先週、実家の2階トイレ付近に、10センチはあろうかというほどの大クモが現れた。足腰も太く、ヒトデほどのボリュームがある。「わ!クモ」というわたしの叫びに驚いたヤツが、開いていたトイレのドアから中にはいったのを見計らい、ドアを閉め、ヤツを閉じ込めた。そこまではいいが、以来、そのトイレが使えなくなった。さてどうしたものか。バルサンを焚いて中に差し込むか。ともかく折を見てどうにかしなくてはならない――。1週間ぶりにそのトイレの前を通るとなんと、ドアが半開きになっている。古い木造住宅のこと、建付けが緩くなり、風圧かなんかで開いたのだろう。果たしてクモは、そのまま中にいるのか、それとも脱出したのか。中を覗いて確認する勇気はない。不気味な気持ちをひきずったまま迎えた夜、食後なにげなく足元を見ると、黒いかたまりがススス...大捕り物帖