「白内障手術って簡単なんでしょ?」という、つらく切ない言葉をたまにもらうのが眼科医です。 「そんなこと言うなら自分でやってみれば!」という眼科医のお怒りの気持ちもよくわかります。当たり前ですが、自分がしていないこと・したこともないことで、相
眼科専門医による目に関する総合情報ブログ。一般向けから専門眼科情報、医療ネタをお送りします。
緑内障ガイドライン上、緑内障の定義は以下の通りです。 「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」(日本緑内障学会ガイドライン) 簡単
診療報酬改定の話題が広がっています。特に、日帰り手術におけるA400 短期滞在手術等基本料1のうち、入院しない手術、すなわち日帰り手術における報酬の一部(※)が約半額に減りました。(以下参照) ※手術費用自体が半額になったわけではありません
黄斑円孔の手術時期に関するレビューを紹介します。 黄斑円孔は、緊急度は高くないですが、早めの手術治療を行うことが望ましいとされる疾患です。 手術時期に関していつ行えばよいか?結論からいうと 「早めに手術しておいたほうが、術後の視力もよくなり
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「白内障手術って簡単なんでしょ?」という、つらく切ない言葉をたまにもらうのが眼科医です。 「そんなこと言うなら自分でやってみれば!」という眼科医のお怒りの気持ちもよくわかります。当たり前ですが、自分がしていないこと・したこともないことで、相
手術難易度の基準は何か?という点に関して考えてみます。 手術時間が長ければ難しいのか? 手術によるリスクが高いと難しいのか? はたまた、手術費用が高いものが難しいのか? それ以外にもいろいろと考えがあると思いますが、個人的に考えたものを書い
白内障手術件数の推移を調べました。レセプトから集計されるデータ、NDBオープンデータから確認しています。 2024年5月31日に令和4年度分(最新分)が更新されたので、そちらも含めて紹介します。 白内障手術件数(2014~2022年度) 2
参天製薬と田辺三菱製薬から「アレジオン®眼瞼クリーム0.5%」(一般名:エピナスチン塩酸塩)が共同販売されました。2024年3月26日に承認取得し、2024年5月22日に薬価収載され、発売開始となりました。 「世界で初めての1日1回上下眼瞼
2024年3月26日、バビースモは「網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫」への使用に適応が拡大されました。 それまではバビースモが使える疾患は、nAMD(加齢黄斑変性)およびDME(糖尿病黄斑浮腫)のみでしたが、今回、RVO(BRVO、CRVO)に
白内障手術にかかる時間を調査し、平均を求めてみました。 手術時間に関して検索しても、クリニックによって幅があり、「どれが正しいの?」となるかもしれません。今回、インターネット上で調べた日本における白内障手術の平均時間を計算したのでお伝えしま
正しい点眼薬の付け方に関する情報です。 点眼薬を複数使用する際には、最低5分あけてから次の点眼薬を付けるようにしましょう。 5分あける理由 その根拠となる研究 5分あけないとどうなるのか などを解説していきます。 点眼薬が多い人は大変ですが
緑内障ガイドライン上、緑内障の定義は以下の通りです。 「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」(日本緑内障学会ガイドライン) 簡単
診療報酬改定の話題が広がっています。特に、日帰り手術におけるA400 短期滞在手術等基本料1のうち、入院しない手術、すなわち日帰り手術における報酬の一部(※)が約半額に減りました。(以下参照) ※手術費用自体が半額になったわけではありません
黄斑円孔の手術時期に関するレビューを紹介します。 黄斑円孔は、緊急度は高くないですが、早めの手術治療を行うことが望ましいとされる疾患です。 手術時期に関していつ行えばよいか?結論からいうと 「早めに手術しておいたほうが、術後の視力もよくなり
2024年1月18日にアイリーア8mgの製造販売承認がなされました。これまでアイリーアは2mgの薬剤が抗VEGF薬として使われてきましたが、薬剤量にして4倍量の製品になります。 具体的な薬価はまだ決まっておりません。 アイリーア8mgの特徴
正常眼圧緑内障は、緑内障の分類の一つであり、日本人においては多いタイプでもあるため、眼科医からしたら一般的な疾患です。 しかし、 緑内障は眼圧が高いとなりやすいのに 眼圧が正常値なのに緑内障である正常眼圧緑内障 という、矛盾しているような内
問診は患者さんの症状、病気の原因を考える上で大事ですが、眼科医である場合には、それ以外にも確認すべき事柄があり、特に、 眼鏡(メガネ)の有無 運転免許の有無 本日の来院手段(都心以外) の3点はとても大切です。 若手の先生は忘れがちかもしれ
数は少ないですが、眼や眼周囲(まぶたなど)から生じる癌はあります。 今回は、もともと眼の癌ではなく、身体の癌があり、その身体の癌が原因で目に病気を起こす疾患についてです。(こちらも数は多くはありません) これらは腫瘍随伴症候群といい、腫瘍が
眼科における超重症で緊急な外傷疾患の一つとして、眼球破裂があります。 眼球破裂は、眼球を打撲した際に、眼球壁に非常に強い圧がかかることが眼球壁が裂け、圧力によって眼内の内容物が眼外へ飛び出ている状態を指します。 強い圧がかかることで内圧が上
災害時、命最優先ですが、見えないことはとても危険な状況になり得ます。 目だけのことを考えれば、コンタクトレンズはなるべく早く外し、メガネに切り替えたほうがよいことは言うまでもありません。 しかし、コンタクト使用中でメガネを持っていない場合、
最近好きな漫画の一つとして「王の病室」があります。週間ヤングマガジンで掲載中です。ヤングマガジン2024年2,3合併号(2023年12月11日発売)26話にて打ち切りとなりました。 医療現場の実情に結構即した内容であり、医療従事者からすると
眼科医はメガネ率が高い 眼科医は自分がメガネなのにレーシックやICLを勧めてくる 自分がしない治療を勧めるのは怪しい などといった意見は以前からあり、レーシックやICLをしようか考えている人を迷わせる内容です。 眼科医でも治療を受けている人
BDUMPとは、Bilateral Diffuse Uveal Melanocytic Proliferationの略で、日本語では「両眼性びまん性ぶどう膜メラノサイト増殖」となります。 BDUMPはかなり珍しい疾患ですが、身体の悪性腫瘍か
本来、白内障手術は急ぎません。 白内障手術は基本的に予定手術で行うものです。しかし中には緊急を要してすぐに手術する白内障もあります。 今回は、早急な手術が必要である白内障について解説していきます。 白内障手術における緊急度 まずはじめに、白
遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝子治療薬、ルクスターナ®(一般名:ボレチゲン ネパルボベク)が国内承認を受けまだ日が浅いですが、その薬価が決まり、第一次投与施設が決定したようです。 ルクスターナの薬価 片眼あたり4960万226円 両眼で99
多発性後極部網膜色素上皮症(MPPE:multifocal posterior pigment epitheliopathy)は稀な疾患ですが、非常に激しい反応を起こし、広範な網膜剥離を生じ視力低下を起こす可能性がある疾患です。 CSCと同
ヒドロキシクロロキン(Hydroxychlorquine:HCQ, プラケニル®)は抗マラリア薬であり、海外ではマラリアの治療や予防のために用いられますが、日本においては2015年から全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚エリテマトーデスの
外傷性視神経症(Traumatic optic neuropathy:TON)についてまとめました。 明確なガイドラインは存在せず、方針としては大きく以下の3つがあります。 経過観察(無治療) ステロイド投与 手術(視神経管減圧術) レビュ
眼科用材協会の医療用点眼剤写真一覧から点眼名を添付文書で検索し、妊娠、授乳中に安全に使える点眼薬はあるのか、という点に関して調べてました。 後発品がたくさん出ている薬剤、同一の一般名の薬剤はその中の1剤を調べています。 妊娠・授乳中に安全に
眼科の外来で行う治療として、レーザー手術があります。 レーザーの機器自体もいくつか種類がありますが、今回はその中でも網膜に行う網膜光凝固術についての、保険診療上の点数や対象疾患についてまとめます。 網膜光凝固術の保険点数、治療費用 網膜光凝
メラノーマ関連網膜症(MAR)は、自己免疫性網膜症(AIR:autoimmune retinopathy)における腫瘍随伴性のタイプとして、癌関連網膜症(CAR)とともに知られている疾患です。 自己免疫性網膜症(AIR:autoimmune
黄斑部毛細血管拡張症(Macular telangiectasia:MacTel)は、”マックテル”と呼ばれる黄斑疾患です。 MacTelは1~3型までありますが、日本人においては1型が最も多いです。 2型は診療ガイドラインが令和4年4月に
レバミピド懸濁性点眼液2%が参天製薬から発売予定となり、2023年6月16日に薬価収載されたので紹介します。発売は2023年9月1日の予定です。 レバミピドはもともと、大塚製薬がムコスタ(商品名)として、 胃薬 点眼薬 (2012年1月5日
医学用語で、新生血管(しんせいけっかん)と血管新生(けっかんしんせい)という用語があります。 英語では、neovascularity/ neovascularization/ angiogenesis などといいます。 眼科領域では、neo
黄斑部毛細血管拡張症(Macular telangiectasia:MacTel)は、”マックテル”と呼ばれる黄斑疾患です。 糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などと鑑別が必用となります。 MacTelは1~3型までありますが、日本人においては1
「このお医者さん若そうだから心配だわ」、「この爺さん医者大丈夫かな・・・」 自分の健康を預ける相手ですから、その医者がどんな医者か気になることはあるかもしれません。 医者のプライバシーはゆるゆるなので、検索すればそれなりに簡単に調べることが
眼科領域で古くから使われている点眼薬、ピレノキシンというものがあります。 同様の薬剤として、カタリン、カリーユニ(こちらは製造終了、というか名称変更)があります。 これらの点眼薬は眼科医であればほぼ全員が1度は処方を経験しているか、自身で処
遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝子治療薬、ルクスターナ®(一般名:ボレチゲン ネパルボベク)がNOVARTISより製造され、2023年6月26日に厚生労働省に認可されました。 基本的に網膜ジストロフィーは治療法がなく、経過フォロー、必要に応じ
先天白内障についてまとめました。 白内障は本来、加齢に伴い生じる加齢性変化で、歳を取ると全員なりますが、生まれたときから認める先天白内障というものがあります。 先天白内障は治療時期が遅れると弱視となるため、早期の発見、治療が必要となってきま
マイボーム腺機能不全のガイドラインが2023年2月に掲載されています。(検索すれば出てきます) 今回はマイボーム腺機能不全(MGD)について、ガイドラインから要点をまとめて記載しました。 MGDの概要 慢性の眼不快感を起こす MGDからドラ
網膜裂孔と網膜円孔の違いについて、レーザーの適応も含めてまとめました。 網膜裂孔と網膜円孔の違い 網膜裂孔 網膜が硝子体牽引により、裂けて孔が開いた状態 硝子体の牽引が原因です。基本的には牽引が残っています。 網膜円孔 網膜菲薄部(格子状変
後部硝子体剥離は加齢に伴い出現し、飛蚊症、光視症を引き起こします。 その症状だけであれば生理的範囲内ですが、そこから網膜裂孔、網膜剥離を生じることがあるため、必要に応じて眼科受診と治療を受けたほうがよいです。(必要ない場合もあります。) 今
日本国内でもそうですが、全世界的に近視の人口は増えています。 近視が強くなると裸眼視力が低下し、眼鏡やコンタクトなどの矯正が必要となってきます。 近視は「眼鏡またはコンタクトをしないとよく見えない」という日常生活上の不便さはありますが、近視
眼圧が高いと緑内障になりやすくなります。逆に眼圧が低いほど、緑内障にはなりにくいです。 したがって眼圧が低いことは緑内障にとっては基本的にはよいことです。 一方で、眼圧が低すぎるとよくないこともあるので以下で書いていきます。 低眼圧とは 眼