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  • にもつの話。

    ラッシュ時でもないのに、構内がやけに混雑していた。なんだコレ…大人と子供、ゴタゴタした人混みを、ウンザリしつつ眺めると、どうやら学生と父兄らしい。そういえば、この駅は県立高校の最寄り駅だ。卒業には遅く、入学には早いから、教科書販売か。うーん…こんな風だったかなア?ムスコが大学を卒業してからもだいぶ経つ。高校入学なんて、はるか昔の大昔である。記憶をたどりつつ親子の群れを見ていると、同じ中学なのか、ワイ...

  • えんぎの話。

    久しぶりの知人と電話でしゃべっていたらあ そうだ 知ってる?不意に思い出したようにナントカさん 熟年離婚したんだって~言われたところで、へー、そー、としか返事できない話題にひっかかる感じがあるのは、そのナントカさんと私には、ちょっとした経緯があるからだ。彼女とはもう20年近く付合いがないけれども、それ以前はまあまあ親しくしていた。最後に会ったときのことは、今も覚えている。彼女のお嬢さんが結婚したと...

  • げんきの話。

    おばーちゃんに渡すものがあって電話したら…モシモシ…なんだか、声に元気がない。あ、ワタシ…今日そっち行っていい?うーん…ちょっと散らかしてるから…気の進まない様子である。いつもモノだらけの実家であるが、母には母なりに片付いた状態というのがあるらしく、そうではないときに来るのを嫌がる。どこか具合でも悪いのかと尋ねても、そうではなくなんかやる気が出ない…じゃあランチでも行く?気分を引き立てようと誘ってみると...

  • すぺしゃる話。

    機嫌よく見ていた朝のテレビが、いきなりぶった切るように終わったのであれエ?おかしいな、と番組表を見たらああ~ アレかァ…高校野球の開幕を知り、ガックリ落胆した。よく見れば夕方は大相撲、夜には大リーグの開幕戦まで、わざわざ日本に押しかけてきているではないか。スポーツにいっさい興味のない、テレビっ子の私にとって、番組表を塗りつぶすように放映されるスポーツイベントは迷惑でしかない(→ごりんの話。)。もお~...

  • ぐるーぷ話。

    ♪ぺぽん♪スマートフォンを開けたら、ながらく動かなかったグループLINEにメッセージが入っていた。来週末そっち帰るけど、みんな遊べる?学生時代の友人4人で作ったグループだ。お花見はまだ早い?USJに新しいアトラクションできたよね鹿見に行く?鹿ならいるよ UFJ行かなくてもうちの近所にUSJな にしてもなんで突然鹿?USJのアトラクションが鹿みたい(笑)このメンバーは、いっこうに話がまとまらないのが特徴である。ごめ...

  • むかでの話。

    雨の予報であきらめていたけれど、起きてしばらくモゾモゾしていたら晴れてきたので、やっぱり出かけることにした。いつもの通勤路線の、反対方向に乗る。春は名のみの寒い朝だ。座席の下の暖房でおしりが暖かくなってくると、ホワホワ眠気がさして、いつの間にか目をつぶっていた。ふと目を開けたら、前のロングシートに並んだ乗客が見えた。???なんだかヘンだ。でも、何がヘンなのか分からない。ま いっか…深く考えず、心地...

  • ばんぱく話。

    1970年3月15日、大阪万博の一般入場が開始された。子供だった私の万博の記憶は以下の3点である。1・すごく太い丸太によじ登った2・広場で突然大雨が降り、パンツまで濡れた3・ブリティッシュコロンビア館で、水かと思って鮭の遡上の展示を触ったら、透明プラスチックだったこれっきり。しかし、おばーちゃんはそんなはずはない、と言い張るのである。フジパンロボット館にも、三菱未来館にも、入った!月の石も見た!そ...

  • くうしゅう話。

    その日女の子は、5人のきょうだいといっしょに起こされました。目がさめたのは、サイレンの音のせいかはやく服を着て!逃げるのよ!お母さんのひめいのような声のためか、おぼえていません。ふとんから出て、まくら元のようふくにいそいで着がえ、ぼうくうずきんをかぶって、外に出ました。弟と手をつないで歩き出した時には、どこかに向かうたくさんの人で、道はこみあっていました。前を行くのは、生まれたての妹をせおった、い...

  • とうざい話。

    朝のローカルニュースは、気象警報の発表区域の変更が話題になっていた。…市の大雨や洪水の警報の区域が 今日から西部と東部の2つに分かれます…西部は平坦な盆地エリア、東部は山間部が中心と、気候条件に大きく差のある当市。従来のように対象範囲が市全体では、雨量や気温の違いがあるためだという。私は気象にも地理にも不案内で、こうした警報が出るたび県北西部ってどこ?オロオロするばかりである(→ほくせい話。)。大人...

  • にっぽん話。

    知人と話しているとき、その人がニホンバシの駅の…ニホンバシまですぐ…何度か繰返したのであの…あそこはニッポンバシですよ余計なお世話かと思いつつ、お教えした。お江戸日本橋はニホンバシであるが、大阪のアキバ、電気街日本橋はニッポンバシである。(駅名の表示も「Nippombashi」)関西在住20年を数え、日頃の会話に大阪弁風味を加えるほどの人ゆえいや~意外だなア!知らなかった!感謝されたので、ホッとして調子に乗りバ...

  • かせきの話。

    待合せの場所に、すこし早く着いてしまった。かといって、よそをうろつくほどの時間もないので、ロビーの椅子にかけて待つこととする。傍らの棚に、新聞が差してあったので手に取った。うちではもう長いこと、新聞を取っていない(→しんぶん話。)ので、開くのも久しぶりだ。ずいぶん薄くなったなア…そう感じるのは紙質の変化のせいだけではないはずだ。昔の朝刊は、もっと厚く、ずっしり重かったし、活字も小さくて黒々としていた...

  • めいわく話。

    今日はおばーちゃんの通院に随行。前回の検査結果を聞くだけのことに、朝早くから午前中いっぱいかかり、私はいいかげんヘトヘトだが、老母はどこ吹く風である。時間の感覚も老化して、平気になるのかもしれぬ。美味しいものでも食べて帰りましょタクシーに乗り込み、いつものようにデパートの食堂街へ。おかーさん 何がいい?私はいいわよ なんでも…とはいえ、別に私の好きなものを食べられるわけではない(→どこでも話。)。ビ...

  • あいしょう話。

    うわ~間に合わん!バタバタと玄関を出て歩き出すやいなや、大きな過ちに気がついた。クツシタが、靴の中でずれて、たぐまってきたのだ。しかも、歩を進めるにつれ、どんどんひどくなってくる。理由はいくつか思い当たる。まず、クツシタがややゆるめであること。靴の形が変わっていて、履き口が浅いわりにカカト側が高く、足首に沿う形状であること。さらにその靴のサイズが大きめであること。そのせいで、早足で歩くと、クツシタ...

  • ばってら話。

    駅に降りて、うちの冷蔵庫の中身を頭に思い浮かべる。うーん 食べるもんがない…かも…カラッポなわけではない。ただ、疲れて帰ってすぐ食べられるものがないのである。改札を出たとき、ふいッと甘い酢のにおいがして、持帰り寿司の売店があるのを思い出した。ちょうどいい 買って帰ろう夕飯の目途が立つと、食べる前から元気が出る。どれにしようか、冷蔵ケースに並んだパックを眺めていたら、懐かしいものを見つけた。バッテラを...

  • しんがお話。

    ゴミなんて、間に合えばいつ出してもいいようなものだけど、なんとなく時間が決まってくる。私の場合、7時15分から7時半の間が多い。他の住民もそんな感じなのか、いつもの時間に出せば、いつも会う人に会う。オハヨウゴザイマースお馴染みの顔で言い交す、そんな繰返しに、さいきんちょっとした変化があった。見慣れない人が、ゴミステーションに現れたのだ。新メンバーの登場には、目ではなく耳から気づいた。その日も、朝の...

  • つけまの話。

    お昼前の私鉄急行。ちょうど目の前で運良く席が空いた。隣の席は、老けてみえる20代か、見ようによっちゃ30代後半くらいにも思える女性。ヒザの上には、化粧ポーチが口を開けている。そう、もっか彼女は一心不乱にお化粧中なのである。私は化粧をしないので興味津々で、本当はしげしげと眺めたいのに、隣からだと、首を回さなければよく見えない。チッ…正面に座ればよかった…悔みつつ、注意深く横目で観察を続ける。着ているも...

  • ぎょぎょっの話。

    ブログを書いていることは周囲にあまり知らしていない。ネタの宝庫である母はもちろん、職場や友人にもここの存在を知る人は少ない。読まれて困ることは書いてない、とは思うが、他人の感じ方は分からないからだ。先日、所属団体の会合があった。わりに気の張る集まりなので、ふだんよりマシな格好で出かける。たまたま前の日に時間があったので、髪も切って行った。早めに会場に着き、久しぶりの皆様と歓談。これも仕事のうちであ...

  • なばなの話。

    ひとり暮らしのひなまつり。ちらし寿司などで祝うお宅も多いようだが、うちではひなあられを供える(→あられの話。)くらいで、特段ふだんと変わるところはない。ただ今日はあ、そうそう…菜花がある。まだシャンとしているというのに、見切り品にされているのを見かねて買ってきたのだ。炒めても美味しいが、サッと茹でて胡麻和えにしよう。紫のテープを剥がして束をほぐし、中の1本を、なんとなく手に取って眺めた。花 だなア…...

  • みっつめ話。

    2つあるものは3つにしたい、というヘンテコなこだわりがある。前にも畑の肉、海のミルクに次ぐ3つめを探して、頭を絞った(→みっつの話。)。なんでも検索ではつまらない。自分の頭を絞り、目や耳で探して見つけるから楽しいのである。こういうことは短期間に集中してもダメだ。常に頭の端に置いていると、フッと思い当たったりするので、冷蔵庫にメモを貼っておく。今あるメモはナットウキナーゼ サンショオールナットウキナ...

  • ネルトキ本。

    貧しい私は、読みたい本をまず図書館で探す。蔵書されてない本は買わねばならないが、安く古書があれば、それに越したことはない。それも無い場合、はじめて新刊書を買うことになる。毎回の3段階チェックは面倒なようでも、習慣になるとそれほどでもない。あちこちを探すうち、面白い発見もあるし、私が読みたくなる本は絶版であったり、新刊書店には並ばないものが多いので、古書店はお馴染みなのだ。ただ、ややこしい条件がたっ...

  • じっけん話。

    一昨日の夜、昨日の記事の下準備をしようとブログの管理画面を開けたとき2月ももう終わりかァ…カレンダーの日付にシミジミする間もなくうるう年でもないのに 2月29日って入力したらどうなるんだろう?またしてもくだらないことを思いついた。万事に慎重な性格なのに、トシのわりに興味本位の行動が多い。タイトルを“オッカナビックリ”などと称する所以である。本文に事の次第を記入したあと、設定欄に移動しえっと ここに…2...

  • しばりの話。

    2月も末となったので、飲み食いシバリを終わりにしようと思う…と言ったって、皆様ナンノコッチャであろう。じつはヴァレンタインデーの記事(→しょこらの話。)以降昨日まで、食物もしくは飲物に関する話題に限って書いてきたのである。チョコレート、肉まん、ババロワと続いたのに気付きどれくらい 食物だけでいけるかな…余計なことを考えたのが運のつき。途中、お酒やビオフェルミンなんて苦し紛れも混ぜながら引き伸ばし、も...

  • ぴぴぴの話。

    朝からシブシブ確定申告の事務。納税が国民の義務とは重々承知なれども、払う側が苦労するのがどうにも解せなくて欲しけりゃ集金に来い!言うても詮ない不平を鳴らしていると、昼どきになりインスタントヤキソバが食べたい!いきなり思った。好き嫌いとはまた別に、ときおり無性に食べたくなるものがある。私の場合、某チェーンのチーズバーガーと、インスタントヤキソバがそれである。とりわけインスタントヤキソバは、他に代替が...

  • みどりの話。

    パソコンを開けたら、検索バーの中に世界ピスタチオの日の表示が出ていた。ピスタチオというナッツを初めて食べたのは、バブル時代のカフェバーだったと思う。なんにせよ私が子供の頃は無かった。かたい殻を割りながら食べるのも楽しいし、味も好きだ。イタリアのジェラートにピスタチオ味があって、大好物になった。先日、図書館に寄った帰りにぶらぶら歩いていたら、ジェラート屋を見つけた。奈良町などと呼ばれるこの辺りに、い...

  • ごほうび話。

    おばーちゃんは、私の顔を見るたびにムスメちゃんとムスコ君は元気にしてる?孫の消息を尋ねるがさア…何も言ってこないし 元気なんじゃない?毎回、返事があやふやなので、不満そうである。わが子とはいえ30歳前後の大人から、逐一報告がある方がよっぽど心配だ。ムスメもムスコも、ありがたいことに小さい頃から大きな病気をしたことがない。医者にかかるのは予防接種くらいで、風邪をひけば寝かせ、腹痛といえばこんなものを...

  • れんじの話。

    今朝は時間がない。朝食もそこそこに出かけたいところだけれど、今日も寒いから温かいものが食べたい。そこで思い出したのが、買ってあったこれ↓レンジでチンするだけで、具がたっぷり入ったスープがひと皿分出来上がるのだからありがたや ありがたや…つぶやきつつ裏返して加熱時間を見ると600W 1分40秒ケッ!ありがたさが半減する。うちのレンジのタイマーは、10分 1分 10秒の3つのスイッチを、30秒なら10秒を3回、...

  • あまざけ話。

    あまり好き嫌いのない私だが、どろどろして薄ら甘いものがちょっと苦手だ。おかゆはキライだし、バナナジュースやシェイクも好きではない。スムージーなんてものが流行ったが、固形で食べられる果物や野菜を、わざわざ電気を使って粉砕する意味が分からない。人間には歯というものがあるだろう。この手の苦手食品の一つ、甘酒が、ちかごろ流行っているらしい。ローカルニュースで、自家製甘酒の作り方を紹介していた。灘や伏見に酒...

  • どりっぷ話。

    某所よりコーヒーをいただいた。ドリップバッグというのか、カップの上に乗っけてお湯を注ぐ、あれだ。いただき物に文句を言うのは品がないが、私はあいつがちょっと苦手(→どぼんの話。)である。いつも使っているコーヒーメーカーなら水を入れ、粉をセットすれば、勝手にポタポタお湯が落ちて、傍についていなくても、いつの間にかコーヒーができている。スイッチを入れれば、その間に冷蔵庫からジャムと牛乳を出したり、パンを...

  • つわりの話。

    昨日の記事(→じんつう話。)で、産む当日にカツ丼を食べたことに驚かれた方もあるようだ。妊娠中の体調は人それぞれ。私の場合、悪阻のひどい時期を除けば、ふだんと変わらなかった。ただ、悪阻の期間は、やはり大変だった。何が大変かって、何が食べられて何が無理か、自分でも分からない。妊婦はすっぱいものというイメージで、酢の物など用意してもらっても、ムハッとなって食べられない。白いご飯がダメだし、食パンもイヤだ...

  • じんつう話。

    その日も今日のように寒かった。はちきれそうな臨月のお腹を抱えた私はお腹減ったァ…見た目とはうらはらに、空腹を覚えていた。あ…いいにおーい…出汁の香りに首を巡らせば、洗いざらしの紺の暖簾は小体な蕎麦屋。ムスメが幼稚園から帰るまでは、まだ時間がある。ヨシ 食べてっちゃおう!カラカラ引戸を開けて店に入ったら、あっという間に眼鏡が曇った。いらっしゃいませ~テレビが神棚みたいに天井高くまつりあげてある。1秒も...

  • ぱすたの話。

    友だちを誘ってランチに行った。どこにする?またトンカツ屋?外食といえば、カツ丼だのカニコロッケだの、揚げ物を食べたがるのを知っている古い友だちだ。そうだね~ どうしようか…口先だけ迷いつつ、揚げ物のある店を探していたら、ふとスパゲティ屋が目についた。あ、パスタにしない?スパゲティ…あ、いいの?じゃあ…衆議一決、カラフルな絵皿で壁を飾った、明るい雰囲気の店に入った。A2判ほどの大きなメニューからそれぞ...

  • うぃすきー話。

    父はブランド物や貴金属は持たない人だが、お酒は好きだったので、自分で買ったり、海外旅行のお土産にいただいたりしたものが、サイドボードにずらっと並んでいた。母はほとんど飲まないし、イモートは日本酒派、私は私でビールしか飲まない。どうする?これ…父が亡くなったあと、ウイスキーとブランデーの区別もつかない3人で困っていたところ、洋酒の買取業者があることを知った。さっそく連絡を取ると、写真をメールすれば見...

  • せんきり話。

    今日は千切大根の日です…スマートフォンがまた、つまらんことを教えた。千切大根は、大根を細く切り、乾かしたものだが、私の育ったうちではそうは呼ばなかった。今も昔も、あれは切干大根である。そういえば、彼氏とはじめてケンカしたのも、切干大根がキッカケだった。昨日 千切大根煮ててさ…なぜそんな話になったか、覚えていない。わりにまめまめしく料理などする男であった。は?センキリダイコンって何?え?大根の乾物だよ...

  • ばばろわ話。

    食べ物の話が続いたので、今日も。ティラミスだのブリュレだのタピオカだの、いろんなお菓子が流行る中で、いつの間にやら廃れていくお菓子もある。さいきん見ないお菓子のひとつがババロワだ。ババロアと書かれることも多いけれど、ババロワ、と呼ぶほうが感じが出る。昔の料理熱心なお母さんは家庭で作ることもあり、プリンとゼリーの中間みたいな軽い味わいの、おいしいものだった。子供のころ、父に連れられてときどき行った洋...

  • にくまん話。

    日課のテレビ体操を終えてチャンネルを変えたら、しばらくして肉まんのランキングが始まった。肉まんのことを、関西では豚まんという。学生時代、同じ下宿に、年がら年中朝ごはんが豚まんの女の子がいた(→ぶたまん話。)。この記事を書いたとき(なんと11年前)は食べたことないけど、朝の豚まん、いいかもしれないなノンキに締めくくっている。ところが、テレビで肉まん肉まんと連呼しているのを聞いていたら…あさごはんのにく...

  • しょこらの話。

    先日デパートに用があり、仕事帰りに立ち寄ったらうげっ!ナニコレ!思わず声に出るほどの混雑。ああ~…アレかァ…テレビでも盛況を報道していた、チョコレートのイベントだ。甘いチョコの香りが…と書きたいところだが、じっさいはムンムンする人いきれで、それどころではない。桑原桑原…父の仏壇に供えるチョコ(→ちょこの話。)はスーパーで調達済みで、何の用もない私は、サッサと用を済ませて立ち去った。最近は彼氏にも友だち...

  • べっせい話。

    選択的夫婦別氏制度、いわゆる夫婦別姓をめぐる論議がモタモタと続いているが、ひとり者にはしょせん他人事である。自分の姓ったって結局おとーさんの姓じゃん、という考えもある。うちは親戚が多いのだが、折々に往来する親しい身内は、断然母方のほうだ。田舎といえば母方の祖父母の家だし、私はそこの人間である気がする。しかし、名乗るのは、なじみのない父親の家の姓。そのせいか、自分は本来母方の家の人間なのだが、制度的...

  • あくてぃぶ話。

    ブログを読んでる友だちが電話をくれた。アナタこのごろ大丈夫なの?へ?職場の往復だけで どこも行かず家にこもって…たしかにここに書いたかぎり、日々テレビを見たり、ボーッと昔を思い出したり、そんなことしかしていないように思われる。これでは心配されるのも当たり前だ。貴重な読者であり、大事な友人である彼女のため、休日の昨日の行動を記しておきたい。朝起きてスマートフォンを見たら今日は仁丹の日ですまた要らんこ...

  • ジンタン本。

    親譲りの方向音痴で小供の時から損ばかりしている…「坊っちゃん」ならぬ「嬢ちゃん」を、私が書くとすれば、冒頭はこうだろう。年齢や経験で治るものではない。たぶん一生方向音痴として生き、死んでいくのだ。若いころ住み始めた街でも、頻繁に道に迷った。碁盤の目と呼ばれる街並であんな分かりやすいとこ なんで迷うねん?友だちはいぶかしんだが、迷うものは迷うのだ。今のようにスマートフォンが何でも教えてくれる時代では...

  • でてきた話。

    列島を覆う大寒波。当地では雪こそ降らねど、帰り道はやっぱり寒かった。う~…サブサブ…コートも脱がずにリビングの暖房を点けたら、その足で寝室へかちっ…ブオ~…今宵も暖かな寝床を保証する、頼もしきわが布団乾燥機のスイッチを入れる。ペット禁止のマンションひとり暮らしで、冬の夜、60のオバサンがはア~ 今日も生きててヨカッタぁ!人生に絶望することもなく、眠りに就けるのは、ひとえにこの文明の利器のおかげである。...

  • あいつの話。

    大阪●博の開幕まで、あと2か月。いくら不人気だとはいえ、そろそろうちにもアイツが紛れ込んでくる頃だと思っていたらやっぱり!シュークリームの包装に、頼みもせぬのについてきたアイツ。大●万博のキャラクター、イボイボ人である。かねがね私は、こういうキャラクターの意味に疑念を抱いている(→きゃらの話。)。このシュークリームは安くて美味しいので、以前から見かけると購入していた。決してパッケージにイボイボ人がつ...

  • かまへん話。

    朝のテレビは、前に陣取ってジーッと見ているわけではない。コーヒーを淹れたり、洗濯機を回したり、朝のもろもろに右往左往しつつ、点けっぱなしになっているという感じだ。土曜の朝はチコちゃん……を見ているつもりだったのだがあれ?4チャンネル?チコちゃんの裏に、関西ローカルの漫才師がいっぱい出る番組(→毎日放送 せやねん!)がある。チャンネルを間違えたかと画面を見ると、ちゃんと大きな頭の着ぐるみがウロウロしてい...

  • びーるの話。

    この寒いのにビールの話をするのは、最近流れているCMが気にくわないからだ。とりあえずビール!と言われた店員がとりあえずって言い方 ビールがかわいそうです客の注文の仕方にケチをつける。それというのも、彼がビールを愛するが故、という趣旨らしいが、私に言わせれば方向違いも甚だしい。とりあえずビール、と言うのは他の飲物があるのは重々承知だ しかしまずビール!ビールを飲まないことには何も始まらぬ!…という宣言...

  • おどろく話。

    今夜は帰宅してから、また家で仕事。無音だとかえって捗らないかと思って、ラジオを点けたら英会話講座だった。和文英訳のコーナーで、講師が問題を読み上げる。彼はかわいい大きな白いテディベアをくれました…うへェ~ッ!いらねェ~‼私はとても驚きました…そりゃあ驚くだろう。大人だってヌイグルミが欲しいことはある(→てんらん話。)が、あくまで自分で、熟考のうえで買うか、買わないか決めるものだと思う。そもそもサプライ...

  • はがした話。

    ポストを開けると、チラシやDMに混じって茶封筒が1通あった。差出人は、仕事でお世話になって以来、ときどき案内を送ってくる会社だ。殺風景な事務用封筒の封を切りながらあ…また…私の住所氏名を印刷した宛名シールが、まっすぐに貼れていないのに気づく。も~ 雑だなアあの子…事務をやっている人の顔が頭に浮かぶ。本当に偶然なのだが、彼女とは旧知の間柄でえ~ビックリ! ここで働いてるのォ?!久しぶり~!世間は狭いわね...

  • ぷよぷよ話。

    この冬最強と言われる寒波襲来。お出かけ好きのおばーちゃんは、退屈、タイクツとうるさいが、高齢者をこの寒空に連れ出して、風邪でもひかれたらコトだ。あ、そうだ ゲームは?またゲームやれば?思い出して提案してみた。実家にテレビゲーム機を備え付けたのは、イモートのダンナ。ボケ防止にどうですかとは口実で、じっさいは休みの長期滞在中、自分がやるためであった。あの世代が実際にゲームに手を付けるとは、私もイモート...

  • しんけい話。

    知人のクルマに乗り合わせ、某所に出かける。じゃあ私、クルマ出すわ電車じゃ無理ね、となったとき、まず言ってくださったのはAさんである。乗せてもらうんだし…Aさんに何か…キモチだけお渡ししない?Bさんがおっしゃるので、相談の結果、私がお菓子を買って行くことになった。気軽に受け取ってもらえるように、ほんの小さな袋詰めだ。行先の都合上、まずBさん、次に私が拾ってもらうという順序だけを確かめて、当日。オハヨウゴザ...

  • しんちょう話。

    出先で時計を失くした。心当たりに問い合わせをしても、出てこないから、どうやら本式に無くなったらしい。安物だけど、何度かベルトも換えて、ずっと使っていた腕時計だ。私は物持ちのいいほうなので、こんな風に不意にモノを失くすとけっこう凹んではア~…ついタメイキも出る。パッとしない気分でソファに伸びて、だらだらスマートフォンなど見ていたらあ…これカワイ~イ!腕時計の画像が目につくのは、やはり失くした時計を気に...

  • おしりの話。

    いいトシしてテレビっ子の私は、とくに見るものが無くてもテレビを点けてしまう。今朝いちばん点けた画面ではドキュメンタリー番組の再放送をやっていて、つい見入ってしまった。温水洗浄便座の開発の苦労話である。開発者のひとりが、長く痔に苦しむ父親のためを思い、頑張ったというエピソードが紹介されいちばんのプレゼントになったと思います語る笑顔が大写しになる。そういえば、わが亡父も痔もちであった。具合が悪くなると...

  • こんびに話。

    プロ大絶賛!最新コンビニスイーツ!コンビニ3社の注目商品を一流料理人がジャッジ!マニア激推し!コンビニグルメランキング!ぼんやりテレビを見ていると、こんな番組が本当に多い。どうせ当該コンビニチェーンの差し金だろうが美味しそうだから ひとつ食べてみましょう…テレビで見てすぐ買いに出かける、素直な人がいかに多いか、ということである。私はひねくれ者なので、もっともらしいパティシエが、もっともらしく褒めた...

  • アネモネ本。

    アラッ!パソコンの画面を見ながら声が出たのは、書籍を扱うECサイトに(喫茶アネモネ 柘植文著 東京新聞刊)3巻出てたんだ~!とぼけた絵柄とノンビリした雰囲気が好きで、1、2巻と購入したマンガ。週1回の新聞連載なので、1冊にまとまるのに時間がかかり、次はいつかと思っていたのだ。さっそくポチリ…おっとその前に、やることがある。記憶力の衰えが著しいこのごろ、同じ本を2冊買ったりするので、内容の確認が欠かせ...

  • かさかう話。

    免許返納(→へんのう話。)といえばさ ミヤケさん?あ は~い?ちょっと離れたデスクから返事。前に言ってたおとうさんの返納 どうなったの?あ、そうなの?ハイ ミヤケのチチが 年末に…ミヤケのチチ、ということは、お義父さんか。聞けば、家族が説得したり、誘導したわけではなくてオレもそろそろ…お義父さんが自分から言い出したので、ミヤケさんご夫妻が年末に帰省して、手続きやら何やら、いろいろと手伝ったのだそうだ...

  • へんのう話。

    昼休み、めいめいが持参のパンやらお弁当を取り出す中、バタバタと帰り支度の人がいる。あれ?コヤマさん半休?そうなの コーシンに行かなくちゃ…空いてるといいわネ 行ってらっしゃ~いあ~ アタシも もうすぐだワ…アタシは次 いつだったかなァ?自分でもなぜ取れたのか謎だが、私は免許を持っている。19の年に取得以来、3回しか運転しないペーパードライバー(→めんきょ話。)として、無事故無違反、黄金に輝く免許証を...

  • しゅみもつ話。

    趣味がほしーい!朝のテレビを見ていたら、アナウンサーが叫んだ。趣味を持ちたいが、何をしていいやらわからない人の代わりに、アナウンサーが体験する、というコーナーらしい。へえ~ ご親切なこって…急速に興味を失い、テレビを消した。だいたい趣味なんて、欲しくて持つものだろうか?若いときから様々なチャンスがあった中、今まで手も付けなかったことが、趣味になるだろうか?本業以外に持つ趣味というのは、元来厄介なも...

  • かんしゃの話。

    うぅ~…さぶッ!暖かな寝床に未練たらたらで身体を起こし、手探りで見つけたクツシタを穿く。夜のあいだにすっかり冷えた床に、ビクビクもので足を下ろして、クローゼットから今日着る服をテキトーにつかみ出した。薄暗い部屋でモゾモゾ身づくろいをしながらありがとう 誰か!ふとこみあげるのは、名も知らぬ人への感謝の念である。名のみならず、顔も年齢も、男女の別も知れないその人は、私に素晴らしい知識を授けてくれた。そ...

  • てりあの話。

    各停しか止まらない、私鉄の駅で降りる。目的地は、アーケードを抜けたところ。買物の人で賑わう商店街を歩きながらお腹減ったな…ファストフードか何かないかと見回したが、文具に惣菜、印章店など、古い店構えが目立ち、フラッと入れそうな店が無い。まもなくアーケードが切れるあたりで、ようやく飲食店らしい店を見つけた。赤い軒先テントにカフェテリアの文字。覗き込むと妙に混雑しているので帰りにするか…とりあえず前を通過...

  • ていせい話。

    年賀ハガキの当せん番号が出たので、通りがかりに郵便局でチラシをもらってきた。バッグにしまう前に写真を家族LINEに送る。出そうか、やめようかと言いつつ、けっきょく今年も年賀状を出したおばーちゃん、元旦に10枚ほど届いていたから、当たりを見たいだろうと思ったのだ。うちに帰ってから、自分のハガキをチェックする。ハズレ… またハズレ… これは喪中…私は昔から、クジ運が悪い。…うーん これもハズレ…順に宛名面を眺...

  • はくきん話。

    朝のニュースを見ていたら、天気予報のコーナーで、カイロの歴史を紹介していた。焚火で温めた石を布にくるんで懐に入れた温石がはじまりで 明治時代には灰を練って燃料に…あー、知ってる知ってる。だからあのカイロの会社、キリバイって名前なのよね。ベンジンを燃やして温める 金属製のカイロが…あーハイハイ、アレね。うちにもあったわ。私は使ったことがないですが、実家の父が…男性のアナウンサーも応じ、そこまでいたって...

  • ぼーるの話。

    仕事が休みの日。いつもよりものんびりゴミを出し、ブラブラ家に戻る帰り道まだあそこにあるなァ…植込の後ろにあるものに目がとまった。そこには以前、灌木がモジャモジャ茂っていたのだが、去年の夏に枯れたので、この冬の剪定の時にバッサリ刈り込まれ、地面が剥き出しになった。木があったときは見えなかった地面に、コロンと何か転がっているのにはすぐ気づいたけれどお掃除の人が拾ってくれるでしょ自ら拾うまでもない、と判...

  • にょろにょろ話。

    このごろ、眺めてはふーッとタメイキをつき欲しいなア…つぶやいては思い直している、商品がある。ムーミン谷の住民、ニョロニョロが編込まれたカーディガンだ。なんでこんなものが欲しいのか、自分でも気が知れない。しかし、必要ではないし、欲しい気持に合理性もなく、ただただわけもなく欲しい、というのが、いちばんたちが悪い。あー 欲っしいなア…欲しいなら買っちゃえば、とお思いだろう。なぜ買わぬ、そんなに高価なのか、...

  • かいがい話。

    帰省してくるイモートを待ち構え、進めようとした片付け(→てぐすね話。)は、期待したほどには、はかどらなかった。まあいい、長年の間に魔窟と化した実家が、1週間やそこらで片付くわけはない。いつもピューと来て帰るだけのイモートに、現実を見せただけでも、今回の成果とせねばならぬ。ウヒャ―! 何このカバンの山!身体はひとつ 手は2本 なのにカバンは…ハハハ…アンタたち 好きなの持って行っていいヨ ホラこれ ブラ...

  • きょうつう話。

    …今日は大学入学共通テスト2日目…揃って黒っぽいコートに身を固め、羊の群れのようにゾロゾロと会場に向かう受験生の姿が、画面に映る。何年か前までは、シンパシーを抱きつつニュースを見たけれどあーねー みんなタイヘンね~今はこの程度だ。ムスメにムスコ、姪っ子と、身内の若手が全員、大学をパスしたとたん、どうでもいいニュースに格下げになるのだから、ゲンキンなものである。それにしても、あの試験はたしかセンター試...

  • かさねる話。

    震災30周年の特番を見ていて、復旧復興という言葉が耳に残った。能登の地震に関しても聞くことがあるけれど、この種の重ね言葉にはあまり好感が持てない。どちらか1語でうっかり言い切るとまずは復旧だろう!それより復興はどうなった!言われる前からクレームがつくのを恐れている、お役所仕事のニオイがする。ほら どっちも言ったでしょ 文句ないでしょアクリルで仕切った窓口の向こう、無個性なしたり顔が目に浮かぶようだ...

  • ふしめの話。

    阪神淡路大震災から、30年。テレビでは、去年や一昨年は無かった特集番組があったり、なにかと節目の年が意識される。10年前の震災20年には、多くの追悼行事が節目だから、を理由に終了した。30年目の今年もきっと、節目を理由にいろんなことに区切りがつけられていくのだろう。被災した人も年をとり、どこがどう揺れたのか、知らない世代が生まれ、増えていく。語られなかった記憶は、持主とともに死んでいく。Life is go...

  • ほめられ話。

    湯沸かし室に入ってすぐ、異変に気付いた。キケンさわらないでくださいシンク下の収納に、コピー紙にマジックで書いたハリガミ。見れば片側の扉が外れて、もとあった場所に立てかけてある。ありゃー とれちゃったんだ~そうなんです~ 休み明け出勤して 開けようとしたら突然ガタン!って…足の上に落ちてこなくて よかったわねほんとに!ビックリしましたよ~!扉の裏を見ると、上下ふたつあるスライド蝶番のネジが、4本とも...

  • みけんの話。

    健康番組を見ていたら、何かに効く体操の紹介が始まった。あとでゆっくり試してみようとおっと…録画録画…アレ?ところが、とっさにリモコンが見つからない。モタモタしてたら終わってしまいそうなので、とりあえず画面を見ながらやってみることにして、リビングルームのまんなかにゴロンと寝ころんだ。…仰向けになってヒザを胸に引き寄せ…先生の指示を聞いて仰向けになった途端、ギョッとした。顔の真上にシャンデリアが下がってい...

  • ねんしゃの話。

    冬は編物の季節。フリースなど新素材の暖かな衣服が普及して、手編みセーターを身につけることもなくなったが、ホワホワの毛糸玉を見ると、編みたくなる。とはいえ、帽子や手袋ばっかりいくつもあってもしょうがないし、人さまに差し上げるほどの腕前でもない。そこで、似合わなくなった帽子を解くことにした。編んだのは何年前だったか、当時はとても似合うと、人にも褒められた。歳月は流れ、変わらない帽子の下で、顔は年をとっ...

  • はなさく話。

    ♪さざんかさざんか さいたみち♪たきびだたきびだ おちばたき…(→にばんの話。)歌って歩いた並木道も花どきはあらかた終わり、散った花弁はすっかり掃き清められて、冷え冷えと寒い早朝。かじかむ指先をこすり合わせながら、駅に向かう途中、植込みの中にポッと暖かな色を見つけた。可憐なピンクの小さな姿は、あれは乙女椿か。ツバキのつぼみはまだ硬い時期なのに、ずいぶん早咲きだなと思いつつ近寄って見るとアレ?誰?フワフ...

  • くよくよ話。

    ♪ぺぽん…♪そろそろお風呂にしようかと思っていたら、着信音が鳴ったので、画面に目をやるとああ~ ○○さん…プロフィール画像を、すぐにタッチしなかったのはたぶんあの話だよね…昔の職場で同僚でだった彼女とは、しばらく前のランチ(→らんちの話。)以来会えていないが今から電話していい?3、4か月おきにLINEが入り、電話で話す。自分や子供の近況など、導入部の話題はいろいろだけれど、最後はいつも同じ話になる。目下彼女に...

  • ふわふわ話。

    土曜の朝のテレビはチコちゃん。…子供がぬいぐるみを好きになるのは…画面には、自分より大きなぬいぐるみを抱っこしたり、一緒に寝たりする子供が映っている。なんかいいなァ…ちょっとうらやましい気がするのは、昔、こうはさせてもらえなかったからだ。私が子供のころ、ぬいぐるみは高価なものであった。母はハギレで縫ってくれたりしたが、木綿やウールなど普通の洋服地で、動物の形のマクラみたいなものである。市販のぬいぐる...

  • かえうた話。

    ムスコは意外に歌が上手いのだが、音程優先なので歌詞がいいかげんである。いつぞや感動の名曲を歌っているのを、聞くともなく聞いていたら、サビの部分が♪まーえのひとーは はーだか~♬♪よーこのひとーは はーだしぃ~♬え?そんな歌詞だったっけか?前の人、横の人というから、まあまあの密度で人がいる状況を想像する。例えば電車の車内。座ってウトウトしていて、ふと目を開けると、前の吊革の人がハダカなのに気づく。ギョッ...

  • れもんの話。

    たくさん生ったので、と職場でレモンをもらった。年末に別の人が、やはり自家栽培のレモンをくれたので、今年は豊作なのかもしれない。君よ知るや南の国のイメージで、日本では生らない果実だと思っていた。品種改良が進んだのか、あるいは温暖化の影響か、ちかごろはマンションのベランダの鉢植えでも、立派に実るらしい。同僚のうちでは、ご亭主が園芸主任でチョウチョ飛んでたよ~って教えたら 必死で虫取りしてましたご存じの...

  • しゃないの話。

    世間より、少し遅めの仕事始め、久しぶりに乗り込んだ通勤快速は混んでいた。ムッとした空気の圧に、押し出されそうになる。猖獗を極めた新型ウィルスが鳴りを潜めて、いま気になるのはインフルエンザ。ウィルスに取りつかれていそうな人には、できるだけ近寄りたくない。赤く蒸れた顔で、だるそうに吊革にぶら下がるオッサンがいる。自分は会社に欠かせない人材だと信じて、熱があっても出社しようとする、あの世代は危険だ。ワイ...

  • ぱっちの話。

    占いを信じない私(→じんくす話。)は、化粧品も信じない。そもそも皮膚は(話が大きい)体表から外部刺激の侵入を防ぐ、いわば天然の防護壁であって、何か塗りつけたところで、何が起こるとも思えない。塗ったり剥がしたり、日々美を追求する皆様の努力には頭が下がるけれど、無精者の私にはとても無理である。そんな私が昨日、洗面所の抽斗から、丸いシールのようなものを見つけたが、覚えがない。なんだコリャ?気になるシミや...

  • じんくす話。

    朝テレビを点けたら、いきなり…今日は新年が良い年になるゲンかつぎをご紹介します…問答無用で人から受信料取っといて なんだこの非科学的な特集…私は占いの類いを一切信じないし、この手のゲン担ぎも大キライ(→けしごむ話。)である。クジ運がよくなるパワースポットだの、当選確率が上がるスマホの待ち受けだの、バカげた情報が紹介されつづけるので、閉口してテレビを消した。古い世代ならいざ知らず、デジタルネイティブなど...

  • ぐりはま話。

    元旦から届く年賀状は、やはり例年より減った。差出人名を見ると、名前が時代を反映して変わるのがよく分かる。昔は女の子というと子がつく名前が多かったし、男の子はアキミツ君やマサヒロ君、シゲユキ君にカズタカ君と、漢字2文字の名前が多かったが、今はめっきり見なくなった。今を遡ること50有余年。ムラマツヒロマサ(仮名)君は同級生であった。色が黒くて、ハダシで運動靴を履いて、かけっこの早い元気な少年と、とくに...

  • ふくぶく話。

    テレビは初売りを報じるニュース。例年より1日遅く、3日に開店するデパートが増えているとかで、けっこうな傾向だ。長い長い行列が、売場を目がけ、クモの子を散らすようにほぐれていく様子にはア~ やっぱりアタシにゃ無理だ…混雑の苦手な私はタメイキをつくのみ。お正月というと毎年買っていたコーヒー店(→はつうり話。)が閉店してから、福袋ともずいぶんご無沙汰であった。…であった、と過去形なのはドーン!今年は、こん...

  • きゅうこう話。

    年初に誓うNew year's resolution、あるいは今年の抱負。若い頃は、知らないことの勉強とか、できないことの練習とか、苦手克服を考えがちであった。しかし、このトシになると、身についた習慣や能力が、いまさら努力や心がけでどうなるものではないと分かってくる。今後はこういう目標のたぐいも、得意を生かす方向で決めていきたい。私の数少ない得意技のひとつは、乗り物に長時間乗っても平気だということである。昨年は、特急...

  • かきぞめ話。

    実家での新年2日目。エアコンが効きすぎる仏間に敷いた、厚すぎるフトンで目が覚めた。耳を澄ますと、すでに起き出した老母が、ゴソゴソ動き回るらしき気配がしてはア… 起きなきゃナ…思いつつも寝返りを打って、ヒザを曲げて引き寄せたスネを、ボリボリと掻く。…はー 極楽極楽…皮膚の薄いところや人目に見えるところは、掻くと良くない気がして、控えめになるが、ズボンに隠れる脚ならその心配はない。カユいところを掻くほど安...

  • おねんが話。

    あらたまの年の初めのお慶びを申し上げますご来訪の皆様に、今年も幸あれかしと祈ります実家に帰っておりますため、コメント欄は閉じております日々更新は致しますので、どうかお立ち寄りくださいFC2ブログの方は帰宅次第来訪者リストからお邪魔しますにほんブログ村日記・雑談ランキング...

  • のこした話。

    大晦日の朝まだき、パチリと目が覚めたら、首を回して窓の外を確かめよし、洗濯しよう!暖かい寝床からエイッとはね起きた。朝いちばんで干せば、夕方になる前に取り込める。乾いた洗濯物を畳んだあとで年越しそばを買い、バスに乗って実家に行けばいい。サッサと着替えて、脱いだネマキも洗面のタオルも、みんなまとめて洗濯機に放り込んだ。空っぽの洗濯カゴがすがすがしい。…ゴウン…ゴウン…ゴウン…低く唸るようなモーター音を聞...

  • さぐらだ話。

    50過ぎて実家に荷物置きっぱなしのイモート(→てぐすね話。)ほどではなくても、うちにも子供のものがまだ残っている。10年ほど前、まずムスメが家を出たあと、がらんとした部屋を見てそうだ!ここをゲストベッドルームにして 友だちを呼んで…数年後、つづいてムスコが独立したときはこの部屋 本棚があるから…書斎にするってどう?次々と素敵な計画を思いついたけれど、なかなか思惑通りにはいかない。狭いアパート暮らしに...

  • てぐすね話。

    年末年始の帰省ラッシュの時期になった。実家の近くに住み、子供が独立した今の私は、むしろ迎える側なのであるが今年こそ…ニュースを見つつ静かな決意を固めている。大学入学と同時にサッサと家を出て、ひとり暮らしを始めた私と違って、2つ違いのイモートは、大学も会社も、ずっと実家通いだった。母とも仲良しで、2人で買物に行ったり、旅行したり、友達母娘みたいに暮らしていた。今は関西と関東、離れて住んでいても、精神...

  • ちりめん話。

    うーん…入らない…冷蔵庫の前でタメイキをつく。いただき物に買い置き、正月用のちょっといい食材など、たいした正月をするわけではない我が家でも、年末は何かと食物が集まってくる。来たモノを収めるためには、あるモノをなくさねばならぬ。冷蔵庫の掃除を兼ねて、滞在期間が長くなったモノを、いったん取り出してみよう。大瓶の底に、たった6粒きりのラッキョは、お猪口に移してラップをかける。切り口が硬くなったプロセスチー...

  • しおりの話。

    さて、今日から仕事も休み。大掃除はしないが、読んだ本が溜まってきたので、本棚の整理を始めた。パラパラとページを繰って、挟まったままの紙など無いかチェックしてから、要らない本は古書店行きの段ボールに詰める。古本を買うとよく、モミジの押し葉やら知らない街の映画館の半券、味のある字の買物メモなど、いろんな紙ものが挟まっていて、それも楽しみのひとつだったりする。しかし自分が出す側となると、やっぱり恥ずかし...

  • ブアツイ本。

    年内最後の出勤日、帰り際、形ばかり机上を片付けていたらあー良かった まだいた…ホッタさんがバタバタとやってきた。コレ…こないだ話した本!え?ああ!あの…アタシ読み終わったし 貸すわ お正月休みに読んで!渡された紙袋はズシリと重くて、中を覗くと厚い文庫本がえっ?3冊?そうよ 上中下だから下巻を読んでいるところを見たので、上下2巻だと思っていたら、中があったとは。また感想聞かせてね~!フワッと去っていく...

  • ばりばり話。

    今はもう、クリスマスだからとご馳走を食べたり、プレゼントを買ったりしないけれど、昔はパーティーに呼んだり呼ばれたりもあった。とりわけ思い出深いのは、やはり在外中のクリスマスシーズンである。はじめてのご招待には、失礼のないよう、あれこれ準備をしてうかがった。ワインのボトルと、チョコレートの箱。小さいお嬢さんにはキモノを着たリカちゃんを、きれいに包んでリボンをかけ、玄関で差し出す。暖かく迎えられて、ホ...

  • けーきの話。

    今年のクリスマスイヴは平日。豪華なディナーも、いつかみたいに、思いがけずサンタクロースが来てくれる(→さんたの話。)あてもない。仕事帰りにフラフラとデパートの地階に迷い込んだものの、すごい混雑にたちまち後悔する。チキンやオードブルで沸き立つような惣菜売場の混沌に買物はあきらめ、エスカレーターのほうに歩いていると、洋菓子売場を通りかかった。まさに繁忙期と思いきや、あんがい落ち着いた様子なので、ショー...

  • きをきる話。

    しばらくぶりの駅に降りて、しばし迷った。さて右か左か…どっちに行こうかな目的地までは、交通量の多い最短経路と、歩きやすい遊歩道、2つの道があるのだ。風が強くて寒いから、住宅地の中の遊歩道を行きかけて…あっ…前に来たとき見たものを思い出して、ふと立ちすくむ。それは街路樹の幹に結びつけたピンクのテープ。歩道の両脇に並んだ木々の何本かに結ばれているのにはすぐ気づいたが何だろう…最初はその意味が分からなかった...

  • ほねおる話。

    今年も残すところ10日となった。大掃除を始める方も多かろうが、ワタクシはといえば動かざること山の如し。ただでさえ寒い年末、わざわざ冷たい水を使って掃除に骨を折ることはない。なにしろこのブログという場を得て10年来、大掃除なんかやめちゃえキャンペーンを細く長く展開している(→そうじの話。)身としては、徒手空拳、お正月を待つのみだ。そんなわけで、家でグダグダしていると♪ぺぽん♪着信音が鳴って、新卒同期の...

  • めんまの話。

    でや―!しまった!朝っぱらから冷蔵庫の前で声を上げたのは買い置きのタケノコが凍っていたからだ。水煮のタケノコをよく買うが、これがどういうわけか、相当の確率でチルドルームに紛れ込む。肉や魚などをしまうチルドルームは、冷蔵室より温度が低い。本来なら凍結しないはずが、冬場、とくに底のほうは相当な低温になるらしい。じつはタケノコを凍らせたのは今回が初めてではない。ケチな私は煮物にしたもののあれは マズかっ...

  • でぱーと話。

    大阪の老舗百貨店では、例年クリスマスシーズンのショーウインドウが美しく飾り付けられる。おかーさん デパートのクリスマス始まってるよ 行かない?うーん…行きたいような…めずらしく歯切れが悪かった。健脚でお出かけ好きで、神社仏閣よりデパートが大好きな母である。ここでも英国フェアを記事にしてきた(→ふぇあの話。)ように、百貨店の催事場で人混みにもまれ、散財するのが楽しみだったのに…行きたくないような…なんだ...

  • そっくす話。

    派遣された仕事も3日目、最終日となった。短期とはいえ気持よく働けたので、ちょっと名残惜しい。かといって、友だちになったわけじゃない。私だって大人だから分かっている。最後にお疲れ様と言い合い、いい現場だったなと皆が思って別れる、それで十分なのである。それでも、出かける身支度をしていてあ…そうだ…ふと思いついて、抽斗を開けた。お昼休憩もろくにとれなかった、忙しい1日が終わり、後片付けをしているとき、ひと...

  • なふだの話。

    昨日に引き続き、今日も外部の仕事。空調は申し分なく、寒さの心配(→ぼうかん話。)が無用なのは初日でわかったが上履きがある方がいいな…帰り道で考えた。ゲストの方々は座っていても、スタッフの我々は忙しく右往左往するから、会場に備付のスリッパだとパタパタとやかましい。万一カカトを踏んで転びでもしたらコトである。靴のようにスポッと穿ける、携帯用の室内履きがあったのを思い出し、棚から引っ張り出すとポソッ…何か...

  • ぼうかん話。

    今日は、終日外出。帰りも遅くなるので、しっかり防寒せねばと、新調した超極暖(→ほめられ話。)を身に着け、玄関に置いたマフラーと手袋をつかんで、家を出る。外は晴れて、風もない。早足で歩きだすと、じき身体が温まりはじめるのはさすが 超がつくだけはある…駅に着くころにはポカポカして、手に持ったマフラーと手袋は、使うことなくバッグにしまった。乗り込んだ電車は、ダウンジャケットやウールのコートで着ぶくれた人で...

  • かにすき話。

    今年は久しぶりに、職場で忘年会がある。日時や店が決まったので、メモを取っているとお肉なんですね~ 楽しみ~!そうなの ぢょん子さん カニアレルギーでしょ?言われて驚く。ええ~! 違いますよ!あれ?そう?でも食べないって言ってたよねああ、まあ それはそうですけど…たしかに私はカニを食べないが、アレルギーは特にないし、正確に言えばキライでもない。食べれば食べられるからだ。安からぬ代価を払って、食べよう...

  • デルデル本。

    て、て、てえへんだ~!どうしたんだハチ そんなに慌てて…アッ御隠居!どうしたもこうしたも てえへんなんで…だからなにがてえへんだ っつんだよそれがその、よつばとが…へッ?よつばとの16巻が 16巻が…出るのかい!そうなのよ。朝からヘタなお芝居をするほどビックラこいた、この年の瀬の大ニュース。2003年に第1巻が出たこのマンガ、7巻まではだいたい7~9か月間隔で新刊が出た。ところが8巻からあとは、次の巻...

  • ほめられ話。

    冷え込む日が続く。数年前なら気合で乗り切れたが、還暦を過ぎて無理はよくない。暖かい下着を買いに、大型衣料店に行った。狙いは通常の機能性衣類より1.5倍暖かい極暖だ。ところが企業努力とはすごいもので、しばらく来ない間に2.25倍暖かい超極暖というやつができていた。超の字を見ただけでポカポカと暖かい気分になり、カゴの中に数枚を選んで、レジに運んだ。白いカウンターにはハキハキしたお嬢さんがいて持ち帰りの...

  • きっちり話。

    某日某所。詳細は避けるが、楽しからざる用件で落ち込む。酒場の暖簾でも見たら、くぐってしまいそうな気分でビルの中を歩いていたら、🚻御手洗の表示を見つけて、フラフラと入った。ひとまず 悪いものは出しちゃおうなんとなく、そう考えたのだと思う。…じゃー…バタン残念ながら、個室を出ても気分は晴れなかったが、手洗いの蛇口から温かいお湯が出て、凍えた指がホッとしたように、少しだけほぐれる。ハンカチをバッグにしまっ...

  • なかしょく話。

    私はひとりで外食するのはわりに平気だが、コンビニ弁当や飲食店のテイクアウトなど、いわゆる中食というやつはあまり利用しない。味や価格の問題ではなく、容器のせいである。食べ終わった後に残る、中身のわりに大袈裟な容器、その無残な光景がむなしさを誘う。さらにそれを洗って、プラスチックゴミの日まで保管する(→さっとの話。)とは、考えただけでめんどくさい。その手間を考えるとイモでも蒸かして食べるか…ヘナヘナと、...

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