令和6年11月1日(金) 【旧 一〇月一日 仏滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)石蕗《つは》の葉の光れる夜の道狭めあやしみ合ひてすれ違ひたる ~大西民子(1924-1994)Photo:石蕗《つわぶき》~HAGI(萩市観光協会公式サイト) 菊花の常緑多年草ツワブキの黄色い花が
万葉集から現代短歌まで、昔と今を結ぶ日本人のこころの歌を歳時記にしました。
#4378 彼岸花 水引草 鶏頭 緋の色のやや寂しきを秋と呼ぼうか
令和6年9月30日(月) 【旧 八月二八日 大安】秋分・蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ)肉たるむ鶏頭倦めり九月尽 ~有働亨(1920-2010)Photo:ケイトウ ~Plantia 九月も今日で終わり。さすがに35℃以上の猛暑日は影を潜めて、やっと秋の兆しを感じる程度になってきまし
#4377 瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ ……
令和6年9月29日(日) 【旧 八月二七日 仏滅】秋分・蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ)瓜食《うりは》めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲《しぬ》はゆ 何処《いずく》より 来りしものそ 眼交《まなかひ》に もとな懸《かかり》て 安眠《やすい》し寝《な》さぬ ~
#4376 秋の夜は露こそことに寒からし草むらごとに虫のわぶれば
令和6年9月28日(土) 【旧 八月二六日 先負】秋分・蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ秋の夜は露こそことに寒からし草むらごとに虫のわぶれば ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻4-0199 秋歌上秋の夜は寒く、露はとくに寒いのだろう。露の下りた草むらごとに虫が侘びしく鳴
#4375 空を突く岩に照る日のてりかへし谷のひかげのみ雪を照らす
令和6年9月27日(金) 【旧 八月二五日 友引】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)御嶽に遊ぶ空を突く岩に照る日のてりかへし谷のひかげのみ雪を照らす ~三井甲之(1883-1953)Photo:噴火の犠牲になられた野口泉水さんが撮影 ~withnews 詞書にある「御岳」
#4374 蟾蜍幽霊のごと啼けるあり人よほのかに歩みかへさめ
令和6年9月26日(木) 【旧 八月二四日 先勝】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)蟾蜍《ひきがへる》幽霊のごと啼けるあり人よほのかに歩みかへさめ ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』 2025年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)はラフカディオ・ハーンの妻小
#4373 秋分のおはぎを食へば悲しかりけりわが仏なべて満洲の土
令和6年9月25日(水) 【旧 八月二三日 赤口】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)秋分のおはぎを食へば悲しかりけりわが仏なべて満洲の土 ~山本友一(1910-2004)Photo:おはぎ ~cake.jp 今日は秋の「彼岸の明け」。もう、皆さんはご存知でしょうけど、お萩
令和6年9月24日(火) 【旧 八月二二日 大安】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)路の辺の壱師の花の灼然《いちしろ》く人皆知りぬ我が恋妻を ~柿本人麻呂歌集 『万葉集』 巻11-2480 寄物陳思道端の壱師の花が目立つように、私の恋しい妻のことを みんなに
#4371 いなづまはかげろふばかり有し時秋のたのみは人しりにけり
令和6年9月23日(月) 【旧 八月二一日 仏滅】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)いなづまはかげろふばかり有し時秋のたのみは人しりにけり ~詠み人しらず 『古今和歌六帖』 第1-0816稲妻がかげろうのようにほんの一瞬光った時、秋の逢瀬などどれほどのものか
#4370 秋の夜を長しと言へど積りにし恋を尽くせば短くありけり
令和6年9月22日(日) 【旧 八月二〇日 先負】秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)秋の夜を長しと言へど積りにし恋を尽くせば短くありけり ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2303 相聞歌秋の夜は長いと言うけれど積もる恋を尽くせば短いものですね。Photo:秋の夜明
#4369 伊勢の海の白水郎の島津が鰒玉とりての後もか恋の繁けむ
令和6年9月21日(土) 【旧 八月一九日 友引】白露・玄鳥去(つばめさる)伊勢に来たからは薄暑の伊勢うどん ~飯島晴子(1921-2000) 秋の正倉院展と年末の伊勢参りはここ10年以上にわたって私の恒例行事になっています。神宮では外宮近くの伊勢うどんを食べること。これ
#4368 鷺のとぶ川辺のほたてくれなゐに夕日さびしき秋の水かな
令和6年9月20日(金) 【旧 八月一八日 先勝】白露・玄鳥去(つばめさる)鷺のとぶ川辺のほたてくれなゐに夕日さびしき秋の水かな ~藤原家良(1192-1264)『新撰六帖題和歌』 第6-2086鷺が飛ぶ川岸に咲く穂蓼《ほたで》の花が赤く夕日に染まってすっかり寂しい秋の水辺にな
#4367 足たたば北インヂヤのヒマラヤのエヴェレストなる雪食はましを
令和6年9月19日(木) 【旧 八月一七日 赤口】白露・玄鳥去(つばめさる)毎年よ彼岸の入に寒いのは ~正岡子規(1867-1902)『子規句集』Photo:正岡子規終焉の地「子規庵」(東京都台東区根岸)~写真日記 今年の秋分は9月22日。秋のお彼岸はこの日を中日として前後3日間
#4366 瓢箪のくびれさすりてうつしみはけむりのごとく吸ひこまれゆく
令和6年9月18日(水) 【旧 八月一六日 大安】白露・玄鳥去(つばめさる)瓢箪のくびれさすりてうつしみはけむりのごとく吸ひこまれゆく ~内藤明(1954-)『海界の雲』 この瓢箪は『西遊記』に出てくる魔王、金閣・銀閣の持つヒョウタン「紫金紅葫蘆《しきんこうころ》」
#4365 里は荒れてつばめならびし梁の古巣さやかに照らす月かげ
令和6年9月17日(火) 【旧 八月一五日 仏滅】白露・玄鳥去(つばめさる)里は荒れてつばめならびし梁《うつばり》の古巣さやかに照らす月かげ ~木下長嘯子(1569-1649)『挙白集』古里は荒れていて燕が並んでいた家の梁は今では空っぽの古巣をはっきりと月の光が照らして
#4364 いにしへゆ人の言ひける老人の若変といふ水ぞ名に負ふ瀧の瀬
令和6年9月16日(月) 【旧 八月一四日 先負】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)いにしへゆ人の言ひける老人《おいひと》の若変《をつ》といふ水ぞ名に負ふ瀧の流れ瀬 ~大伴東人《あづまと》 『万葉集』 巻6-1034 雑歌これが昔から言い伝えられている老人を若返らせるという、
令和6年9月15日(日) 【旧 八月一三日 友引】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)治まれるやまとの國に咲き匂ふいく萬代《よろづよ》の花の春風 ~徳川家康(1543-1616)『戦国時代和歌集』 徳川家康が亡くなった元和2(1616)年、駿府で詠んだ和歌です。Photo:自民党総裁選立
#4362 瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ
令和6年9月14日(土) 【旧 八月一二日 先勝】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ ~崇徳院 『詞花和歌集』 巻7-0229 恋歌上川の瀬が岩にぶつかった滝川の水が一度別れてしまっても、まためぐり逢ってひとつになるのだと
#4361 神様は君を選んで殺さない君を選んで生かしもしない
令和6年9月13日(金) 【旧 八月一一日 赤口】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)枯れし苑磔刑の釘錆流す ~山口誓子(1901-1994)Photo:『イーゼンハイム祭壇画』 (マティアス・グリューネヴァルト) Wikipedia イエス・キリストが磔刑に処されたのが13日の金曜日であること
#4360 いしたたきちさきめうとの頬を寄せて啼くよ浅瀬の白石のうへに
令和6年9月12日(木) 【旧 八月一〇日 大安】白露・鶺鴒鳴(せきれいなく)いしたたきちさきめうとの頬を寄せて啼くよ浅瀬の白石のうへに ~若山牧水 (1885-1928)『砂丘』Photo:ハクセキレイ ~tenki.jp 今日は二十四節気「白露」の次候、七十二候の第44候「鶺鴒鳴(
#4359 名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな
令和6年9月11日(水) 【旧 八月九日 仏滅】白露・草露白(くさのつゆしろし)名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな ~藤原実方(873-932)『後撰和歌集』 巻11-0700 恋歌三逢坂山のさねかづらではないが、その名のように、人知れず蔓を手繰り寄せてあ
#4358 月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ
令和6年9月10日(火) 【旧 八月八日 先負】白露・草露白(くさのつゆしろし)月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言《こと》も告げ来ぬ ~大伴坂上大嬢 『万葉集』 巻4-0583 相聞歌露草のように移り気だからですか。私が想う人は言葉もかけてくれないのは。Photo:ツ
#4357 露ながら折りてかざさむ菊の花老いせぬ秋のひさしかるべく
令和6年9月9日(月) 【旧 八月七日 友引】白露・草露白(くさのつゆしろし)露ながら折りてかざさむ菊の花老いせぬ秋のひさしかるべく ~紀友則(850-904)『古今和歌集』 巻5-0270 秋歌下露の置いた菊の花を手折って髪に挿頭しましょう老いることのない年が続くように。Ph
#4356 ただひとつ風にうかびてわが庭に秋の蜻蛉のながれ来にけり
令和6年9月8日(日) 【旧 八月六日 先勝】白露・草露白(くさのつゆしろし)ただひとつ風にうかびてわが庭に秋の蜻蛉のながれ来にけり ~若山牧水(1885-1928)Photo:オオシオカラトンボ、オス ~photoAC(Fusan_Photoさん) なるほど「風に浮かび」という表現はこの時
#4355 我がやどの夕蔭草の白露の消ぬがにもとな思ほゆるかも
令和6年9月7日(土) 【旧 八月五日 赤口】白露・草露白(くさのつゆしろし)我がやどの夕蔭草の白露の消ぬがにもとな思ほゆるかも ~笠女郎《かさのいらつめ》『万葉集』 巻4-0594 相聞歌わが家の庭の夕映えに光る草の白露のように心もとなくあなたのことを思っているので
#4354 雲さればもののかげなくうす赤き夕日の山に秋風ぞ吹く
令和6年9月6日(金) 【旧 八月四日 大安】処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)雲さればもののかげなくうす赤き夕日の山に秋風ぞ吹く ~若山牧水(1885-1928)『別離』Photo:筋雲の空 ~photoAC(takapeさん) 夏から秋に季節が移るのを肌で感じるのは風。そして眼に
令和6年9月5日(木) 【旧 八月三日 仏滅】処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)晩節と言ふ語重たし桐一葉 ~冨田みのる(1915-?)Photo:豊臣秀吉像(狩野光信画) 今日のテーマは桐の花ではなく「晩節」。農民から天下人にまで駆け上がった豊臣秀吉の出世譚には人
#4352 妹がため貝を拾ふと茅渟の海に濡れにし袖は干せど乾かず
令和6年9月4日(水) 【旧 八月二日 先負】処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)妹がため貝を拾《ひり》ふと茅渟《ちぬ》の海に濡れにし袖は干せど乾かず ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1145 雑歌妻のために貝を拾おうと茅渟の海岸で濡らした袖は、いくら干しても 乾かない
#4351 高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに
令和6年9月3日(火) 【旧 八月一日 友引】処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)高円《たかまと》の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに ~笠金村(715-806)『万葉集』 巻2-0231 挽歌高円の野辺に咲いた秋萩が虚しく咲いて散っていくことだ。もう見る人がい
#4350 左奈都良の岡に粟蒔き愛しきが駒は食ぐとも吾はそとも追はじ
令和6年9月2日(月) 【旧 七月三〇日 赤口】処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)左奈都良《さなつら》の岡に粟蒔き愛《かな》しきが駒は食《た》ぐとも吾はそとも追はじ ~作者未詳(東歌))『万葉集』 巻14-3451 雑歌左奈都良の丘に粟を蒔いて、愛しい人の馬が食べに
#4349 声聞けば暑さぞまさる蝉の羽の薄き衣は身にきたれども
令和6年9月1日(日) 【旧 七月二九日 大安】・処暑 「天地始粛」(てんちはじめてさむし)声聞けば暑さぞまさる蝉の羽の薄き衣は身にきたれども ~和泉式部(978?-?)『和泉式部集』第1-0038 蝉の声を聞くと、暑さも一段とまさって感じられます。蝉の羽のような薄い衣を
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令和6年11月1日(金) 【旧 一〇月一日 仏滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)石蕗《つは》の葉の光れる夜の道狭めあやしみ合ひてすれ違ひたる ~大西民子(1924-1994)Photo:石蕗《つわぶき》~HAGI(萩市観光協会公式サイト) 菊花の常緑多年草ツワブキの黄色い花が
令和6年10月31日(木) 【旧 九月二九日 先勝】霜降・霎時施(こさめときどきふる)黄かぼちやに庖丁の刃を刺したままほうほう母はどこへいつたやら ~日高堯子(1945-)『振りむくひと』Photo:かぼちゃのスイーツ ~DietPlus 百貨店やショッピングモール、百均にも2ヶ月
令和6年10月30日(水) 【旧 九月二八日 赤口】霜降・霎時施(こさめときどきふる)たて笛に遠すぎる穴があつたでせう さういふ感じに何かがとほい ~木下こう 『体温と雨』 Photo:フランス・ブリュッヘン(1934-2014) たて笛は小学校の音楽の時間に習った初めての楽器
令和6年10月29日(火) 【旧 九月二七日 大安滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)うしろより声をもかけず殺したるその卑怯さを語りつぐべし ~土岐善麿(1885-1980)『緑の斜面』Photo:石破茂総裁を第102台内閣総理大臣に選出 ~自民党 そもそも似たような行為を少な
令和6年10月29日(火) 【旧 九月二七日 大安滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)ベゴニヤの鉢の彩り揃へけり ~稲畑汀子(1931-2022)Photo:ベゴニア ~dinos シュウカイドウ科の植物ベゴニアは原種の交配が進んで今では多くの品種が存在します。数年前に娘から黄色
令和6年10月28日(月) 【旧 九月二六日 仏滅】霜降・霎時施(こさめときどきふる)いつもここに秋の雨にも潦 ~山口誓子(1901-1994) 潦《にわたずみ》は和歌・短歌では「流る」「行く」「川」などにかかる枕詞に使われますが、ここでは「水たまり」の意味。我が家の前の
令和6年10月27日(日) 【旧 九月二五日 先負】霜降・霜始降(しもはじめてふる)読本《とくほん》の栞にと我がしたりける銀杏の黄葉を娘の拾ふ ~窪田空穂(1877-1967)『歌集 郷愁』Photo:ハルメク365 今日10月27日(日)から「文化の日」を挟んで1月9日(土)までの2週間は
令和6年10月26日(土) 【旧 九月二四日 友引】霜降・霜始降(しもはじめてふる)なにがなんでも悪とう論理に組みし得ず文殊円屋根を雲の影はしる ~永田和宏(1947-)『荒神』 「文殊」は福井県敦賀市にある高速増殖炉。一般の商用原子力発電所とは違い、文部科学省が所管
令和6年10月25日(金) 【旧 九月二三日 先勝】霜降・霜始降(しもはじめてふる)一条院かくれ給ひにければ、その御事をのみ恋ひ歎き給ひて、夢にほのかに見え給ひければ逢ふことも今はなきねの夢ならでいつかは君をまたは見るべき ~藤原彰子(988-1074)『新古今和歌集』
令和6年10月24日(木) 【旧 九月二二日 赤口】霜降・霜始降(しもはじめてふる)レイテ沖戦にて果てし友偲び深まる秋にひとり香を焚く ~光嶋瀬市郎Photo:フィリピン沖海戦で米軍機の攻撃を受て沈没した空母「瑞鳳」 太平洋戦争における「フィリピン沖海戦」(米側呼称で
令和6年10月23日(水) 【旧 九月二一日 大安】霜降・霜始降(しもはじめてふる)夕凝《ゆうこ》りの霜置きにけり朝戸出にいたくし踏みて人に知らゆな ~作者未詳 『万葉集』 巻11-2692 寄物陳思夕べに霜が降りました。朝、あなたがお帰りになる時に踏みつけて足跡で人に知
令和6年10月22日(火) 【旧 九月二〇日 仏滅】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)つつましき朝の食事に香をおくる小雨に濡れし洎芙藍《さふらん》の花 ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:サフラン ~調香師のアトリエ サフランはアヤメ科の多年草で、この赤い雌
令和6年10月21日(月) 【旧 九月一九日 先負】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)頼みこし身はもののふの八幡山祈るちぎりは萬代《よろづよ》までに ~北条氏康 『集外三十六歌仙』ご加護を頼みとしていた鶴岡八幡に武運の長久をお祈り申し上げます。Photo:北条氏康像
令和6年10月20日(日) 【旧 九月一八日 友引】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)はらわたの熱くにがきをまづ啖《く》らひ秋刀魚の命を味はふかなや ~島田修三(1950-)『東洋の秋』Photo:久原本店 今年はニュースになるほどにサンマは豊漁だそうです。9月末までの水
令和6年10月19日(土) 【旧 九月一七日 先勝】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)いく月か机に置けるすずかけの実を捨てにけり紙につつみて ~落合けい子(1950-)『じゃがいもの歌』Photo:スズカケ(プラタナス)の実 ~Wikipedia 鈴懸《スズカケ》はスズカケノキ科
令和6年10月18日(金) 【旧 九月一六日 赤口】寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)夕月夜《ゆふづくよ》心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀《こほろぎ》鳴くも ~湯原王《ゆはらのおほきみ》 『万葉集』 巻8-1552 雑歌夕月の照る夜、心がしおれるように白露の置くこの庭に
令和6年10月17日(木) 【旧 九月一五日 大安】寒露・菊花開(きくのはなひらく)ショパンより後に生まれし仕合《しあはせ》に嬰ハ短調作品64番の2 ~宮英子(1917-2015)『幕間(アントラクト)』Photo:2010年、ショパン生誕200年に発行された20ズロチ紙幣 ~AFP News 今
令和6年10月16日(水) 【旧 九月一四日 仏滅】寒露・菊花開(きくのはなひらく)心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな ~三条院(976-1017)『後拾遺和歌集』 巻15-0860 雑歌一思いもよらずこの世に生き長らえたならば、いつか恋しく思い出すであろう、
令和6年10月15日(火) 【旧 九月一三日 先負】寒露・菊花開(きくのはなひらく)高松のこの峰も狭《せ》に笠立てて満ち盛りたる秋の香のよさ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2233 雑歌高円山の峰も狭しとばかりに見事に茸の笠が開いているよ。満ち盛っているのは秋の香りの良
令和6年10月14日(月) 【旧 九月一二日 友引】寒露・菊花開(きくのはなひらく)春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻4-0786 相聞歌春雨はしきりに降っているものの、我が家の梅の花がまだ咲かないのはまだ若すぎ
令和5年11月2日(木) 【旧 九月一九日 先負】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)一身の衰余を透かす月下美人しろくかをりてわが掌に余る ~大滝貞一(1935-2016)『枯野舟』Photo:ゲッカビジン ~tenki.jp 「月下美人」とはなんとも艶めかしい名前の植物です。サボテン
令和5年11月1日(水) 【旧 九月一八日 友引】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)女郎花盛りの色を見るからに露の分けきる身こそ知らるれ ~紫式部(973?-1031?)『紫式部日記』朝露を置いた女郎花の盛りの色を見ると、露が分け隔てして我が身には恩恵をくれないのだなと
令和5年10月31日(火) 【旧 九月一七日 先勝】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)神無月はてば紅葉もいかなれや時雨とともにふりに降るらん ~源順(911-983)『源順集』神無月が終われば美しい紅葉もどうなるのだろうか。時雨とともに降り散ってしまうだろう。Photo:色
令和5年10月30日(月) 【旧 九月一六日 赤口】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)鶏頭の紅古りて来し秋の末や我れ四十九の年行かんとす ~伊藤左千夫(1864-1913)『左千夫歌集』Photo:ケイトウ ~photoAC(どらキチさん) ケイトウはヒユ科の一年生植物です。名前の由
令和5年10月29日(日) 【旧 九月一五日 大安】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)神無月しぐるる頃もいかなれや空にすぎにし秋の宮人 ~相模(998?-1061?)『新古今和歌集』 巻8-0804 哀傷歌神無月の時雨が降る頃、衣はどうされていますか。仕えていた皇太后様が亡くなっ
令和5年10月28日(土) 【旧 九月一四日 仏滅】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)目的を持たぬ読書のたのしさを老いてまた知る若き日のごと ~窪田空穂(1877-1967)『木草と共に』 昨日から11月9日までの2週間は読書週間です。10月27日を「読書の日」と定められたのは終戦
令和5年10月27日(金) 【旧 九月一三日 先負】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)わがものと大和もろびとおごり見よ外《ほか》に知られぬ秋の夜の月 ~木下長嘯子(1569-1649)『挙白集』我らのものだと日本の人々よ、誇って見よ。他国には知られていない秋の夜の月だ。 木
令和5年10月26日(木) 【旧 九月一二日 友引】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)面接で「第一志望です」10回目 ~まさみちさん(愛知県)「2024年卒就活川柳」入選作品 今日17:00からプロ野球のドラフト会議が行われます。私の子どもの頃はプロ野球選手というのは憧れの
令和5年10月25日(水) 【旧 九月一一日 先勝】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)秋萩の散り過ぎゆかばさを鹿はわび鳴きせむな見ずはともしみ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2152 雑歌秋萩が散り果ててしまえば牡鹿はわびしく鳴くことだろう。もう萩の花を見られなくて。Photo
令和5年10月24日(火) 【旧 九月一〇日 赤口】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)秋されば置く露霜にあへずして都の山は色づきぬらむ ~遣新羅使 『万葉集』 巻15-3699秋になると露霜が置き、それに耐えかねて都の山は紅葉していることだろう。Photo:霜衣 ~photoAC(akan
令和5年10月23日(月) 【旧 九月九日 大安】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)荒熊のすみける谷をとなりにて都にとほき柴の庵かな ~藤原良経(1001-1058)『秋篠月清集』 十題百首荒々しい熊が住むような谷のそばにある、都とはほど遠い柴葺きの庵だよ。Photo:HBC北
令和5年10月22日(日) 【旧 九月八日 仏滅】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)いささかは肌はひゆとも単衣きて秋海棠はみるべかるらし ~長塚節(1879-1915)Photo:秋海棠の花と長塚節 中国で海棠に似た花を咲かせるところから名付けられたという秋海棠《しゅうかい
令和5年10月21日(土) 【旧 九月七日 先負】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)旗じるしひしめきし野の柿日和 ~水原秋櫻子(1892-1981) 秋櫻子が「関ケ原の戦い」の古戦場を訪れた際に詠んだ句。石田三成の「大一大万大吉」や徳川家康の「三つ葉葵」の旗印が目に浮か
令和5年10月20日(金) 【旧 九月六日 友引】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)「フクシマの桃をあなたは食べますか」問いしひとを憎まねど忘れず ~齋藤芳生(1977-)『花の渦』 齋藤芳生氏は福島県出身の歌人。2019年に発表された第3歌集『花の渦』にこんな歌があり
令和5年10月19日(木) 【旧 九月五日 先勝】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)影草の生ひたる屋前《やど》の夕影に鳴く蟋蟀《こほろぎ》は聞けど飽かぬかも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2159 雑歌物陰に草が茂るわが家の夕日の影で鳴く蟋蟀の声はいくら聞き飽きること
令和5年10月18日(水) 【旧 九月四日 赤口】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)我が庭に咲きしフヨウの花見れば老ひの心も若やぎにけり ~牧野富太郎(1882-1957)Photo:酔芙蓉《スイフヨウ》 ~高知城 芙蓉《フヨウ》はアオイ科の落葉低木。夏から秋にかけて花が咲く木
令和5年10月17日(火) 【旧 九月三日 大安】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)昨日こそ早苗とりしかいつの間に稲葉そよぎて秋風の吹く ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻4-0172 秋歌上つい先日早苗を取ったばかりだと思っていたのに、いつの間にか秋風が吹いて実った稲葉を
令和5年10月16日(月) 【旧 九月二日 仏滅】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)雨のふる東京デ・ランド子らを率《い》て傘かたぶけて行けばさびしや ~岡井隆(1928-2020)『αの星』Photo:フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド 今日はウォルト・ディズニー・カンパ
令和5年10月15日(日) 【旧 九月一日 先負】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな ~素性法師(844-910)『古今和歌集』 巻14-0691 恋歌四あの方が今すぐ行くよと言っていたので 私はこの長月の長夜を待ち続けて とう
令和5年10月14日(土) 【旧 八月三〇日 先勝】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)朝ぼらけ嵐の山は峯晴れて麓をくだる秋の川霧 ~藤原為家(1198-1275)『続拾遺和歌集』 巻4-0276 秋歌上ほのぼのとした夜明け、嵐が過ぎた山の峰が晴れ渡り、秋の川霧が麓を下ってゆく。Phot