翌日。おにぎりを母親に言われたように食べる。身支度を整えて、その景色をパチリ、ファインダーに収めた。正午前の十一時にS駅に到着。ここからさらに今度は各駅停車の電車に乗り換える。一度、階段を下りて、向かうべきホームを探す。一番線の階段を見つけて、上る。合っているはずだ、間違えたくないので、運転を交代する車掌に切符を見せて行き先と車両を確認した。どうやら合っているらしく、降りる駅のまでの数も教えてくれた。駅名が読めないと、思ったのだろう。 電車に乗り込み、三十分ほど揺られて降車。カメラを構えて、電車が動き出す前に捉えた。 閑散とした風景を私は見渡す。改札を抜けると、目的の人物が出迎えた。母親の親、…