西尾幹二が亡くなられた。長年、愛読して来た「西尾幹二のインターネット日録」の11月1日には令和6年、11月1日午前4時2分西尾幹二先生が永眠されました。と書かれてゐた。享年89最晩年の著作は読まなくなつてしまつたが、30年前、私の人生の危機とも言ふべき時期を支へてくれた文章家の御一人であつた。今手元にある『智恵の凋落』を繙くと、昭和45年ごろに日本は「未曽有の激変期」を迎へたと記してゐる。私は昭和39年生まれで、その「智恵の凋落」を書かれたのが昭和60年である。整理すれば、1945年大東亜戦争敗戦1965年~1970年未曽有の激変期1985年「智恵の凋落」執筆私は、西尾幹二の見立てによれば、「激変期」直前に生まれたことになる。時代は1991年にソ連滅亡を経て、左翼勢力が衰退していくが、私の大学時代はその共...追悼西尾幹二先生