昭和の頃は、買い物カゴを下げてお店に行っていた。 令和の今は、マイバックを持って買い物に出かける。 ビニール袋、過剰包装の大量消費、大量廃棄が環境汚染の…
少しシュールな内容です① 例えばあなたが一大決心をして、プレゼントを用意して彼女の誕生日に告白したとします。結果は見事に惨敗で、振られてしまったその帰…
時間の速さというものは、地球上のあらゆる事物に対して、物理的法則により一定に保たれているはずである。しかし子供と老人を比較してみると、子供は老人の何倍も一日…
チュン、チュンと小鳥さえずる4月の朝は快晴じゃ!茂じぃは郵便受けの新聞を取りにいくという日課をこなし、リビングのテーブルの上に広げた。 そういえば、斜めお向…
スティホーム3日目 茂じぃがスーパーにもカラオケにも、老人会にも行かず(やってもいないが)家にお篭りをはじめて数日がたった。 昼間は誰もおらんからと、リビ…
ーー歳をとると老眼という眼の老化現象のように、遠くの他人はよく見えるが、近くの身内の気配りや心づかいには気づきにくくなるものであるーー茂じぃは今年85歳にな…
あっという間に5月の連休が過ぎ、やがて梅雨も開けてカラリと晴れ渡った青い夏空に、真っ白なわた雲がふわふわと浮いています。 小松田整骨院の玄関には鉢に植えた…
白のアルファードの車内には、バンドルを握る東山地域包括支援センターの藤山所長、こまつだ整骨院の小松田先生、介護士の福島さんが待機していました。 夫による暴…
※あくまでもフィクションです一隻のクルーズ船が瀬戸内海に漂っていた。60日間、ベーリング海や北アメリカを周遊して神戸港に帰港するプレミアムの旅。まさか、その…
チリン、チリンと玄関のドアが開き、ここ半年間、小松田医院に通い続けてくれていた影山珠美さんが、今、まさに医院を出て行こうとしています。 小松田医院のこまっ…
桜の花は、誰に見せるでもなく、ただ春が訪れれば、毎年そこに咲いている。 美しいと称賛さ...
この投稿をInstagramで見る 桜の花は、誰に見せるでもなく、ただ春が訪れれば、毎年そこに咲いている。 美しいと称…
どう考えても殴ったり蹴ったりして暴力を振るうご主人のほうが悪いのに、「家事や育児をちゃんとできない自分が悪い」と、逆に自分の責任にしてしまう影山さんの考え…
カチカチと時計の針が9時15分を通り過ぎました。 小松田先生は、驚いたように目を見開く影山さんの青白い顔から視線を離しません。 〝僕には貴女のこと…
その日の昼間はよく晴れ渡り、青い空には真っ白な雲がぽっかりと浮かんでいました。 やがて夜のとばりが落ちて、街の家々に明かりが灯り始める頃、『小松田整骨院』…
お婆さんは、先祖代々から伝わる襖一枚分もある大きな仏壇の前に鎮座します。先生もそれにならい、お婆さんの後ろに正座しました。 仏壇にはきらびやかな装飾が施さ…
チュン チュンと庭の木に群がる小鳥のさえずりが、広い和室に澄み渡って響きます。 桜の季節が通りすぎ、初夏に向かって眩しく晴れ渡った日の午後、先生は沢村の…
「なにか、悩んでいるなら話してみぃ、ほれほれ」「そうだよ、センセイ!一人で抱え込むなんて、らしくないよ。何だかこっちまで滅入ってきちゃう……。ここは、私たちに…
我が家の電気温水器が壊れたことをきっかけに、放蕩の真冬の銭湯巡りがはじまった。『昭和』から時代が止まったような、その銭湯は、思いがけず駅近の路地裏にあった。番…
「おい、先生、おーーい! こまった奴じゃのう」 先生は「ハッ」となって、目を覚ましました。うつ伏せに寝ている沢村のお婆さんの腰を揉んでほぐしながら、ついウトウ…
そう、そこに生気を帯びて躍動しているものは何もなく、 風景は切り取られて額に収められた絵画のように、ただ静寂を保っていた。 寝たきりの母にいつか訪れる終末…
空高く、澄んだ空気に少し冷たい晩秋の風が心地よい11月がやって来ました。『いきいき長寿100歳体操』の始まりです。 初日の今日は、東山地域包括支援センター…
全くもって最悪だ。僕は冷静に目の前にある現実を分析しつつ、コンビニの陳列棚を見渡した。 12月25日の午後11時。日付はまだクリスマスを指しているとい…
そんなある日、【ひまわりディサービス】の仕事がない火曜日の午後のことです。 先生が自分の医院でゆっくりとコーヒーを淹れて味わっていると、チリンチリンと音が…
あたしパパとママとお兄ちゃんと暮らしているの。 みんなあたしを可愛がってくれるから、タンスの中にはお洋服がいっぱい。 毎晩、ふかふかの羽布団をかけて天蓋のつ…
赤いとんがり屋根にクリーム色の壁のした建物がお婆さんの通う〝ディサービス〟でした。 チョコレート色のドアを開けてお婆さんを送り届けると、中には車椅子に乗って…
おいしい食パンをいただきました!名前から「なんのお店︎」と気になりますが、厳選素材を使っ...
この投稿をInstagramで見る おいしい食パンをいただきました! 名前から「なんのお店⁉︎」と気になりますが、厳選素…
「 いち、に、さーーん、し、ご、ろく、ひち はち 」 大きな声を上げて体操をする先生と一緒に体を真似て動かしてくれるのは、一番前の椅子から立ち上がった沢村さ…
庭先にコスモスの花が揺れています。 古くから伝わる民謡のように、お婆さんが仏壇に向かってお経をとなえる声が、線香のかおりに乗って届いてきます。 先生は黒い皮…
「あ、あははは…駅からも遠いし、まだ開院して間もないですし…」「違うね。もう開院して3年もたっちょるし、あれだけチラシや看板で宣伝してたら十分じゃろ」 先生は…
最近はSNSが盛んになり、日常のブログや写真や思想をUPするのは、JKや若者や “ちょっと進んだ人” から、ご近所のママ友や、隣の席の同僚のように身近…
そんな仕事しかしていない日々のなかで「自分には何かが足りない。大事なものが欠けている」そんな想いは段々と増してゆきました。 残業帰りの深夜、駅前の広…
私は、携帯小説を書き始めると同時にパートにも出るようになりました。「夫を送り出して妻は専業主婦」なんて昭和の図式、今の時代では色んな意味で通用しませんよね…
訪れたのは、長い髪をした女のひとです。 「い…いらっしゃいませ!!」 だれも来ないので帰り支度でもしようかと、暗い気持ちになっていた先生は、あわてて持…
最初はみんな1人だった。失うべきものなんて、何も持っていなかった。 長く苦しい暗闇を抜けて、やがて眩い光に包まれ産声を上げたとき、 田舎の高校を出て家を…
「そうじゃのう~爺さんが亡くなったのが7年前じゃから、それからずっとじゃな」「寂しくないんですか」「もう、慣れたでな…」 普段おしゃべりする相手がいないから…
爽やかな秋晴れの朝が来ました。小鳥たちが木々の枝にとまりチュンチュンとさえずっています。 先生がいつものように医院に向かうと、病院の真ん前に何やら大きな…
『お客の来ない整骨院』 ある山に囲まれた緑の多いちいさな町に、一軒の整骨院がありました。 整骨院の院長は先生と呼ばれていましたが、先生は一人しかいませ…
まるで、生まれる前からそうであったかのように、その役所にピッタリと自然に収まっている人物がいる。 「バイク屋の兄ちゃん」は、慣れた手つきで部品をいじくり、…
もしも、天国や極楽浄土というものが存在するならば、きっとここのような場所ではないだろうか?綾香(あやか)は立ち上る湯気に包まれて、熱いお湯に身を浸しながらいつ…
それは、日曜日のように毎週末の休息でも、誕生日のように毎年祝われるイベントごとでもありません。結婚が決まっていた王女にとって、それは一生涯でただ一日だけの自由…
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