─拳聖の提言─ 「フム……流石はレオナ姫じゃな……早速動き出したようだ……」 ロモス王国のシナナ王は先刻パプニカから届いたレオナからの書簡に頷きながら目を通していた。 「我が国は比較的他の国に比べて魔王軍による被害はさほどでもなかったが、パプニカも少しずつ復興が...
ダイの大冒険最終回後の二次小説になります。 一部と二部に別れてます。 第一部は大魔道士ポップ主人公 第二部は勇者ダイ主人公 ダイの大冒険世界に真の平和を齎します!
─拳聖の提言─ 「フム……流石はレオナ姫じゃな……早速動き出したようだ……」 ロモス王国のシナナ王は先刻パプニカから届いたレオナからの書簡に頷きながら目を通していた。 「我が国は比較的他の国に比べて魔王軍による被害はさほどでもなかったが、パプニカも少しずつ復興が...
─ドワーフ族 ルゲル─ 100年以上もの間、人の足が踏み入れられる事のない未踏の地。 コタムカイン雪原──。 その雪原から程近く、ここにも人が全く近寄る事のない場所がある。そして、その見渡す限りの白い世界の中にあって永久に溶けることのない豪雪地帯に彼の住居兼...
─ロン・ベルクの危惧─ オーザム南部の地に足を踏み入れたロン・ベルクはそこに聳え立つピラァの周辺を探っていた。 ほんの数日前、大魔王バーンが地上の六つの地点に投下した、このピラァ・オブ・バーンはバーンの長きに渡る地上破滅計画の最大にして最後の一手だった。しかし、神の...
─ジャンクの過去─ ポップとマァムがそれぞれの故郷への帰路に就いてから時間は大戦翌日から三日後のポップが目覚める日まで遡る── ポップの父ジャンクと母スティーヌに勇者ダイが大魔王バーンを倒し、この世界に再び平和が取り戻されたことを伝えたのはジャンクの武器...
─想い 愛言葉─ マァムがマトリフのルーラでネイル村への帰路に就いてから暫くして、アバンはポップがいる部屋の扉をノックした。 コンコン…! 「はい……!」 ポップが応えて扉を開けるとアバンが柔らかい笑顔でそこにいた。そのアバンの表情をみてポップはマァムが無事に...
─想い 手紙─ 先に故郷ネイル村への出立を迎えたのはマァムだった。仲間達が見送りに揃う中で、やはりポップだけはその姿を見せなかった。わかってはいたことであったが、マァムはその事が少し心残りでもあった。 しかし、ほんの小一時間前にレオナとメルルと深い友情を確かめ...
─友情の華─ 「本当にマァムには逢っていかなくていいんですか?ポップ……」 アバンの問いにポップは俯いたままだ。 食堂で朝食を取っているであろうマァムと顔が合わせづらいポップにレオナが気を利かせて特別にアバンとポップに朝食の為の部屋を用意してくれた。 「まぁで...
─醜い姿─ 翌朝早く、アバンとポップはレオナの執務室に向かって長い廊下を歩いていた。アポロから早朝からレオナが執務室で仕事をしていると訊いたからだ。 「それにしても姫さん、どうしてまたこんな朝早くに?」 「昨日までの姫ではないという事なのでは?」 アバンが...
─師との宵─ 夕暮れから夜の闇に空の表情が変わる頃、アバンはマトリフの岩屋に足を運んでいた。 「ポップ?いますか?」 入り口付近で中にいるポップに声を掛ける。 「ん?先生……?」 ポップが腰を上げて入り口に向かうとアバンが笑顔で待っていた。 「すいません...
─遠ざかる背─ ランチでのワインの飲み過ぎにより控え室で寝息を立てているレオナを呆れてみていたマァムとエイミはアポロ、マリンと合流して仕方なくレオナ不在のダンス大会の準備を始めた。すると、そこにアバンが顔を出す。 「おや?レオナ姫はどうされました?」 「先生!」...
─勇気の一歩─ レオナ主催の復興とアバンのフェアウェルパーティーは中盤を迎え、日も高く登り今は皆が、それぞれ好みの露店でランチを楽しんでいた。そんな中でポップは一人、人気のない岩場で冴えない顔をしている。 グウゥ~ 「あ~あ腹へったなぁ……昨日のマァム...
─初恋と巣立ち─ メルルの占い道具を片付け終わり彼女も祖母のナバラのいる占い露店に戻り、アバンもパーティー会場に戻った頃、マァムはメルルと二人でいつか話をしたバルコニーのある部屋にヒュンケルといた。 「ごめんなさい……急に……」 「いや、構わないがどうした?何か...
─エルフ─ メルルは朝からパプニカの国民が自分の占いを目当てにして行列を作る模様に圧倒されながらも、一人一人に丁寧に占い結果やアドバイスを送っていた。みんな満足してくれているのは嬉しかったが、目の前の行列は一向に途切れそうにない。もう、かれこれ一時間以上も途...
─二人の乙女─ 翌日の午前より始まったアバンの為のフェアウェルパーティーとパプニカ国民の為の復興決起パーティーはレオナ姫の主導で大盛況なパーティーが催された。 パプニカの城下町にある広場がそのパーティーのメイン会場となった。そして、そのメイン会場を中心に復...
─エルフの英雄─ 「そう、そうよ、はい!イチ、ニ、イチ、ニ!」 「お、おお……」 ヒュンケルは夕食後にエイミに声を掛けられ、何故かダンスの指南を受けていた。 「うん、やっぱりスジがいいわね♪さすがよヒュンケル!」 「そ、そうか?しかし、なんでダンスなんか俺がし...
─感情─ 「はぁ~さすがに疲れたぜ~腹へった~」 ポップはマトリフの言い付けで彼の住居である岩の洞穴で、積まれた魔導書を読み込んでいた。ところが、それを言い付けたマトリフはと言うと一向に帰ってこない。 「たくっ~!師匠もちっとも帰ってこねぇしよ~」 ポッ...
─パプニカの復興─ ─平和の維持─ パプニカの城下町も随分と復興が成されて来た。しかし、ピラァオブバーンで破壊されたパプニカ西部には、まだ完全には復興が成されてない所もありレオナ姫の命の下、その地域の街中には三賢者が派遣され住民と共に懸命に復興に向け...
─デルムリン島へ─ クロコダインとヒムは、ここ数日チウの付き合いで獣王遊撃隊の訓練をチウが勝手に決めた特別顧問という肩書きで見守りながら、隊員のレベルアップに協力していた。そのおかげもあってか、遊撃隊のそれぞれのメンバーがいくつか連携技を習得して、新しいフォーメーシ...
─カールへの帰還─ ポップが目を覚ましてから三日の間にアバンはレオナと執務室で、今後の事について話し合っていた。 「パプニカの復興については出だし好調といったところですね」 「はい、鬼岩城の攻撃による城下町の破壊状況はかなり復興が成されて来たので、食糧やその他の...
─ポップの使命─ ─隣に居る理由─ ポップを探して歩いていたマァムは、浜辺で出くわしたクロコダインとヒムにポップがマトリフと一緒だったと聞き、マトリフの住居になっている岩穴に向かった。すると、丁度その岩穴が見えたところでマトリフとポップが中に入っ...
─チウの焦り─ 「てやあああぁぁぁぁぁー!!」 ポップが目覚めた翌日の午後。パプニカの海を背景にして広がる浜辺で、大ネズミのモンスターにしてマァムと同じ拳聖ブロキーナに師事するチウは苛立ちの余りに近くの岩を砕きまくっていた。 「オウ、チウここにいたのか?どう...
─ヒュンケルの光─ 夕食後、ヒュンケルはテラスで夜風に当たっていた。すると…… 「ヒュンケルさん?」 声のする方を向くと、メルルが顔を見せた。 「すまない、呼び出してしまって」 「い、いえ……それはいいんですが、私に話しがあるなんて、珍しいですね……」 メルルは...
─マトリフの懸念─ アバンはその扉をノックすると、相手からの応答の声を聞いて、扉を開けた。 「マトリフ、ずっとここに居たのですか?」 「おう、アイツは目を覚ましたか?」 ここは、パプニカ城の図書室。パプニカ王国が誕生した頃からの史書や代々の国王達が残したその当時の...
─大魔道士の目覚め─ ダイが空に消え、ポップに重症を負わせた黒の核晶(コア)の爆発から三日目の朝。アバン達は示し合わせた様にポップの部屋に集まっていた。昨日までに何度もこの部屋を訪れていたレオナ、メルル、ヒュンケルの他にもラーハルト、ヒム、クロコダインやチウの姿も見...
─禁忌の者─ 「これは、どこに運ぶ?」 「あーそれは、こっちに置いといておくれ」 暗い暗い日の光りのない世界。灯りと呼ばれるものは、今は年老いた魔道士の女の杖の先に灯された魔法に頼るしかない。 「婆さん、とりあえず一通り言われたモノは運んだぜ」 男は老婆魔道士...
─宵の語り 二人─ 夕食後、食堂でメルルが配膳係と共に後片付けをしているとマァムが声を掛けた。 「メルルさん、私も手伝うわ」 「マァムさん!」 メルルは突然マァムに声を掛けられ驚いた。 「そんなに驚かなくても……」 「ごめんなさい、ちょっと考え事をしていた...
─占い師の朝と祝福の未来─ 朝食を取った後、レオナの言いつけ通りに睡眠を取って身体を休めたメルルは夕方近くに目を覚ました。しかし、ベッドに入ってからずっと頭から離れなかった事が目を覚ました今もまだ、メルルの中でモヤモヤと残っていた。 (マァムさん………ずっと...
─壊滅の傷痕と希望の女神─ ダイが空に消えた黒の核晶(コア)の爆発の後、最終決戦前に備えていた砦に一旦戻り、大戦後の疲れを癒していたカール王国の女王フローラは、その翌日の午後には共に生き残った配下の兵士達と既に魔王軍に破壊し尽くされ、廃墟となっていたカール王...
─絆の空間─ ダイが黒の核晶(コア)の爆発により空に消えてから翌日の昼下がりの午後。かつての陸戦騎ラーハルトはパプニカ城から程近くの森に身を潜めながら、自身の武器である鎧の魔槍を懸命に振り回していた。早朝の日がまだ昇り切らない頃から、まるで何かに取り憑かれた様に...
─振り返らない友 漆黒の巨竜 安らぎの手─ 見覚えのある湖が目の前にある。しかし、湖以外は靄が掛かっているのか、ぼんやりとしてよく見えない。 (「ここは………あ!そうだ!テランの湖!?」) 少年は訝しんでいる。何故...
─熱い涙と愛しき手─ 「ん………うん………」 アバン達が去った後、暫くしてマァムは目を覚ました。 「あ………やだ、私寝ちゃってたの?あ………」 ふと見るとマァムはポップの手を握っていたことに気付いた。 「ポップ………良かった、よく眠ってるわ………」 (トクン………...
─占い師の憂い─ レオナは寝室から出ると長い廊下を歩いてポップが運ばれた部屋に向かっていた。暫く歩くと大きな窓のある廊下に出る。窓からは朝の爽やかな日差しが射し込んで、レオナは思わず立ち止まった。 陽光と青空の眩しさに目を細める。 (あの空の向こうに君はいるの...
見ている 見ている この目の届かない場所から 見ている 狩る側の匂い 狩られる側の匂い 虐げられてきた 求められてもきた でも そのどれもは 価値の無い過去に変わって 私の中から煙のように旅立つ もう繰り返さない 繰り返せない でも 後悔はない 今があるなら 明日はみえる ...
─消せない希望─ 大戦後から一夜明け、ヒュンケルはパプニカ城の一室で目を覚ましてから暫くの間、先の大戦を振り返っていた。 時間にして僅か三ヶ月と少し。ヒュンケルの人生にとって最も濃密な時間が通り過ぎた感覚だった。そして様々なモノを失い、それ以上に得て来た時間だ...
─想いの行方─ その眼鏡の奥の瞳には力強さが籠っていた。 かつて、この世界を恐怖の底に陥れた魔王ハドラーを倒しこの世に平和を取り戻した勇者アバンは先の大魔王バーンとの大戦では、ダイとその仲間達と共にバーン打倒の為、多大なる力とその叡知を尽くし勝利に貢献した。 そし...
─バカ勇者─ 静まり返った空間。 ここパプニカの王宮は、大魔王の手から平和を勝ち取った国の一つとは思えない程、静寂に包まれていた。 そんな城内の一室。パプニカ王国の姫レオナの寝室において部屋の主であるレオナは一日振りにその瞼をゆっくりと開いた。頭の中はまだ靄...
─空に散る 風に眠る─ 勇者ダイと大魔王バーンの壮絶な死闘は勇者ダイの勝利に終わった。 しかし、勝利の歓喜も英雄の凱旋の祝福も束の間に終わる。 かつて、大魔王バーンと魔界を二分していた冥竜王ヴェルザーの配下である、死神キルバーンがアバンに首を切断されていたにも関...
ダイの大冒険。原作最終回後の話しになります。基本連載形態。後々、戦闘シーンもありますが、かなり後の方です。 30年前から夢中な作品。新作アニメで再度火が点き温めていたアイデアと新しいアイデアを上手く組み合わせていきますが、破綻しないよう気を付けます。 長くなりそうなので、更...
「ブログリーダー」を活用して、平月さんをフォローしませんか?
─拳聖の提言─ 「フム……流石はレオナ姫じゃな……早速動き出したようだ……」 ロモス王国のシナナ王は先刻パプニカから届いたレオナからの書簡に頷きながら目を通していた。 「我が国は比較的他の国に比べて魔王軍による被害はさほどでもなかったが、パプニカも少しずつ復興が...
─ドワーフ族 ルゲル─ 100年以上もの間、人の足が踏み入れられる事のない未踏の地。 コタムカイン雪原──。 その雪原から程近く、ここにも人が全く近寄る事のない場所がある。そして、その見渡す限りの白い世界の中にあって永久に溶けることのない豪雪地帯に彼の住居兼...
─ロン・ベルクの危惧─ オーザム南部の地に足を踏み入れたロン・ベルクはそこに聳え立つピラァの周辺を探っていた。 ほんの数日前、大魔王バーンが地上の六つの地点に投下した、このピラァ・オブ・バーンはバーンの長きに渡る地上破滅計画の最大にして最後の一手だった。しかし、神の...
─ジャンクの過去─ ポップとマァムがそれぞれの故郷への帰路に就いてから時間は大戦翌日から三日後のポップが目覚める日まで遡る── ポップの父ジャンクと母スティーヌに勇者ダイが大魔王バーンを倒し、この世界に再び平和が取り戻されたことを伝えたのはジャンクの武器...
─想い 愛言葉─ マァムがマトリフのルーラでネイル村への帰路に就いてから暫くして、アバンはポップがいる部屋の扉をノックした。 コンコン…! 「はい……!」 ポップが応えて扉を開けるとアバンが柔らかい笑顔でそこにいた。そのアバンの表情をみてポップはマァムが無事に...
─想い 手紙─ 先に故郷ネイル村への出立を迎えたのはマァムだった。仲間達が見送りに揃う中で、やはりポップだけはその姿を見せなかった。わかってはいたことであったが、マァムはその事が少し心残りでもあった。 しかし、ほんの小一時間前にレオナとメルルと深い友情を確かめ...
─友情の華─ 「本当にマァムには逢っていかなくていいんですか?ポップ……」 アバンの問いにポップは俯いたままだ。 食堂で朝食を取っているであろうマァムと顔が合わせづらいポップにレオナが気を利かせて特別にアバンとポップに朝食の為の部屋を用意してくれた。 「まぁで...
─醜い姿─ 翌朝早く、アバンとポップはレオナの執務室に向かって長い廊下を歩いていた。アポロから早朝からレオナが執務室で仕事をしていると訊いたからだ。 「それにしても姫さん、どうしてまたこんな朝早くに?」 「昨日までの姫ではないという事なのでは?」 アバンが...
─師との宵─ 夕暮れから夜の闇に空の表情が変わる頃、アバンはマトリフの岩屋に足を運んでいた。 「ポップ?いますか?」 入り口付近で中にいるポップに声を掛ける。 「ん?先生……?」 ポップが腰を上げて入り口に向かうとアバンが笑顔で待っていた。 「すいません...
─遠ざかる背─ ランチでのワインの飲み過ぎにより控え室で寝息を立てているレオナを呆れてみていたマァムとエイミはアポロ、マリンと合流して仕方なくレオナ不在のダンス大会の準備を始めた。すると、そこにアバンが顔を出す。 「おや?レオナ姫はどうされました?」 「先生!」...
─勇気の一歩─ レオナ主催の復興とアバンのフェアウェルパーティーは中盤を迎え、日も高く登り今は皆が、それぞれ好みの露店でランチを楽しんでいた。そんな中でポップは一人、人気のない岩場で冴えない顔をしている。 グウゥ~ 「あ~あ腹へったなぁ……昨日のマァム...
─初恋と巣立ち─ メルルの占い道具を片付け終わり彼女も祖母のナバラのいる占い露店に戻り、アバンもパーティー会場に戻った頃、マァムはメルルと二人でいつか話をしたバルコニーのある部屋にヒュンケルといた。 「ごめんなさい……急に……」 「いや、構わないがどうした?何か...
─エルフ─ メルルは朝からパプニカの国民が自分の占いを目当てにして行列を作る模様に圧倒されながらも、一人一人に丁寧に占い結果やアドバイスを送っていた。みんな満足してくれているのは嬉しかったが、目の前の行列は一向に途切れそうにない。もう、かれこれ一時間以上も途...
─二人の乙女─ 翌日の午前より始まったアバンの為のフェアウェルパーティーとパプニカ国民の為の復興決起パーティーはレオナ姫の主導で大盛況なパーティーが催された。 パプニカの城下町にある広場がそのパーティーのメイン会場となった。そして、そのメイン会場を中心に復...
─エルフの英雄─ 「そう、そうよ、はい!イチ、ニ、イチ、ニ!」 「お、おお……」 ヒュンケルは夕食後にエイミに声を掛けられ、何故かダンスの指南を受けていた。 「うん、やっぱりスジがいいわね♪さすがよヒュンケル!」 「そ、そうか?しかし、なんでダンスなんか俺がし...
─感情─ 「はぁ~さすがに疲れたぜ~腹へった~」 ポップはマトリフの言い付けで彼の住居である岩の洞穴で、積まれた魔導書を読み込んでいた。ところが、それを言い付けたマトリフはと言うと一向に帰ってこない。 「たくっ~!師匠もちっとも帰ってこねぇしよ~」 ポッ...
─パプニカの復興─ ─平和の維持─ パプニカの城下町も随分と復興が成されて来た。しかし、ピラァオブバーンで破壊されたパプニカ西部には、まだ完全には復興が成されてない所もありレオナ姫の命の下、その地域の街中には三賢者が派遣され住民と共に懸命に復興に向け...
─デルムリン島へ─ クロコダインとヒムは、ここ数日チウの付き合いで獣王遊撃隊の訓練をチウが勝手に決めた特別顧問という肩書きで見守りながら、隊員のレベルアップに協力していた。そのおかげもあってか、遊撃隊のそれぞれのメンバーがいくつか連携技を習得して、新しいフォーメーシ...
─カールへの帰還─ ポップが目を覚ましてから三日の間にアバンはレオナと執務室で、今後の事について話し合っていた。 「パプニカの復興については出だし好調といったところですね」 「はい、鬼岩城の攻撃による城下町の破壊状況はかなり復興が成されて来たので、食糧やその他の...
─ポップの使命─ ─隣に居る理由─ ポップを探して歩いていたマァムは、浜辺で出くわしたクロコダインとヒムにポップがマトリフと一緒だったと聞き、マトリフの住居になっている岩穴に向かった。すると、丁度その岩穴が見えたところでマトリフとポップが中に入っ...
─ジャンクの過去─ ポップとマァムがそれぞれの故郷への帰路に就いてから時間は大戦翌日から三日後のポップが目覚める日まで遡る── ポップの父ジャンクと母スティーヌに勇者ダイが大魔王バーンを倒し、この世界に再び平和が取り戻されたことを伝えたのはジャンクの武器...
─想い 愛言葉─ マァムがマトリフのルーラでネイル村への帰路に就いてから暫くして、アバンはポップがいる部屋の扉をノックした。 コンコン…! 「はい……!」 ポップが応えて扉を開けるとアバンが柔らかい笑顔でそこにいた。そのアバンの表情をみてポップはマァムが無事に...
─想い 手紙─ 先に故郷ネイル村への出立を迎えたのはマァムだった。仲間達が見送りに揃う中で、やはりポップだけはその姿を見せなかった。わかってはいたことであったが、マァムはその事が少し心残りでもあった。 しかし、ほんの小一時間前にレオナとメルルと深い友情を確かめ...
─友情の華─ 「本当にマァムには逢っていかなくていいんですか?ポップ……」 アバンの問いにポップは俯いたままだ。 食堂で朝食を取っているであろうマァムと顔が合わせづらいポップにレオナが気を利かせて特別にアバンとポップに朝食の為の部屋を用意してくれた。 「まぁで...
─醜い姿─ 翌朝早く、アバンとポップはレオナの執務室に向かって長い廊下を歩いていた。アポロから早朝からレオナが執務室で仕事をしていると訊いたからだ。 「それにしても姫さん、どうしてまたこんな朝早くに?」 「昨日までの姫ではないという事なのでは?」 アバンが...
─師との宵─ 夕暮れから夜の闇に空の表情が変わる頃、アバンはマトリフの岩屋に足を運んでいた。 「ポップ?いますか?」 入り口付近で中にいるポップに声を掛ける。 「ん?先生……?」 ポップが腰を上げて入り口に向かうとアバンが笑顔で待っていた。 「すいません...
─遠ざかる背─ ランチでのワインの飲み過ぎにより控え室で寝息を立てているレオナを呆れてみていたマァムとエイミはアポロ、マリンと合流して仕方なくレオナ不在のダンス大会の準備を始めた。すると、そこにアバンが顔を出す。 「おや?レオナ姫はどうされました?」 「先生!」...
─勇気の一歩─ レオナ主催の復興とアバンのフェアウェルパーティーは中盤を迎え、日も高く登り今は皆が、それぞれ好みの露店でランチを楽しんでいた。そんな中でポップは一人、人気のない岩場で冴えない顔をしている。 グウゥ~ 「あ~あ腹へったなぁ……昨日のマァム...
─初恋と巣立ち─ メルルの占い道具を片付け終わり彼女も祖母のナバラのいる占い露店に戻り、アバンもパーティー会場に戻った頃、マァムはメルルと二人でいつか話をしたバルコニーのある部屋にヒュンケルといた。 「ごめんなさい……急に……」 「いや、構わないがどうした?何か...
─エルフ─ メルルは朝からパプニカの国民が自分の占いを目当てにして行列を作る模様に圧倒されながらも、一人一人に丁寧に占い結果やアドバイスを送っていた。みんな満足してくれているのは嬉しかったが、目の前の行列は一向に途切れそうにない。もう、かれこれ一時間以上も途...
─二人の乙女─ 翌日の午前より始まったアバンの為のフェアウェルパーティーとパプニカ国民の為の復興決起パーティーはレオナ姫の主導で大盛況なパーティーが催された。 パプニカの城下町にある広場がそのパーティーのメイン会場となった。そして、そのメイン会場を中心に復...
─エルフの英雄─ 「そう、そうよ、はい!イチ、ニ、イチ、ニ!」 「お、おお……」 ヒュンケルは夕食後にエイミに声を掛けられ、何故かダンスの指南を受けていた。 「うん、やっぱりスジがいいわね♪さすがよヒュンケル!」 「そ、そうか?しかし、なんでダンスなんか俺がし...
─感情─ 「はぁ~さすがに疲れたぜ~腹へった~」 ポップはマトリフの言い付けで彼の住居である岩の洞穴で、積まれた魔導書を読み込んでいた。ところが、それを言い付けたマトリフはと言うと一向に帰ってこない。 「たくっ~!師匠もちっとも帰ってこねぇしよ~」 ポッ...
─パプニカの復興─ ─平和の維持─ パプニカの城下町も随分と復興が成されて来た。しかし、ピラァオブバーンで破壊されたパプニカ西部には、まだ完全には復興が成されてない所もありレオナ姫の命の下、その地域の街中には三賢者が派遣され住民と共に懸命に復興に向け...
─デルムリン島へ─ クロコダインとヒムは、ここ数日チウの付き合いで獣王遊撃隊の訓練をチウが勝手に決めた特別顧問という肩書きで見守りながら、隊員のレベルアップに協力していた。そのおかげもあってか、遊撃隊のそれぞれのメンバーがいくつか連携技を習得して、新しいフォーメーシ...
─カールへの帰還─ ポップが目を覚ましてから三日の間にアバンはレオナと執務室で、今後の事について話し合っていた。 「パプニカの復興については出だし好調といったところですね」 「はい、鬼岩城の攻撃による城下町の破壊状況はかなり復興が成されて来たので、食糧やその他の...
─ポップの使命─ ─隣に居る理由─ ポップを探して歩いていたマァムは、浜辺で出くわしたクロコダインとヒムにポップがマトリフと一緒だったと聞き、マトリフの住居になっている岩穴に向かった。すると、丁度その岩穴が見えたところでマトリフとポップが中に入っ...
─チウの焦り─ 「てやあああぁぁぁぁぁー!!」 ポップが目覚めた翌日の午後。パプニカの海を背景にして広がる浜辺で、大ネズミのモンスターにしてマァムと同じ拳聖ブロキーナに師事するチウは苛立ちの余りに近くの岩を砕きまくっていた。 「オウ、チウここにいたのか?どう...
─ヒュンケルの光─ 夕食後、ヒュンケルはテラスで夜風に当たっていた。すると…… 「ヒュンケルさん?」 声のする方を向くと、メルルが顔を見せた。 「すまない、呼び出してしまって」 「い、いえ……それはいいんですが、私に話しがあるなんて、珍しいですね……」 メルルは...
─マトリフの懸念─ アバンはその扉をノックすると、相手からの応答の声を聞いて、扉を開けた。 「マトリフ、ずっとここに居たのですか?」 「おう、アイツは目を覚ましたか?」 ここは、パプニカ城の図書室。パプニカ王国が誕生した頃からの史書や代々の国王達が残したその当時の...