23日に故庄野潤三氏(作家)の自宅が公開されるというので遠征して来ました。多摩丘陵の生田の山の上にある家です。小田急線生田駅南口から、なだらかに続く坂道を20分ほど登っていくと、大谷石の垣に植木の沢山あるその家には、すでに沢山の人がいました。どうやら朝10時の公開時間からずっと途切れること無く、常に20~30人くらいの人が訪れていた様子でした。
庄野潤三の作家案内。邸宅の画像、御家族の思い出の写真や、デッサンは愛読者にとっては大変感慨深い。装丁や本の作りも贅沢な素晴らしい本である。
たんたんと読み進められる。もし1~2か月中断しても、再度手に取った時には、旧友に会った時のように、ブランクを感じないで続きを読むことができる。たぶん半年~1年経っても、大丈夫。だから、読まないままになっている本にありがちな圧迫感が驚くほどない。いつかは読み終えることができるというふうに思える。落ち着いた、静かな自信のようなものが湧いてくる。不思議な作家である。こんな作風なら、衝動買いした全集も無駄になることはないだろう。
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