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  • ラスト一周

    走っても走っても、最後の周回を合図する鐘が鳴らない。同じトラックを、何周走ったらいいかも分からないまま走っている、そんな気分だ。一向に景色が変わらない。ここで体力を消耗してどうするのだ。 片付けたところが、また散らかって、何回も何回も片付ける。ゴールがいつ来るのだろう? なぜ、片付けができないのだ?どうしてこんなにも私にまとわりつくのだ? 『カランカラン』こんな音なのかは不明。 鐘が鳴った。 『ゆめ子さん、ラストスパートやで』 「そうだね、みぃ」 鐘を鳴らしたみぃと会話する。 ラストスパートと表現するほどのスピード感はないが、現在、ラストの一周に取り掛かっている気はしている。みぃが手伝ってくれ…

  • 雨の日も

    差したばかりの傘を、畳んだ。途中、軒下で雨宿りをしていた自転車の男性も、動き出したことだろう。スーパーの往復ぐらいは持つだろうと思われた雨は、数分刻みで、降ったり止んだりを繰り返している。 少し先で信号待ちをしている下校中の子供たちは、話に夢中なのか、雨が上がったことに気付かず、傘を差しっぱなしだ。 雨に当たる、青く色づいたアジサイを見つけた。もうすぐ梅雨入りする、そんな季節だ。 湿気が溜まりやすい、洋室の押入を開けると、除湿剤の水が一杯になっていた。ここの押入は、使いづらい。追いやられたモノが、ここに行き着いていた。つい先日、もう一方の和室の押入から、幾分かモノを処分した。こちらの洋室の押入…

  • 稀と言わずに

    頭痛がした。日に当たって、疲れたようだ。ウォーキングとは違う運動量で、体力も使った。 前回は、他のグループが途中で帰宅するほど、風が強い日だった。テニスには不向きな天候で、私達も度々中断して、休憩ばかりしていた。今回は、前回と打って変わって風もなく、テニス日和だ。”ボールがコントロールできないのは、今日は風のせいではなく、技量の問題だから”と笑いながら、遥子ちゃんとストレッチをする。 ラリーもわりと続いた。ただ、上手く打てる時は稀だ。打ち方が定まらず、下手さを実感する。”そんなことはないよ”と、褒め上手の遥子ちゃんの言葉には、素直に”ありがとう”と答える。 夫の夕食が、予め必要ないのを知ってい…

  • いらないモノ

    最後は”アルバムの整理”と決めている。 今月に入って、ごみを何袋出したか数えている。連休明けに、物置の不用品と書類の一部を捨てたのをきっかけに、現在のところ、計七袋を捨てている。ごみ袋の容量分、家の中からモノが減ったという証だ。ごみ袋を一杯にするのは、案外大変なのだが、達成感がある。嵩張るモノ、かつ処分の判断に時間が掛からないモノが次々と出てきているおかげで、このペースで捨てることができている。 外には、物置以外に収納ボックスが二つあった。そこに、靴を入れた記憶はあった。しかし、処分した記憶もある。まだ一足か二足は残していたかもしれない。蓋を開けると、そこには六足も靴があった。すべて処分した。…

  • まだまだ お付き合い

    君がやって来るとは、微塵も思っていなかった。最後に来た日から今まで、なんの音沙汰もなく時間だけが経過していた。もう一生来ないだろうと、そのつもりでいた。だから、驚いた。それにいつもは知らせがあるのに、急にやって来たことも、予期せぬことだった。君が来る知らせは、お腹が痛くなるのだ。 後になって、前日、爆食したことが、予兆だったと気付いた。生クリームたっぷりのデザートを食べたうえに、冷蔵庫を何度も開けて、保存してある個包装のチョコをいくつも食べた。間食を控えても、ウォーキングをしても、体重がむしろ増えているのではないのかと、諦めゆえに暴走し始めた行動だと認識していた。違ったのか。 ”月のもの”が来…

  • 猫とのひととき

    彼女はいつも窓辺にいる。じっとこちらを見る彼女は、いつも微動だにせず、まるで置物のようだ。”窓辺にいる猫”とそのままのタイトルをつけたくなる。当たり前のその姿が、目に焼き付いている。 しかし、今日は姿が見えない。キッチンにある、私宛のメモには、いつもと違う一文があった。「見当たらなくても、心配しないでね」死角になっている場所に隠れているらしい。 何度も彼女の名前を呼んでいるのに、ちっとも姿を見せてくれない。「もう帰るよ」といって、部屋をあとにした。 2階は彼女のテリトリーだが、1階をテリトリーとしているのは彼だ。再び1階へ戻ると、彼はお待ちかねである。いつも無防備に腹を見せてくる。 翌日も、彼…

  • この勢いで

    宣言したとおり、ごみを一袋、いや三袋捨てた。 いつものメンバーで、今年は恒例の花見をしそびれてしまった。年に一度、花見のときだけ外に出る。それ以外は、互いの家を行き来する。ゴールデンウィーク中の急な声掛けに、河川敷を集合場所に選んだのは、花見のリベンジではなく、タープのお披露目が理由であった。 夫が、前から気になっていたタープを購入した。タープは、日差し除けになる長方形の布で、高さを調整して形を変えたりして、いかようにも設置できる。数週間前にタープ設置の練習のために、夫と私、そして娘も合流して、一度河川敷に出向いている。三人で小さな敷物の上でこじんまりと過ごしたときより、皆の敷物を合わせて大勢…

  • 連休は明けた

    ”結構時間がかかるな”と心の中で呟いた。朝早くからコンビニに出向いて、機械の前で”完了”するのを待っていた。 連休と連休の合間の平日に、見知らぬ番号から電話があった。後にどこからの電話か分かったのだが、掛けそびれて、後半の休みに入ってしまった。用件は分かっている。連休明け、朝一で電話を掛け直す前に、用を済ませにコンビニにやってきた。 機械の前で少し待たされたあと、”送信できませんでした”というメッセージが目に入る。”えっ?お金は?”と焦る。”投入したお金は戻ってきません”というメッセージをみたような気がしたからだ。さすがに、”未送信”では該当しないようで、お金は戻ってきた。 提出先に書類を持参…

  • 真実はいつもひとつ

    「なにやってんの~!」 母親が子供に向かって言う。子供は悪くない。ちょっとした不注意である。注意のしようもなかったかもしれない。”なにをやってるの”なんて、仕方のないことなのに、母親は言うべきではない。あっと思った瞬間、Sサイズの量のポップコーン塩味が、床にぶちまけられていた。 数日前、夫と娘が意気投合して、何やら盛り上がっていた。私も便乗して、三人で映画を観に行くことになった。毎年上映されるこのアニメを、映画館で観るのは、実は初めてだった。 三人並んで席を取ったが、そのうちの一つ、入口に近い席は空席で、トレイに載せたポップコーンがスタンバイしているだけだった。その席の主が、リクエストした塩味…

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うお座のゆめ子さん
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片付けられない「私」と向き合う
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