ローリング・ストーンズが使っていた移動スタジオに触れたり、カウボーイとラインダンスを踊ったり——。カルガリーという都会を存分に楽しんだ脳科学者・茂木健一郎さんが次に向かったのは、あの「カナディアン・ロッキー」です。
ロッキー山脈は約7000万年前、太平洋プレートの変動により大地が隆起し、形成されたといわれています。4000メートル級の山々が連なる絶景をひと目見ようと、世界中から多くの観光客が訪れます。今回、茂木さんはユネスコの世界自然遺産に登録されるバンフ国立公園にやってきました。バンフは19世紀に大陸横断鉄道を敷設する際、3名の作業員によって偶然、発見された場所です。いまや高級リゾートとして名高く、2025年に開園140年を迎えます。
リゾートというものの、当地はカナダの国立公園法に守られ、植生や生態系がじつに豊かです。一流ホテルはあるものの別荘を建てることは許されず、住めるのはそこで仕事に従事する人だけ。観光客は入園時に許可証が必要です。しかし、一歩足を踏み入れれば、ロッキーに囲まれながら徒歩や車で巡り、さまざまな野生動物に出合えることも。近郊の街ではヘリコプターからロッキーを眺め、大自然を余すところなく堪能できます。手つかずの自然と人間との見事な共生に、茂木さんは「ここには魔法がある」と感動しきりでした。
バンフへ向かう途中、カナディアン・ウイスキーの蒸留所も訪れました。豊穣の地で実った麦と氷河からのクリアな水で作られる名酒は、世界の五大ウイスキーのひとつとして広く知られます。数多くの受賞歴を誇るウイスキーを前に、「カナダのすべてがここに詰め込まれている」というオーナーのコメントはじつに感動的。また、グランピングでは先住民から伝わる草花に関するレクチャーやアーチェリー、乗馬などアクティビティの数々に時間はあっという間に過ぎていきました。
旅の最後に、茂木さんは「15歳の頃を思い出した……」と語ります。ご自身があらためて見出したこととは? その答えを、ぜひ動画でご覧ください。
協力=カナダ観光局、アルバータ州観光公社、カルガリー市観光局、ウエストジェット航空