五輪の聖火は4年に一度灯るが、小池百合子氏の学歴詐称疑惑もそれに似た周期で燃え上がる。卒業論文のテーマにもなりそうな現象である。しかし今回も深刻だ。よりによって元側近が告発したからだ。
『「私は学歴詐称工作に加担してしまった」小池百合子都知事 元側近の爆弾告発 小島敏郎』(文藝春秋2024 年5月号)
小池氏の大学卒業を認めるカイロ大学長名の2020年の声明文を巡り、知事の元側近の小島敏郎氏が、声明文は知事側で作成した可能性があると告発。小島氏は知事から相談を受け「カイロ大学から、声明文を出してもらえばいいのではないですか」と対策を提案したという(※詳しい内容は「文藝春秋」、または「文春オンライン」の記事で読んでください)。
テレビ・新聞が報じない理由
大変なものを読んでしまった、大騒ぎになると私は感じたが、テレビや新聞ではほぼ報じられなかった。これはなぜなのか。すると次の記事を見つけた。
『元側近の「爆弾告発」 主要メディア黙殺のナゼ』(日刊ゲンダイ4月16日付)
この中で「民放の報道番組スタッフ」がコメントしている。
「小島氏の手記を一読した時は『小池知事はここまでやるのか』と驚きました。しかし誰が文案を作成したにせよ、知事の卒業を今もエジプト大使館とカイロ大が認めている以上、疑義を挟む小島氏の告発に乗るわけにはいかない。告発には卒業を覆す決定的証拠の提示もなく、慎重に扱わざるを得ないのです」
なるほど、今回はあの声明文作成の「プロセス」が明かされたから読者は驚愕したのだが、エジプト大使館とカイロ大学が認めているという「結果」は変わっていない。小池氏にとっては心強い「結果」だ。
それならもっと気になることがある。もし小島氏の告発どおりなら「小池知事が誰に『借り』を作ったか?」は政策にも影響していないだろうかという点だ。これは税金を納めている東京都民には直接関わってくる案件である。