方を直撃しそうだという台風並みの猛威を振るう春の嵐の影響で、ここ東京でも断続的に雨が降っている一日だった。車に乗り込んだ時は殆ど止んでいたのに、邸に向かって夕方の混み始めた道を進んでいると、急に土砂降りになった。車のボンネットを叩く雨音が俄かに激しくなり、運転手は低速で動かしていたワイパーを高速へと切り替えて、何とか視界を確保しようとしている。「大野さん、雨が小降りになるまで無理に走らなくて...
あたしが変わらなければいいだけなんだ・・・と、ずっと自分に言い聞かせてた。あいつに忘れられて。それでもあたしは忘れられなくて。いつか、何かの拍子に記憶が戻ったら、あいつはあたしのところに帰って来てくれる筈。だって言ってたもん。NYには帰らないって。家を出るって。正気に戻ったら、絶対に有言実行しちゃうよ。あいつはそういうヤツだもん。だから、あたしはその時まで変わらなければいい。いつも通りに暮らして。自...
試験期間直前の週末。レポート採点の科目は締切が迫るし、試験勉強はしなきゃいけないしで、あたしはバイトを休んで勉学に勤しんでいる。この土日はF3が入れ替わりで得意科目を教えてくれるというので、美作さんちのライブラリーに通わせてもらっていた。お天気のいい日曜日。青空の下をお散歩でもしたら気持ちいいだろうに、あたしは勉強に次ぐ勉強だ。でも美作さんちって勉強捗るの。ライブラリーは落ち着いた雰囲気で、双子ちゃ...
今日は牧野の誕生日。分かっちゃいたけど、年末年始はどうにも忙しくて。やっと牧野の部屋に辿り着いた時には日付が変わる直前。牧野は俺が来るなんて思ってもなかったんだろう。独りぐうすか眠ってた。薄暗い部屋の中、微かな寝息を吐きながら、牧野がぎゅうっと抱きついているのは俺・・・じゃなくて、俺が普段使っている枕だ!何だよ?もーのすごく虚しい。まるでこれじゃ俺なんかいなくても枕さえありゃいいみたいじゃね?と思...
このお話は「fake」の後日譚「独り占め」の更にその後…の2人です。とっくに書き終わったお話でしたが、あのソファで2人はどんな風に過ごしてるのかな?とぼんやり考えていたのです。お誕生日SSとしてお納め下さい。♡┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈♡お早う。頂きます。ご馳走様。行ってきます。ただいま。お休み。そんな日常の挨拶にいちいち律儀に応えてくれる。お早う。召し上がれ。お粗末様でした。行ってらっしゃい。お帰りなさい。お休みなさ...
皆様、今晩は。hortensiaです。開店休業状態、スミマセン。安定のギリギリ告知ですが。明日12月3日は我らが総二郎のお誕生日です。なので例年通り「お誕生日おめでとー!」を😱チャット会開催します。今回もLINEのオープンチャット機能を使ってのチャットルームです。(LINEされていない方、申し訳ないです・・・)既に開放中ですが、管理人はいつでもINしている訳ではないので、チャット会まではしーんとしているかもしれません。...
牧野の部屋で何をするともなく過ごしてる夕べ。10月も今日で終わり。日が暮れるのは早くなり、外の空気はかなり肌寒くなったけれど、この牧野の部屋はまだ暖房器具は使わないのだそうだ。そんなタイミングではないらしい。郷に入っては郷に従え。我儘は言わない事にしている。畳の床で脚を投げ出し、ぼうっとテレビの画面を見ていたら、不意にブランケットが目の前に降ってきた。「類、それ掛けてるとあったかいよ!肌触りもいいの...
「なあ、牧野・・・俺、今から物凄く格好悪い事言うよ。」間近にある牧野の濡れたように耀く瞳に、俺だけが映っている。それはとても嬉しい事なのに、俺の中に隠されている後ろ暗い思いを何も知らないからこんなに無垢なのだと思うと、自分の中に罪悪感が芽生える。そして胸のどこかがじくじくと疼く。引っ越して欲しいだなんて、単なる俺の我儘でしかない。俺の独占欲からこんな事を言い出してる。なあ、牧野。頼むから、司をずっ...
美作さんの腕の中はドキドキする。ただドキドキするだけじゃなくて、優しく護られている安心感もある。なのに同時に、足元を何かに掬われそうな心許ない気持ちも湧いてきて、広く温かな胸に触れてしまった緊張で身体をカチコチにさせながら、自分の中の様々な感情の波に揺られて混乱していた。頭の上から「はぁ・・・」という溜息が小さく聞こえてくる。その意味に思いを巡らす前に、美作さんが「ヤバい。」と呟いた。え?何がヤバ...
牧野と手を携えて歩いていくと決めた。そしてそれを牧野も受け入れてくれた。だけど、その次に何をしていいか見えなかった。牧野がずっと抱えてきた痛みや、俺と一緒にいる事で新たに抱えてしまった不安を和らげる為に、どうするべきなのか?そして、牧野との距離感も分からない。ずっと手を繋いできた。時々ハグもした。だけど、それ以上の事をするのはどうしても躊躇われた。牧野はそんな事を求めてないんじゃないかと思ったから...
想いを告げた日から1週間。今日は牧野のアパートに招かれている。俺の誕生日をうっかり忘れていた牧野による、仕切り直しの祝いの食事をご馳走してくれる約束だった。12時丁度。牧野が指定してきた時間にドアをノックすると、「はあい!」と朗らかな声が聞こえてきて、そしてドアが開いた。俺の顔を見た途端、ぱっと明るく輝くような笑顔になった牧野が現れる。「流石美作さん。時間ぴったり!」「今日はお招きありがとう、牧野。...
梅雨はどこに行ったのか?と思う程に蒸し暑い東京の7月が始まった。そこかしこで鮮やかに咲いていた紫陽花は色が淡くなり、それと反比例して街路樹の葉の緑とその下に落ちる影は濃くなった。それらも本格的な夏の始まりを告げているようだ。それでも陽が傾くと空気は急に涼しくなる。今夜はいつものメンバーで食事する事になっている。店を予約したのは俺で、邸から店に行く途中に牧野のバイト先があるから、ピックアップするのも...
皆様、今晩は。hortensiaです。またもやギリギリ告知でございますが。本日7月7日、七夕ですね。夏は誰のお誕生日もないので、七夕にかこつけてチャット会しようかな・・・と思います!今回もLINEのオープンチャット機能を使ってのチャットルームです。(LINEされていない方、申し訳ないです・・・)既に開放中ですが、管理人はいつでもINしている訳ではないので、チャット会まではしーんとしているかもしれません。もし事前に覗か...
久しぶりに会えるという日の夜。折角「ご飯作って待ってるね。」と言ってくれていたのに、俺が牧野の部屋に辿り着いたのは、飯の時間どころか、日付が変わってしまった午前1時過ぎ。怒って寝てしまっているだろうか?と思いつつ、そうっとドアを開けた先に見えたのは、テーブルの上に並べられたラップのかかった皿と、待ちくたびれてその狭間に突っ伏して眠っている牧野の姿だった。俺と一緒に食べようと思って、料理に手を付けず...
いつもお運び有り難うございます。hortensiaです。コメントへのお返事、溜め込みまくってて、ホント申し訳ないです。もうちょっと落ち着いたら、少しずつでもお返事していきたいと思っております。この度、拙blogの「小さい字が読みにくい」とのご意見を頂きました。ナルホド、ほかにも同じように思われている方もいらっしゃるかもしれない…と思って、記事にてご回答させて頂く事にしました。...
牧野の部屋で何をするともなく過ごしてる夕べ。10月も今日で終わり。日が暮れるのは早くなり、外の空気はかなり肌寒くなったけれど、この牧野の部屋はまだ暖房器具は使わないのだそうだ。そんなタイミングではないらしい。郷に入っては郷に従え。我儘は言わない事にしている。畳の床で脚を投げ出し、ぼうっとテレビの画面を見ていたら、不意にブランケットが目の前に降ってきた。「類、それ掛けてるとあったかいよ!肌触りもいいの...
「なあ、牧野・・・俺、今から物凄く格好悪い事言うよ。」間近にある牧野の濡れたように耀く瞳に、俺だけが映っている。それはとても嬉しい事なのに、俺の中に隠されている後ろ暗い思いを何も知らないからこんなに無垢なのだと思うと、自分の中に罪悪感が芽生える。そして胸のどこかがじくじくと疼く。引っ越して欲しいだなんて、単なる俺の我儘でしかない。俺の独占欲からこんな事を言い出してる。なあ、牧野。頼むから、司をずっ...
美作さんの腕の中はドキドキする。ただドキドキするだけじゃなくて、優しく護られている安心感もある。なのに同時に、足元を何かに掬われそうな心許ない気持ちも湧いてきて、広く温かな胸に触れてしまった緊張で身体をカチコチにさせながら、自分の中の様々な感情の波に揺られて混乱していた。頭の上から「はぁ・・・」という溜息が小さく聞こえてくる。その意味に思いを巡らす前に、美作さんが「ヤバい。」と呟いた。え?何がヤバ...
牧野と手を携えて歩いていくと決めた。そしてそれを牧野も受け入れてくれた。だけど、その次に何をしていいか見えなかった。牧野がずっと抱えてきた痛みや、俺と一緒にいる事で新たに抱えてしまった不安を和らげる為に、どうするべきなのか?そして、牧野との距離感も分からない。ずっと手を繋いできた。時々ハグもした。だけど、それ以上の事をするのはどうしても躊躇われた。牧野はそんな事を求めてないんじゃないかと思ったから...
想いを告げた日から1週間。今日は牧野のアパートに招かれている。俺の誕生日をうっかり忘れていた牧野による、仕切り直しの祝いの食事をご馳走してくれる約束だった。12時丁度。牧野が指定してきた時間にドアをノックすると、「はあい!」と朗らかな声が聞こえてきて、そしてドアが開いた。俺の顔を見た途端、ぱっと明るく輝くような笑顔になった牧野が現れる。「流石美作さん。時間ぴったり!」「今日はお招きありがとう、牧野。...
梅雨はどこに行ったのか?と思う程に蒸し暑い東京の7月が始まった。そこかしこで鮮やかに咲いていた紫陽花は色が淡くなり、それと反比例して街路樹の葉の緑とその下に落ちる影は濃くなった。それらも本格的な夏の始まりを告げているようだ。それでも陽が傾くと空気は急に涼しくなる。今夜はいつものメンバーで食事する事になっている。店を予約したのは俺で、邸から店に行く途中に牧野のバイト先があるから、ピックアップするのも...
皆様、今晩は。hortensiaです。またもやギリギリ告知でございますが。本日7月7日、七夕ですね。夏は誰のお誕生日もないので、七夕にかこつけてチャット会しようかな・・・と思います!今回もLINEのオープンチャット機能を使ってのチャットルームです。(LINEされていない方、申し訳ないです・・・)既に開放中ですが、管理人はいつでもINしている訳ではないので、チャット会まではしーんとしているかもしれません。もし事前に覗か...
久しぶりに会えるという日の夜。折角「ご飯作って待ってるね。」と言ってくれていたのに、俺が牧野の部屋に辿り着いたのは、飯の時間どころか、日付が変わってしまった午前1時過ぎ。怒って寝てしまっているだろうか?と思いつつ、そうっとドアを開けた先に見えたのは、テーブルの上に並べられたラップのかかった皿と、待ちくたびれてその狭間に突っ伏して眠っている牧野の姿だった。俺と一緒に食べようと思って、料理に手を付けず...
いつもお運び有り難うございます。hortensiaです。コメントへのお返事、溜め込みまくってて、ホント申し訳ないです。もうちょっと落ち着いたら、少しずつでもお返事していきたいと思っております。この度、拙blogの「小さい字が読みにくい」とのご意見を頂きました。ナルホド、ほかにも同じように思われている方もいらっしゃるかもしれない…と思って、記事にてご回答させて頂く事にしました。...
ああ、そろそろ夏なんだな・・・と思ったのは、あいつが自分の半袖Tシャツの右袖で目元を拭っているのを見つけた時だ。講義が終わった広い教室に一人ぽつんと座ったまま、あいつは声もたてずにひっそりと泣いていた。俺がそれを見てしまったのなんか、まるっきり気付いていない。手元の携帯の画面を見詰め、ぽろりと涙を流し、そしてそれをそっと拭ってから、目を瞑って大きく深呼吸した。携帯で何を見たのか、聞かなくても分かる...
「あたし、雨上がりの夜って好き!」そう言って、腕に掛けた傘をぶらぶら揺らしつつ笑う牧野の横顔が、街灯に照らされて淡く浮かび上がる。「色んな物に雨粒がくっ付いてるからキラキラして見えて。空気がしっとりしてて、ほら、深呼吸するといつもより酸素が濃いような気までしてくるでしょ。」立ち止まって軽く目を閉じて、本当に深く息を吸い込んでいる。ばーか、雨上がりに急に空気中の酸素濃度が上がったりする訳ないだろうが...
空が薄らと白み始めた明け方。しとしとと降る雨の音が、細く開けられた窓から冷気と共に流れ込んでくる。気に入っていると言っていた柔らかなブランケットに無造作に包まって、カーテンの狭間から窓の外を見ている牧野がいた。こんな朝早くに何してんだ?窓開けてて寒くないか?雨音聞いてんのか?それとも・・・ 雨の日に別れた男を思い出してる?思い付いた言葉はどれもこれも口には出さないまま、半分ブランケットで隠れている...
空が薄らと白み始めた明け方。しとしとと降る雨の音が、細く開けられた窓から冷気と共に流れ込んでくる。気に入っていると言っていた柔らかなブランケットに無造作に包まって、カーテンの狭間から窓の外を見ている牧野がいた。こんな朝早くに何してんだ?窓開けてて寒くないか?雨音聞いてんのか?それとも・・・ 雨の日に別れた男を思い出してる?どれもこれも口には出さないまま、半分ブランケットで隠れている後ろ姿をじっと見...
プレゼント企画に5月1日にご応募頂いた、和田様メールをお送りしたいので、下の問い合わせフォームからご連絡をお願いします。[FC2メールフォーム]...