『透析を止めた日』 堀川 恵子著 堀川さんの本はこれまでにも何冊か読んで、その都度深い感銘を受けた。どのテーマに取り組む姿勢もあまりに真摯で、生半可な気持ちで読むこともできずに、あえて読んでいないのもある。 そして、この本も実に重い内容であった。ことに前半は著者自身と最愛の人の身に関することでもあり、緊迫した闘病記は、目頭を熱くしないでは読めなかった。 それは、長い期間人工透析を続けた人がどんな最期を迎えるかという話だ。腎不全の患者にとって人工透析は一生続けねばならない苦行である。止めれば、即、死であるからどんなことがあっても続けねばならない。身体が弱り、透析に通えなくなったらどうするか。入院…