昨今の大学の現状を寓話、神話でお送りします。もちろんフィクションです。
あるところに「優れた」為政者がいました。 彼はたしかに「優れて」いましたが、それは前の為政者たちがあまりにも酷く、そして今の政権の仲間や若手もはっきりいってオツムは不自由であったからであります。ですが、代わりはいないので、彼は「優れた」為政者として、絶大な権力をほしいままに...
三 院生は、大きくなりましたけれど、出自が私立なので恥かしがって学会に顔を出しませんでした。また論文に名前を入れてはもらえませんでした。けれど一目院生を見た人は、みんなびっくりするような優秀な実験の手際でありましたから、中にはどうかしてその院生を見ようと思って、研究室に来...
研究者の卵、院生は、国立にばかり棲んでいるのではありません。私立にも棲んでいたのであります。 私立大学のキャンパスは、青うございました。ある時、ベンチの上に、私立大学の教員がすわって、あたりの景色を眺めながら休んでいました。 雲間から洩(も)れた月の光がさびしく、...
A大学にHという歴史の教授が奉職していた。Hは講義が得意で、特に先の大戦の分析では「学生も涙を流す」と言われるほどの名手だった。 ある夜、突然一人の役人が現われる。Hはその役人に請われて、研究室の弟子とともに「高貴なお方」がいる役所に講義に行く。Hにはよくわからなかったが、...
昔々あるところに、理事長と学長がいました。学長は会議に出てこれからの大学改革の方針を発表をしていていました。 「大学は社会のためになれ」 と歌いながら。 ところがそれを見ていた、優秀な研究者、田貫先生が、学長の発表を見て 「矛盾は矛盾さ」 と言って質問をして立ち往生させてし...
ひどく寒い日でした。 雪も降っており、すっかり暗くなり、もう夜 ―― 冬の夜でした。 この寒さと暗闇の中、一人のあわれな研究者が道を歩いておりました。 研究者はラップトップをもっていました。 ええ、確かにもっていたのです。 でも、古いラップトップは何の役にも立ちませんでした...
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