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Mrs. GREEN APPLEのコロンブスが世に出てしまった理由:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載521

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第521回 Mrs. GREEN APPLEのコロンブスが世に出てしまった理由

大人気のロックバンドMrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)が、6月12日に配信リリースした新曲『コロンブス』のMVが大炎上している件、おそらくみなさんはご存じよね。

このMVは、「生きた時代の異なる偉人たちが一緒に旅をしたら?」という設定で、ミセスのメンバーがそれぞれコロンブス、ナポレオン、ベートーヴェンに扮しているんだけど……。3人が、小島に住んでいる猿(類人猿?)たちに人力車を引かせたり、音楽や乗馬などを教えたり、敬礼をさせたりするシーンが「植民地支配や西洋中心主義の肯定につながる」「差別的な内容に当たる」と批判されることに。

ミセスサイドの対応は早く、ボーカル・ギターの大森元貴さんは公式サイトで「差別的な内容や悲惨な歴史を肯定する意図はない」「年代が異なる生命が楽しくホームパーティーをするというイメージのフィクション」「差別的表現に見える恐れを懸念しスタッフと話し合ってきた」「前向きにワクワクできる映像にしたいという気持ちが、リスクへの配慮をあやふやにし、影響を及ぼしてしまった」と謝罪。同曲をCMソングに起用した日本コカ・コーラは遺憾の意を表し、CMの放映停止を発表しているわ。

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方々で言われていることだけど、この件に関しては、「誰が、なぜこれを作ろうと思い、OKされてしまったのか」が気になるところ。どう考えても「類人猿に人力車をひかせる」「敬礼をさせる」はアウト。人力車をひくのは素敵なお仕事だけど、一貫して「人間が類人猿に文明を教えている」ように見えるこのMVの流れで、類人猿が人力車をひいていると、どうしても「支配―被支配」の関係性に見えてしまうのよね。たとえば、「人間も類人猿からいろいろなことを教えてもらう」とか、フラットな関係に見えるようなシーンが入っていたり、逆に人間のほうが、類人猿を乗せた人力車をひいていたりしたら、かなり印象は変わったんじゃないかしら……(そうすると今度は、「コロンブスたちを愚弄している」というクレームが入るかしら)。

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