気分が落ち込みやすいのは〇時! 幸せホルモンを分泌させる、意外なキーワードは…
どうしようもなく気持ちが沈んで鬱々としてしまうこと、ありますよね。毎日ハッピーに過ごしたいけれど、そうもいかないのが現実。
今回は、ゼネラルリサーチ株式会社が全国20代〜50代の男女3,000人を対象に行った、メンタルヘルスに関する調査の結果をご紹介。気分が落ち込みやすい時間や曜日の他、改善に役立つ以外なモノとは…? 早速見てみましょう!
久手堅 司(くでけん・つかさ)先生
せたがや内科・神経内科クリニック院長。医学博士。気圧予報・体調管理アプリ「頭痛ーる」監修医師。「自律神経失調症外来」などの特殊外来を立ち上げ、「気象病・天気病外来」ではこれまで5000名を超え、患者目線で行う診察とわかりやすい解説がSNSやメディアで話題。著書は『最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方』(クロスメディア・パブリッシング)、『気象病ハンドブック』(誠文堂新光社)。
3人に1人が「心身状態が悪い」と回答
「ご自身の直近1か月の心身の状態について教えてください」の質問に対して、3割以上の方が「とても悪い」(6.2%)「やや悪い」(29.7%)と回答しました。
男女別では、男性が「とても悪い」(5.6%)「やや悪い」(26.9%)、女性が「とても悪い」(6.7%)「やや悪い」(32.6%)と回答したことから、女性のほうが心身の状態が悪いと感じていることがわかりました。
さらに、年代別では、女性30代「とても悪い」(4.3%)「やや悪い」(35.7%)、女性40代「とても悪い」(8.3%)「やや悪い」(33.6%)という結果に。特に30代〜40代女性は、直近1ヶ月の心身状態が悪い傾向にあるようです。
心身の不調TOP5とは?
「現在ご自身がかかえる心身の不調をすべて教えてください(複数選択可)」と質問したところ、以下のような結果が得られました。
1位:「疲れやすい、疲れがとれない」(37.3%)
2位:「やる気がおきない」(29.1%)
3位:「イライラする、怒りっぽい」(26.2%)
4位:「よく眠れない」(23.6%)
5位:「夜中によく目がさめる」(20.5%)
「疲れやすい、疲れがとれない」と回答した方の年代別では、『女性30代(47.7%)』『女性40代(45.6%)』『男性40代(32.8%)』『男性30代(32.5%)』という結果に。特に30代〜40代の方は、「疲れやすい、疲れがとれない」と感じていることがわかりました。
一日で最も気分が落ち込む時間は、「23時」
気分が落ち込む時間帯を伺ったところ、回答結果は「23時」(12.5%)、「7時」(9.2%)、「6時」(8.7%)、「0時」(8.0%)と続きました。
就寝前の「23時」、起床時の「7時」に気分が落ち込む方が多いようです。
ちなみに、23時に気分が落ち込む理由を聞いてみると…
「寝る前に色々と先の事で不安な事を考えるから」(20代・男性・岐阜県)
「明日も仕事かと思うと、考え込みまた気分が下がる」(20代・女性・愛知県)
「寝る前にネガティブなことを考えてしまうため」(20代・女性・石川県)
「静かになると色々考えてしまう」(30代・女性・東京都)
「次の日に仕事に行きたくないから」(30代・男性・東京都)
静かな時間帯であることや、仕事のことを考えやすいタイミングであることが関係しているようです。
なお久手堅先生によると、23時に気分が落ち込むのは自律神経が切り替わるタイミングに関係しているそう。
就寝前は、交感神経優位から副交感神経優位へ自律神経が切り替わる時間帯です。この切り替わるタイミングは、不調なども出やすく、とくに周りが静かだと気分の落ち込みを感じやすいことがあります。また、「寝る前に、仕事のことや明日のことを色々考えてしまう」という回答にもあるように、リラックスすべき就寝前に、考え込んでしまうことで、さらに自律神経の乱れのスパイラルに陥ってしまいます。
このまま寝床に入ったとしても、交感神経と副交感神経がスッキリ切り替わらず、レム睡眠と呼ばれる夢見がちの状態とになり、深い眠りにつくことができません。すると、朝を起きてもすっきりせず不調が続いてしまいかねません。(by 久手堅先生)
月曜日はやっぱり落ち込みやすい
気分が落ち込む曜日を聞いたところ、「月曜日」(46.6%)「日曜日」(24.4%)「水曜日」(6.8%)と続きました。
その理由についても伺ってみました。
■月曜日に気分が落ち込む理由
「これから1週間仕事だから」(20代・男性・滋賀県)
「休み明けだから」(20代・女性・愛知県)
「週末、外に出ていることが多く、疲れがとれていないから」(30代・女性・静岡県)
「前の日が、休日で楽しい時間が終わってしまったと感じる」(40代・女性・島根県)
「仕事モードに調子が乗らない」(40代・女性・大阪府)
仕事が始まる前日の日曜日や、週初めの月曜日は落ち込みやすいよう。休みモードと仕事モードを切り替えるのにも気力を使いそうです。
5月より12月のほうが、気分が沈みやすい
気分が落ち込む月について聞いてみると、「12月」(17.9%)「8月」(14.5%)「1月」(13.2%)「4月」(9.7%)「6月」(9.5%)と続きました。
こちらも理由を聞いてみると…
「寒いので起床時につらい」(20代・男性・京都府)
「今年も終わると思うと落ち込む」(20代・男性・兵庫県)
「年が終わるのが恐ろしくなる」(30代・男性・北海道)
「1年が終わる漠然とした焦り」(30代・女性・京都府)
「寒さと年末年始に向けて慌ただしいから」(50代・女性・広島県)
1年間のことを振り返る機会の多くなる12月。「今年、私何してたっけ…?」と考え自己嫌悪になったり、寒さが寂しさを呼んできたりと、気持ちが鬱々としてしまう時期のよう。「五月病」という言葉がありますが、意外にも5月より12月のほうが気分が落ち込みやすい傾向にあるようです。
腸内環境を意識している人は落ち込みにくい!?
腸内環境を意識している人とそうでない人の、気分の落ち込み具合の差を調査してみました。その結果、「やや落ち込んでいる」「とても落ち込んでいる」を合わせた“落ち込んでいる”人の割合は、腸内環境を意識している人は意識していない人より7.1%低くなっていることがわかりました。
こんなのただの偶然じゃない? とお思いの皆さん、お気持ちよくわかります。ただ、実はこれにも理由があるんだそう。
腸と脳は相関関係にあると言われています。腸内環境が良いと、脳内で「幸せホルモン」といわれるセロトニンも分泌されやすく、自律神経に良い影響を与えます。一方で、腸内環境が悪いと、セロトニンが分泌されにくくなり、気分も落ち込んでしまうというわけです。(by 久手堅先生)
セロトニンが腸内環境と脳との関係を仲介しているんですね!
日頃から腸内環境を意識している人は、45%
日頃から腸内環境を意識している人はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。この項目に関して伺ってみると、「とても意識している」(11.4%)「やや意識している」(33.0%)「あまり意識していない」(32.5%)「まったく意識していない」(23.0%)という結果になりました。
なお、男女別の統計を取った結果、女性は前年代で4割以上の方が腸内環境を意識していると回答しました。
腸内環境のために食べている食品TOP3は?
「腸内環境を整えるために積極的にとっている食品をすべて教えてください(複数選択可)」と質問したところ、以下のような結果になりました。
第1位 ヨーグルト(52.9%)
第2位 納豆(31.7%)
第3位 チーズ(18.1%)
第4位 キムチ(14.0%)
第5位 きのこ(13.1%)
第6位 バナナ(11.3%)
第7位 大豆(10.8%)
腸内環境を整えるために、ヨーグルトやチーズ、納豆といった発酵食品を積極的にとっている方が多いようです。
ヨーグルトは腸の味方!
腸のために摂取している食事は本当に効果的なのか久手堅先生に聞いてみると、以下のようなコメントが。
腸内環境のためには規則正しい食生活が大事です。食材選びもポイントです。ヨーグルトや納豆、チーズ、バナナなど、どれも腸にとって良い食材と言われています。なかでもヨーグルトは、乳酸菌が腸内最近を活性化してくれることはもちろんですが、手軽に摂取しやすく、習慣化しやすいことが利点です。(by 久手堅先生)
また、23時に気分が落ち込みやすい方は、「夜ヨーグルト」を試してみると良いそう。
午後10時(22時)から午前2時は、腸のゴールデンタイムと呼ばれていて、腸の修復が行われています。腸のゴールデンタイムに向けて、夜にヨーグルトを食べると、乳酸菌が働き、腸内環境を整え、よい睡眠に導いてくれるでしょう。(by 久手堅先生)
腸内環境を整えることは、体調管理やダイエットのみならず、気分の落ち込みを防止することにもつながる、まさに一石二鳥な取り組み。朝ごはんにヨーグルトをプラスする、おやつはチーズにするなどして、少しずつ生活に取り入れていきたいですね♪ (平田真碧)
情報提供元/ゼネラルリサーチ株式会社