現代異界録 vol.1 一章 変調する世界③ver0.6 「それにしても最近何かと物騒だよなー。」 バスのつり革を両手でぶら下がるように掴んでいる亜紀が話題を切り出した。 「そうだな、ニュースでも異常事態とか言ってたし。」 1日の講義を終え、亜紀と雄介はいつものように2人で...
現代異界録 vol.1 一章 変調する世界② 「痛いじゃんかー!ゆかりん」 後頭部を擦りながら亜紀が抗議する。 「誰がゆかりんだ。」 ゆかりんと呼ばれたこげ茶色のボブカットヘアーをした女子がすかさずツッコんだ。 「あんた少しは周りの目を気にしなさいよね。」 周りの生徒が亜紀...
現代異界録 vol.1 一章 変調する世界① 朝早い一限の講義にも関わらず教室には30〜40人程の生徒が集まっていた。 講義が開始する時刻まで15分少々、雄介(坂井雄介)は売店で購入した菓子パンと野菜ジュースを口にしながら時間が過ぎるのを待っていた。 一年を通して受ける生徒...
現代異界録 vol.1 プロローグ (どうしてこんな事になってしまったんだ…。) 「男」はジャンパーのフードをすっぽりと顔全体が隠れるように被り、覚束ない足取りで都内某所の狭い路地を歩いていた。 「男」の息は荒く時々、建物に手を付きフラつく体を支えていた。 (どこで間違えた...
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