米内光政は海軍で「グズ正」と言われながらも人望があり出世していく。海軍大臣では「金魚大臣」と揶揄されるも、終戦に際し筋を曲げず、海軍と内閣をまとめていく。
ミステリーを始めとして、私の趣味で勝手にジャンルをくくって作品20を選びました。書評のブログがたくさんあるので、私独自の感想を書くことを目標にしています。当面は毎週月曜・水曜・金曜と定期刊行(?)を目指します。
5-1 虹の刺客 小説・伊達騒動 ① 森村 誠一(1993)
伊達政宗の孫の綱宗は驕奢が過ぎて隠居に追い込まれる。後継を望んだ伊達宗勝は幕府の権力者酒井忠清と結んで野望を果たそうとするが、家老の原田甲斐が立ち塞がる。
黒田家重鎮の栗山大膳は、藩主長政が危惧して廃嫡を決意した忠之を擁護して藩主に就任する。しかし忠之は奇矯な性格が収まらず、諫言する大膳と対立を深めていく。
前田利光改め利常は、幕府の容喙をかわして藩を運営する。長男の光高は若くして急死し残された子綱紀は3歳。利常は英才教育を施して、藩の継承に力を尽くす。
洗濯女として前田家に採用されたお千世は利家の子利光を産む。数多くの正妻の子がいる中、嫡子利長はまだ幼い利光に非凡を見出し、三代目を継がせる決意をする。
本多正純の策謀に嵌まり、福島正則は50万石の知行から4万5千石に大減封となる。そして嫡男の忠勝が暗殺されると、智謀をかけて本多正純と戦うことを決意する。
宮本武蔵は侍大将を夢見るが、乱世は収まり活躍する場所はない。決闘に勝ち続け、新陰流を受け継いだ、柳生兵庫介利巌と対決して名を挙げようと、尾張へと向う。
減知と浪費が重なり、名門上杉家は藩存亡の危機に陥っていた。養子で藩主となった後の鷹山は、反対勢力を粛清して藩立て直しに尽力するが、改革の実は結ばない。
軍神謙信の後継、上杉景勝。豊臣政権を支え秀吉薨去後は、側近直江兼続は天下を望む徳川家康を征伐する「密謀」を石田三成と交わす。しかし景勝の思いば別にあった。
儒者として生き、生活に困窮する新井白石だが、徳川綱豊に使えてから運命が代わる。綱豊は将軍家宣となり、白石は政治顧問として政策を立案、運営していく。
酒造りの家に生れた清河八郎は、文武に秀でて志士として名を挙げる。しかし出身の庄内藩は眠ったままで、志を遂げるために、様々な力を利用しなくてはならなかった。
松平斉典は将軍家斉の子を養子に迎え、財政難の領地を豊な庄内への国替えを画策する。将軍の意向を背に動き出す幕閣に対し、庄内藩は領民も合わせて対抗策を講じる。
一茶は継母と折り合いが悪く江戸に出奔して、賭け俳句で頭角を現わす。父の遺産を義母から奪い取り、若い妻を娶って家名存続に執念を燃やす激しい心を持っていた。
旗本の次男坊に生まれた神名平四郎は、剣術道場を建てる資金を騙し取られ、やむなく長屋で「よろずもめごと仲裁」を稼業にする。そこで様々な人と出会うことになる。
「ブログリーダー」を活用して、ムっくんさんをフォローしませんか?
米内光政は海軍で「グズ正」と言われながらも人望があり出世していく。海軍大臣では「金魚大臣」と揶揄されるも、終戦に際し筋を曲げず、海軍と内閣をまとめていく。
陸軍に入隊した阿南惟幾は、実直な人柄で政争が激しい陸軍内で注目を浴びる。侍従武官の際に侍従長だった鈴木貫太郎内閣で陸軍大臣を勤め、終戦を迫られる。
頭脳明晰だが奇行が目立った石原莞爾は、陸軍で頭角を現わし、満州事変を成功させた。しかし陸軍は派閥抗争と戦線拡大が進み、石原の思いからは離れていく。
高貴な身分と優れた教養、そして秀麗な風貌から国民全体の期待を集めた近衛文麿。なるべくして総理の座に就いたが、そこで自らの政策を貫くことはできなかった。
石工の子に生れた広田弘毅は学問に優れ、外交官を目指す。堅実で実直な仕事振りは徐々に周囲に浸透し、外務大臣、そして総理へと登り詰めるが、戦犯に指名される。
日露戦争の外貨獲得を成功させた高橋是清は、その後6度の蔵相で危機を乗り切るも、軍事予算の拡大を食い止めることで恨みを買ってしまい、二・二六事件を迎える。
高橋是清はヘボンの私塾で学ぶと海外渡航を希望する。ところが渡米先で騙されて奴隷として売られてしまい、何とか帰国すると、波瀾万丈の人生がスタートする。
尾張藩出身の加藤高明は帝大を首席で卒業するも、三菱に就職して岩崎弥太郎の娘婿となる。そこから外務省に転じて活躍するが、剛直な性格から山県有朋と対立する。
岩手県水沢に生れた後藤新平はお七馴染みの斉藤実と県庁に小僧として雇われる。支援を受けて医学を学ぶも、様々な人の縁にも恵まれて、官吏から政治家へと成長する。
南部藩家老の家に生れた原敬は、戊辰戦争で賊軍に回ったために苦難の道を歩む。それでも優秀な頭脳と実務家としての力量、南部人を代表する気構えで出世していく。
公家出身の西園寺公望はその胆力から明治の元勲たちに見込まれ、後継者教育を受ける。恵まれた出世コースを歩み総理の大命を受けると、その後元老として支えていく。
時代は明治から大正に移り、山本権兵衛が総理の印綬を帯びる。権兵衛は議場をそして陸軍を圧倒するが、シーメンス事件が起きて、権兵衛は舞台から追い落とされる。
薩摩出身の山本権兵衛は、若い頃からの暴れん坊。明治維新後は海軍に進むが、西郷従道の庇護によって、先輩をもリストラする軍制改革を行い、日露戦争に備えた。
紀伊藩の名門から出奔した陸奥宗光は、坂本龍馬の知遇を得て明晰な頭脳を武器に世に出る。明治維新後は国権に傾く政府に叛旗を翻すが、捕えられ投獄されてしまう。
大隈重信は佐賀藩伝統の「葉隠」教育に反発して老公鍋島閑叟に反発、倒幕運動に突き進み明治新政府ではその能力から要職に就くが、その性格から周囲と相容れない。
土佐藩は上士の家に生れた板垣退助は、親どころか藩主も持て余す暴れん坊。倒幕戦は武士道とはかけ離れた戦術で勝ち進む。しかし戦に飽きると、弁舌で政府に挑む。
公家でも最下級の家格に生まれた岩倉具視は、幕末の動乱の中、様々な謀略を抱えて活躍する。そこには当時世を動かした「言葉」を巧みに使い分ける姿があった。
京都は混乱していた。長州、薩摩、会津がそれぞれ対立する。大政奉還からの混乱を玉虫左太夫は仙台藩および会津と朝廷の仲介に奔走するも、官軍が頑迷だった。
仙台藩の微禄藩士に生まれた玉虫左太夫は、向学の思いから上京して、国学者として有名な大槻磐渓の知遇を得る。海外への興味から渡米し、世界を見聞して帰国する。
名門の旗本の小栗忠順は、文武に秀でて、外国人との交渉も巧みだった。幕府立て直しのために外国の力を借りて倒幕派を討とうとするが、反対派はその実力を恐れた。
中国地方を制覇した尼子家は、梟雄経久が亡くなると急速に滅亡の危機に瀕する。尼子家の家臣、山中鹿之介は「なり振り構わず」尼子家再興のために活躍する。
上泉伊勢守は長野業政に仕えながら、剣士としての生き様に憧れを抱いていた。主君業政の娘に剣を教えるうちに過ちを犯し、後に長野家の悲劇を呼び込んでしまう。
戦国時代を描く歴史物語は、新たな作家さんが、多くの作品を発刊しています。その中で今回取り上げなかった小説の、ほんの一部ををこの場で紹介させていただきます。
島津貴久の四男に産まれた家久は、兄3人とは違い武将らしくない性格。しかし戦術を語り始めると止らず、島津家の戦いで戦術を忠臣に多大な貢献をしていく。
時の国主龍造寺隆信に見出された鍋島直茂は、汚れ仕事も厭わずに龍造寺家の版図拡大に尽力する。しかし主君隆信は次第に傲慢となり、直茂の諫言を聞かなくなる。
3日目は打って変わって白浜のアドベンチャーワールドへ。パンダだけでなくイルカやペンギン、そして野生動物を見て童心に戻りました。最終日は和歌山城を観光。
父の苦労を見て育った戸次鑑連は、父の思いを糧に幼い時から戦場で活躍し、家中で注目を集める。そんな折家中で内紛が起き、妻と敵味方に分かれてしまう。
西国の名門大内家の家宰の家に生れた器量人の陶晴賢。主君の大内義隆の国経営が傾き、主君を替えて実権を握ろうとした。それを毛利元就は、冷徹に観察していた。
小豪族の次男に生まれた毛利元就は、兄の急死によって急遽大将として敵と戦う羽目に陥る。何とか勝利を治めると、敵や家臣に謀略を加えて少しずつ勢力を広げていく。
今年の旅行は、念願の和歌山へ。ギチギチのスケジュールの中、初日は仙台から真っ直ぐ高野山奥之院までヘロヘロに成りながらも到達。2日目は熊野三社詣でを決行。
宇喜多直家が、幼年時代から、どのようにして「梟雄」になったのかを描く、見事な連作短篇集。そこには母や妻、そして娘の悲しい運命を享受する漢の姿があった。
剣豪将軍義輝(下) 流星ノ太刀〈新装版〉【電子書籍】[ 宮本昌孝 ]価格: 935 円楽天で詳細を見る 【あらすじ2 孤雲の太刀―承前】 義輝は松岡兵庫助とともに諏訪神社に立ち寄るが、そこで諏訪御寮人に襲いかかろうとしている熊鷹を見つける。異常な殺気をまとって挑む熊鷹に対して、義輝は剣で遅れを取るも、体を交して命は取り留める。そこに真田幸隆率いる武田の武士が鉄砲で応戦して、何とか窮地は脱した。 諏訪御寮人の案内で甲斐に入るが、義輝は暴れる悍馬を飼い慣らそうとした武田晴信の危険を救い、一同から歓待を受ける。そこで偶然、旅一座の中から真羽を見つけた。真羽は義輝との身分の違いに気がつき身を退いたが、…
わずか11歳で将軍に就任した足利義輝だが、管領家の細川家、そして家宰の三好家の力が凌駕して戦を抑えることができない。それでも義輝は将軍家を再興しようとする。
将軍家の足利義維と管領家の細川晴元を擁する三好元長は、理想の世を求めながらも戦いに巻き込まれ、孤児の久太郎に汚れ仕事を行なわせて乱世を制圧しようとする。
朝倉家の柱石だった朝倉宗滴に助けられた山崎吉家は、当主が「愚将」朝倉義景になり意見が取り入れらず、多くの家臣が離反しても、最後まで裏切らなかった。
加賀国主の富樫政親は、一向門徒と対立し、民にしわ寄せがかかる。それを見た地侍の風間小十郎は国主も一向宗も信用できず、自らの判断で「沃野」を目指す。
松波高丸は細川勝元から「国滅ぼし」の謎を受け継ぎ、子の法連坊も見抜く。しかしその子の長井新九郞はその謎に戦慄し、対抗するために国主となり斎藤道三と名乗る。
公家の名門に生まれた悠姫は、殺伐とした京から離れ、駿河の名門今川家に嫁ぐ。ところが夫の氏親が早く亡くなり子も幼いため、悠姫は政務を代行することになる。
信玄を討つため、望月誠之助は村上家から離れ、織田家の滝川一益に仕える。一方武田家は勝頼に代替わりするが、高坂昌信の思いとは異なる「破滅」の方向に疾走する。
諏訪家の娘、美紗姫に仕える望月誠之助は、側室に取られた美紗姫を思い、信玄を終生の仇と誓う。信玄は山本勘助の建策を基に、着々と信濃の勢力を広げていく。