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  • あなたが知らない私

    あなたへ そっか あなたは、今の私の髪の手触りを知らないんだね ふと、こんなことを考えていたのは、 新しく買い足したオイルの封を開けた瞬間のことでした。 これでもう、何本目になるだろう。 ここ数年の私が、髪のお手入れに愛用しているのは、 あんずの種から作られたオイルです。 これまでには様々なヘアケア商品を使って来た私ですが、 その中で最も気に入ったのが、このオイルなのです。 昨日より今日、今日より明日、と、 使えば使うほどに髪がスベスベになって行くような気がするのは、 オイルの持つ力であることは勿論のこと、 我が家で活躍中のマイナスイオンが発せられるドライヤーとヘアアイロンが、 オイルの持つ力…

  • 雑談の中で見つけた自分の成長とあの頃の意味

    あなたへ うちは主人が亡くなっているの 大丈夫 気にしないで 主人が亡くなってから大分経っているから これは、先日の私が口にした雑談の中での言葉です。 私についてを殆ど何も知らない方との雑談の中には、 時に、あなたのことを話さなければならない状況が訪れることがあります。 そんな時に、一瞬、嘘をつくという選択肢が頭を過ってしまうのは、 その後の空気感が安易に想像出来てしまうから。 本当のことを話さないという選択をするのも、 相手への配慮のひとつであるのかも知れないと、そんなことを考えながらも、 ほんの一瞬迷った後に、結局、 本当のことを話すという選択をしてしまうのは、 ひとつの嘘は、多くの嘘を生…

  • チョコレートの作り方

    あなたへ 今朝の私の中に突然に蘇ったのは、子供の頃の記憶でした。 これは、私がまだ小学生だった頃の記憶です。 小学生だった私は、お習字の習い事をしていました。 先生は、おばあちゃん先生。 お習字の時間は厳しいけれど、本当は優しい先生で、 お習字の時間が終わると、 いつもニコニコと笑っていたのが、今でもとても印象に残っています。 今朝の私の中に突然に蘇ったのは、そんな先生の言葉でした。 あれは、お習字の時間が終わり、帰る準備を始めた頃のこと。 お習字を習っていた皆との間で話題になっていたのは、 チョコレートについてでした。 チョコレートの原料は何であるか、 というような話をしていた私たちの耳に届…

  • 昨夜の恐怖の出来事

    あなたへ 昨夜、午前0時を迎えようとする頃のことでした。 静まり返った我が家の中に、突然に聞こえたのは、 玄関のドアを開けようとする音でした。 え? 思わず小さな声をあげながらも、息を潜めれば、 次に我が家の中へと鳴り響いたのは、玄関のチャイム音。 ピンポン ・・・ ピンポンピンポンピンポン 一度で玄関を開けなかったからなのか、連打です。 こんなことをするのは、あの子だけ。 自分で鍵を開けるのは面倒だからと、私が家にいると分かっていれば、 あの子はよく、チャイムを連打して、 玄関の外にいることを知らせてくれました。 このやり方は、怪しい訪問者ではなく、俺です、という、 あの子なりの私への伝え方…

  • 記憶を持たずに生まれる理由

    あなたへ ねぇ、あなた どうして人は、何の記憶も持たずに生まれて来るのだろう もしもあの頃のあなたにこんな問い掛けをしたのなら、 あなたはどんな答えをくれたのでしょうか。 人の意識には、潜在意識と顕在意識があって、 潜在意識下には、自分が持つ全ての記憶が刻まれていると言われていますが、 何故、こうしてこの世界で生きている間には、 思い出せない記憶というものが存在するのでしょうか。 きっと誰もが、何かしらの目的を持って、 この世界へと生まれて来ると考えている私だけれど、 何の記憶も持たずに生まれて来れば、 それだけ歩みが遅くなるのではないかと、 ふと、こんなことを考えていました。 こう考えてみる…

  • 七夕 -2024-

    あなたへ そちら側のあなたが、 いつでもたくさんの幸せに囲まれていますように あの子の歩む道が、これから先も、 ずっとずっと明るい道でありますように どんなに離れていても、 私たち家族3人が、固い絆で結ばれ続けていますように 今日は七夕の日です。 今年のあなたは、どんな願いごとをしましたか。 毎年のこの日になると、私の中へと蘇るのは、あなたの声です。 もしも男の子だったらさって。 今年の私の中にも蘇ったあの日のあなたの声に耳を傾ければ、 あの日のあなたの嬉しそうな笑顔までもが鮮明に蘇りました。 23年前の今日は、 私たちにとって、更なる幸せの始まりの日でしたね。 子供は、実は自分で名前を決めて…

  • 洗車雨の音を聞きながら

    あなたへ 今日のこちらでは、夕方から雨が降りました。 ねぇ、あなたは知っていましたか。 七夕の前日に降る雨を、洗車雨と呼ぶのだそうです。 織姫に会いに行く前に、彦星が牛車を洗っている水だから、洗車雨。 そして、七夕に降る雨を、催涙雨と呼ぶのだそうです。 こちらは、 織姫と彦星が天の川を渡れなくなり、流す涙とも、 織姫と彦星が逢えたことが嬉しくて流す涙とも、 逢うことが出来た2人が、別れを惜しんで流す涙とも言われているようですが、 私は、逢えたことが嬉しくて2人が流す涙なのだと思っています。 桜が咲くことを促す雨を催花雨、 夏の日照りが続き、やっと降る恵みの雨を喜雨、 晩秋から初冬にかけて、降っ…

  • あなたからのお告げ

    あなたへ あなたから私へのメッセージであろう言葉が届いた日に、 何気なく手帳へ、あなたからのお告げと書き込んで、 思わずひとりで笑ってしまったのは、先月の私です。 だって、お告げって。 なんとも言えない込み上げるものがありながらも、 思いついてしまったこの、あなたからのお告げというフレーズを、 なんだかとても気に入ってしまったあれからの私は、 日常の中で見つけたあなたからのメッセージや想いであろう言葉を見つけると、 あなたからのお告げと題して、手帳へと書き込むようになりました。 お告げ、とは言っても、 神様が授けてくださるような重みのあるそれとは違っていて、 あなたからのお告げは、些細なことか…

  • ご祝儀袋の中の三角関係

    あなたへ こちらでは、お札のデザインが新しくなり、 新紙幣の発行、引き渡しが始まったようです。 お札のデザインが変わるのは、20年振りなのだとか。 私の手元には、まだ新しいデザインのお札はありませんが、 インターネットで新しいデザインのお札を眺めてみました。 一万円札は、日本初の銀行を設立しただけでなく、 500もの企業設立などに携わり、日本近代社会の創造者と言われる渋沢栄一が、 五千円札は、日本初の女子留学生であり、 女性の地位向上と女子教育に尽力した教育家の津田梅子が、 千円札は、伝染病予防や細菌学の発展に大きく貢献し、 近代日本医学の父と呼ばれている北里柴三郎が、 肖像に選ばれたのだそう…

  • あの夏にいたあなたからの贈り物

    あなたへ こうしてあなたへの手紙を綴るのも、 今日で8年目を迎えました。 いつでもあなたの側に寄り添い続けてくれますように そっと祈りながら私が綴る文字たちは、 あなたをギュッと抱き締めることが出来ているでしょうか。 この手紙の向こう側、 今、あなたは、どんな顔をしていますか。 今日の私は、こうしてあなたへの手紙を綴るきっかけとなった、 あなたの文字を辿っていました。 あなたが、その想いを書き遺してくれたから、 こうして、あなたへの手紙を綴ることを思いついて、 振り返ってみれば、 この8年間の間には、様々な想いを文字にして来ました。 あなたに逢いたい 寂しいよ あの時、こんなことがあったね あ…

  • 強力な魔法の言葉

    あなたへ 今日も良い日にしよう こんな魔法の言葉を見つけてから、 どのくらいが経ったでしょうか。 毎朝、魔法の言葉から1日を始めるようになった私ですが、 先日、ふと思いついて、 魔法の言葉に更に言葉を付け足しました。 今日が一番最高の日だったと思える日を過ごそうって。 昨日より今日、今日より明日。 今日が一番最高だった、を積み重ねることが出来たのなら、 更に素敵な人生を歩めるような気がしました。 どこまでもどこまでも、 一番最高の1日を積み重ねることが出来たのなら、 そこからは、どんな景色を見ることが出来るのだろうって。 言葉というのは、本当に不思議なものです。 魔法の言葉に、更に思い付いた言…

  • あの子の笑ってしまう成長

    あなたへ 今の若い子たちにはついて行けないよ 俺も年だね これは、まだ専門学生だった頃のあの子の言葉です。 我が家のライングループを作ってくれた日のあの子のことを思い返した私の中へと、 ふと蘇ったのは、 あれからずっと先にいるあの子の言葉でした。 新しい機能や新しいアプリ。 日々進化を続けるこの世界では、 常に新しいものが生まれ続けているけれど、 ほんの少し前にはなかった新しいものに対して、 脳が抵抗するのだと、 専門学生だったあの子が、こんな話を聞かせてくれたことがありました。 昔みたいに、新しいものを受け入れられなくなったよ 年を取ると、変化を受け入れられなくなる なんて言うけれど、あれは…

  • 10年前の今日の日

    あなたへ ねぇ、あなたは、10年前の今日が、 どんな日であったか覚えていますか。 10年前の今日はね、 我が家のグループラインの始まりの日でした。 あの子が突然に、我が家のグループラインを作ってくれて、 私たち2人を招待してくれたこと、あなたは覚えているでしょうか。 それまでは、個々にやり取りをしていた私たちでしたが、 あの子がグループラインを作ってくれたお陰で、 私たちは個々のやり取りよりも、 グループラインを活用するようになりましたね。 今から帰るよ 俺も今から帰る 気を付けてね 他愛もないやり取りだったけれど、 画面上に見える家族3人でのやり取りに、 なんだかいつでも、 家族3人で一緒に…

  • 記憶という贈り物

    あなたへ 私ね、今でもよく覚えているよ。 灰色になってしまったこの瞳に映る景色に、 あなたが青色を染めてくれた日のことを。 私をギュッて抱き締めてくれた日のあなたがくれた温もりを。 頑張れ、頑張れって、あなたの声が届いた日のことを。 そして、 頬を寄せ合って、ただただ抱き締め合った日に感じた温もりを。 元気がない日に見上げた空に、龍によく似た雲を見つけたことも、 出来過ぎなくらいにとても綺麗な、 大きなハート形の雲を見つけたことも、 ふわりと優しく包み込まれるかのような幾つもの温かさも、 全部、ちゃんと覚えてる。 そうそう。それから、一度だけ、 そちら側のあなたと喧嘩をしたことも、私の大切な思…

  • そちら側へ見送ってから知った父の側面

    あなたへ 父の夢を見ました。 父が、とても楽しそうに話を聞かせてくれる夢でした。 それは、父が体験した不思議な話。 夢から覚めた私には、 残念ながらその内容を上手く思い出すことは出来ませんでしたが、 夢の中、父の声に耳を傾けながら、 私に備わった不思議な力は、父譲りであるのだと、 そう確信したことだけは、はっきりと覚えています。 まさか、父をそちら側へ送り出してから、 父譲りなところを見つけることが出来るだなんてね。 人生には、時に不思議なことが起こるものですが、 まさかこんな形で、 父が持っていた側面を知ることになるとは、思いもしませんでした。 私は、私が思っているよりも、 父に似たものをた…

  • タイムスリップ説と遺伝子説

    あなたへ え?あの人って・・・え? とても驚きながら、偶然見かけたひとりの男性を、 思わずじっと見つめてしまったのは、 同じ高校に通っていた同級生とよく似た男性だったからでした。 いえ。 よく似ているどころか、ご本人としか思えませんが、何かがおかしいのです。 高校を卒業してから、随分と月日が経ちました。 あれから歩んだ年数分を考えてみれば、中身の成長だけでなく、 容姿に関しても、その年数分の容姿へと変わり行く筈ですが、 私が見かけた男性は、あの頃からタイムスリップでもしてきたのかと思うほどに、 全く何も変わっていなかったのです。 そう。 だからこそ私は直ぐに、気付くことが出来たのでしょう。 と…

  • 日常生活の中に見つけた視点

    あなたへ 外出先からの帰り道。 思い立って寄り道をしようと考えた私は、 自信を持って右折専用車線へと並んだはずなのに、 信号をひとつ間違えてしまったことに気が付きました。 元の車線に戻ることも出来ないままに、仕方なく右折をしてみれば、 次の瞬間に思わず漏れ出たのは、 え?この道に出るの?って、こんな小さな独り言。 なんと私が間違えて曲がった道は、 私が本来通りたかった道へのショートカットとなる道だったのです。 あぁ、やってしまったなという気持ちから一変し、 なんだかとても嬉しくなって、 私の運転も軽やかなものへと変わった出来事でした。 真っ直ぐに進みたかったのに、 間違えて左折専用車線へ入って…

  • その温もりをただ感じながら

    あなたへ 素敵な時間をありがとう 本当に幸せだったよ 朝起きて、おはようの挨拶よりも先に伝えた私の声は、 あなたのところまで届いたでしょうか。 あなたの夢を見ました。 それは、あなたがそちら側から帰って来てくれた夢でした。 夢の中の私たちは、ただただ、抱き締め合ったままで、 その時間を過ごしました。 一度肉体を手放したあなたの体には、もう、心臓がなくて、 私がよく知っているあなたの鼓動を感じることは出来なかったけれど、 それでもあなたは、私がよく知っている温もりを与えてくれました。 あなたの腕の中に収まった私は、その温もりを感じながら、 ただただ幸せだけを感じていたのでした。 夢の中の私は、あ…

  • ミルクキャラメルの日

    あなたへ ねぇ、あなたは知っていましたか。 6月10日の今日は、ミルクキャラメルの日なのだそうです。 折角なので、新たにキャラメルを購入しようとお菓子売り場へ足を運べば、 見慣れないキャラメルを発見した今日の私は、 思わず2種類のキャラメルを購入してしまいました。 イロチならずアジチです。 これで暫くは、キャラメルライフを楽しめそうです。 私がキャラメルにハマり出してから暫くが経ちますが、 日々、キャラメルに癒されながら、 キャラメルって、いつからあるのだろうと、ふと疑問に思ったのは、 随分と昔からあるお菓子であることを、なんとなく知っていたからでした。 調べてみれば、1913年(大正2年)6…

  • 遺骨の埋葬についてあなたに確かめたかったこと

    あなたへ いつかお母さんがこの人生を全うしたのなら、 お父さんの遺骨と一緒に埋葬して欲しいな その時まで、お父さんの遺骨は、家に置いておこうと思うの 一度だけ、あの子に遺骨の埋葬に関する話をしたのは、 あなたを見送ってから、どれくらいが経ってからのことだっただろう。 あの日の私は、埋葬に関しては、お墓に納骨するやり方もあるけれど、 散骨という方法もあることや、 私個人的には、お墓に拘りはなく、 散骨という方法も、とても良いと思っていることを、あの子に伝えたのでした。 あなたを見送ったばかりだった頃の私は、 遺骨は、いずれお墓に納骨するものという概念しか、 持ち合わせてはいませんでしたが、 少し…

  • 人それぞれのペース

    あなたへ ねぇ、あなた。 どうして人って体がひとつしかないのだろう。 もしも、ひとりにつき、ふたつの体があったらね、 やりたいことももっと出来るし、より多くのことを学べると思うの。 もしも私がこんなことを言ったとしたのなら、 あなたはどんな顔で笑うのだろう。 もっと早く前へと歩みたい。 もっと早く次の景色に辿り着きたいと、半ば強引に、 かなり前のめりに歩もうとしていたのは、先日までの私です。 あなたを見送ってからの私は、 自分のペースで、ゆっくりと歩みを進めて来ましたが、不意に思ったのです。 もっと早く歩んでみたいと。 私には、この人生の中で見てみたい景色があります。 やりたいこと、学びたいこ…

  • 魔法の言葉

    あなたへ あなた 行ってきます 今日も良い日にするからね 今朝のこんな私の声は、 あなたのところまで届いたでしょうか。 今日は、外出すると間も無くに、 いつかのあなたのエピソードを思い出して、 思わずクスッと笑ってしまう出来事がありました。 何気なく道行く人を眺めた私の目に留まったのは、 サラリーマン風のひとりの男性。 何やら忙しそうに歩きながらも、 ひとりで話をしている様子のその男性をよく見てみると、 何も持たない左手を、 なんとなく耳の辺りに置きながら話をしているではありませんか。 更に男性の左耳を見てみれば、 ハンズフリーのイヤホンマイクらしきものを発見しました。 ねぇ、なんだか、いつか…

  • チグハグの靴 -2024-

    あなたへ もう、この世界に、 あなたの存在を目視することは出来ないけれど、 それでもあなたの存在までもが消えてしまった訳ではないのだと、 あの夏からのあなたは、様々な方法で、 それを私に伝え続けてくれましたね。 目の前で起こり続けた不思議な出来事を見つめながら、 今のあなたは、ただ、私たちとはいる世界が違うだけなのだと、 少しずつ、少しずつ、こんな答えに納得をして、 私は少しずつ、 あなたがいないこの世界に、 あなたが隣にいないこの人生に、 慣れる決心が出来たのだと思っていました。 本当は、あなたに逢いたいけれど、 本当は、あなたの隣で笑っていたかったけれど、 ・・・でも。 あなたを見送り、様…

  • 堪らなく逢いたい

    あなたへ いつも使っているピンク色の鍋を、 何気なく見つめた私の中へと不意に蘇ったのは、 あの日のことでした。 ねぇ、あなたは、覚えていますか。 ピンク色の鍋を買ってくれた日のことを。 あの日は、いつも通りに家族3人で買い物へと出掛けた日。 3人で様々な商品を見て回りながら、 このピンク色の鍋を見つけてくれたのは、あなたでしたね。 ピンク色の鍋をひとつ手に取ったかと思えば、 あなたは言ってくれたのよ。 これ、買ってあげるよって。 あなたはいつでもこんなふうに、 私好みのものを見つけると、 突然にプレゼントをしてくれる人でした。 賑わう店内 あなたの仕草 当たり前だった家族3人の形 不意に蘇った…

  • 記憶という形のない形

    あなたへ この世界に誕生し、初めて喜びの声を上げた記憶 生まれて初めて人の温もりを感じた記憶 美しい景色を見た記憶 美味しいものを食べた記憶 初めて人を好きになった記憶 欲しいものを手に入れて喜んだ記憶 新しいことに挑戦した記憶 夢を叶えた記憶 大切な仲間と笑い合った記憶 時々には、悔しい思いもあれば、辛い思いもあったでしょう。 でも、それら全ては、 あなたが更に素敵な景色を見るための出来事に、 過ぎなかったのかも知れません。 私と初めて出会った日には、どんな記憶が残っていますか。 この手の温もりを感じた記憶 2人で笑い合った記憶 初めて喧嘩をした記憶 一緒に作った思い出を数えた記憶 同じ未来…

  • あなたが作り出す空気感

    あなたへ あなたの夢を見ました。 それは、家族3人で日常を過ごす夢でした。 とても短い夢だったけれど、 あなたが側にいてくれるあの感じを、 目が覚めてからも、何度も反芻していました。 人って、きっと誰もが、 その人にしか出せない空気感を持っていて、 話なんて何もしなくても、ただそこに存在してくれているだけで、 安心出来たり、 穏やかな気持ちになれたりするものなのでしょう。 その人だけが持つ空気感に触れているだけで、 いつでも幸せな気持ち満たされて。 他でもなく、その人でなければならない理由って、 きっとそこにあるのかも知れません。 あなたが作り出すあの空気感の中で、 当たり前に毎日を過ごせてい…

  • 知らなかった朝

    あなたへ 今日の私が思い出していたのは、 桜が咲き始めた頃の、あの、 とんでもなく忙しかった日々を過ごした頃のことでした。 あの頃の時間を過ごしていた私が一度だけ経験したのは、 立ったままで、一瞬寝るという現象でした。 とても疲れている筈なのに、眠りへの入り口を見つけることが出来ずに、 寝不足のままで出掛けたことが恐らくの原因でした。 人というのは、限界を越えた時、 立ったままでも眠ることが出来るようです。 あの時の私が眠りに堕ちた時間は、 恐らく、0.数秒程度ではあったと思いますが、 人の体というのは、とても正直に出来ているのでしょう。 あの、一瞬の眠りに堕ちた私はその後、 自分でも驚くほど…

  • あの子がくれた色とりどりの景色

    あなたへ 先日の母の日にあの子が贈ってくれたのは、 アイスクリームのチケットでした。 お好きなアイスクリームを6種類お選びください こんな文字にワクワクとしながら、早速、お店へと足を運んだ私は、 カラフルなアイスクリームたちを選びました。 冷凍庫を開ければ、そこに見えるのは色とりどりの景色。 我が家の冷凍庫は、只今、夢のような冷凍庫となっております。 見ているだけで楽しい気持ちになってしまうその景色を食べてしまうのは、 なんだか勿体無いような気もしてしまいますが、 こちらでは、暑さを感じる日も増えて来ました。 色とりどりの景色に、ついつい手が伸びては、 やがて、あの子が見せてくれた景色は、 大…

  • 年を重ねる面白さ

    あなたへ 人生は、実はとても上手く出来ているのだと、 こんな視点から、私が歩んだ道のりを振り返ったことは、 これまでに何度あったでしょうか。 私がひとりで子育てに困ることのないようにと、 偶然を装いながら、環境が整えられていたり、 幼かった頃に、漠然と考えていたことが今に繋がっていたり。 そして、 20年以上前に特殊な力を持った人と出会った意味が、 今に繋がっていたり。 これまでの自分が歩んで来た道のりを振り返り、 随分と過去の時間と、今との繋がりを見つけられるようになったのは、 いつの頃からだっただろう。 あなたの年齢と並び、やがて、 ひとつ、ふたつと年齢を重ねれば重ねる程に、 点と点だった…

  • キャラメル

    あなたへ これ、子供の頃に好きだったな 何気なくお菓子売り場で手に取ったのは、キャラメルでした。 懐かしいパッケージに惹かれて、 思わず買い物カゴにひとつ入れたあの日からの私は、 キャラメルにどハマりしてしまいました。 なんというか、久し振りに食べてみれば、 キャラメルの甘さが、疲れた時なんかに丁度良いのです。 お菓子を購入した時には、 必ずあなたへお供えしてから頂く私ですが、 あれから数回目になるキャラメルのお供えに、 今頃のあなたは、苦笑いをしているのかも知れませんね。 またキャラメルを買ってきたの?って。 最近の私がハマっているのは、箱に入ったキャラメルですが、 あなたはきっと言うのでし…

  • 一度も使ったことのない言葉

    あなたへ テレビを見つめたまま、思わず釘付けになってしまったのは、 画面の向こう側から聞こえた言葉が妙に気になったからでした。 テレビから聞こえて来たのは、ご主人のことを、うちの、と呼ぶ声。 うちのが帰って来たら、聞いてみますね 例えばこんな感じで、ご主人を、うちのと呼んでいたのでした。 私が一度も使ったことのなかった言葉を反芻してみれば、 ふと蘇ったのは、あなたの声でした。 うちのがまだ仕事から帰って来てないのでって、説明してくれれば大丈夫だから これは、私たちが家族になってから、まだ間もない頃のあなたの言葉。 あの時の私は、うちのという言葉にこっそりと反応し、 あなたと私は家族になったのだ…

  • あなたが望んだ今度の約束

    あなたへ 日常生活の中、ふと、あなたと過ごしたあの頃の瞬間が甦った場面は、 これまでに幾つくらいあっただろう。 なんの前触れもなく、様々な場面が突然に蘇るけれど、 その中でも、最も多いようにも感じてしまうのは、 あなたと喧嘩をしたことです。 なんて言ったら、あなたは、どんな顔で笑うのだろう。 あなたと喧嘩をした数々の場面を、ふと思い出す私ですが、 何故でしょうか。 あんなにたくさん喧嘩をしたはずなのに、 その原因についての殆どを、覚えてはいないのです。 きっとね、あの頃の私たちって、 それほどに、とても些細なことで喧嘩をしていたのだろうなって思うのです。 こうして振り返ってみれば、なんだか笑っ…

  • 今日も良い日にしよう

    あなたへ 今日も良い日にしよう これは、毎日特別な1日を過ごしているのだと気付いた、 あれからの私の中に芽生えた気持ちでした。 手帳をめくりながら、 嫌なことがあった日も、落ち込んでしまうことがあった日も、 全部が特別な1日なのだと、 こんな気持ちで、それまでの自分が歩んだ日々を振り返ったあの頃の私は、 実は、少しだけ晴れない気持ちを抱えたままで歩んでいた私でしたが、 未来の私が今を振り返れば、 あの頃もまた特別だったのだと、きっとそう感じることが出来るのだと、 こんな視点から、その時の今を見つめたのでした。 そうして、 毎日が全部、特別な1日であるのなら、 例え晴れない気持ちを抱えていても、…

  • 仲睦まじい歳の差

    あなたへ 俺の彼女は、6つ歳下なんだよね 6つの歳の差って良いらしいよ 仲睦まじい、だからね 何の前触れもなく、私の中に突然に蘇ったのは、 いつかの先輩の言葉でした。 あれはまだ、あなたと出会う前の頃のこと。 当時の私の勤め先の先輩との恋話の中、 歳の差についての話になったのでした。 あの頃の彼の言葉は、きっと本当だったのでしょう。 あれから彼は、6つ歳下の彼女と結婚し、 やがて、お父さんになりました。 不意に蘇った先輩の言葉を反芻してみれば、 ふと気が付いたのは、今の私たちの年齢差でした。 ねぇ、あなた。 今の私たちって、6つの歳の差。 そちら側とこちら側。 今年の私たちは、どうやら仲睦まじ…

  • ゴールデンウィーク -2024-

    あなたへ ごめん 隣の駅まで迎えに来て こんな笑ってしまう出来事からスタートした、 今年のゴールデンウィークのあの子の帰省も、 今日で最終日を迎えてしまいました。 楽しい時間というのは、いつでも本当に、あっという間です。 先程、あの子を駅まで送り届けて来ました。 このゴールデンウィークも、相変わらずに忙しなかったあの子ですが、 かつての日常生活を楽しみながら、あの子とのたくさんの思い出も出来ました。 そうそう。 旅行も、とても楽しかったようですよ。 天気にも恵まれて、あの子にとって、素敵な思い出がたくさん出来たようです。 こんなに綺麗な場所があったんだよ これ、凄く美味しかったよ 旅の思い出話…

  • 不思議なご縁

    あなたへ 名前も、住んでいる場所も知らないし、 言葉すら交わしたこともないけれど、一方的に知っている人。 或いは、互いにその存在を認識し合いながらも、 互いについてのことは、何ひとつ知らない人。 例えばこんな感じの密かに知っている人は、 もしかしたら、あなたにも1人くらいはいたのかも知れません。 あっ、あの人、知ってる きっとあれからも、元気にしていたんだね あれ?またあの人だ 今日も元気そうだな 外出途中の信号待ち。 何気なく通り行く歩行者を眺める私の目に、 最近よく止まるような気がするのは、密かに知っている人でした。 偶然見かけた密かに知っている人を見つめながら、 とても懐かしい気持ちを感…

  • 私にとっての価値のあるもの

    あなたへ は? 冗談だよね? ・・・はーー? 思わず叫び声にも近い声を上げてしまったのは、 車へと乗り込んで、エンジンを掛けたばかりの私です。 ねぇ、あなた。 洗濯機が壊れたばかりだというのに、 今度はね、カーナビが壊れてしまったようなのです。 何の前触れもなく、突然に電源が入らなくなりました。 配線や電源ボタン。 分かる限りの全てを確認してみましたが、 壊れてしまったと、認めるしかないようです。 このカーナビもまた、あなたとあの子と私。 家族3人で買いに出掛けたカーナビでした。 その役目は、もう十分に果たしてくれたと言っても良いのでしょう。 新しい道が出来たり、新しいお店が出来たり。 あなた…

  • 突然にやって来たその時

    あなたへ えぇ? 嘘でしょ? なんでなの? これは、今朝の私の独り言です。 寝起きであるにも関わらず、取り扱い説明書を開き、 分かる範囲での点検をしてみましたが、 恐らくは、寿命なのではないかと察したのは、 これを購入した時期から、随分と長い期間が経っていたからでした。 ねぇ、あなた。 洗濯機が壊れました。 家電が壊れる時というのは、時に何の前触れもなくやって来ますが、 昨日まで元気に動いてくれていたことが嘘であるかのように、 我が家の洗濯機にも、突然にその時がやって来てしまったようです。 この洗濯機を、あなたと家族3人で買いに出掛けたのは、 いつのことだったでしょうか。 次の夏で、あなたをそ…

  • 私たちらしい時間

    あなたへ あの子はどこかしら 疎に駅から出て来る人たちを車内から眺めながら、 あの子のただいまの声を、 今か今かと待ち侘びていたのは、昨夜の私です。 昨夜0時過ぎに、こちらに到着予定だったあの子を、 いつもの駅まで迎えに行きましたが、 いつまで経っても、あの子の姿が見当たらず、 僅かに心配をした私に届いたのは、あの子からのメッセージでした。 ごめん 隣の駅まで迎えに来てって。 急いで隣の駅へと迎えに行けば、 すぐに見つかったのは、あの子の笑顔。 ただいま 電車の中で寝ちゃっててさ、 降りるはずだった駅で、丁度目が覚めたんだけれど、 降りようと思ったら、ドアが閉まっちゃったんだよね 今回のあの子…

  • ひとつ年を重ねた私たち

    あなたへ 今年のゴールデンウィークは、 30日の夜にそっちに帰ることにしたよ 仕事が終わったら、そのまま向かうね こんなあの子からの声が聞こえたのは、先日のことでした。 30日の夜に帰るけれど、次の日の夜から旅行に行ってくるね あまり一緒にはいられないけれど、お土産買ってくるからさ 楽しみにしててよ あの日のあの子は、 相変わらずに多忙な予定を話して聞かせてくれたのでした。 あの日の私たちの話は、 ゴールデンウィークの予定の話からやがて、 互いに別な場所で年を重ねて、 この年齢になってから初めて会うんだねって、こんな話へと流れて行きました。 我が子が巣立ち、離れて暮らすということは、そういうこ…

  • あなたが起こす不思議な出来事

    あなたへ あなたを見送ってからの私たちの目の前で起きた、 不思議な出来事の数々を思い出していました。 例えば、あの時とか、あの時。 そう、それから、あの時も。 それらはいつでも、 偶然に偶然を重ねたような出来過ぎた出来事。 目の前に繰り広げられるドラマチックな展開を見つめながら、 そして時に、ロマンチックな展開を見つめながら、 何度驚いてきたことでしょうか。 こんなことってあるの?って。 出来過ぎた展開に驚きながらも、 そこにあなたの力を信じることが出来たのは、 微かにあなたらしさのようなものを感じることが出来たからでした。 ねぇ、あなた。 私ね、気付いちゃった。 例えば、困った出来事が起こっ…

  • 突然に溢れ出す気持ち

    あなたへ あなたと出会えて、本当に良かった。 突然に、こんな気持ちが胸の中いっぱいに溢れ出したことは、 もう、これで何度目だろう。 あの夏に、あなたと出会うことが出来たから、 この胸の中には、 あの子が見せてくれた素敵な景色たちを集めることが出来ました。 あの夏に、あなたと出会うことが出来たから、 私は、自分の歩みたい道を見つけることが出来ました。 此処まで歩んだ日々の中には、 とても素敵な景色たちがたくさん詰まっていて、 不意に後ろを振り返ってみれば、 いつでもそれらはキラキラと輝いて、 私に、どんなに素敵な道を歩んで来たのかを教えてくれるのです。 褪せることなく輝き続ける景色たちを見つめて…

  • 今度の約束 -2024-

    あなたへ 今度、連れて行きたい場所があるんだ 今度、こんなところへ行ってみようよ あの頃のあなたがくれた今度の約束には、 いつでも私を幸せにする魔法が掛かっていました。 今度は私が、あなたに魔法を掛けたくて、 こうして届けるようになった今度の約束ですが、 気付いてみれば、あなたへの今度の約束は、 あなたがいないこの世界で生きる私が、 前を向いて歩むための術にも繋がっているのだと、 先日の私は、ふと、こんなふうに気が付きました。 私には、あなたと一緒に見たかった景色がたくさんありました。 本当は、あなたと一緒に行きたかった場所や、 あなたと一緒に食べたかったもの、 そして、見たかったあなたの笑顔…

  • コトバ -春- 2024

    春の風を覚えていますか 春の色を覚えていますか 春の匂いを覚えていますか その髪を揺らす爽やかな空気を その瞳に映る鮮やかさを 鼻を擽る甘い香りを 覚えていますか 寒い冬を過ぎ やがて 暖かな春を迎えれば あの子との 外遊びの幅も広がって行きました 自転車に乗って 男同士の2人旅 これはいつかのあなたが思いついた遊び方 あの子と2人で見たこの世界の景色を あなたは覚えていますか 男同士の旅へ出発する2人の 楽しげな声も笑顔も 私は今でもよく覚えています あの旅の中で あなたがあの子に教えた言葉は 今でも あの子の胸の真ん中に置かれている言葉 遊びを通して あなたはあの子に 生きる上での大切なこ…

  • 私が暮らす場所

    あなたへ 凄く綺麗だね どこで撮ったの? これは、昨夜のあの子から届いたメッセージです。 昨日撮った写真を、早速あの子に送ったらね、驚いていましたよ。 こんな場所があったんだねって。 私が暮らすこの辺りは、 何もない場所なのだと、ずっとそう思っていました。 でも、本当はそうではないのかも知れないなって、 昨夜の私は、 あの子からのメッセージを眺めながら、考えていました。 何もない場所のように思えても、 実は、季節限定の景色が隠れていたり、 その時間帯でなければ見ることの出来ない景色が隠れていたり。 ほんの少しだけ視点を変えてみるだけで、 そこにしかない素敵なものは、そこら中に隠れていて。 何も…

  • 桜の木が並んだ土手の上 -2024-

    あなたへ 長い修理期間を経て、先日、漸く車が戻って来ました。 やはり、自分の車は良いものですね。 いつの間にか、自分にとって、 しっくりと来るようになっていた運転席に満足しながら、 今日の私は、久し振りにお出掛けをしました。 行き先は、桜の木が並んだ土手の上です。 先日の私は、あの辺りの桜たちが満開を迎えるのも、あと少しだと、 こんな手紙を書きましたが、 あれから間も無くに満開を迎えました。 既に散り始めを迎えていますが、まだまだ見頃。 ピンク色の景色も、風に乗ってヒラヒラと舞う花びらも、 とても綺麗でした。 自分のペースで、のんびりと歩きながら思い出していたのは、 あの子の笑顔ばかりがたくさ…

  • 社会人2年目

    あなたへ 今日で巣立つ実感が湧かないよねと、あの子と一緒に笑った時間。 私の腕の中を、綺麗な花でいっぱいに埋め尽くしたあの子の笑顔。 電車のドアが閉まる音と、車内から、笑顔で手を振り続けてくれたあの子の姿。 こうして思い出してみても、あの日にいたあの子は、ただただ愛おしいという感情を、この胸いっぱいに甦らせてくれました。 あれから数日後に、あの子は立派な社会人になりました。 あの子の入社式の日にはね、密かに思いました。あの子の晴れ姿を見ることは、もう出来ないんだなって。 入園式や入学式。そして、卒園式や卒業式。あの子の成長の節目には、必ずその晴れ姿を見守ってきましたが、あの子に流れる時間を、遠…

  • たくさんの桜の景色

    あなたへ ここ最近の私は、非常に忙しい日々を送っていました。 これは、自分のミスによるものです。 予定を入れ間違えたことに気が付いて、 修正しようとした時には、時すでに遅し。 私の予定は、あり得ないくらいに、詰まってしまったのです。 少しだけ迷いましたが、 自分のミスであれば仕方がないと腹を括って、 多忙過ぎる日々を乗り切る決断をしたのでした。 思った以上に過酷な日々ではありましたが、なんとか乗り切り、 今日の私は達成感に浸っています。 今日は、漸く少しだけゆっくりとした時間を過ごしながら、 ここ数日間の間に見つけた景色を思い出していました。 こちらでは、漸く桜が咲き始めましたが、 様々な場所…

  • 生まれ変わりの不思議な話

    あなたへ 先日の私は、とても不思議な話を耳にしました。 それは、そちら側には、時間という概念が存在しないから、 どの時代に生まれるのかを選ぶことが出来るのだという話でした。 例えば、私たちが生きる今を現在時間とした時に、 此処から100年後に生まれることも出来るのだとか。 ですから人によっては、 前世は今よりもずっと先の未来の時代を生きていた、 ということもあるのだそうです。 前世とは、私たちが生きる今よりも、 必ず過去の時代を過ごしていたものと思い込んでいましたが、 それはきっと、 この世界の時間の流れの中を生きる私の感覚に過ぎなかったのでしょう。 なんだかとても不思議な話ですが、 本当に生…

  • 真新しい朝を感じながら

    あなたへ 先日の私は、明け方よりも少し前の時間から外出をしました。 目的地へと向かう途中、信号待ちで空を見上げれば、 直ぐ側に朝が来ていることに気が付いて。 朝だよ! おはよう! 真新しい朝を感じてみれば、自然と言葉が出てきて、 自分の声を反芻しながら、ふと、懐かしさを感じると共に、 遠い昔の記憶が鮮明に蘇ったのでした。 一度遊びに出掛ければ、朝が来るまで遊び尽くす。 これは、あなたと出会う前の私にとっての当たり前の日常でした。 ドライブや、他愛もないお喋り。 特別なことなど何もしていなくとも、 ただただ笑っているだけで、瞬く間に時間は過ぎて行きました。 やがて白み始めた空を見つけたら、 朝だ…

  • 年を重ねる -2024-

    あなたへ 家族。そして、あなたやあの子。 思えば、この世界に誕生してからの私は、 常に誰かが側にいる環境の中で、誕生日を迎えて来ましたが、 今年は生まれて初めて、ひとりで誕生日を迎えました。 あの子が巣立つということは、 誕生日もひとりで迎えるということなのだと、 初めてこんな視点を持ちましたが、 今日の私の中に、不思議と寂しい気持ちは見つからず、 自然と蘇っていたのは、 丁度1年前、あの子と過ごした誕生日の夜のことでした。 きっと私は、こうしてひとりで誕生日を迎える度に、 生涯忘れることの出来ないあの夜のことを思い出しては、 またひとつ無事に年を重ねることが出来た喜びと同時に、 あれからのあ…

  • あなたの姿が最後にしてくれたこと

    あなたへ 不意に届く香りというは、 心の奥底に仕舞っていたはずの記憶を、 半ば強引に引き出す力を持っているものなのかも知れませんね。 あの日の私に不意に届いたのは、焼香の香りでした。 思いもしなかった場所で見つけた香りに、 思わず立ち止まった私の中へと鮮明に蘇ったのは、 あなたのその姿を最後に見たあの日のことでした。 セレモニー会場へ到着し、着付けをしてもらったことや、 着付けの先生が、とても穏やかで優しい方だったこと。 お世話になるお坊さんへの挨拶。 私の顔を見るなり、 まだ若いのにって、 出来ることなら、おばちゃんが変わってあげたいって、 私よりも先に、叔母が泣き出したこと。 告別式の段取…

  • 必要のない教えは全部捨てなさい

    あなたへ 必要のない教えは、遠慮せずに全部捨てなさい これは、巣立ち前のあの子に話したことのひとつでした。 私たちは、たくさんのことをあの子に教えて来ましたね。 それら全ては、 あの子が幸せな人生を歩むことが出来るようにと願いながら、 教えたことでもありました。 あなたは、あの子と共に過ごした12年間の間に、 幾つくらい、あの子に教えたことがあったでしょうか。 私は、あの子と共に過ごした21年間の間に、 幾つくらい、あの子に教えたことがあっただろう。 それらは全て、 あの子が歩む人生を、明るく照らしてくれますようにと願いながら、 教えてきたものでもありましたが、 きっと、私たちがあの子に教えた…

  • あなたのごめんねの声

    あなたへ 瞑想なるものに私が初めて出会ったのは、 いつの頃のことだったでしょうか。 あの、不思議な感覚を忘れることが出来ないままに、 あれからの私は、眠る前になると時々、 誘導瞑想に挑戦をしてきましたが、 何度挑戦してみても、途中で眠ってしまっていて、 あれからの私は、 瞑想の中で何も見ることは出来ずにいました。 そんな私が再び瞑想に成功出来たのは、先日のことでした。 どんな世界が見えるだろうかとワクワクとした気持ちで目を閉じて、 ガイダンスに従えば、 そこに現れたのはあなたでした。 あの瞑想の中、あなたは私を抱き締めて言ったの。 ごめんねって。 そうして、その言葉の中に込められたあなたの想い…

  • 時代の流れを見つめながら

    あなたへ このお菓子、販売終了になっちゃうんだね なんだか、寂しいな あなたを見送ってからの私は、何度くらいこうして、 インターネットで見つけた定番のお菓子の販売終了のお知らせに、 寂しい気持ちを感じて来ただろう。 中には、頻繁にあなたへお供えしていたお菓子も含まれていて、 購入出来なくなってしまう前にと、 慌てて買い物へと出掛けたこともありました。 あなたと共に過ごしていた頃の当たり前の景色は、 少しずつ、少しずつ、形を変えて行きましたが、 お菓子売り場に見える景色もまた、 あの頃のあなたが知らない景色への移り変わりがあります。 これも、時代の流れというものなのかも知れませんね。 この先もき…

  • 我が家の記念写真

    あなたへ 昨夜の私が眠る前に眺めていたのは、 先月のあなたのお誕生会の日に、あなたと2人で撮った記念写真です。 ねぇ、あなたは気付いていましたか。 クリスマスパーティやお誕生会。 あの子の入学式や卒業式。 あの子の成人式の日。 それから、 あの子の巣立ちの日。 あなたの生は此処になくとも、我が家の特別な日の記念写真には、 あなたの姿も、私たちと一緒に写っているのです。 初めてあなたの遺影と共に写真を撮ったのは、忘れもしません。 あなたと3人で過ごしたあの家からの引っ越しを、 間近に控えた頃のことでした。 玄関前で写真を撮ることにしたあの日。 あの子がね、 お父さんと3人で写真を撮ろう なんて言…

  • 大切な人に最後に求めるもの

    あなたへ あなたが最後に親御さんと手を繋いだのはいつですか? あなたが次に親御さんの手を握るのはいつだと思いますか? それはね、親御さんが亡くなった時なんですよ これは、先日の私が偶然耳にした言葉です。 この言葉を聞きながら、私は、 あなたが我が家に作ってくれた挨拶が、 どれだけ価値のあるものなのかを改めて考えていました。 抱っこをすることが当たり前だったはずのあの子はやがて、 私たちの腕の中から卒業し、 手を繋いで歩くことが当たり前だっなはずだったあの子はやがて、 私たちと手を繋いで歩くことも卒業していきました。 それでも我が家には、 あなたが作ってくれた挨拶が存在し続けて、 当たり前に互い…

  • この1週間の私

    あなたへ 今日の私は、なんだかとても疲れています。 前回のあなたへの手紙を書いてからの私は、 大きな課題に向き合いながら、日々を過ごしていました。 私にとっての大きな出来事が起こったのは、2月29日のことでした。あの日の私は、閏年に関する思い出を振り返っていましたが、実は、自分にとっての大きな課題がやって来た日でもありました。 例えば、納得のいかないままに継続してきた物事へ対しての終わりを決断すれば、代わりとなる新しい物事を探さなければならなくなる時もあるでしょう。 それは時に、解決する糸口さえ探すのが困難な状況へと陥ることもありますが、あの日の私は、終わりを決断する代わりに、 新しい視点を得…

  • 閏年 -2024-

    あなたへ 今日は、2月29日。 今年は、閏年です。 今日の私は、閏年に関する思い出を振り返っていました。 4年前の閏年の私は、あの子の予定狂わせの呪文にかかり、 あの子の専属運転手となって、慌ただしく1日を過ごしていました。 あの日は、本当は、やりたいことがあったけれど、 あの子に翻弄されながらも、 とても良い1日を過ごすことが出来た日でした。 あの頃の私は、 あの子の予定狂わせの呪文にかかっては、度々翻弄されながらも、 漠然とした、あの子が巣立ついつかの未来を思い描いては、 目の前にあるあの子との時間を大切に歩んでいた頃の私。 時々には、ほんの少しだけ面倒に思えることも、 全部が今しか集める…

  • 速達便

    あなたへ 空を見上げて、小さく呟いた私の言葉たちは、きっと風に乗って、あなたのところまで、運ばれて行くんだろうな 私がこんなふうに考えるようになったのは、いつの頃からだっただろう。 春の柔らかな風に、夏の爽やかな風に、秋の涼やかな風に、冬の冷たい風に、いつの頃からか、私は、そこに感じる風にあなたへの想いを乗せては、空を見上げるようになっていきました。 もしも、小さく呟いた私の声が、風に乗ってあなたのところまで運ばれていくのなら、強風の日は、速達便かも知れないな なんてふと、そんなことを考えて、思わず笑ってしまったのは、いつのことだっただろう。 あれは、いつかの強風の日。あの日は、強い風が吹いた…

  • 満月の夜に

    あなたへ ねぇ、あなた今夜はスノームーンと呼ばれる満月なんですって一緒にお月見しない? あなたにこんな声を掛けたのは、一昨日、あなたへの手紙を送ってからのことでした。 あなたへの手紙を送信した私の目に飛び込んで来たのは、スノームーンという見慣れない言葉。 あなたを見送り、満月にも様々な呼び名があることを知りましたが、スノームーンという名があることを知ったのは、あの日が初めてのことでした。2月の満月を、スノームーンと呼ぶのだそうです。 あの日はよく晴れた日。今夜はきっと月が綺麗に見えるだろうなって、思い立った私は、何気なくあなたにも声を掛けたのでした。一緒にお月見しない?って。 ベランダに出てみ…

  • 22歳

    あなたへ この世界に誕生したあの子が、初めて私たちにくれた小さな温もりを、あなたは覚えていますか。 あの子は、この世界に誕生した日から、毎日、少しずつ成長しながら、毎日、毎日、今しか感じることのできない可愛さを、私たちに見せ続けてくれましたね。 今日の私は、小さなあの子を初めて抱いた日からこれまでを、順番に思い出していました。 笑うことを覚えたあの子を、あなたを初めてパパと呼んだ日のことを、あなたの後ろをついて回った小さなあの子を、なんでもあなたの真似をしたがったあの子を、覚えていますか。 幼稚園バスに憧れたあの子。 入園式で元気な返事を聞かせてくれたあの子。 お友達と楽しそうに遊ぶあの子。 …

  • 私が持つ特別な力の使い方

    あなたへ あぁ、そっか。 私には、特別な力が備わっていたんだな。 蘇った記憶を辿りながら、 自分が持つ力についてを認めたあれからの私が探したのは、 いつかの私が探したあなたチャンネル。 例えば、自分には出来ないと思い込んでいた事柄が、 実は出来るのだと自分で自分を認めることが出来た時、 その人が持つ力というのは、 大きく発揮されたりもするものなのだと思います。 それなら、目には見ることは出来なくとも、 見えない何かを感じ取る力があると認めた今の私なら、 これまでとは少し違った形で、 あなたと関わることが出来るのかも知れないと、こんなふうに考えたのです。 もしも、周波数を合わせるように、 あなた…

  • 特別な1日

    あなたへ 何気なく手帳をめくりながら、 これまでの自分が歩んだ日々を振り返っていました。 とても素敵なことがあった日 ただ穏やかに過ごせた日 新しいことを思いついてワクワクした日 1日が楽しくて仕方がなかった日 落ち込んで立ち止まった日 答えが見つからずに悩んだ日 一気に視界が開けた日 自分に自信が持てた日 しっかりとした足取りで歩むことが出来た日 私はこれまで、実に様々な日々を過ごしてきました。 もし出来れば、 穏やかで、楽しい毎日ばかりであったらと願ってもしまうけれど、 そうもいかないのが人生でもあるのでしょう。 この日の私は、こんなふうに悩んでいたんだな。 でも、その翌日には、こんな視点…

  • 涙の色

    あなたへ ここ最近のこちらでは、温かい日が続いていましたが、 今日のこちらでは、とても寒く、冷たい雨が降りました。 降り続く雨を見つめながら私が思い出していたのは、 あなたを見送ってから知った様々な涙の色でした。 枯れることのない悲しみの涙の色。 ただ、穏やかな気持ちのする涙の色。 何故、零れ落ちるのか、 明確な理由が分からないままに流した涙の色。 あなたを想い流す涙は、これで最後にしたいと、 卒業を決めることが出来た涙の色。 子育ての終盤に、私が初めて知ったのは、 喜びと寂しさが入り混じった涙の色。 そして、 あの子の巣立ちを迎えて知ったのは、 記憶の中の一瞬一瞬にいるあの子が、 ただただ愛…

  • 紙の世界とインターネットの世界

    あなたへ すいきんくつ【水琴窟】〈名〉 地中に埋めたかめに水を張り、その水面に水滴を落として、 その時に立てる微妙な音を楽しむ装置。 ふみばこ【文箱】〈名〉 はがき、びんせん、封筒などの手紙用品を入れる箱。ふばこ。 今日の私が、何気なくパラパラと巡っていたのは、 あの子のものだった国語辞典です。 これ使う? 俺、いらないんだけど こんな言葉と共に、私の元へとこの辞典を持ってきたのは、 いつかのあの子が年末の大掃除をした日のことでした。 高校へ入学するにあたり学用品の一部として買った辞典でしたが、 きっと全く使わなかったのでしょう。 新品同様だったこれを捨てるのもなんだか忍びなくて、 あの日の私…

  • 声の歴史

    あなたへ もしもあの夏の運命が違っていたのなら、 あの夏から10の年齢を重ねていたあなたが、此処にいるはずでした。 此処にいるあなたは、どんなあなただったのだろうかと、 逢えなかったあなたについてを様々に思い描く私ですが、 ふと、気付いたことがあります。 幼かった頃と大人になってからの声が違うように、 歩んだ年の数だけ、きっと声も変わるんだろうなって。 もしも、あの夏の運命が違っていたのなら、 私が知っているあなたの声とはまた少しだけ違った声が、 此処には聞こえていたのかも知れません。 私たちが出会ったあの日から10年後のあなたの声が、 どう変わったかだなんて、考えたこともなかったけれど、 長…

  • 日常に溶け込む挨拶

    あなたへ あなた おはよう 今日もいつも通りに、 あなたへの朝の挨拶から私の1日は始まりました。 おはよう 行ってきます ただいま おやすみ いつから慣れてしまったのか、 その声が聞こえないままに、あなたへのいつもの挨拶をすることが、 私の中での日常へと変わって行きました。 これは、あの子が巣立ってからも、 変わらずに此処にある私の日常生活の一部です。 おはよう 行ってきます いってらっしゃい ただいま おかえり おやすみ かつては日常であったはずのあの子との挨拶も、 今は期間限定での挨拶へと変わり行きましたが、 いつかは、この中の幾つかの挨拶は、 交わすこともなくなってしまうのかも知れません…

  • 幻だったかのように感じてしまう瞬間

    あなたへ 私に笑い掛けるあなたの姿。 私を呼ぶあなたの声。 その大きな手に包まれるように繋いだ手の温もり。 小さなあの子を愛おしそうに見つめるあなたの姿。 幼かったあの子と楽しそうに遊ぶあなたの姿。 あの頃の瞬間、瞬間にいた、 あなたひとつひとつを、鮮明に思い出していました。 確かにこの人生には、あなたとの出会いの日があって、 この人だ、やっと逢えたと感じた瞬間がありました。 私たちは確かに、 この世界で一緒に過ごしていた時間がありました。 それなのに、あの夏が遠くなればなるほどに、 時に、あの時間全てが幻だったかのようにも感じてしまうから、 私は、そうしたくなった時には、 あの頃にいたあなた…

  • 立ち止まる勇気

    あなたへ 少しだけ、息抜きをしてみようかなって、 ふとこんな気持ちにさせてくれたのは、不意に届いた春の匂いでした。 ここ暫くの間、日々を忙しなく過ごしていた私は、 いつの間にか、ゆっくりと変わり行く季節を感じる余裕が、 なくなっていたのかも知れません。 日中には随分と温かさを感じられるようになったのだと、 漸く気付くことが出来たのは、昨日のことでした。 温かで柔らかな風を感じると共に、春の匂いを見つけた私は、 ここ最近の私が、 どれだけのものを見過ごしていたのかを漸く気付くことが出来たのです。 出来るだけ大きな一歩を歩もうと、 脇目も振らずに目の前にある課題と向き合い続けてきた私ですが、 今日…

  • バレンタイン -2024-

    あなたへ 今日はバレンタインデーです。 今年も、私からの変わらぬ愛を受け取ってくれたでしょうか。 先日のあなたの誕生日の日に浮かんだ、 あの、お菓子の件を忘れることが出来ないままに、 今年のバレンタインは、あの頃のあなたが好きだった、 別なチョコレートのお菓子を選ぶことに決めました。 それから、バームクーヘンと、マカロン。 例年になく、なんだか今年のバレンタインデーのあなたの場所は、 とても賑やかになりましたが、 あなたは喜んでくれているでしょうか。 ねぇ、あなたは知っていましたか。 花には花言葉があるように、 お菓子にもお菓子言葉があるんですって。 私は、最近初めてそのことを知りました。 お…

  • 2年の時を経て

    あなたへ 私は、やっとここまで来れたのだと、強い達成感を感じながら、改めて、まじまじと鏡を見つめたのは先日のことでした。 この冬の私は、例のアレをフル活用しながら、寒い冬を元気に過ごしています。例のアレとは、かつてあの子から、デブパンツと笑われたアレのことです。 思えば長い道のりでした。 新たな冒険へ出るための準備として揃えたアイテムのひとつであったはずなのに、あの子にデブパンツなどと失礼な名を付けられて、涙を飲んで封印したのは2年前の冬のことでした。 あれからの私は、きっとあなたから紹介されたのであろうストレッチに励みながら、あのデブパンツを履きこなせる私になれるように努力を重ねました。 努…

  • 22年前の記憶

    あなたへ 何気なくテレビを見た私の目に飛び込んで来たのは、 生まれたての小さな赤ちゃんを抱いているシーンでした。 あの子にもこんな頃があったなって、記憶を辿れば、 鮮明に蘇ったのは、あの子が生まれた日のことでした。 初めて抱いた小さな小さなあの子の温もりと匂い。 この世界の明るさに、眩しそうに顔をしかめるあの子の姿。 小さな手足。 生まれたての小さなあの子は、 ただただ全部が可愛かったですね。 そうそう。 あの日のあなたったら、 生まれたてのあの子の小さな足の裏を擽ったのよね。 小さな足の裏を優しく擽ったあなたは、 擽ったそうに足を動かすあの子の姿を、愛おしそうに見つめていましたっけ。 あの日…

  • ありがとうの日 -2024-

    あなたへ この世界に生まれてきてくれて、ありがとう。 私と出会ってくれて、ありがとう。 あの子と出会わせてくれて、ありがとう。 いつも、そっと静かに寄り添ってくれていることも、 私たちを守ってくれていることも、全部ありがとう。 こうしてあなたのお誕生日に、 ありがとうの日としてパーティを開くのも、今年で10回目を迎えました。 もしも、あの夏の運命が違っていたのなら、 あなたは、この世界で10歳の年を重ねているはずでした。 こうしてあなたのお誕生日を迎える度に、 その分だけの年を重ねたあなたは、どんなあなただったのだろうかと、 見ることの出来なかったあなたの笑顔を思い描く私は、 今年もまたそんな…

  • 招待状

    招待状 明日、あなたのお誕生会を開きます。 あなたの好きなお食事を用意して待っています。 是非、来てくださいね。 日時:2024年2月5日(月)19時より 場所:家族の部屋にて 軽装でお越しください。 今年からは2人きりのお誕生会ですね。 あなたと2人きりのお誕生会だなんて、何年振りでしょうか。 なんだかちょっとだけ、照れ臭いような気もしてしまいますが、 明日は、2人で素敵な時間を過ごしましょうね。 あなたの妻より

  • 私が体験した怖い話

    あなたへ ねぇ、あなた。 ここ最近の私は、見えない力や世界についてを考えていましたが、 間違えて、決して開けてはならなかった記憶の蓋までもを開けてしまったようです。 どうにかもう一度、記憶の蓋を閉じようと努力してみたものの、 忘れようと思えば思うほどに、記憶が鮮明に蘇ってしまうので、 今日はあなたにも、あの話をしてみたいと思います。 これは、私が体験した怖い話です。 そう。あれはまだ、あなたと出会う前のことでした。 当時の職場で出会ったのは、とある男性。 年齢が近く、互いの共通点もあったことから、 打ち解けるまでにはそう時間が掛からなかった私たちは、 やがて、仕事終りには時々、 一緒に遊びに出…

  • 見えないものを感じ取る力

    あなたへ 先日の私は、 これまでの私の身に起こった様々な不思議な出来事を思い出しながら、 私は随分と変わったなと、こんな気持ちで自分の歩みを振り返りましたが、 そんな中で、ふと思い出していたのはあの子の言葉でした。 この部屋はね、変な匂いがしたんだ 俺、此処には住めないなって思ったよ これは、巣立ち前のあの子が、 部屋の内見から帰って来た日の言葉です。 あの日のあの子は、一番初めに見た部屋を気に入り、 結局はそこに決めたのだと、こんな話と共に、 見せてもらった他の部屋についても話を聞かせてくれたのでした。 あの日のあの子の言葉には、共通点がありました。 あの子が決めた部屋以外、どの物件について…

  • 猫になったあなた

    あなたへ あなたの夢を見ました。 あなたが猫になって、この世界へと戻って来てくれた夢でした。 思えば、あんなに可愛い姿で逢いに来てくれるのは、 これが初めてのことでしたね。 ふわふわで、とても綺麗な薄い茶色の猫。 あなたは猫の姿だけれど、お喋りも出来るのよ。 夢の中の私は、猫になったあなたと一緒に過ごしながら、 あぁ、そっか。 こんなふうにこの世界であなたと一緒にいる方法もあるんだなって、 これから始まる私たちの未来についてを様々に思い描いたのでした。 これから毎日、 あなたと一緒に暮らすことが出来るんだなって、 これから毎日、 あなたの声を聞くことも出来れば、 ふわふわで温かなあなたに触れる…

  • 目に見えない力

    あなたへ 私はいつから、何の疑いもなしに、 ただ、あなたの力を感じ、信じられるようになったのだろう。 私はいつから、 自分の中へと流れ込んでくるあなたからの想いであろう言葉を、 素直に受け取れるようになったのだろう。 あなたと共に、この世界で過ごしていた頃の私。 あなたを見送ったばかりの頃の私。 あなたを見送ってから1年、3年、5年を迎えた頃の私。 これまでの私の歩みを振り返れば、 随分と私に見えるものや、感じることが変わり行きました。 目に見えるものだけが全て正しいのだとしてきた私だったはずなのに、 こんなにも変わるだなんてね。 あなたを見送ってからの私の目の前で起こった不思議な出来事に対し…

  • 今、此処に感じる気持ち

    あなたへ あぁ、そっか。 子育て、終わっちゃったんだな。 あの子が巣立ち、少しずつ、少しずつ、 ひとりの生活にも慣れてきた私ですが、 不意に自分の中に見つけたこんな気持ちと向き合うのは、 これで何度目だろう。 誰かの足音に、 ふと、あの子のただいまの声を思い出しては、 ひとりでコーヒーを飲みながら、 ふと、いつも私の向かい側に座っていたあの子の姿を思い出しては、 当たり前だった日常は既に終わりを迎えて、 私は今、ひとりなのだと、何度でも実感して。 ねぇ、あなた。 子育ての真っ只中にいたあの頃の私たちには、想像もつきませんでしたね。 私たちの元から、あの子が巣立つ日が本当にやって来るだなんてさ。…

  • 夜のひとりピクニック(風)

    あなたへ 冬には忘れてしまうかも知れないからと、 冬が来る前に夜のピクニック(風)へと出掛けたのは、 冷たい風を感じ始めた頃の私でしたが、 冬を迎えても、しっかりと夜のピクニックを覚えていたのは、 あの時間が私にとって、とても楽しかったからなのかも知れません。 暗くなった空を見上げて、幾つかの星を見つけた私は、 今夜は夜のピクニック(風)へ出掛けようと思い立ちました。 場所は、あの日の場所です。 あの日と同じように、車内でのひとりピクニック(風)を楽しんだ後で、 外に出て、空を見上げてみれば、たくさんの星を見つけることが出来ました。 あの頃のあなたが言っていた通り、 冬の方が、星が綺麗に見える…

  • あの子の心の中の引き出しに仕舞いたかった言葉

    あなたへ もしもね、ずっと先の未来で、お母さんが孤独死していたとしても、 あなたは何も気にしなくて良いからね お母さんは、あなたと出会えたことが、 あなたと一緒に過ごせたことが、とても幸せだったから 例え、ひとりでその時を迎えたとしても、 幸せだったなって思いながら目を閉じるはずだから だからあなたは、お母さんがどんな最期であったとしても、 何も気にしなくていい 前を向いて歩み続けなさい これは、巣立ちを間近に控えた頃のあの子に話したことでした。 あの頃の私は、寂しさを感じながら、ずっと先の未来を思い描いていました。 きっと、巣立ち直後のあの子とは、頻繁に連絡を取り合うのだろうけれど、 巣立ち…

  • タブのついた飲み物

    あなたへ テレビ画面の向こう側。 缶コーヒーのタブを開けるというワンシーンを見つめた私の中に蘇ったのは、 記憶の中の幾つものあなたの姿でした。 タブのついた飲み物を開ける時には、いつも気にした指先。 ネイルに傷がつかないようにと、 慎重にタブを開けようとする私の代わりに、 あなたはいつも、タブを開けてくれましたっけ。 いつからあんなふうに、 あなたがタブを開けてくれるようになったのだろうって、 改めて思い返してみれば、 あなたは、初めからずっと開けてくれていたことに気が付いて。 出会ったばかりだった頃のあなたは、 開けてあげるよって、こんなふうに声を掛けてくれていたけれど、 いつの頃からか、私…

  • コトバ 冬 -2024-

    冬の色を覚えていますか 冬の音を覚えていますか 冬の匂いを覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 冬の澄んだ空気の匂いを 覚えていますか 家族3人で過ごした幾番目かの冬 寒さに頬を赤く染めて 走り回るあの子の姿を 高く可愛らしい声で 私たちを呼ぶあの子の姿を 覚えていますか 腕の中へと 力強く飛び込んで来るあの子を 抱き止めながら パパの負けだよって 大袈裟に尻もちをついて笑うあなたと 勝ち誇った顔であなたを見つめるあの子 楽しそうな2人の姿を 私は今でもよく覚えています いつまでこんなふうに 腕の中に飛び込んで来てくれるだろうかと 笑った日がありましたね 上手く思い描くことが…

  • 冬からの贈り物

    あなたへ ここ最近は、 私の理想とする時間に起きるという自分との勝負に負け続きだった私ですが、 漸く自分に勝つことが出来たのは、今朝のことでした。 このまま、春まで冬眠してしまいたいというあの現象にも、 自分の意思とは関係なしに、 瞬きの間に時空を超えてしまうというあの現象にも、 遂に打ち勝つことが出来たのです。 今朝の私は、 いつもよりも随分と早めに身支度を整えて、近所をぐるりと一周。 久し振りの早起きの朝は、 冬の朝の冷たい空気を存分に楽しんでみようと思い立ちました。 思っていたよりも、ずっと冷たい空気に、 思わず身を竦めながらも散歩を楽しんでみれば、 朝日に照らされてキラキラと輝く霜柱を…

  • 冬のタイムスリップ現象

    あなたへ え?嘘でしょ?私、今、寝てた? 時計を見て驚いたのは、今朝の私です。 確かに一度、目が覚めて、もう起きようと考えていた筈なのに、 次に時計を見てみると、1時間も時空を超えていたのです。 ノロノロと起き出して、 自分の意志とは関係なしに時空を超えていたことに後悔しながら、 すっかりと明るくなった空を見上げました。 緩く早起きを楽しむようになってから、随分と経ちますが、 やはり幾つの冬を迎えても、 冬の朝の寒さというのは、いつでも戦いです。 一度起きてしまえば、 冬の朝の冷たい空気も心地の良いものであることを知った筈なのに、 この冬の私には、度々、今朝のような現象が起こるのです。 いつも…

  • 10年前の元日

    あなたへ 10年前のお正月は、お父さんも一緒にいたんだね 10年前の元日を静かに振り返っていたのは、 年が明けてからの私たちでした。 ねぇ、あなたは覚えていますか。 10年前、2014年の始まりの日の私たちは、スノーボードへ出掛けましたね。 あの日も、綺麗な青空が広がった日でした。 あなたとあの子と私。 雪山で見上げた空の色を、今でもよく覚えています。 スノーボードを存分に楽しんで、山の麓でちょっと一休み。 自販機の上、 高い屋根から垂れた大きな氷柱を見上げたことを覚えていますか。 見たこともない長さの氷柱に圧倒されて、 あの子と私は、思わずその姿に見入ってしまったけれど、 氷柱の下に立ってい…

  • あの子の休息の場所

    あなたへ あぁ、そっか。 私は今、あの頃の私が思い描いた未来を生きているんだな。 ふと、こんなふうに気が付いたのは、 年明け前、あの子の帰省を楽しみに待っていた頃の私でした。 あの頃とは、そう。 忘れもしません。 夢の中のあなたが、 私に再婚を勧めてきたことがきっかけで思い描いた未来です。 あの頃、丁度、専門学生1年生だったあの子の笑顔を見つめながら、 漠然と、あの子が巣立った先のことを思い描いたのでした。 あの子が巣立ったら、どんな気持ちがするのだろう。 里帰りをしたあの子との時間は、どんな時間が流れるのかな。 あの子は、どんな大人になるのだろうって。 あの子が巣立ち、幾つかのあの子の帰省が…

  • 空の彼方への年賀状 -2024-

    あなたへ 元旦は晴れの日が多いと、こんなふうに気が付いたのは、 昨年のことでしたが、 2024年の始まりの日のこちらでも、綺麗な青空が広がりました。 今年一番に撮ったばかりの空を、あなたへ贈ります。 今年の空も、とても綺麗でしょう? 今年も、あなたにとって素敵な1年でありますように。 OFUSEで応援を送る

  • 2023年終わりの日

    あなたへ 今日で、2023年が終わりを迎えます。 今日の私は、この1年間の歩みをゆっくりと振り返っていました。 この2023年は、私にとって、 本当に様々な初めてを知った年だったように思います。 これまで知らなかった涙の温度を知り、 これまで知らなかった様々な景色を知り、 たくさんの人たちとの出会いもありました。 目紛しく変わり行く景色の中で、私もまた、目紛しく変わり行き、 気が付けば、この1年間での私は、これまでに経験もしたことがないような、 大きな成長を遂げることが出来たようにも感じています。 この2023年は、 あの子が巣立ちという大きな節目を迎えたと同時に、 私自身もまた、 ある種の大…

  • 非日常の始まり

    あなたへ 昨日、外出先から戻ると、玄関にあの子の靴を見つけました。 あの子が帰って来てる! 嬉々として部屋へと急げば、眠っているあの子を発見。 あなたの場所へは、あの子からのお土産のお菓子を見つけました。 やがて目を覚ましたあの子と一緒に、 コーヒーを飲みながら、お喋りを始めれば、 相変わらずの私たちらしい時間が、此処に流れ始めました。 仕事のことや日々のこと。 笑ってしまう出来事や最近気付いたこと。 止め処なく続くお喋りは相変わらずで、 気が付けば、辺りが暗くなっていて。 あの子が此処から巣立ってから、9ヶ月が経ちましたが、 互いに少しずつ、それぞれの日常に慣れたつもりでいても、 やはりかつ…

  • 非日常

    あなたへ あの子との時間は、非日常なんだな これは、あの子が巣立ち、 初めてのお盆を過ぎた頃の私の中に初めて見つけた気持ちでした。 例えば、家の中に見える景色や会社で見える景色。 自分にとってのいつもの生活の中へ溶け込んだ時間の中に見える景色が、 日常的な景色であるのなら、 旅行へ出た先で見ることの出来る景色は勿論のこと、 家の中にいながらも、いつもとは違った景色の中を過ごすこともまた、 非日常と呼べるのでしょう。 あの子が巣立った後の私の日常生活の中には、あの子はおらず、 そして、此処から巣立ち、 全く別な環境に身を置くようになったあの子の日常生活の中にもまた、 私はもう、いないのです。 そ…

  • あなたによく似た人

    あなたへ 先日、買い物へ出掛けた先で、 不意に私の目に飛び込んで来たのは、あなたによく似た人でした。 この世界にあなたがいるわけがないことを分かっていても、 心臓が勝手に飛び跳ねて。 早鐘のように鳴り響く心臓の音を聞きながら、 違う人だと必死に自分に言い聞かせてみても、 漸く離した視線は何度でも、元に戻されて。 あなたがいないこの世界で生きる覚悟など、とっくに決めたはずなのに、 こんな時は、堪らなくあなたに逢いたくなって、 もう一度だけ、この世界であなたに逢うことが出来たら、なんて考えてしまうよ。 もしも、もう一度だけ、 肉体を持ったあなたのその手に、その頬に、 触れることが出来たらってさ。 …

  • あの子のサンタクロース

    あなたへ どんなに遠くに離れていても、 あの子が幾つになっても、 私はあの子のサンタクロースであり続けたい。 だってあの子は、幾つになっても私たちの良い子だもの。 ふとこんなことを考えたのは、 少しずつ寒さを感じられるようになった頃のことでした。 クリスマスムードに包まれた賑やかな景色を見つめながら、 私の中へと鮮明に蘇ったのは、昨年の冬の日のこと。 あの日の私は、 こうしてあの子の枕元へプレゼントを置いてあげることが出来るのも、 最後なんだなって、 それまで集めたあの子の笑顔を、順番に思い出したのでした。 何も知らなかったあの子に、 サンタクロースを教えたのは私たちであったはずなのに、 あの…

  • クリスマスパーティ -2023-

    あなたへ 今年のクリスマスパーティもとても楽しかったですね。 きっと今年もパーティに参加してくれたあなた。 ありがとう。 今日は、あの子が巣立ってから初めてのクリスマスイブです。 今夜の私は、 あなたと出会ってから過ごしたクリスマスイヴの日を、 順番に思い出していました。 2人で過ごしたクリスマスイブからやがて、 あの子と3人で過ごすクリスマスイブへと変わり、 あの子の成長と共に、賑やかさも増していきましたね。 3人分の料理と3人分の食器が並んだ食卓 クラッカーの音 カメラのシャッターの音 そして、3人分の笑い声 一緒に見たクリスマスパーティの景色を、あなたは覚えていますか。 俺、ケーキが食べ…

  • 招待状 -2023-

    招待状 クリスマスパーティのご案内です。 是非、来てくださいね。 日時:2023年12月24日(日曜日)19時00分より 場所:家族の部屋にて 軽装でお越しください。 今年もあなたとの素敵な時間を過ごせることを、 とても楽しみにしています。 ここ最近のこちらでは、 急に厳しい寒さを感じられるようになりました。 いつもよりも部屋を暖かくして待っていますね。 あなたの妻より OFUSEで応援を送る

  • 寒さに身を竦めながら

    あなたへ さっ寒い!! 寒いよーー!!! あまりの寒さに身を竦めながら、思わず叫んでしまうのは、 ここ最近の朝の車内での私です。 ここ最近のこちらでは、 急に厳しい寒さを感じられるようになりました。 今朝もまた、車に乗り込み、寒さに身を竦めながら、 日課ともなりつつある言葉を叫んでみれば、ふと私の中へと蘇ったのは、 バイクに乗っている時は、ヘルメットの中という空間を楽しんでいるのだと、 いつかのあの子が聞かせてくれた話でした。 この時期のあの子はきっと、 私と同じ言葉を叫びながらバイクに乗っていたんだろうなって、 私が見たことのないあの子の姿を思い浮かべてみれば、 自然と笑みが溢れて、 ほんの…

  • 逃げ場のない痛みが私に教えたこと

    あなたへ どんなに前を向いて歩んでいても、不意に胸の奥がギュッと締め付けられて、 苦しくて堪らなくなる瞬間は、これまでに何度経験してきただろう。 あなたを見送るまで知らなかったこの痛みに、 一生向き合い続けるのだと不意に覚悟を決めた瞬間が訪れたのは、 いつのことだっただろう。 あなたに逢いたいとしながらも、 あなたのその温もりに触れたいとしながらも、 どんなに痛みを感じようとも、 この生を大切に生きる覚悟は私の中へと確かに根付いた筈なのに、 不意に胸の奥を強く掴まれる感覚を感じれば、 本当はまだ知りたくはなかった痛みなのだと、胸の奥が私に訴えて。 もう!あなたは私に何を教えてくれてるのよ!って…

  • 素敵な女性との出会い

    あなたへ 私の目の前に準備されたふたつの道の前で立ち止まり、 どちらの道へ進めば良いのかと思い悩んでいたのは、 秋を感じる頃のことでした。 あの時、ふたつの道の前で悩んだけれど、 私はきっと、この人に出会うためにこの道を選んだんだろうなって、 一歩を踏み出した先では、 そんな気がしてしまう女性との出会いがありました。 彼女は、私よりもずっとずっと年上の女性ですが、 人が人に魅力される時、 生まれた年代も、生きてきた時代も、全く関係ないのかも知れません。 彼女のその内側に秘められているのは、繊細で、とても深く穏やかな愛情。 それなのに、一見すれば非常に厳しく、荒い一面さえもを感じてしまうのは、 …

  • 子供の頃に体験した不思議な出来事

    あなたへ 先日の私の中に突然に蘇ったのは、 子供の頃に体験した不思議な出来事でした。 今日はあなたにも、 あの不思議な出来事を話してみたいと思います。 あれは私がまだ、小学生の頃のことでした。 あの日は、当時の私のお気に入りだったリボンのブローチがついたスカートを履いて、 お出掛けをした日でした。 家を出る時も、お出掛けをしている時も、 確かにスカートにはブローチが付いていた筈だったのに、 家に帰り、ふとスカートを見下ろすと、 そこにあったはずのブローチが無くなっていたのです。 あのお気に入りのスカートは、私にとって、 リボンのブローチが付いているからこその完成形であり、 全てが整った形となっ…

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