数年前のお話。
2013年に北海道旅行に行ったときに、ニペソツ山に登ったことがありました。
結果は悪天候により前天狗岳あたりで撤退。
あんまり撤退登山の内容を記事にしたことはないですが、懐かしい写真がいくつか見つかったので、軽く記録として残しておこうと思います。
2013年の8月。
人生で初めて富士山に登った2009年を自身の登山元年とするなら5年目の夏だったわけですが、この時友人に誘われて初めて北海道の山に登ることになりました。
この時はまだアルプスの山もそれほど多くは登っていない時期だったので、とにかく登る山すべてが新鮮な状態。どこもかしこも知らない山ばかりだったので、天気とかもあまり気にせず、毎週のように山に繰り出しては登っていた時期でした。
そんな中で迎えた北海道遠征。
飛行機を降りて最初に向かったのが、このニペソツ山でした。一応、日本二百名山に選定されている山ですが、北海道最初の山がここというのは、今考えたらなかなかのもんだったなと思います。
結果は冒頭にも述べた通り、山頂にまで行けなかったわけですが、アルバムを整理している過程で懐かしい写真が見つかったので、軽く振り返ってみようと思います。
2013年8月9日 【北海道】ニペソツ山 日帰り登山
このブログを書いていて、たまに言われるのが「晴れている日ばかり登っていて羨ましい」という感想。
これはこれでそうであったら嬉しいのですが、実際は違います。何のことはなく、晴れていない山はあまり記事にしていないだけです。
登山と言うのは自然相手でもあるので、悪天候により山頂に行けなかった経験というのはそう珍しいものではないと思うのですが、そういう撤退登山に関して自分が真っ先に思い出すの今回のニペソツ山です。
時期は2013年の夏。今から7年も前です。
当時はまだカメラにもこだわりなく写真もあまり撮らなかった時期なので、画質が悪いのはご愛敬ということで……
写真は十六の沢コースの登山口。車が数台映っていますが、記憶にある限り、他の登山者とすれ違ったという覚えがありません。
こんな日に登る人いるのかっていうくらい、出だしから天気悪かったです。
山を登り始めてまだ数年という青っちい時期でしたが、北海道にはヒグマがいるという知識だけは当然ありました。
パーティーで一応熊スプレー用意したし、熊鈴も多めに持って行きましたが、やっぱり1発目の北海道登山。ヒグマにビビりっぱなしでした。鈴も果てして有効なのか不明だし。
時間は写真のデータを見る限りでは6時30半頃になっていますね。このあたりでスタートとなりました。
ニペソツ山山頂までは7.0km。距離だけ考えたら日帰りとしてはまずまずという感じですが、最後の登り返しを見て愕然とした記憶だけははっきりと残ってます。
序盤はひたすら樹林帯を登っていく。
ここら辺は全く記憶にない区間ですが、意外にも写真が残っていました。
途中にはこんな岩場もあった模様。
通行に難儀した覚えはないので、登山道は全体的によく整備されていたと思います。
こんな緩やかな道もあったようです。
全然覚えてないけど。
時折視界が開けて、目にする空模様はこんな感じ。
思いっきりガスってます。スタート時からずっとこんな感じでした。
飛行機の兼ね合いもあって北海道の日程はあらかじめ決まっていたので、天気が悪くても仕方ないと思っていたのですが、その心配が初日にズドンと当たった感じですね。。
登るにつれて徐々に周りの風景も変化してきます。
ニペソツ山の標高が2013mなので、この時点ではまだ1500mを少し超えたくらいだと思いますが、流石は北海道。
すでに森林限界を迎えつつありました。
そして、これを書いていて思い出した。確か2013年だったから、標高2013mのニペソツ山がいいんじゃない、とかそんな理由で選んだ気がする。
たまにあるこういった茂みが深い登山道。
ヒグマが怖い……
そうこうするうちに森林限界を突破。
辺りはアルプスの高山帯に近しい雰囲気になってきました。
そして雨も降ってきました。
周囲の風景を撮った1枚。
目の前の山が何のこっちゃわからないですが、曇りつつも雲海が見えたのは少し感動した。
高曇りで視界が良かったのだけは幸いでした。
登り続けて3時間ほどでこの景色。
辺りを覆う樹々はすっかりなくなり、ガレ場ゾーンへ。
周りに高い樹がなくなったことで、雨風をダイレクトに受けるようになり、御覧のように皆ザックカバーにレインコートの完全防備でした。
岩がゴロゴロ、ハイマツ帯の中を進んで行きます。
写真で見るように、登山道自体はかなり整備されていて迷うようなポイントはほとんどなかったです。
こうして登り始めて3時間ちょい、視線の彼方にようやくニペソツ山が見えてきたわけですが、、、
これ見て「遠くね?」って思ったのを覚えてる。ニペソツ山に登っているのに、ニペソツ山を俯瞰しているという不思議。
間違って隣の山に登ってしまったのかと思うくらい、ニペソツ山の頂がすごく遠く感じました。
確かここが前天狗岳というところだった気がします。
遠く感じても実際のところはあと2.5kmの道のりだったわけですが、それでもニペソツ山は遠く感じた。
ずっしりと大きく鋭く立ちはだかるニペソツ山。
その尖がったシルエットはとてもカッコ良かったですが、ここからどれだけ登り返すのよ…、っていうくらい高低差がありました。
やはり、そう簡単には登らせてくれないですね。
ちなみにこの山容の凛々しさは日本百名山の著者である深田久弥も感じたらしく、日本百名山に選定しなかったのを後悔したそうな。ニペソツ山は「幻の百名山」とも言われています。
そんな幻の百名山を前に、天候も一気に悪化。
雨風を遮るポイントもなく、吹きさらしにあってこの地点で撤退となりました。
我々にとっても幻の山となったニペソツ山。その姿を遠目から拝めただけでも満足ということにしました。
いやいや、しかし北海道登山の1発目がこれって、すごい仕打ちを受けた感じでした。
北海道の山って簡単に登らせてくれないなぁ~と。。
今考えれば、天候と登る山の選定をミスっただけですが、まぁこれもこれで良い思い出です。
ニペソツ山、過去の撤退登山の中でも特に色濃く残る山の1つなので、いつの日か再訪してその頂を踏めたらいいなと思っています。
しかし、登山初期の頃の写真をひっくり返してみると、色々と出てくるわ出てくるわの撤退登山。綺麗な風景とは無縁の山行ばかりですが、せっかく経験したことでもあるので、時間があれば小出しで色々振り返って行こうかな。
とりあえず簡単ですが、撤退登山第1弾・ニペソツ山でした。
おしまい。
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