写真はジングウホウオウゴケ Fissidens obscurirete でしょう。 葉は茎の基部までついています。 比較的乾いた土の斜面にありました。 葉は平凡社では3~12対となっています。 葉は乾くと上の写真のようにすぐに曲がりはじめます。 葉は細胞にパピラがあるため...
自宅(大阪府)を中心とした身近な所で、共に暮らす多様な生物の姿を紹介しています。
写真はジングウホウオウゴケ Fissidens obscurirete でしょう。 葉は茎の基部までついています。 比較的乾いた土の斜面にありました。 葉は平凡社では3~12対となっています。 葉は乾くと上の写真のようにすぐに曲がりはじめます。 葉は細胞にパピラがあるため...
一見スナゴケやシモフリゴケなどの仲間にもみえる岩上にあった写真のコケ、どうしても名前が分からず、A先生に見てもらったところ、ホソムジナゴケ Trachypus humilis のようです。 ただし、特に葉の細胞の様子などは、図鑑に記載されているものとはかなり異なります。 この...
写真は少し疑問が残るのですが、タカネツボミゴケ Solenostoma infuscum var. ovicalyx としておきます。 北海道・鹿追町の標高1,000m付近で撮影しました。 日本国内では本州~九州の低地で見られるオオホウキゴケの変種とする研究者が多いのです...
8月下旬の北八ヶ岳と9月上旬の北海道・然別湖周辺で、多くのゴレツミズゴケの群落に出会いました。 どちらの場所でも、ちょうど植物体の紅葉が始まる時期で、日あたりなど群落の存在する環境によって、まだ緑の群落から、真っ赤に染まった群落までありました。 また、胞子散布の始まる時期であっ...
写真はフォーリーイチョウゴケ Lophozia longiflora でしょう。 コアミメヒシャクゴケの群落にほんの少し混じっていました。 北海道~九州の亜高山帯以上に分布するコケです(2024.8.25.北海道・上士幌町 標高800m付近で撮影)。 葉がゆるく重なるコケで...
Polytrichum (スギゴケ属)の蒴をつけ、ウマスギゴケやオオスギゴケほどは大きくない写真のコケ、エゾスギゴケ P. ohioense です。 北海道~四国に分布します。 上は左が湿った状態、右が乾いた状態です。 こちら のエゾスギゴケは乾くと葉が少し縮れていまし...
伸び始めた蒴をつけたナミガタタチゴケ Atrichum undulatum がありました。 本種は雌雄同株(異苞)です。 写真のような時期なら胞子体の他に雄器も確認できるのではないかと思い、確かめてみました。 上は茎頂付近の手前の葉を取り除いて撮った写真です。 写真の水色の...
写真はススキゴケ Dicranella heteromalla でしょう。 伐採木についていました。 蒴柄は湿ると上の写真の程度まで屈曲します。 上の植物体は上下が逆ですが、この方がデザイン的におもしろいので・・・。 蒴柄は黄色です。 多くの葉は長さ約 2.5㎜ですが、蒴...
写真はミヤマチリメンゴケ Aquilonius plicatulum のようです。 北海道・然別湖の近くで樹幹についていました(撮影:2024.8.25.)。 本種は平凡社ではハイゴケ科の Hypnum (ハイゴケ属)とされていますが、現在ではキヌゴケ科のミヤマチリメンゴケ...
写真のコケ、平凡社の検索表や尼川の図からはコヒシャクゴケになると思うのですが、現在コヒシャクゴケはコアミメヒシャクゴケ Scapania parvitexta と同種として扱われています。 1枚目の写真ではほとんど緑一色のようですが、群落の断面で見ると、あちこち赤みを帯びて...
写真はタカネハネゴケ Plagiochila semidecurrens のようです。 朽木の上で育っていました。 上の写真のように葉が垂れ下がるのが本種の特徴の1つだと聞きました。 葉は背片が強く外曲しています。 葉縁に歯がありますが、背縁の歯は小さく少数です。 葉の...
写真はアオギボウシゴケ Grimmia subsulcata でしょう。 岩上で育っていました。 北海道~九州の高山に分布するコケで、写真は北海道・鹿追町の標高900m付近で撮りました。 シモフリゴケにも似ていますが、ずっと小形です。 上は乾いた状態で、葉は茎に密着していま...
上はヒノキ科のクロベ Thuja standishii (別名ネズコ)です。 木曽五木の1つで、日本固有種であり、本州と四国の山地帯から亜高山帯にかけて分布します。 高さ35mにも達する高木で、材は建築用などに利用されるのですが、岩上や風衝地に生育するものは匍匐状の樹形になり...
写真はオオヒモゴケ Aulacomnium palustre でしょう。 北八ヶ岳の湿地に育っていました(2024.9.12.撮影)。 地際から覗き込むように撮ると、茎の頂端などから無性芽をつける軸上の短枝が出ています(上の写真)。 上の写真の赤い矢印の所では無性芽ができ...
写真はタチゴケモドキ Oligotrichum parallelum です。 北八ヶ岳の標高 2,100m付近の腐植土に覆われた岩上で育っていました(2024.9.7.撮影)。 本種は雌雄異株です。 上は雄株のようで、雄花盤が写っています。 上の写真の上は乾いた状態、...
上はヒメトロイブゴケ Apotreubia nana です。 亜高山帯の林床で、いろいろな蘚苔類に混じって育っていました。 肉眼的には緑の濃いムチゴケのような印象でした。 なお、同行の数名は湿岩上に育つ本種を確認しています。 COLE T.H.ら(2023)の「コケ植物系統...
トウゲシバ Huperzia serrata が無性芽をつけていました。 葉腋には胞子のうも見えます。 葉は細長く鋸歯があるのですが、無性芽の縁は滑らかです。 無性芽に触れると、簡単に落ちてしまいました。 上の写真、最初はトウゲシバとは別の植物だと思いました。 よく見ると...
写真はウスベニミズゴケ Sphagnum capillifolium var. tenellum でしょう。 たくさん胞子体をつけていました。 本種は滝田(1999)では独立種( S. rubellum )となっていますが、平凡社ではスギハミズゴケの変種となっていま...
枝にくっついていた写真のコケ、タカネシゲリゴケ Nipponolejeunea subalpina でしょう。 葉の縁に多くの長毛があります。 上の2枚は腹面から撮っています。 茎の幅は葉を含めて 0.6~0.7㎜、背片の縁にある長毛は1細胞列で、長さは 0.2~0.3㎜で...
10月26日に、NHK文化センター京都教室の1日講座として、「コケの世界を訪ねる」と題して滋賀県大津市の石山寺でコケ観察会を行います。 石山寺は紫式部ゆかりの地として知られていますが、コケの種類も量も多く、石灰岩につく珍しいコケも見られる所です。 写真も石灰岩につくタチヒラゴ...
コケは小さな植物で、違いを見分けるためには拡大する必要があります。 同定はルーペで可能な場合もありますが、顕微鏡が無いと同定できない場合も多くあります。 顕微鏡は同定のためだけではありません。まだ見ぬ新しい世界が広がります。 価格的にも、コケの観察に必要な顕微鏡であれば、そん...
以下はPart1の2013.9.5.からの引っ越し記事です。 写真はベニヒダタケ Pluteus leoninus (ウラベニガサ科)でしょう。 堺自然ふれあいの森の朽木に生えていました(2013.9.5.撮影)。 傘の表面は平滑ですが、湿っていると周辺部に条線が見られま...
写真はエゾホウオウゴケ Fissidens bryoides だと思います。 中肋と舷がめだっています。 石灰岩上にありました。 小形のホウオウゴケですが、平凡社によると、茎は葉を含め長さ 2.0~13.5㎜、葉は4~20対となっていて、大きさにはかなりの幅があるようで...
アオカナブン Rhomborrhina unicolor とカナブン R. japonica はよく似ています。 アオカナブンには上のような色の個体が多いのですが橙色の個体も見られますし、カナブンも銅色や真鍮色の個体が多いのですが,緑色の個体も見られます。 両者の違いは後脚...
暑い日は出かけず写真の整理など。 上は6月中旬に滋賀県大津市で撮ったカミキリで、ヤツメカミキリ Eutetrapha ocelota だろうと思うのですが、赤い楕円で囲った所の黒斑はシナカミキリのようなパターンです。 カミキリの仲間はとても種類が多く似たものもたくさんいて、個...
写真はツルゴケ Pilotrichopsis dentata のようです。 一次茎は石灰岩の割れ目に生えた木の根元近くをはい、二次茎は絡まるように育ち、その一部は長く垂れ下がっていました。 なお、周囲は石灰岩ですが、ツルゴケは樹上や岩上に生えるコケで、石灰岩地帯であることと...
ハスの葉は非常に水をはじきやすい構造になっています。 ハスの葉に降った雨は水滴となり、葉が揺れるたびにコロコロと葉の上を転げまわり、ついには葉から落ちてしまいます。 なぜこんなに水をよくはじくのでしょうか。 1つには、雨の多い熱帯地方にも分布するハスですから、葉の表面にカビが...
クマノチョウジゴケ Buxbaumia minakatae は配偶体が退化し、光合成は主に原糸体で行っていると考えられています。 胞子体が見られることも稀で、珍しいコケとされています。 私も2022年の3~4月に本種の胞子体を発見し( こちら )、その後数回見に行きましたが、...
写真のコケ、コマノヒツジゴケかと思ったのですが、調べてみると少し違うようです。 ナガバヒゲバゴケ Cirriphyllum piliferum ではないかと思うのですが、決め手に欠けます。 蒴があれば情報量が増えるのですが、本種の蒴は日本では未知のようです。 また、平凡社...
ヤブデマリ Viburnum plicatum var. tomentosum の実が美しく色づいていました。 果序は枝の上に並んでいるようにみえます(2024.7.21. 京都市西京区大原野)。 果実は、完熟すれば黒紫色になり、もうそろそろ完熟した果実が混じる時期だと思...
石灰岩上に育っていた上の写真のコケ、タチヒラゴケ Homaliadelphus targionianus かと思ったのですが、以前に見たものより明るい色で、より光沢があるように思ったので、持ち帰り、調べました。 一次茎は基物上を這い、二次茎は長さ2cm前後で、少数の枝を出し...
石灰岩上に育っていた上の写真のシノブゴケの仲間は・・・ シノブゴケの仲間としては小形です。 茎葉は長さは 0.2~0.3mmで、まばらについています。 特に茎が緑色の所についている茎葉はいじけていて、茎から離すのも困難です(上の写真)。 ただし、これはこの種の特徴ではなく、...
コケは小さな植物です。 小さなコケの小さな違いを見分けるには拡大する必要があります。 最近はカメラの性能が良くなり、かなり拡大して撮ることのできるカメラもありますが、違いを探しながらいろいろな方向から見るには、やはりルーペが便利です。 ただ単にシャッターを押しても、そのコケの...
小さな渓谷の、水際の岩上に育っていた写真のコケ、平凡社の検索表をたどると、オオツボミゴケ Solenostoma radicellosum になりました。 この時期の花被は稜のある三角錐です 上は花被の縦断面です。 ペリギニウムが発達し、最内側の雌苞葉は明らかに造卵器より...
前著「コケの国のふしぎ図鑑」は、コケとはどのような植物かを知ってもらうとともに、コケに関心を持ちはじめた人にコケの持つ魅力を伝えたいと思い、作成しました。 「ミクロの世界のコケ図鑑」は、前著の改訂版という位置づけですが、コケをもっと知りたいという人のために、図鑑としての機能をか...
2024.7.17.に兵庫県西宮市の北山公園でキツネノハナガサ Leucocoprinus fragilissimus を見ました。 これまで何度も見ているので、写真も撮らなかったのですが、帰って過去の記録を見ると、Part1の 2008.9.8.には次のように書いています...
朽木の上にあったムラサキホコリ科の変形菌、かなり小さく、フィールドでの撮影の段階で、ムラサキホコリ属( Stemonitis )ではなく、コムラサキホコリ属( Stemonitopsis )だろうと思いました。 柄は子嚢の1/2~2/3ほどの長さです。 子実体の高さは約3mm...
クヌギの葉にたくさんついていた赤い虫こぶ(2024.7.17. 兵庫県西宮市で撮影)、クヌキハマルタマフシという名がつけられています。 長い名前ですが、ふつう虫こぶの名前は、 植物の名前+作られる場所+虫こぶの形状+「フシ(附子:こぶのこと)」 というふうにつけられてい...
写真はジクホコリ Diachea leucopodia です。 子実体の大きさは2mm足らずで、柄は石灰質でもろく、白色です。 鮮度の良い子嚢に光を当てると、とても美しい構造色を示す場合が多いのですが、今回は古くなってボロボロ。 それでもほんの少し残っている子嚢壁は美しい色を...
7月10日に高槻市の川久保渓谷で実施されたコケ観察会の解散後に出会った変形菌です。 持ち帰り用の入れ物も無く、1種を除いて写真撮影だけで、顕微鏡での同定作業は行っていません。 なお、4種とも腐木上に発生していました。 ■ アオモジホコリ Physarum viride ...
岩上に明るい緑のコケ、調べるとナガシタバヨウジョウゴケ Cololejeunea raduliloba でした。 「平凡社では樹幹や生葉に着生」とあります。 いつものことながら、葉の質が薄く、背片と腹片がぴったりとくっついていて、顕微鏡では腹片の輪郭が分かりにくいコケです。...
写真はアカキツネガサ Leucoagaricus rubrotinctus だと思います。 ひだは離生、柄は中空で根元が膨らみ、つばの縁が赤色を帯びます。 (2024.7.4. 箕面公園)
ナミガタタチゴケに囲まれてニオイワチチタケ Lactarius subzonarius 、カレー粉のにおいが漂っていました。 【類似種】 ニセヒメチチタケは、カレー粉のにおいはするが、かさ表面の同心円状の環紋が無い。 チョウジチチタケは、かさ表面に同心円状の環紋があるが、カ...
スギの枯れ枝についていたシロホウライタケ Marasmiellus candidus (ハラタケ目ツキヨタケ科)です。 傘は膜質で、雨の影響が残っていて、透明感があります。 ひだは疎で不規則に波打っています。 柄の最下部が黒ずんでいます。 本種は老成するにしたがって、上の写真...
写真はチラカゲロウ Isonychia japonica だと思います。 分布は全国で、4月~10月に見られるとのことです。 成虫の体色は暗赤褐色、翅には模様がなく透明、脚は前脚が暗褐色で、中・後脚は淡黄色です。 なお、亜成虫の翅は暗灰色です。 カゲロウ目の尾毛は3本のも...
水辺に咲くハンゲショウ Saururus chinensis (ドクダミ科)です。 属名はラテン語で「トカゲの尻尾」の意味です。 上はハンゲショウの葉の影から顔を出していたトカゲの仲間のカナヘビですが、もちろんカナヘビの存在とハンゲショウとは関係なく、属名は細長い花序の形から...
樹幹にたくさんの蒴、調べてみるとヒメウスグロゴケ Leskeella pusilla でした。 「 ミクロの世界のコケ図鑑 」では「岩やコンクリート壁の世界」(P.148)に入っていますが、本種は今回のような樹幹の他にも、コンクリート製の擬木にもよく見られます。 図鑑に...
● 山口新聞 2024年6月25日 ● J-WAVE 2024年6月29日 「RADIO DONUTS」の「LIFE IS A GIFT」で放送していただきました。 ● 東京新聞・中日新聞 2024年7月13日・14日
樹幹のマルバヒメクサリゴケ Myriocoleopsis minutissima が、胞子を飛散させた後の蒴をたくさんつけていました(2024.6.15. 京都府立植物園)。 上の写真の白いものが空になった蒴です。 上は腹面から撮っています。 腹葉はありません。 ゴミ...
「ミクロの世界のコケ図鑑」の発売が開始されました。 大きな画面で編集していて、本になってみると少し小さすぎた写真もありますが、そこは実際のコケ観察疑似体験ということで、2~3倍の虫メガネで見てください。 下の正誤表など、この本に関する記事をまとめたページを作成しています( こ...
「ミクロの世界のコケ図鑑」の正誤表です。 本の間違いに気づかれた場合は、ご連絡ください。 --------------------------------------------------- P.9 「二次茎」の説明 (誤)・・・伸びる。茎で、・・・ (正)・・・伸...
開裂した蒴をつけたヒラヤスデゴケを 6月11日 に載せたばかりですが、上の写真もヒラヤスデゴケ Frullania inflata (別名マエバラヤスデゴケ)のようです。 平凡社の図鑑では、本種の生育場所については、「低地のしばしば水没するような岩上に生育し,樹幹にも着生。」...
写真はヒラヤスデゴケ Frullania inflata (別名マエバラヤスデゴケ)でしょう。 京都府立植物園のあちこちの樹幹についていました。 写真は4月中旬の撮影ですが、本種は雌雄同株で、たくさんの開裂した蒴が見られました。 腹葉は茎径とほぼ同じ幅で、長さは幅の約2倍、中...
「ミクロの世界のコケ図鑑」の発行日が近づいてきました。 今回は本書の特徴を、少し専門的な面から紹介したいと思います。 ① 蘚類・苔類・ツノゴケ類の扱いについて 多くのコケ図鑑では、「コケ植物は蘚類・苔類・ツノゴケ類に大別できる」趣旨のことが書かれています。 本書では「コケ植物...
岩上にあったコケ群落、所々にジャゴケの仲間(オオジャゴケまたはウラベニジャゴケ)が混じっていておおよその大きさの見当がつくと思いますが、かなり大きなコケです。 調べた結果はヤマトチョウチンゴケ Plagiomnium japonicum だろうと思います。 匍匐茎は長く、古...
実習で外を歩いたところ、ハナミョウガ Alpinia japonica の花に出会いました。 多くはまだつぼみの状態で、今年は春先の気温が低く、例年より少し遅いようです。 ハナミョウガは関東~九州の林内に生える常緑多年草です。 ミョウガと同じショウガ科で、茎や葉の形態はミョ...
ハットリチョウチンゴケ Rhizomnium hattorii の雌株と雄株の群落が、岩上に少し離れてありました。 葉は広倒卵形で、中肋が赤くなっています。 茎は赤く、舷が赤くなっている葉もあります(上の写真)。 葉は茎の上部に集まる傾向があります。 茎の長さは約2cm、...
上の写真のコケ、タマゴケかとも思いましたが、ルーペで見ても自信がありません。 タマゴケは胞子体がついていれば確実ですし、胞子体が無くても、黄緑色の半球形の群落を作っていて、他のコケとは区別できます。 しかし上の写真のようにまばらに生えている様子はタマゴケらしくありません。 持っ...
オオスカシバ Cephonodes hylas は昼間飛び回る大形の蛾で、幼虫がよく植栽されるクチナシを食餌植物としていることもあって、都市部でもよく見かけます。 飛び回っている成虫は、和名に透翅(すかしば)とあるように翅が透明ですが、羽化したばかりの頃は、他の多くの蛾同様...
晩秋にはホソバミズゼニゴケは葉状体の先が細かく分かれて無性芽となりますが、エゾミズゼニゴケはそのような無性芽を作らず、違いは明瞭になりますが、その他の時期は、両者はよく似ています。 エゾミズゼニゴケはホソバミズゼニゴケより少し黄色みが強い意向があるのですが、時期や生育環境にもよ...
写真はオニヒカゲワラビ Diplazium nipponicum です。 川沿いなど空中湿度の高い所を好み、本来は常緑性ですが、寒地では夏緑性となる大型の多年性のシダです。 上の写真からも根茎が短く這っていることが分かります。 葉は3回羽状複葉、ソーラスは線形で一端が中肋に...
岩の崖に育っていた上の写真のコケ、オオスギゴケかと思いましたが、蒴を見ると・・・ 蒴には縦に稜があって Polytrichum (スギゴケ属)に間違いなさそうですし、このような大形のものはウマスギゴケとオオスギゴケしか思い当たりません。 両者の区別は蒴があると簡単で、頸部のく...
リンゴコブガ Evonima mandschuriana の幼虫がいました(上の写真)。 頭部から上後方に伸びるモコモコした長い角のようなものは・・・ 上は正面から撮った写真ですが、連なった丸いものの1つひとつをよく見ると、下に口器らしきものがあり、頭部らしいことが分か...
岩の崖で育っていたコケ群落(上の写真)、シッポゴケ科のような葉に内外2列の蒴歯を持った蒴、不思議に思って調べたところ、ユミゴケの群落にアカイチイゴケが少し混生していて、蒴はアカイチイゴケのものでした。 以下はユミゴケ Dicranodontium denudatum につい...
上はアツブサゴケ Oticodium laevisetum だと思います。 コンクリート製の堰堤の壁についていました。 基物に密着していた茎は密に枝分かれしており、そこから多くの枝を上方に出しています。 乾いた状態で枝の幅は葉を含めて約1mm、蒴は卵状円筒形で直立、蒴柄...
写真はコネジレゴケ Tortella japonica だと思います。 岩上にありました。 茎が短く、他の多くのコケが混じっていて分かりにくいのですが、狭披針形の葉が本種の葉です。 蒴の蓋には長い嘴があり、その上をさらに長い帽が覆っています。 1mm方眼紙に置いてみました(...
クラガリシダ Drymotaenium miyoshianum を教えていただきました。 小さな渓流近くの樹幹についていました。 ウラボシ科の常緑のシダで、葉の長さは 20~40cmです。 分布は本州中部以西と四国・九州で、環境省のRDBで絶滅危惧IB類(EN)になっています...
「ミクロの世界のコケ図鑑」には、ページ数の関係や、本の性格上必要とする人がそんなに多くないと思われることから、「学名さくいん」は載せていません。 必要な場合は、下をご利用ください。 【 A 】 Acrolejeunea sandvicensis … 166 Andreaea r...
上はエゾキヌタゴケ Homomallium connexum でしょう。 コンクリートの上に育っていました。 少し離れた所には、帽の取れた蒴がありました(上の写真)。 透明感のある蓋の美しさに惹かれて撮ったのですが、撮った写真を見て頸部の不思議な色にも気がつきました。 ...
みごとに茂ったシゲリゴケ Cheilolejeunea imbricata 、大きさが分かるようにマメヅタの葉を少し入れておきました。 コンクリート製の擁壁に厚く育った蘚苔類の群落に混じっていました。 茎は不規則に分枝しています。 背片は円頭、腹片は背片の約1/2の長さで、...
コケ植物は小さいものです。 小さいために見分けがつけにくいのがコケです。 肉眼で見分けのつくのは、ほんの一部で、コケ観察にはルーペは必需品です。 コケ庭に使われているコケも、コケテラリウムに使われるコケも、特別な環境に育つ大形のコケに限られているのですが、それらのコケでも、似た...
「ミクロの世界のコケ図鑑」に関する事項のホームページです。 ➡ 「ミクロの世界のコケ図鑑」発行のおしらせ 本の主な特徴などを書いています。 ➡ ちょっとコアな「ミクロの世界のコケ図鑑」の特徴
コケの魅力やコケとはどのような植物かを知ってもらおうと作成した「 コケの国のふしぎ図鑑 」も出版から5年が経ち、改訂版を出版することになりました。 改訂にあたっては、特徴は残しつつも図鑑としての内容を充実させ、コケ初心者には「分かりやすい!」、少しコケに詳しくなった人には「...
写真はヒロハツボミゴケ Jungermannia exsertifolia (ツボミゴケ科)ではないかと思います。 これも京都市の梅小路公園の「苔類だけのコケ展」に出展されていたコケです 葉は長さと幅がほぼ同じです。 仮根は少なく、めだちません。 葉身細胞は薄壁です。 油体...
上も京都市の梅小路公園の「苔類だけのコケ展」に出展されていたコケで、ハラツボミゴケ Solenostoma rotundatum (ソロイゴケ科)でしょう。 常緑樹林帯で見られる苔類です。 仮根は束にならず、茎に沿って流下していません。 葉の幅は、長さとほぼ同じか、やや広...
写真はアキウロコゴケ Syzygiella autumnalis (アキウロコゴケ科)のようです。 京都市の梅小路公園で2024.5.3.~5.6.に開催された「苔類だけのコケ展」で出展されていました。 育っている場所も姿もクチキゴケに似ている普通種で、平凡社の図鑑にも「倒木...
コゴメイヌノフグリ Veronica cymbalaria がオオイヌノフグリと混生していました。 遠目には白花のオオイヌノフグリが咲いているようでした。 撮影場所は京都府立植物園ですが、オオイヌノフグリ同様、植えられたり、育てられたりしている様子はありません。 たぶん芝刈り...
上はウスバハタケゴケ Riccia glauca だと思います。 富永・古木(2014)の記載とはサイズ的には少しずれるのですが、形態的な特徴はほぼ一致しています。 光が当たるとキラキラ光っていました(2024.4.20. 京都府立植物園にて撮影)。 葉状体背面の先端近...
従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることは こちら に書きました。 今回はその4種のうちのウラベニジャゴケです。 上がウラベニジャゴケ Conocephalum purpureorubrum です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 ...
従来1種と思われていた日本のジャゴケが現在は4種に分けられていることは こちら に書きました。 今回はその4種のうちのタカオジャゴケ Conocephalum salebrosum です。 上はオオジャゴケとの混生です(2024.4.12. 京都市 嵐山にて撮影)。 春の新...
いろいろあって、この3月は一度もブログを更新していませんでした。理由のひとつは初めて出会ったコケが無かったからですが、美しいコケがありましたので、載せておきます。 といっても、3月10日に出会ったコケで、もう20日も経っていますが・・・。 上がそのコケで、ホソバトジクチゴ...
ミドリコケビョウタケ Mniaecia jungermanniae は苔類に寄生する子嚢菌で、やや肉厚なクッション状の、直径1mmに満たない小さな子嚢盤をつくります。 アカウロコゴケに寄生している様子は こちら に載せていますが、古い写真を整理していて、たまたま本種らしきもの...
写真はサクラジマツヤゴケ Entodon calycinus でしょう。 倒木の上に広がっていました。 蒴が直立しているのは、この属の特徴です。 内雌苞葉が長いのは本種の大きな特徴です。 上の写真の内雌苞葉は約4mmですが、4.5mmに達するようです。 蒴柄の長...
上は石灰岩から垂れ下がっているコケ群落で、蘚類(センボンゴケ科?)や大小2種類の苔類などが写っていますが、大きい苔類はツジベゴヘイゴケ Tuzibeanthus chinensis だと思います。 和名は辻部正信氏を記念してつけられています。 上は腹面から撮っています。 植物...
写真はミヤベゴケ Miyabea fruticella でしょう。 樹幹に大きな群落を作っていました。 樹皮上を這う一次茎から二次茎が斜上しています。 二次茎は不規則な羽状に分枝しています(上の写真)。 葉は乾くと枝に接します。 枝葉は長さ 0.5-0.8mm、葉縁上部に...
写真は、雨で濡れていますが、ナガスジハリゴケ Claopodium prionophyllum だと思います。 石灰岩上にありました。 茎はやや羽状に分枝しています(上の写真)。 乾くと葉はやや縮れます。 上は枝先です。 枝葉は披針形で、パピラがあります。 上は枝葉...
樹幹に育っていた写真のコケ、イワイトゴケモドキ Haplohymenium sieboldii のようです。 イワイトゴケ によく似ていますが、イワイトゴケの枝葉が円頭~広い鋭頭であるのに対し、本種の枝葉は上の写真のように鋭頭です。 上は湿った状態で、下は乾いた状態で...
石灰岩上で干乾びてほとんど真っ黒になっていた写真のコケ、少し持ち帰って湿らせると、一部に緑色の所が現れ、調べるとリュウキュウゴヘイゴケのようです。 なお、学名は平凡社では Mastigolejeunea auriculata 、片桐・古木(2018)では M. replet...
石灰岩上のコケ群落(上の写真)、蘚類はニセイシバイゴケ Tuerckheimia svihlae 、苔類は イトコミミゴケ Lejeunea parva だと思います。 以下は前者についての観察記録です。 上は、少し離れた場所にあった、乾いた状態の本種です。 葉は線状披...
写真はキサゴゴケ Hypnodontopsis apiculata だと思います。 ヤシ(フェニックス?)の樹幹についていました。 蒴柄がらせん状に巻く特徴的な胞子体があれば、もっと確実になるのですが、蒴は確認できませんでした。 湿ると上のようになります。 茎の長さは約3...
写真はフタバムチゴケ Bazzania bidentula だと思います。 北海道・雌阿寒温泉近くの森の、朽木の凹んだ穴の奥にありました。 比較的小形のムチゴケで、茎は基物にくっついて這い、鞭枝も同様に基物にくっついていました。 水谷(1992)によれば、大雪山から屋久島の...
コマノキヌイトゴケ Anomodon thraustus と マキハキヌゴケ Pylaisiella subcircinata の混生した群落が、北海道の阿寒湖畔の樹幹にありました(2023.9.8.撮影)。 上の写真の、光沢のある葉が巻いているのかマキハキヌゴケで、蒴...
これまでもアオギヌゴケ科の同定は難しいと書いてきましたが、上の写真は、左にコツボゴケなど、いろいろ混生していますが、多くはムツヤノネゴケ Brachythecium noecicum (アオギヌゴケ科)だろうと思います。 なお、エゾヤノネゴケはシノニムでしょう。 本種は、岩月...
大阪市の「 咲くやこの花館 」で、2024年1月の6日から21日までの予定でコケ展が開催されます。 期間中、盛りだくさんの内容が予定されていますが、私の担当は「もっとコケを知ろう」で、「コケ講座」と「コケの観察・解説ツアー」を実施します。 コケの楽しみ方は、見る楽しみ、作る楽...
写真はオウコチョウ(黄胡蝶) Caesalpinia pulcherrima です。 マメ科ジャケツイバラ亜科の常緑性小高木です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 西インド諸島の原産ですが、花が美しいため、現在では世界の熱帯から亜熱帯域に栽培されていて、日本でも沖縄な...
青森県産のイトヤナギゴケモドキ Platydictya subtilis をいただきました。 Kさんが採集されたもので、作沢川の蛇籠についていたそうです。 上は乾いた状態、下は湿った状態です。(倍率は同じです。) 茎は糸状で、不規則に分枝しています。 葉はあまり横に広が...
アオギヌゴケ科には同定の難しいコケが多く、平凡社の図鑑には「分類のもっともむずかしい科の一つである。」と書かれています。 なかでも Eurhynchium (ツルハシゴケ属)は、変異が大きく同定はむずかしい(平凡社)とされています。 Kさんが確信を持って同定できたというキノク...
ネジクチゴケ などが属する Barbula (ネジクチゴケ属)は、平凡社の検索表には日本産9種が載せられていますが、その違いはわずかで、同定がなかなか難しい属です。 オカモス関西(正式名称は岡山コケの会関西支部)では毎月定例で「コケサロン」を開いています。 以前このコケサロ...
上の写真は、2019年の10月に奈良県宇陀市で撮った写真です。 流水下の黒っぽい緑色のものはフクロハイゴケ Vesicularia ferriei のようにも思うのですが、よく分からず、載せるのも遅くなってしまいました。 本種は写真のような水面下でも陸上でも生育する事がで...
写真はシクンシ Combretum indicum です。 京都府立植物園の温室で撮影しました。 熱帯アジアに広く分布していますが、薬用や観賞用に栽培されているためで、厳密な意味での原産地はよく分からないそうです。 日本でも、石垣島や西表島などでは野生化していますが、元は...
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写真はジングウホウオウゴケ Fissidens obscurirete でしょう。 葉は茎の基部までついています。 比較的乾いた土の斜面にありました。 葉は平凡社では3~12対となっています。 葉は乾くと上の写真のようにすぐに曲がりはじめます。 葉は細胞にパピラがあるため...
一見スナゴケやシモフリゴケなどの仲間にもみえる岩上にあった写真のコケ、どうしても名前が分からず、A先生に見てもらったところ、ホソムジナゴケ Trachypus humilis のようです。 ただし、特に葉の細胞の様子などは、図鑑に記載されているものとはかなり異なります。 この...
写真は少し疑問が残るのですが、タカネツボミゴケ Solenostoma infuscum var. ovicalyx としておきます。 北海道・鹿追町の標高1,000m付近で撮影しました。 日本国内では本州~九州の低地で見られるオオホウキゴケの変種とする研究者が多いのです...
8月下旬の北八ヶ岳と9月上旬の北海道・然別湖周辺で、多くのゴレツミズゴケの群落に出会いました。 どちらの場所でも、ちょうど植物体の紅葉が始まる時期で、日あたりなど群落の存在する環境によって、まだ緑の群落から、真っ赤に染まった群落までありました。 また、胞子散布の始まる時期であっ...
写真はフォーリーイチョウゴケ Lophozia longiflora でしょう。 コアミメヒシャクゴケの群落にほんの少し混じっていました。 北海道~九州の亜高山帯以上に分布するコケです(2024.8.25.北海道・上士幌町 標高800m付近で撮影)。 葉がゆるく重なるコケで...
Polytrichum (スギゴケ属)の蒴をつけ、ウマスギゴケやオオスギゴケほどは大きくない写真のコケ、エゾスギゴケ P. ohioense です。 北海道~四国に分布します。 上は左が湿った状態、右が乾いた状態です。 こちら のエゾスギゴケは乾くと葉が少し縮れていまし...
伸び始めた蒴をつけたナミガタタチゴケ Atrichum undulatum がありました。 本種は雌雄同株(異苞)です。 写真のような時期なら胞子体の他に雄器も確認できるのではないかと思い、確かめてみました。 上は茎頂付近の手前の葉を取り除いて撮った写真です。 写真の水色の...
写真はススキゴケ Dicranella heteromalla でしょう。 伐採木についていました。 蒴柄は湿ると上の写真の程度まで屈曲します。 上の植物体は上下が逆ですが、この方がデザイン的におもしろいので・・・。 蒴柄は黄色です。 多くの葉は長さ約 2.5㎜ですが、蒴...
写真はミヤマチリメンゴケ Aquilonius plicatulum のようです。 北海道・然別湖の近くで樹幹についていました(撮影:2024.8.25.)。 本種は平凡社ではハイゴケ科の Hypnum (ハイゴケ属)とされていますが、現在ではキヌゴケ科のミヤマチリメンゴケ...
写真のコケ、平凡社の検索表や尼川の図からはコヒシャクゴケになると思うのですが、現在コヒシャクゴケはコアミメヒシャクゴケ Scapania parvitexta と同種として扱われています。 1枚目の写真ではほとんど緑一色のようですが、群落の断面で見ると、あちこち赤みを帯びて...
写真はタカネハネゴケ Plagiochila semidecurrens のようです。 朽木の上で育っていました。 上の写真のように葉が垂れ下がるのが本種の特徴の1つだと聞きました。 葉は背片が強く外曲しています。 葉縁に歯がありますが、背縁の歯は小さく少数です。 葉の...
写真はアオギボウシゴケ Grimmia subsulcata でしょう。 岩上で育っていました。 北海道~九州の高山に分布するコケで、写真は北海道・鹿追町の標高900m付近で撮りました。 シモフリゴケにも似ていますが、ずっと小形です。 上は乾いた状態で、葉は茎に密着していま...
上はヒノキ科のクロベ Thuja standishii (別名ネズコ)です。 木曽五木の1つで、日本固有種であり、本州と四国の山地帯から亜高山帯にかけて分布します。 高さ35mにも達する高木で、材は建築用などに利用されるのですが、岩上や風衝地に生育するものは匍匐状の樹形になり...
写真はオオヒモゴケ Aulacomnium palustre でしょう。 北八ヶ岳の湿地に育っていました(2024.9.12.撮影)。 地際から覗き込むように撮ると、茎の頂端などから無性芽をつける軸上の短枝が出ています(上の写真)。 上の写真の赤い矢印の所では無性芽ができ...
写真はタチゴケモドキ Oligotrichum parallelum です。 北八ヶ岳の標高 2,100m付近の腐植土に覆われた岩上で育っていました(2024.9.7.撮影)。 本種は雌雄異株です。 上は雄株のようで、雄花盤が写っています。 上の写真の上は乾いた状態、...
上はヒメトロイブゴケ Apotreubia nana です。 亜高山帯の林床で、いろいろな蘚苔類に混じって育っていました。 肉眼的には緑の濃いムチゴケのような印象でした。 なお、同行の数名は湿岩上に育つ本種を確認しています。 COLE T.H.ら(2023)の「コケ植物系統...
トウゲシバ Huperzia serrata が無性芽をつけていました。 葉腋には胞子のうも見えます。 葉は細長く鋸歯があるのですが、無性芽の縁は滑らかです。 無性芽に触れると、簡単に落ちてしまいました。 上の写真、最初はトウゲシバとは別の植物だと思いました。 よく見ると...
写真はウスベニミズゴケ Sphagnum capillifolium var. tenellum でしょう。 たくさん胞子体をつけていました。 本種は滝田(1999)では独立種( S. rubellum )となっていますが、平凡社ではスギハミズゴケの変種となっていま...
枝にくっついていた写真のコケ、タカネシゲリゴケ Nipponolejeunea subalpina でしょう。 葉の縁に多くの長毛があります。 上の2枚は腹面から撮っています。 茎の幅は葉を含めて 0.6~0.7㎜、背片の縁にある長毛は1細胞列で、長さは 0.2~0.3㎜で...
10月26日に、NHK文化センター京都教室の1日講座として、「コケの世界を訪ねる」と題して滋賀県大津市の石山寺でコケ観察会を行います。 石山寺は紫式部ゆかりの地として知られていますが、コケの種類も量も多く、石灰岩につく珍しいコケも見られる所です。 写真も石灰岩につくタチヒラゴ...
京都府立植物園の生態園で咲いていたタカクマホトトギス Tricyrtis ohsumiensis です(10月8日撮影)。 和名の「タカクマ」は発見地の鹿児島県・大隅半島の高隅(たかくま)山に由来し、種小名も大隅半島に分布しているところからです。 岩場に生育し、自生地での花期...
京都府立植物園の生態園で、シモバシラ Collinsonia japonica のちょうど見頃の花を見ることができました(10月8日撮影)。 本種は関東地方以南の本州から九州にかけて分布するシソ科の多年草で、日本固有種です。 茎はやや水平の向きに曲がる性質があり、そこから出...
写真は大阪府の能勢町で咲いていたキガンピ Diplomorpha trichotoma です(9月24日撮影)。 開花期は夏ですので、花はほとんど終わりかけていました。 本種はジンチョウゲ科の落葉低木で、同じ属の ガンピ の葉は互生ですが、本種の葉は対生しています。 本種も...
身近な所で普通にあるコケでも、アオギヌゴケ属を筆頭に、ルーペレベルでの同定の難しいコケはいっぱいあります。 エダツヤゴケくらいはルーペで自信を持って同定できるようになりたいのですが、生育環境によっても時期によっても変異が大きく、ツヤゴケ属であることを翼部で確認しようと思っても...
上は北海道の阿寒の森で見たハナビラタケ Sparassis latifolia です(2023.9.9.撮影)。 大阪付近でよく見るハナビラニカワタケ Phaeotremella foliacea とよく似ていると思って調べてみて驚きました。 前者はハラタケ綱タマチョレイタケ...
北海道~九州に分布する湿地の植物を2種。 いずれも 2023.9.24.に能勢町(大阪府)の地黄湿地で見た植物です。 ● ムカゴニンジン Sium ninsi (セリ科) 食用にするニンジンとは、同じセリ科ですが、属も異なります。 ヨーロッパでは根を食用にするするため栽培さ...
上の写真、ミドリゼニゴケ(?)を中心に、いろいろなコケが混生していますが、黄色の矢印で示したのはヤマトソコマメゴケ Geocalyx lancistipulus ではないかと思います。 乾いて葉が巻いてきていますが、葉を含めた茎の幅は 1.5~2mmです。 注目したいの...
タカユヤスデゴケ Frullania oakesiana が花被をつけていました。 花被について書く前に、本種であることの確認から。 腹片は長さと幅がほぼ同じで、背片の幅の1/2~1/3、口は横に輪切り状で、口部は狭くならず、嘴はありません(上の写真)。 腹葉は倒楔型で、...
大阪府豊能郡能勢町にある地黄湿地は普段は保護のために立入禁止となっているのですが、2023.9.24.に案内していただく機会を得ました。 今回はそこで見た植物のうちの2種を紹介します。 上は シロイヌノヒゲ Eriocaulon sikokianum (ホシクサ科)と聞き...
上はシロコオイゴケ Diplophyllum albicans でしょう。 写真中央左下には花被も写っています。 本種は亜高山帯以上に分布するコケで、上も北海道の雄阿寒岳山麓の岩上で育っていました(2023.9.9.撮影)。 茎は側面から分枝しています( Scapania...
写真は新井さんに案内していただいたベニカノアシタケ Mycena acicula です。 和名を漢字で書くと紅蚊脚茸で、紅色をした傘で、蚊の脚のように細い柄のきのこという意味です。 小さいきのこであることは上の写真でもわかるでしょう。 本種はラッシタケ科に分類されていま...
コケを見ていると、コケと同程度の大きさのいろいろなものが目につきます。 北海道の雌阿寒温泉近くの森の林床でみつけた上の写真のもの(2023.9.10.撮影)もその1つで、最初は何か分かりませんでした。 近くを探すと、葉をつけているものがありました。 カタバミ科でしょうし、場所...
上はイボカタウロコゴケ Mylia verrucosa です。 前にまだ背の低い花被をつけた本種を載せましたが( こちら )、今回は胞子体を伸ばしていました。 本種はいぼ状の突起がついた花被が特徴的ですが、まだ胞子体が伸び出していない花被は上部が扁平で(上の写真の黄色の矢印...
写真は、昨年のホオノキの穂状花序に生えたホソツクシタケ Xylaria magnoliae です。 和名を漢字にすると「細土筆茸」でしょう。 雄阿寒岳の山麓で 2023.9.9.に撮影しました。 この近縁種には、本種のように特定の植物体から発生するものがたくさんあるようで...
写真の花被をつけたコケ、2023.9.10. 北海道・雌阿寒温泉近くの森にあったコケです。 マルバヤバネゴケ Cephalozia lunulifolia だと思うのですが、平凡社では分布は本州~九州となっていて、北海道には分布しないことになっています。 葉は茎に斜め~...
ウスバゼニゴケ Blasia pusilla は雌雄異株です。 上は雄株で、葉状体背面の中肋上に造精器が入っていた膨らみがたくさん並んでいます。 上で「造精器が 入っていた 膨らみ」と書いたのは、拡大してみるとこの膨らみには孔が開いているからで、精子が出てしまった後でしょう...
上は北海道の支笏湖近くの美笛峠で泉田氏が2023.8.29.に撮影されたコケですが、このコケを送っていただき、調べたところ、ハイヒバゴケ Hypnum cupressiforme のようでした。 平凡社では、本種は岩上や木の根元に生えるとありますが、上の写真では根元ではあり...
写真はチシオタケ Mycena haematopus でしょう。 朽木に生えていました。 傘の縁にはフリンジと呼ばれる鋸歯状のつくりが見られます。 柄は傘より濃い赤い色をしているのですが、その表面は細かい綿毛状の繊維に覆われています。 本種の大きな特徴は、若いきのこでは傷口...
写真はヒメアカネ Sympetrum parvulum でしょう。 大阪府豊能郡能勢町の地黄湿地にたくさんいました(2023.9.25.撮影)。 湿地で見られるトンボ科アカネ属のいわゆる赤とんぼで、和名のとおり国内の赤とんぼでは最小です。 本種はマユタテアカネよりひと回り小...
北海道・雄阿寒岳山麓で見たシラウオタケ Multiclavula mucida です(2023.9.9.撮影)。 倒木に生えるきのこで、若い時は真っ白ですが、古くなると先端部が褐色になってきます。 子嚢菌のような姿ですが、近年の分子系統解析の結果は、担子菌類のアンズタケ...