この話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。 不定期更新です。
僕が返事するよりも早くくりが、「おぉー、そうた、そうたも一緒帰ろ」「伊藤くん、こいつ仲村颯太。C組のやつ」「昨日理科部の部会で会ったから知ってるよ」僕がそう答えると、くりが「なんだ、もう知り合いか。まあ一緒に帰ろ帰ろ」そうしてくり、仲村くん、僕の3人で校門
5時間目に数学の授業を受けて今日は終わり。帰りの学活で「明日は入学式だからきちんとした格好で式に臨むように」という注意を受ける。「腰パンやスカート丈を短くしたり、そういうだらしない格好はしないように」とはいえここの中学はみんなわりと真面目に制服を着ているよ
テストは無難に終わったいくつか自信ない単語や漢字もあるけれど、春休み中やることなくてひたすら詰め込んだだけあって、だいたい答えることができたように思う2時間目から普通の授業各科目前の学校の先生とはいろいろ進め方が違う点があって、慣れるまで結構しんどいなあと
昨晩は結局大して勉強できずに寝てしまった。春休み期間に誰も知り合いもいなくて部活もなくて、とにかくやることなかったから結構詰め込んだから大丈夫だとは思うけれど。まだ友達らしい友達もできていないので、少し緊張しながら教室に入る。「おー、伊藤くんおはよー」く
「どうよ?」スマホに陽介からLINEが届いていた。転校前に喧嘩してから何となく連絡取りにくかったので向こうからLINEをくれたのはありがたかった。「まー普通。そっちは?」「担任は去年と変わらず鈴木先生だったわ」「ならいいじゃん」「工藤の指示で入学式の椅子の準備か
「兄ちゃん、ごはん、ごはんだよ」友也の声で目が覚めた。あれからずいぶん長いことベッドで寝てしまっていたようだ。外もすっかり暗くなっていた。慌てて制服からスウェットに着替えてリビングに向かう。味噌汁をすすりながら今日1日をぼんやりと振り返るなんで宇野先生は理
「理科部には…『なりゆき』っていうか、入るしかなかったっていうか…」「なりゆき?」仲村くんは何を言ってるんだろうって思った。部活に入るのに「なりゆき」ってどういうことだろう。今日みたく宇野先生に無理やり誘われたのだろうか。僕が少し怪訝そうな顔をしていたの
仲村くん、橋本くんも帰るところのようで2人と一緒に校門を出る。橋本くんは堀北中の近所に住んでいるらしくすぐに別れたけれど、仲村くんとは帰る方角が一緒だったので何となく一緒に帰ることにした。「前は東京にいたの?」仲村くんが話しかけてきたので、「ああそうだよ」
「ただいまー」「おかえりー。学校どうだった?」「まー普通。昼食べたら再登校するわ」「え、再登校?何するの?」「よくわかんないけど、担任に再登校してくれって言われた」母さんは怪訝そうな顔をしていたけれど、それはこっちも同じである。さっき聞けば良かったんだけ
4月6日。着慣れない詰め襟(前の学校はブレザーだった)を着て、父親と一緒に堀北中へ向かう。なんで父さんが来るんだよって思ったけれど、母さんは母さんで友也を連れて堀北第三小学校に行かなければいけないので、僕は父親で我慢するしかない。というか、友也が母さん同伴と
いつもよりかなり早く咲いたという桜が舞い散る中、新しい中学校の校門をくぐった。校庭では野球部が練習しているようだった。会議室にいた先生は町田と名乗った。国語の先生で学年主任だそうだ。甲高い話し声がちょっと苦手だな、と感じた。僕は母さんと2人で新しく通うこと
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