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朝ドラ『ブギウギ』がジンクスを破って名作の予感:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載487

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第487回 朝ドラ『ブギウギ』がジンクスを破って名作の予感

 

10月から始まったNHK連続テレビ小説『ブギウギ』、みなさんはご覧になっているかしら?

基本的に、朝ドラのうち4月スタートのものは東京放送局(AK)が、10月スタートのものは大阪放送局(BK)が作っている……というのをご存じの方も多いと思うけど、21世紀になってからのAK朝ドラの、ブツ切れ感のあるとってつけたような展開や破綻の多さが気になって、なかなかハマれなかったアタシ。

20世紀には『マー姉ちゃん』『本日も晴天なり』『おしん』『澪つくし』『ひらり』『あぐり』など、最初から最後まで楽しめた名作がたくさんあったし、それ以外の作品もある一定のクオリティを保っていたのに、今世紀で飛びぬけて「良かった」と思ったのは『ちゅらさん』『あまちゃん』、安心して、もしくは楽しく観られたのは『ゲゲゲの女房』『梅ちゃん先生』『ひよっこ』くらい。

観ながらイライラしたり、途中で視聴を断念したりしたのは『天花』『瞳』『まれ』『半分、青い。』『ちむどんどん』あたりね。

中でも昨年の『ちむどんどん』はいろいろと衝撃的すぎて、毎日「なぜこれがOKになったのかしら?」と疑問を抱きながら観ていた(そして途中で視聴を断念した)んだけど、今年4月スタートの『らんまん』は、最初から最後まできちんと作られていると感じたし、素敵なセリフやシーンもたくさんあり、AK朝ドラ復活の兆しを感じたわ。

一方のBK朝ドラは、21世紀に入ってから、『ちりとてちん』『カーネーション』『あさが来た』などの超傑作と、『だんだん』『純と愛』『べっぴんさん』などの超問題作が混在している感じ。そして、過去を振り返ると、「二期連続で傑作だった」というケースがあまりないので、放送が始まる前は「『ブギウギ』、大丈夫かしら」とちょっと心配していたんだけど……。

今のところ、めちゃくちゃいいわ! 毎回起承転結がはっきりしているし、キャラクターの気持ちの動きが無理なく伝わってくるし、演出も過剰なところがなく、ほど良い感じ!

もっとも、「子ども時代は良かったのに、徐々に破綻が目立ってくる」ケースも多いので、まだ油断はできないけど(ってアタシ、朝ドラを真剣に見すぎ?)、何と言ってもブギの女王・笠置シヅ子さんの波乱に満ちた人生をベースにした作品だし、面白くならないはずがない。

主役を演じる趣里ちゃんも大好きな女優さんだし、来週からの展開がますます楽しみだわ!

 

<水曜日掲載>

PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

 

 

 

 

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