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  • お隣さんはヒトラー?

    映画「お隣さんはヒトラー?」。時は1960年、所は南米・コロンビア。荒れ果てた野原に廃屋のような家が2軒ある。その1軒に住むのはポーランド系のユダヤ人ポルスキー。ナチス・ドイツのホロコーストにより家族全員が殺された。ポルスキーだけが生き延びて、コロンビアで暮らす。孤独だが、平穏な日々だ。ある日、空き家だった隣の家にドイツ人のヘルツォークが引っ越してくる。えらく威張り腐った男だ。ポルスキーとのあいだにトラブルが絶えない。いつもサングラスをかけているが、トラブルのはずみにサングラスを外す。青い目だ。ポルスキーは過去に一度だけヒトラーを見たことがある。ヘルツォークの目はヒトラーにそっくりだ。ポルスキーはヒトラーにかんする本を調べ始める。ヘルツォークは多くの点でヒトラーに似ている。時あたかもナチスの高官のアイヒマ...お隣さんはヒトラー?

  • アラン・ギルバート/都響

    アラン・ギルバート指揮都響の都響スペシャル。現代作品2曲と「シェエラザード」というプログラムだが、そのすべてにハープが使われ、ハープは吉野直子が客演するという豪華版だ。1曲目はフィンランドのリンドベルイ(1958‐)の「EXPO」(2009)。10分程度の短い曲だが、リンドベルイ自身の書いたプログラムノートによると、「10を超えるテンポ設定の指示」があるそうだ。なるほど、めまぐるしくテンポが変わる。おもしろいのは、その変化がデジタル式に変わるのではなく、あるテンポに別のテンポが滲み込むように変わることだ。それが約10分間絶え間なく起こる。リンドベルイらしい明るい音色が移ろいゆくポジティブな曲だ。アラン・ギルバートのニューヨーク・フィル音楽監督就任に当たって書かれた曲。アランの持ち歌のようなものだろう。手の...アラン・ギルバート/都響

  • ノット/東響

    ノット指揮東響の定期演奏会。曲目はラヴェルの「クープランの墓」とブルックナーの交響曲第7番(ノヴァーク版)。追悼音楽プロだ。「クープランの墓」は木管楽器、とくにオーボエが活躍する曲だが、今回の演奏は生真面目過ぎた。きっちり演奏しているが、もっと洒落っ気がないと、この曲の味が出ない。もどかしく感じるうちに演奏が終わった。難しいものだ。他の木管楽器では、クラリネットが時々アレッと思うほどの表情を付けた。ブルックナーの交響曲第7番は、力感あふれる大演奏だった。第1楽章はレガートのかかった、たっぷりとうたう歌が、連綿と続く。その流れに乗ってゆけば良いのだが、そのうちに、間がないことに気付いた。総休止の途切れがなく、レガートでうたい継がれていく。それはそれで魅力的だが、総休止はどこにいったのかと‥。それが気になって...ノット/東響

  • 森美術館「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」

    森美術館で「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」が開催中だ。シアスター・ゲイツ(1973‐)はアメリカ・シカゴ生まれの黒人アーティスト。2004年に愛知県常滑市で陶芸を学ぶために初来日した。それ以来、日本とのかかわりが深い。2番目の展示室は床一面に茶褐色のレンガが敷きつめられている。「神聖な空間」(英語でShrine)と名付けられたその展示室では、お香が焚かれる。文字通り神聖な場所だ。本展のHP(↓)の「展示風景」に写真が載っている。だが、写真ではそのインパクトは伝わらないかもしれない。「神聖な空間」にはゲイツ自身の作品とともに、他のアーティストの作品も展示されている。それもまたゲイツの世界だ。ゲイツのキュレーションによる作品の展示と、床一面のレンガが例示するような圧倒的な物量が、本展の特徴だ。その2点が集...森美術館「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」

  • 広上淳一/日本フィル

    広上淳一指揮日本フィルの定期演奏会。1曲目はリゲティのヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリン独奏は米元響子。最近、コパチンスカヤの独奏、大野和士指揮都響の演奏と、荒井英治の独奏、高関健指揮東京シティ・フィルの演奏で聴いたばかりだ。さて、今回はどうか。結果的には、期待値を上回る出来だった。ヴァイオリン独奏が繊細な音を紡ぐ。オーケストラも繊細だ。ヴァイオリン独奏とオーケストラが一体になり、ガラス繊維のような音響を形成する。時々打楽器が強い音を打ち込む。繊細な音響にアクセントを付けるようだ。特徴的なことは、各楽章がキャラクター・ピースのように性格付けられていることだ。目が覚める思いがする。前述のとおり、最近3回この曲を聴いたが、演奏は三者三様だ。コパチンスカヤの演奏は、おもしろくて仕方がなかった。個人芸といいたいくら...広上淳一/日本フィル

  • ヴィンツォー/読響

    読響の定期演奏会にカタリーナ・ヴィンツォーという若い指揮者が登場した。1995年、オーストリア生まれ。ウィーン音楽大学とチューリヒ芸大で学ぶ。2020年のマーラー国際指揮者コンクールで第3位。1曲目はコネソンの「ラヴクラフトの都市」から「セレファイス」。眩いばかりの色彩感にあふれた明るくポジティブな曲だ。ハリウッド映画の音楽のようだといったら語弊があるだろうが、最近の映画音楽は渋くて断片的なものも多いので、あえてハリウッド映画の音楽のようだと‥。そんな音楽をヴィンツォーは的確に振った。ヴィンツォーの読響デビューにふさわしい。話が脱線するが、コネソン(1970‐)は現代フランスの人気作曲家だ。記憶に新しいところでは、沖澤のどかが京都市交響楽団を率いた東京公演で、メインのプログラムにコネソンの「コスミック・ト...ヴィンツォー/読響

  • フルシャ/都響

    7年ぶりにフルシャが振った都響の定期演奏会。Bシリーズのプログラムはブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番(ヴァイオリン独奏は五明佳廉(ごみょう・かれん))とブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(1878/80年稿コーストヴェット版)。五明佳廉を聴くのは初めてだ。張りのある強い音が出る。オーケストラを向こうにまわしてバリバリ弾く。プロフィールを見ると、ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイに学んだとある。いかにもディレイ門下の演奏だ。競争の激しい世界の音楽業界で生き残る才能と個性の持ち主だろう。フルシャ指揮都響のバックも良かった。都響の首席客演指揮者だった時期の演奏を思い出した(後述するが、フルシャが首席客演指揮者だった時期には、わたしも定期会員だった)。第1楽章の中間部での激情的な箇所での、テンポを...フルシャ/都響

  • ジェームズ・ロッホランの想い出

    イギリス・スコットランド出身の名指揮者、ジェームズ・ロッホラン(1931‐2024)が亡くなったと日本フィルが発表した。享年92歳。日本フィルの名誉指揮者で、数々の名演奏を残した。ご冥福を祈る。日本フィルのHPを見ると、ロッホランが初めて日本フィルを振ったのは1980年だ。それ以来2006年までの26年間、日本フィルを振った。わたしは1974年に日本フィルの定期会員になったので、ロッホランが振った定期演奏会はほとんど聴いた。一番鮮明に覚えているのは、1993年3月の定期演奏会で指揮したリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」だ。オーケストラが整然と整えられ、すべての音が同じ方向をむいた演奏だった。当時新任のコンサートマスターだった木野さん(現ソロ・コンサートマスター)が見事なヴァイオリン・ソロを聴かせた。...ジェームズ・ロッホランの想い出

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