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花より男子の二次小説サイトになります。特に類と 総二郎が大好きですべてハッピーエンドなります。

読むだけでもの足らず、とうとう自分で書いてしまいました。自己満足の表現不足とは思いますが、楽しんでいただけたらと思います。

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2017/02/11

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  • 真莉愛の独り言(16)

    「すごい・・・類のタキシード、これも真莉愛達が選んだの?それに2人とも可愛い服着てる~~!いつ、どうやって選んだの?信じられないんだけど!」「美央のドレスも美来が選んだってこと?」パパとママはずっとビックリしてばかりで、あたし達を見たり、自分達を鏡で見たりしてた。それは加代さんが全部お話ししてくれて、あたし達のお誕生日の前にはドレスを決めていたって聞いたらも~~~っとおどろいてた♪たくさんの白いドレス...

  • 流砂の如く・・・ 19

    つくしのマンションを出るときには雨は上がっていた。ハーレーのシートもそんなに濡れてなかったし、特に問題ねぇって言うのに、つくしはタオルを持って来てあちこち拭いたりして・・・俺は「サンキュ!」と軽く礼を言い、ヘルメットを被る前に額にキスしてやった。たったそれだけなのにつくしは真っ赤になり、「外ではしないでよ!」と・・・周りには誰もいないのに、キョロキョロ見回して焦りまくり。そんな仕草は昔から変わっていなく...

  • 真莉愛の独り言(15)

    5月5日・・・今日はパパとママのケッコン式だ。10時にチャペルに行って、パパとママ、そして美央ママとおじちゃんにお話しして、先にパパ達のお式、それが終わったら美央ママ達のお式。そしてみんなで記念写真撮って、13時からみんなでお食事会🧡どうやってチャペルまで行くのかというと・・・それはね・・・朝ご飯の時にパパがママにお話ししてた♪「えっ、西門さんが?」「うん・・・今朝早くにメールが入ってて、10時に都内のレストラ...

  • 流砂の如く・・・ 18

    次に目が覚めたのは外が明るくなってから・・・布団の重みはなかったけど、隣に寝ている人の体温で温かかった。真夜中に起きた時と同様、乱れた前髪の奥にある閉じた目を見ながら、さっきの話を思い出していた。西門さんが私のことを本気だと言った。今までに見たこともない、真面目な顔で・・・確かにそう言った。私はそれを信じていいのだろうか・・・・・・と考えたけど、私も同じ気持ちだと伝えてしまった。だから今更悩むのも変だと、ほん...

  • 真莉愛の独り言(14)

    次の日の朝、幼稚園に行く前の、朝ご飯の時・・・「えっ?!今日も類が連れて行ってくれるの?それ、藤本さんはOKしてるの?」「もちろん。つくしは気にしなくていいし、明日からは運転手に任せるよ」「あら、そう・・・・・・ふふっ、類も気になるのね~~」「まぁね、父親だからさ」「パパと行くの?おしごと、遅刻しないの?」「真音、それも心配要らないから」そんなお話があって、今日もパパの車で行くことになった。そして昨日と同じ...

  • 流砂の如く・・・ 17

    私の意識が戻ったのは真夜中・・・隣には悪魔のような男が眠っていた。しかも暑いと思ったら、私の身体に巻き付くように・・・でもそれを動かそうなんて思わず、湿った足と腕をそのままにした。私の肩に顔をくっつけてるから横を向けばこの人の髪の毛に触れる。その感触を味わうかのように少しだけ頬を寄せ・・・するとピクッと彼が動いたから、慌てて目を閉じた。でもそんな行動はすぐにバレて、「身体は大丈夫か?」・・・・・・そんなウソっぽ...

  • 真莉愛の独り言(13)

    玄関でパパと別れてから、まこちゃんといっしょに中に入ったけど、ここではまず制服から遊び着に着替えるために「こうい室」ってところにいくの。そこは男の子と女の子は別々だから、あたしはソロソロと1人で中に入った。そうしたら何人かのお友だちが着替えてて、自分のロッカーに脱いだ制服をいれたり、持って来たカバンから連絡帳出したりして、キャアキャアとにぎやかだった。それにわかんない子もいるから、先生が1人ついて...

  • 流砂の如く・・・ 16

    本文中にR表現を含んだ部分がございます。苦手な方はご遠慮下さい。パスをかけておりませんので閲覧は自己責任でお願い致します。*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-*-*「じゃあ今度こそ本気で感じさせてやろうか?」「えっ・・・・・・どういう・・・」「判ってるクセに聞き返すんじゃねぇよ!」ガチガチに強張っている牧野の身体を抱き上げ、声を出す間も与えずにベッドに押し倒した。そしてすぐに覆い被さり、抵抗...

  • 真莉愛の独り言(12)

    教室に入ったら、そこには小さな机がたくさんあった。前にみらいちゃんの保育園で見ていたから知っていたけど、今度からあたしの「席」があるんだ~ってドキドキ♪あの保育園は教室のうしろに木で出来た棚があって、かべにはいろんな色の折り紙のかざりがあったけど、ここはちょっとちがう。おっきなピアノに、棚にはちゃんと扉がある。絵本がたくさん並んでるし、白いレースのカーテンもあるし、すみっこにはソファーみたいなのも...

  • 流砂の如く・・・ 15

    あの日と同じ匂いのする部屋・・・・・・平静を装って足を踏み入れると、牧野は俺のあとに付いてきた。そして目も合わせずにキッチンに向かい、形ばかりのもてなしなのか、アイスコーヒーを無言でテーブルに置かれた。自分のものも用意しており、そのグラスを持ったまま俺に対して身体を横向きにして座り・・・まるで拒否されてるように思ったが、それも仕方ない。俺は着ていたライダースジャケットを脱ぎ、床にバサッと置いた。そしてあの...

  • 真莉愛の独り言(11)

    「真音、真莉愛~~~、支度できたの~?パパが車で待ってるわよ~!」「は~~~~い、できましたぁ~♪」「まりあちゃん、早く行こう!」「うん、まこちゃん!あ、ひろ君に行ってきますって言わないと!」「早くしよ?ママが鬼になるよ?」「「急げ~~~~!!」」こうして弟のひろ君に「行ってきます~」をして、車に行ったらまこちゃんの言うとおり、すっごく怒られた。でもママのお小言には慣れてるし、車の中では幼稚園のこ...

  • 流砂の如く・・・ 14

    土曜日・・・この日も先週と同じく、今にも雨が降りそうな日だった。予報では午後から大雨・・・嫌でもあの時のことを思い出して身体が疼いた。この湿度、この気温、この部屋・・・彼が触れた場所、稲光で光った目、いつもと違う乱れた髪・・・荒い息づかい、知らなかった腕の力、払いきれない男の重み・・・「馬鹿・・・・・・なに考えてるのよ」やっぱり住み続ける事は無理かもしれないと思いながら、片山課長から聞いた江戸川のマンションをネットで...

  • 真莉愛の独り言(10)

    「ほぎゃあああああぁ~~~~!!」「うわああぁ~~~ん!!ひろ君が泣いてる~~~~~!!」「まりあちゃんまで泣くことないじゃん・・・」「ママ、ママ~~~~!ひろ君がぁ~~~~っ!!」「はいはい、今行きますよ~~。お腹空いたのかな?それともおむつかな?」「まりあちゃんがお腹すいてるんじゃないの?」「まこちゃん💢!それはちがうよ!!」ママとひろ君がおうちにもどってきて、それからおうちはにぎやかになった。そ...

  • 流砂の如く・・・ 13

    その週の金曜日・・・結局、西門さんからの電話もメールもなかった。それは彼もあの夜を後悔しているからだと思い、私はその日のうちに彼の電話番号を消し、LINEもブロックした。これでもう連絡が来ることもない。ただ、そうなるとマンションに来る可能性もあるから、やっぱり引っ越そうと思った。「来る可能性って・・・何を期待してるのよ、私・・・」あれから毎日、夜になるとテーブルにスマホを置き、それを眺めている・・・何かの通知が来...

  • 真莉愛の独り言(9)

    クリスマスが来たらあたしとまこちゃんは4歳になった。その時にも美央ママ達が来て、クリスマス会といっしょにお誕生日会もしたんだ~~。そしてお正月には今まで見たことがない「おせち」って言うのを食べたり、「かがみもち」って言うのをかざったり。それに「初もうで」にも行って、ママの赤ちゃんが元気に産まれますようにって頼んできたよ♪そこで買った「たこ焼き」・・・すっごくおいしかった🧡加代さんには「タイ焼き」をおみ...

  • 流砂の如く・・・ 12

    日曜日の午前中は何も考えられず、ただただぼんやりと過ごした。唯一したことと言えばシーツの洗濯・・・でも天気が悪くて干すことも出来ず、痛む身体で外出してコインランドリーで乾燥のみを行った。その時も誰かに歩き方を見られてる気がして恥ずかしく、首の周りもすごく気になった。「・・・この痕、明日には消えるのかしら・・・」そう言いながら首を触り、思い出すのはやっぱり夜のこと・・・そしてこの先で西門さんに会ったらどうすれば...

  • 真莉愛の独り言(8)

    11月のおわり頃、みらいちゃんのおばあちゃんからお電話があった。「明日、美来とそちらに伺います」って・・・それを加代さんから聞いて、ケッコン式をするチャペルを決めにいくことになったの♪そして、その日のお昼過ぎ・・・「あれ?今日も3人でお出掛けなの?」「あっ、ママ。えっとね、今日はねみらい・・・」「なんでもないの!加代しゃんがケーキ食べに行こうって!」「そ、そうなんですの~~~。つくし様は類様に外出を控えるよ...

  • 流砂の如く・・・ 11

    朝帰りの俺を出迎えたのは鬼のような顔をしたお袋だった。その理由は・・・今日の午後、「見合い」があるからだ。先日お袋が俺に渡した釣書の女、桜井美涼。赤坂の料亭でその女と会い、いつものように適当な話をして別れるだけ・・・ただ今回はお袋が本気になっていて、俺にも自分と同じテンションを求めてくるのが鬱陶しかった。「どういうつもりなの、総二郎さん!」「・・・何が?」「何がじゃないわよ!夜遊びなんてして、そんな姿を誰...

  • 真莉愛の独り言(7)

    「美央?!」「美央さん、大丈夫ですか・・・・・・って・・・えっ!!」美央ママ?!どうしたの~~~💦バーベキューを食べようとしたら、きゅうに美央ママがお口を押さえてお部屋にもどっちゃった・・・でもすぐに戻って来て、ちょこっとはずかしそうにしてた。そうしたらママが「もしかして?」って・・・「本郷さん、知ってたの?」「・・・・・・いや、あの・・・えっと・・・」「くすっ、焼くの交代するよ。ほら、美央のところに行ってやったら?」「美央...

  • 流砂の如く・・・ 10

    雨はまだ降り続いているが、その勢いはなくなった。俺はぼんやりと暗い部屋の天井を見つめたまま・・・・・・汗でベタベタしている身体を、生暖かくてジメっとした空気に晒していた。牧野は俺に背中を向けて寝ている。本当に寝ているのか、寝たフリなのかはわからないが、スマホも時計も手元にないから時間もわからない。ただカーテンの向こうがほんの少し明るかったから、おそらく夜明け前・・・微かに車が走る音が聞こえていた。**『まさ...

  • 真莉愛の独り言(6)

    ママは病院に行って、赤ちゃんが生まれるのが来年の1月のおわりって言われたみたい。そうしたらすぐにパパが「1月31日はダメだから!」って言ってたけど、どうしてダメなのかと聞くと・・・それは司お兄ちゃんのお誕生日と同じだかららしい。ママは「そんなこと言われても~」って言ってたけど、パパはブスッとした顔で腕組みしてた。「ぱっぱ、どうしてだめなの~~?」「ぼくと、まりあちゃんもお誕生日は同じだよ?」「それは...

  • 流砂の如く・・・ 9

    停電が解消されるまでの間、この酔っ払いを1人にするわけにもいかず・・・俺は牧野の部屋の窓際に立って外を見ていた。相変わらず稲光が町を照らし、雷鳴も耳に届く・・・もちろん雨は銃弾みたいな音で窓硝子を叩いた。そして暗闇にも目が慣れてきて、この部屋の大きな家具ぐらいはわかるようになった。牧野はまだ酔いが覚めずに苦しそうにしていて、時々大きな溜息を吐きながら壁に凭れていた。その様子を見ていると、やはりベッドに寝...

  • 真莉愛の独り言(5)

    美央ママが来るって言う日・・・あたしはドキドキしながら待ってたの。だって、春になる前にお別れしたたんだもん。今までそんなに会わなかったことがなかったから、なんてお話しようかなって・・・「まりあちゃん、サッカーしようよ」「うん、まこちゃん」「真莉愛も真音も、もうすぐお客様が来るんだから服を汚さないのよ?」「「は~~~~い!!」」美央ママが来るまでもう少し・・・それまではまこちゃんと遊ぼうと思って、お庭でボー...

  • ハズレを引いた男と女・番外編~男親の不毛な戦い・最終話

    お盆が終わったら、お仏壇前のお盆飾りのお片付け。まずお位牌と香炉など仏具を仏壇に戻し、盆飾りや盆提灯を片付ける。盆棚の上に置き、季節の食べ物などをお供えするのに使った真菰ござ、お菓子を置くために使った蓮の葉、精霊牛馬、盆花はお清めしてから庭に埋める。毎年使用する絵柄の盆提灯は丁寧にたたんで箱に入れて仕舞い、供養膳の器も専用の箱に仕舞う。これも全部お嫁さんの仕事なので、私が責任持ってやるんだけど・・・...

  • 真莉愛の独り言(4)

    旅行がおわると、パパがあたしをお部屋に呼んだの。まこちゃんは呼ばれてなかったんだけど、一緒にくっついてきたから、ママも合わせて4人でのお話・・・いったい何だろうと思ったら、美央ママをここに呼んでくれるって・・・「ぱっぱ、それほんとう?」「みぃちゃも来る~~~?」「あぁ、美来ちゃんも来ると思うよ。その前に、真莉愛にお話ししたいんだ」「・・・・・・・・・・・・」「まいあに?なんだろう~~」「ぼくはいいの?」「うん、真音...

  • ハズレを引いた男と女・番外編~男親の不毛な戦い・5

    「サッちゃん、そろそろ精霊馬(しょうりょううま)を作ろうか」「そうですね・・・では厨房でキュウリとナスをもらってきます。薫様、瑞樹、一緒に行きましょうか」「「あ~~~~~い♪」」サッちゃんが精霊馬にするお野菜を取りに行く間も、男親2人はこの部屋の前の廊下で口喧嘩を続けていた。総二郎は家元夫人に、野田さんは前田さんに怒鳴られればいいと思っていたら・・・「総二郎さんっ!!いつまで遊んでいるの!もうすぐ後援会...

  • 真莉愛の独り言(3)

    「真音~、真莉愛~、起きてくれるかな~?」そんな声が聞こえて、目をあけたら・・・ママがあたしの目の前にいた。まこちゃんも寝てたみたいで、おとなりで目をこすってる・・・パパはもう先にお泊まりするところに行ったみたいで、まこちゃんは車から出たらあたしを置いて行っちゃった。そのお泊まりするところは、「ほてる」ってのとはちょっとちがう・・・古い木で出来てて、ちょっとコワい感じ。それに2階もなくて、お庭に木がいっぱ...

  • ハズレを引いた男と女・番外編~男親の不毛な戦い・4

    「つくし様、それではお盆飾りのお手伝いをしますわ」「うん、助かる~~!まだ1人じゃ出来なくて~」お盆飾り・・・お盆初日に間に合うよう、8月に入ったらしても良かったんだけど、色々と忙しくてまだ終わっていなかった。しかも西門家では、これはお嫁さんの仕事ってことで、一昨年までは家元夫人がしていた。その時に私も一緒に飾り付けて、「来年からはよろしくね」って言われたんだけど・・・結構ややこしい。この時期にはお仏壇...

  • 真莉愛の独り言(2)

    「ママ・・・お迎えにきて・・・・・・まいあ、ひとりぽっちなの・・・・・・もう、ぱっぱもいなくなっちゃった・・・」あたしが呼んだのは美央ママ・・・美央ママならあたしのことを1番だって言ってくれるもん。みらいちゃんがいるけど、それでもきっとあたしが1番だって・・・だって、あたしのママは美央ママだもん!あたしぐらいある草で前が見えない・・・それがバチバチ顔にあたって痛い・・・ここがどこかわかんなくて、どこに出るのかわかんなくて、こわ...

  • ハズレを引いた男と女・番外編~男親の不毛な戦い・3

    「あのねぇ、アメンボさん、た~~くさんいたよ」「この前見たときにはいなかったのにね~~」「そうなの?じゃあ最近お引っ越ししてきたのね~」「薫様、お池に落ちないようにして下さいませね?瑞樹、ちゃんと薫様の手を持ってるのよ?」「だいじょうぶだよ~、おばちゃん」「みずき、ちゃんと見てるもん♪」「・・・つくし様、申し訳ないのですが、少し手を上げていただけますか?」「あぁ、はいはい」着物を仕立てるためにサッちゃ...

  • 真莉愛の独り言(1)

    「真音、真莉愛~~~、支度できたの~?パパが車で待ってるわよ~!」「は~~~~い、できましたぁ~♪」「まりあちゃん、早く行こう!」「うん、まこちゃん!」あたしの名前は花沢まりあ。もう「まいあ」じゃなくいて、ちゃんと「まりあ」って言えるようになったんだよ♪そして今日は、あたしとまこちゃん・・・真音お兄ちゃんが英徳学園幼稚舎に入園する日🧡まこちゃんとお揃いの制服着て、髪にも赤いリボン付けてもらって、今からパ...

  • ハズレを引いた男と女・番外編~男親の不毛な戦い・2

    私のお茶室に入ったら、近くに誰もいないことを確認して静かに障子を閉めた。そして真ん中に座り、広げたのは幸福屋の新作涼菓🧡オレンジ&グレープフルーツとコアントローのゼリーに、マスカットリキュールのゼリー。それにいろんな果肉ゼリーが乗っけられたプリン・・・いずれも小さめだから食べたって平気だもん♪「これ、栄養補給というか、ただの糖分摂取じゃ・・・」「いいのいいの!幸福屋さんにはちゃんとカロリー計算して特注して...

  • 家族がいる風景(最終話)

    美央が無事に出産を終え、翌日に少しだけ電話で話したが、やはり傷口の痛みが強そうだった。それでも嬉しさは十分に伝わり、和代も美来も病院で弟に会い、すでに抱っこしたそうだ。「えっ!美来ちゃんが生まれたての赤ちゃんを抱っこ・・・怖くなかったですか?」『ホントに怖かったですよ!落とすかと思って起き上がろうとしたけど、身体が動かせなくて・・・』「あはは・・・美来ちゃんでも怖いなら、うちはもっと怖いわ・・・」『ぬいぐるみ...

  • ハズレを引いた男と女・番外編~男親の不毛な戦い・1

    薫が生まれてから3年後の夏・・・今じゃすっかり西門の生活ににも慣れた私。今日は家元夫人であるお義母様が外出してるから、の~~~~~んびり過ごしていた。なんたってお義母様がいたら、薫にベッタリでマジで大変なんだもん・・・・・・まぁ、嬉しいことだけど!「つくし様、冷菓をご用意しましたよ~~」「あ、サッちゃん♪ありがとう~~、一緒に食べようよ♪」「えへへ///そう言ってもらえるかなって思って自分のも持って来ました」「...

  • 家族がいる風景(31)

    新年、類達は自宅で静かに過ごした。理由はつくしが臨月だから・・・予定日が1月30日なのですでにお腹は大きく、子供達もそれを見ては不思議そうにしていた。「「・・・・・・・・・・・・」」「どうしたの、2人とも・・・そんなにママを見つめてるけど、何かヘン?」「ママ、おなかいたくないの?」「こんなにおっきいけど・・・あかちゃん、おなかの中でなにしてるの?」「あはは!まだお腹は痛くないよ。何してるんだろうねぇ?生まれてくる前の...

  • 流砂の如く・・・ 8

    1人じゃ歩けなくなった牧野を連れてビルを出て、手配したタクシーに乗り込んだのは22時45分。牧野に住所を聞くとM町だと言うから、とりあえずそこに向かった。が、詳しい住所を聞こうにも牧野はすぐに爆睡・・・仕方なく鞄を開けて、運転免許証を探した。それはすぐに見つかり、その住所を見ると確かにM町だったため、その住所を運転手に告げた。少し気分悪そうに顔を横に向け、タクシーが揺れるたびに眉間に皺を寄せている。たまに...

  • 家族がいる風景(30)

    酷暑と言われた夏が終わって幾分過ごしやすくなった頃、花沢家に本郷達がやってきた。その頃にはつくしも美央も安定期に入っており、すっかり妊婦らしい身体になっていた。2人とも順調で、胎動も感じる頃・・・そのせいか話題はそのことばかりだ。それも仕方ないと類と本郷は仕事の話をし、子供達は芝生の庭で走り回って遊んでいた。「つくしさんは性別は聞かないの?」「ん~~~~、そうですね・・・楽しみにしようかなって思っていま...

  • 流砂の如く・・・ 7

    西門さんに彼女がいるのかどうか・・・この人は女性に手を出すのは早かったけど、本命を作るイメージがなかったから思い切って聞いてみた。すると案の定「いない」との返事、それにホッとした自分がいた。その表情を悟られたくなくて、グラスに残っていたお酒を飲み干し、おかわりを強請る・・・あの”西門総二郎”にこんなことが出来る女は数少ないだろうと思うと、少し気分が良かった。すぐに出された同じカクテル、それを一口飲んだらほ...

  • 家族がいる風景(29)

    コテージから帰った翌日の月曜日。類は仕事に出掛け、子供達は浜辺で拾った貝殻でフォトフレームを作っていた。その材料は昨日の帰り道、つくしの提案で100均に寄って購入したもの。フォトフレームに紙粘土、木工用ボンドにビーズやおはじきもいくつか選んだ。類は100均など初めてで、興味深そうに棚を眺めており、それは真莉愛も同じ。でも真音は何度も来ていたので、つくしにくっついた。何故紙粘土が必要かというと、直接...

  • 流砂の如く・・・ 6

    食事が終わったら今度はバーへ移動することになった。その店もここから近いらしく、歩いて僅か3分のビル・・・会員制のお洒落な店で、中に入ったら大人っぽい雰囲気でドキッとした。オレンジ色の照明、流れてるのはジャズ。カウンターにいるのは素敵なバーテンダーさんで、お客様も品が良い人たちばかり・・・並んでいるグラスがキラキラ光り、棚には私の知らないお酒の瓶が並んでた。イケメンのスタッフさんが奥に案内してくれて、重苦...

  • 家族がいる風景(28)

    海鮮バーベキューの準備中、急に美央の手が止まった。つくしはそれに気がつかず、背中合わせで他の食材の下拵えをしていた。「海老は塩だけで良いですよね~~」「・・・・・・・・・」「ホタテは殻のまま網焼きにして、バター醤油にしようかと思うんですけど~」「・・・・・・・・・」「美央さんは今、なにしてます?蟹ならもう焼くだけになって・・・・・・美央さん?」ここで美央の返事がないことに気がついたつくしが振り向くと、美央は包丁を持ったま...

  • 流砂の如く・・・ 5

    牧野が誰か知らない男と話している・・・それを見た瞬間、自然と足が速くなった。目は2人だけを追い、ぶつかりそうになった奴をどうやって避けたのかも覚えていない。ただイヤな予感がして下唇を噛んだ。そして2人に近づいたとき・・・「待たせたようだな」俺はわざと男に聞こえるように言った。するとそいつはちらっと俺を見てから、牧野に「待ち合わせってこの人?」と。その言い方にもイラッとしたが、牧野が気不味そうに、俺と目を...

  • 家族がいる風景(27)

    つくしの妊娠はすぐに美央達に伝えられ、それは自分たちのことのように喜ばれた。そして昨日話したこの夏の予定について、「やっぱり安静にしたほうがいいのでは?」と心配され・・・「でも仕事にも行ってないし、ずっと家なんですよ?少しは外に出て気分転換したいです~~」『でも妊娠初期は怖くありません?』「1人じゃないし、過保護な類がいるから問題ないですって。それに双子はパパに任せるし、私はのんびりしますので~~」...

  • 流砂の如く・・・ 4

    なんでもいいと言われても、そこはやっぱり気にしてしまう。土曜の朝っぱらタンスの中にある服を全部引っ張りだし、部屋中に広げて考えていた。「暗い色はまずいよね・・・かと言ってピンク系なんて私のイメージじゃないから西門さんも驚くだろうし・・・ベージュ系は仕事みたいじゃない?デニム・・・はカジュアル過ぎるかも。だってあの人の選ぶ店って、それなり・・・だもんね」そんなことをブツブツ言ってるとあっという間に昼になり、雨が...

  • 家族がいる風景(26)

    15時のデザートタイムになった。子供たちにはピスタチオ・ミルク・いちご味の3色プリンに苺と生クリームが乗せられたものが置かれ、大人たちにはチョコケーキが置かれた。この時のつくしは気分が良くなっていたので、それを美味しそうに食べていた。類はつくしを見ながらまだ興奮気味で珈琲しか飲めず・・・そんな2人を眺めていた美央が「そろそろ出します?」とつくしにウィンクした。「あ!そうですね♪」「出すって何を?」「・・・...

  • 流砂の如く・・・ 3

    牧野と別れてから自宅に戻ると、俺の部屋の前では使用人頭の志乃さんが困ったような顔で待っていた。この人はお袋の秘書のような役目もしており、俺が生まれる前から西門で働いてきた人・・・そして俺たち兄弟の教育係でもあった。この屋敷では数少ない俺の「味方」でもあり、両親との間を取り持ってくれる人・・・なぜなら、俺の「秘密」を知っているからだ。そんな志乃さんが「お帰りなさいませ」と言いながら近づいてきて、周りを気に...

  • 家族がいる風景(25)

    「あんまり食欲がなくて・・・・・・ごめんね、私のことは気にしないで下さい」つくしがそう言った時に美央の表情が変わった。そしてニコッと笑って、本郷をチラッと見ると、本郷も「あ!」と・・・類はそれを見ても何のことかわからず、しばらくキョトンとしていた。この時間も子供たちは大人を無視して食事を続け、賑やかにしていたのだが・・・「つくしさん、もしかして?」「へっ///?」「そうなんじゃないの?」「・・・・・・え、えっと///」「...

  • 流砂の如く・・・ 2

    忘れようとしても忘れられない・・・・・・私が1番初めにほんの少し意識したのは、まだ高校生の時だった。女性にだらしなく、出会う人みんなに声掛けて、それこそ「いつか刺されるんじゃないの?」って呆れてた。何を話してもおちゃらけてて親身になんてなってくれない。常に美作さんと連んでお祭り騒ぎで、道明寺がヤバい事をしても面白がってた。要領よくなんでも出来るし、当然頭は良い。運動神経も抜群で、出来ないスポーツはない。...

  • 家族がいる風景(24)

    花沢家の中に入ると、子供たちはすぐにプレイルームに向かった。その元気な後ろ姿を見て、本郷と美央も目を細めていた。美来は去年の秋から転園を繰り返し、友達が出来ては別れていたからだ。しかも日野の家の周りには小さな子供はおらず、土日も家族と過ごすしかなかった。そんな中、久しぶりに保育園以外の友だちと再会して本当に嬉しそうだった。「うわぁ、おもちゃが増えてる~~!」「みらいちゃん、何して遊ぶ?」「木馬にの...

  • 流砂の如く・・・ 1

    あれはいつだったか・・・・・・・・・もう何年前の事だろうか・・・と、ふと考える事がある。それは牧野が大学4年の時、司と別れそうだと聞いて、気になってあいつのアパートに行った日のこと・・・「まだ薄皮1枚で繫がってるんだよね~」と笑ってた。疲れ切った笑顔で・・・でも、その中に僅かな希望を見せて・・・でもそれから1ヶ月後、牧野は完全に司と別れた。いや、正確には道明寺から縁を切られた。やはり司の母ちゃんは牧野を認めなかった・・・...

  • 家族がいる風景(23)

    美央たちが来訪する前日、つくしは双子と一緒に買い物に行くことになった。それは美来へのプレゼントで、真莉愛と真音とお揃いのものを買おうと言う話になったのだ。それに美央と本郷にも結婚祝いをしていなかったので、記念になるものを・・・。類は社長としての仕事が溜まっているので今日も出勤。だから加代を同行させて、代官山の店に行くことになった。「ホントにごめん、付き合ってやれなくて。帰りには何かデザートでも買って...

  • 家族がいる風景(22)

    箱根の旅館で1泊し、翌日は箱根ロープウェイに乗ることにした。海賊船・ロープウェイの乗り放題パスを購入し、早雲山駅から芦ノ湖湖畔にある桃源台駅までそれで行き、途中の大涌谷駅では美来の希望で「特製大涌谷カレー」を食べた。そして車窓から雄大な富士山を見ながら、桃源台で降りると次は箱根海賊船で遊覧。「お婆ちゃん、あっちが乗り場みたい~!」「あら、そう?まぁ、大きな船じゃない~」「早く早く~~!」「よ~~し...

  • 家族がいる風景(21)

    日野市で暮らす美央・・・今は本郷美央となり、5月からは午前中のみ近所のパン屋でパートをしていた。そして午後になると自動車学校に行き、技能講習を受けたり、自宅でオンライン学科教習を受けていた。和代も短時間の仕事をしているし、美来は保育園に行っているため、その空き時間に車の免許を取ろうという話になったのだ。美来を保育園に通わせるためには母親が勤務していないと難しい。それに1人で家にいると、余計な事を考え...

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