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既存の撹拌機を別用途に使うケースはバッチ運転の場合は多いです。後になって気が付いたとならないようにいろいろチェックしましょう。特に忘れやすいのは、取扱数量が少い側の液量だと思います。後は既存の運転条件や物性と比較して大きな問題があるかどうかをチェックしていきます。
流量計が無くてもそれなりに流量をコントロールする方法を紹介しました。バルブ開度を調整して他の計器などで測定する方法と、液抜きをして測定をする方法です。とてもアナログなので、運転で万が一ということが無いように仕掛けを作らないといけません。これで製品の品質に影響が出たりするので、疎かにできないですね。
プラントの問題は今後増えていきます。八潮市の問題のようにこれまで問題にならなかった部分からトラブルが頻発するでしょう。化学工場でもメンテナンス費をもともとしっかり考えてこずに、最低限のメンテナンスで投資を先送りしていると、いつかは問題になります。投資があっても設備上の問題でメンテナンスできないことも。
化学プラントの技術系調整部門の仕事は、いろいろあります。工場内外の調整の窓口的な役割が基本で、販売や研究との調整や工場見学の対応もしながら、原料や新規品目の全体調整などを行います。他には製造部門の役割変化に臨機応変に対応したり、異動の待機係ともなります。ベテランクラスが配置され、縁の下の力持ちとなってくれています。
バッチ系化学工場では塔の設計は塔径だけを決めるという簡単なものです。反応槽やガスラインなどの口径でほぼ決まってしまうもので、残りの仕様は実績重視で汎用性を持たせます。コスト目的で架構内に収めることも重要です。
化学プラントの投資を削減する狙いに、既存設備を移設するという考えがあります。ところがこれが意外と高いです。設備費と工事費のイメージを持っているかどうかが差となります。ここに気が付くと、新作と移設のケーススタディや費用の内訳の整理など、見積を依頼するにもその分け方を考えることで、投資判断を早く正確にできる可能性があります。
運転中に設備改造を行う場合は、普段より慎重に考えないといけません。たっとポンプ1個でも大きな問題になりえます。P&IDを書いて、事前に準備するラインを考え、工事の安全上の問題や運転条件を踏まえた改造を考えていきます。
オーナーズエンジニアは個人的にはおススメの仕事ですが、リスクはあります。仕事の浮き沈みを吸収しにくく、突発の仕事は多く、ずっと工場勤務です。その割に知識は習得しにくく、受け身の仕事をずっとこなすだけという展開も考えられます。それでも会社が存続する場合は、気楽に仕事ができるでしょう。そうでなくなった時は、リスクが急に問題になります。
バッチプラントは同じような設備構成に見えますが、意外と特殊設備があります。特殊設備が多ければ多いほど汎用性が無くなり、ある生産品目にとっては使い易くても、別の生産品目には使いにくくなります。製品導入時のことだけ考えてプロダクトライフサイクルを考えずにプラントライフサイクルも考えないと、後々困ります。新技術がほぼなくなった現在では、長期的に使える設備構成を考えるのはエンジニアの1つのテーマです。
担当したこともない全く知らないプラントのFSをする場合に、気を付けることは結構あります。情報が不足しているからといって、見落としの項目があってはエンジニアのプライドが傷つけられます。納得感のある見積をするためにも、前提条件を疑い情報を集めるようにしましょう。
化学プラントの架構は鉄床で作ることが多いです。建物そのものの寿命を判定するうえで、鉄床の寿命を延ばすことが最優先です。ステンレス床に変える、FRP塗装をする、普通の塗装を繰り返す、当て板をするなど方法はいくつかあります。基本は塗装を繰り返すですが、手遅れのものは当て板とかステンレスに変えるなど、コストはどんどん跳ね上がっていくでしょう。
地番沈下の問題は化学プラントでも問題になります。埋設配管や地下水などの影響を長期的に受ける可能性がありつつ、スチームドレンなどの外部要因もありえます。その割に、メンテナンスのための投資をしないので、気が付いたときには全容把握すら困難もしくは高額の費用が必要で、首が回らなくなってしまいかねません。プラントライフサイクルの中でもとても重要な話題です。
化学プラントの設備投資では、投資を決めるために厳しい厳選がなされます。老朽化しているプラントが多いので、特に問題になりやすいですね。ここで必要な投資を許可してもらうためには、申請者はいくつかの工夫が必要です。老朽化している具合のアピール、合理化の可能性、故障リスク削減の可能性などです。
3Dスキャナは化学プラントのような設備系には業務効率化の夢が広がる話です。私の職場でも導入されましたが、1~2年で誰も使わなくなりました。理由をいろいろ考察しましたが、「使う人がやる気がない」という結論に落ち着いています。職場によってこの辺が大きく違って、成功と失敗に分かれるのでしょう。
カーボン熱交換器は強そうに見えて意外と弱く、樹脂で持っているという構造は変わりありません。樹脂が漏れても気が付きにくく、異物ともなりえます。取り扱いも注意が必要で、割れたり漏れたりするリスクがあるので、予備を確保しておくことが好ましいでしょう。
撹拌機を交換するのは意外と怖いです。単純更新ですら意外とできなかったりして、単純更新のつもりが微妙に違う部分があって性能に影響を与えたりします。このリスクのある撹拌機を自プラントでどれだけ抱えているか把握して長期計画を練ることは、機械系エンジニアにとって大事なことだと思っています。
化学プラントの設備保全でDXは進められているように見えてしまいます。対外アピールは凄いのですが、実態はどこも結構なものだと思います。何もしない人も居れば、1回だけデータを取って満足する人も居れば、実運用までの展開であきらめたり、時間を掛けて結果が出ないというパターンもあります。DXは部署を横断して自主的に進める力のある人が担当する必要があり、人を選ぶ業務だと思っています。
プラントエンジニアリング会社のエンジニアはオーナーズエンジニアよりもスキルが高いという一般的に言われることを、自分の範囲ではあまり聞いたことがありません。これはプラントエンジニアリング会社が不得意としている領域で、バッチなど機会の少ないプラントや思想がしっかりしているプラントが当てはまりそうだと思います。
原料の品質は不純物が製品に影響を与える可能性があります。原料の製法や工場が変わるとその影響を評価しないといけません。メーカーのCoAと原料に必要な規格とは異なる部分があるので、メーカーが問題ないと言ってもユーザーはそれなりに評価が必要な場合はあります。
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。時が過ぎるのは速いもので、気が付いたら1年が終わっていた気がします。1年を振り返るのは年末くらいのものですが、大晦日の振り返りは毎年かなり適当です。2024年はこんな感じでした...
ストレーナ・フィルタのライン設計を考えました。交換洗浄作業を考えるときに、遮断弁の外、ベント・ドレンを付けたり、圧力計で監視したり、水・窒素ラインを繋いだりと、安全性を高める方法が考えられます。内容物の危険性に応じて選べるようにしましょう。
全溶接型プレート熱交換器は耐圧性や耐熱性を高めたプレート熱交換器です。元のメリットである洗浄を犠牲にするので、詰まりや腐食の可能性が考えられる場合、交換前提で購入するとしてもリスクをしっかり判断しないといけません。私は、スチームとエアーのように綺麗な流体に対してしか、全溶接型プレート熱交換器を使おうとは思いません。
断面図を見てすぐにイメージができない場合は、色塗りがおススメです。分かりやすい部分から始めましょう。ケースなど外側が分かりやすいかシールが分かりやすいかは、構造や経験によって変わります。色で視覚的なイメージをしていくことで、不明部だけを浮かび上がらせることが可能です。機械の動きのイメージがしやすくなり、不足している部分など考えることもできるかも知れません。
化学プラントの設備投資はその目的別に、法的要求、補修・修繕、オーバーホール、更新、新製品の導入、合理化、改善などに分類できます。スピード重視、データ集め、目標感の共有など、見積作業そのものよりは考え方で変わる部分が大きいです。どのケースで何が重視されるか会社によっても分かれるので、スピード重視でコミュニケーションの回数を重ねるトライアンドエラーが結果的に早道になると思います。
CDMOとCMOという単語は、医薬の世界の話ですが、企画と製造という目線で考えると、製造内の狭い世界でCDMO的なのかCMO的なのかを考えることはできます。組織によって同じ製造という名前でも、機能が違うことがあります。これをCDMOとCMOとして捉えると、把握しやすいかもしれません。CDMO的な製造と接することが多かったので、CMO的な製造を許せなかった自分が居ましたが、今では冷静に見ることができました。CDMOとCMOという単語を知ったからです。
タンクのデッド部は、構造上どうしても発生します。新規の液をトライアルするなどの場合に、ここの扱いをどうするか課題が出ます。先行評価でそこまで考えておくか、ある程度妥協するか。液を完全に排出するには、それなりの設備と時間が必要になります。
プラント内における危険区域の精緻な設定方法に関するガイドラインを少し検討してみました。内容物や運転条件による部分は多いですが、非防爆設備の使える範囲は広がっています。詳細検討に時間が掛かるので気おくれしている人もいらっしゃると思いますが、それなりの余裕を見ても5mもあればかなりの条件で包含できる気がします。
プラントエンジニアに入社する人のハードルはとても下がっています。機電系出身で近隣地域に住んでいる。という条件くらいだけを考慮している感じです。給料が高いですし、残業もかなり抑制されています。自信が無いと思う人ほど、穴場の仕事だと思います。
ガス吸収を実現しようとしたら、塔・タワーが一般的ですが、局所的にはエゼクターも活躍します。反応器や真空ポンプを代用するのは、緊急的用途や一時的なものにしたいです。完全に使えないわけではないので、いざ使わざるを得ない状況になれば、しっかり評価しましょう。そんなことにならないのが理想的ですが。
製造課を外から見ていると、課長の差というのは結構見えてきます。プラントエンジニアとしてではなく、生産技術や企画の方が見えやすいでしょう。課長がプレイヤーとして仕事をせざるを得ないというのは、本来は注意信号です。長期化すると、課全体が弱くなっていきます。負の連鎖が蓄積しないようにするには、課としての取り組みと、その実態を知って外部からフォローする取り組みの両面が欠かせないでしょう。
プラントオペレータは今後少なくなっていくでしょう。その中でオペレータが足りないという可能性は少ないと思いがちですが、小さな単位では起こりえます。生産数量・投資・異動などの形として見えてきます。オペレータとしては、この情報や周囲の稼働状況は敏感になっていた方が良いでしょう。その中で、どう振舞うかを考えることができますね。
プラント設計で配管設計が最重視されなければいけない7つの理由
プラント設計では配管設計はとても大事です。良否は装置サイズや動線に影響を与えたり、液ガスが流れなくなったりします。配管の数が多いので考えることは多く、建設コストやメンテナンスコストにも実は影響を与えます。ただし、それらの問題が表面化することは少なく、運用でカバーされがちです。配管設計者の質が今後も大事になることは確かですね。
金属系のポンプの材質を指定するとき、ケーシングとインペラに対して、鉄とステンレスのどちらを選ぶかという問題があります。どちらも鉄というのは、プラント内部では避けた方が良いでしょう。逆にどちらもステンレスとするのが無難です。ケーシングは鉄でインペラはステンレスというのは何かと中途半端になりがちです。ライニングはもっとトラブルになりやすいです。
タンクのノズル数が少ないために、二重ノズルという案を考えることがあります。流速を合わせるための口径設計が大事ですし、ライニングは失敗しやすいです。サイズが合わずに標準化できなくなると、メンテナンス性も悪くなります。どうしても使用する場合は、数を限定して、メンテナンス周期を定めて、特殊な扱いにしましょう。
ガスラインの設計を例に、反応滴下速度を変えることで口径設計の限界を越えないという例を紹介しました。設備上どうしてもできない範囲なのに、気が付かずに配管サイズだけを当てはめてしまうと、大事故に繋がるかも知れません。設備のことを把握しつつ、運転条件の前提にも目を向けて、コミュニケーションを取りつつ設計をしていきましょう。
熱交換器の設計はすればするほど、何でもいい中で最も良さそうなものを選ぶという発想になってきます。イニシャルコストよりもランニングコストを重視した設計が大事であり、能力設計ではなくプラントの運転思想や稼働条件に関わってくる話です。ユーザーエンジニアはこういう部分に積極的に関わらないと、プラントエンジニアリング会社や機器ベンダーと同じ考え方になってしまうと良くはないでしょう。
粉体ホッパーを使うことは、バッチ運転でも大きなメリットがあります。作業時間を拘束しないし、安全性が高くなる、重量管理ができる無くても何とかなってしまう場合もありますが、安定的な操業をするにはホッパーは強い味方となるでしょう。
最小配管は詰まりやサポートなど配管設計において大事な考え方です。液抜き・サンプリング・滴下などのラインは話題になりやすいです。最小口径以下のラインを使ってはいけないというわけでなく、柔軟な思考が大事です。多くの口径の中から標準的に使う種類を限定することで、例外への処置もしやすくなるでしょう。
配管フランジにカバーを付ける場合というのは、そう多くありません。付けても上手くいかずに、悪化させる場合の方が多いです。デメリットを考えても、付けた方が良いという場合はそう多くはありません。メンテナンスをしっかり考えて、フランジカバーは最低限にした方が良いでしょう。
化学プラントのルールやマナーはいろいろあります。関係者全員に関わるものもありますが、誰にも指摘されないので違反しているというケースは増えています。指摘することが難しくなってきた現在、違反者が問題を起こしてから見直しをするという循環をするしか手が無い気がします。
ポンプの吸込み側にフィルターを設置する場合、キャビテーションや空運転の防止が必要です。そもそもフィルターで捕まえなくても良いように、フィルターよりも手前で異物除去の対策ができないか考えましょう。フィルターを設置する場合でも、洗浄作業性を上げるためにラインの設計は大事なことです。建設時には問題なくても、後々で問題になることもあります。ポンプ周りはスペースを取っておきましょう。
ねじ込み継手は化学プラントでは非常に使いにくいです。あえて使うなら、漏れても良い水や空気、軽量化を狙ったドラム缶周り、折れてしまう可能性がある設備回り、くらいに限定しましょう。漏れのリスクが上がるので、保護具やパトロールなどの別の対策が必要になります。ねじ込み継手を選ぶ場合は、総合的に考えてあえて選ぶという意識を持っておきたいですね。
ボールバルブとグローブバルブのどちらを選ぶのか悩む場面はあります。たいていの場合はボールバルブで上手くいきますが、低温・高温や高圧など条件が厳しい時にはグローブバルブを選ぶ方が上手く行きやすいです。標準化されている場合も多いでしょうが、それぞれのラインでボールとグローブのどちらをなぜ選んでいるかが言語化できれば、その工場でのプラント設計や改造を自由に行えるでしょう。
SUS304ではなくSUS316Lを選ぶというのは、それなりに考え方があります。耐食性が高いがコストも高い。優先度を設定するには、使用環境・頻度・組成の変化・故障時の影響・メンテナンス性などの軸で考えると良いでしょう。全部の考え方を使わずに、数個の軸で整理するだけでも、結構差が出てくることが多いです。
4M変更と化学プラントでの注意点を解説しました。Man・Machine・Method・Materialの4つのMを変更すると、品質に影響を与える可能性が高いです。大なり小なり検討範囲があります。自社での変更は結構シビアに扱い苦労も良く実感しますが、他社の変更については結果だけしか見えないので実感しにくいです。
スチームトラップの組み方は、ディスクやフロートなどの基本的なものでも、いくつかのパターンが考えられます。トラップとバイパスの2つのラインが必要で、バルブで使い分けます。排出先をまとめたり、ブロー先を増やしたり複数の組み方が考えられます。安定的な運転をするには、できるだけシンプルな基本形がおススメです。
流量計と操作弁の間はできるだけ短くしましょう。指示値と投入量の間に差ができて、運転上のトラブルに繋がります。複数に送るなどヘッダー形式にする場合でも、装置手前に操作弁を置くようにしましょう。コストアップになりますが、安定運転の方が大事です。
真空ポンプを停止する場合は、逆流が問題になります。逆止弁で止める、高さを上げる、別のラインから圧力を上げるなどの方法があります。一般例として減圧下で加熱することが考えられるので、冷却をしてから停止をするようにしましょう。
壁や屋根で囲われた空間に配管を通す場合は、設計上特別に考えることがあります。漏れにくい構造にして、漏れても発見しやすくし、被液しないようにもする。漏れたときに拡散させるか封じ込めるかという部屋の思想も大事です。異物にならない材質を選びましょう。
化学プラントの生産稼働計画を調整するとき、工事時期は結構後回しになりやすいです。最近は、納期やコストの問題で工事を固定化する流れが出始めていますが、逆に固定化しすぎる場合もおこっています。ある程度の柔軟性を持たせるために、事前の準備と分散化が大事です。大きなプラントほど、この辺のマネジメントが大事になるでしょう。