体当たりで演じた主演ドラマ『DORONJO/ドロンジョ』で新たな一歩を
CanCam創刊40周年を記念して、歴代のOGモデルをクローズアップするスペシャル連載。専属モデル時代から今日までの軌跡を振り返りつつ、今だから話せる撮影裏話やプライベートなお話など、自分らしく輝き続ける彼女たちのリアルなメッセージをお届けします。
第6弾では、抜群の存在感とクリエイティブな感性で人気を博し、現在は俳優・歌手・タレント・映画監督などマルチに活躍する池田エライザさんにインタビュー。
エライザさんは、2009年ファッション雑誌『ニコラ』(新潮社)にてモデルデビュー。同誌を卒業した翌月より『CanCam』の専属モデルになり、2013年から2018年の約5年間在籍。愛され要素たっぷりのかわいらしい表情、そしてカジュアルでクールなファッションを提案し、当時のCanCamの世界感をグッと広げてくれました♡ ラストとなる第4回目のインタビューでは、10/7~放送がスタートした話題の最新主演作『WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ』について、たっぷりとお話を伺いました!
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★”自撮りの神”と呼ばれた池田エライザ。「実は…すごく困ってました」|歴代モデルを直撃Vol. 21
★池田エライザ流、「落ち込むことを否定しない」前の向き方|歴代モデルを直撃Vol. 22
★池田エライザ、「女の子を守りたい」という思いが原動力|歴代専属モデルを直撃Vol. 23
全力で向き合った主演ドラマ『DORONJO/ドロンジョ』への想い
「ドロンジョ(七音)が変化していく過程を見てほしい」
ドラマは、タツノコプロの名作アニメ『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』の人気キャラクターであるドロンジョが、悪に手を染めるに至った過酷な人生を描く。エライザさんが演じるのは、壮絶な境遇の中で必死に生き、のちにドロンジョとなる主人公・泥川七音(どろかわ・なお)。
ーードラマの内容について教えてください。
「『ヤッターマン』の人気キャラクター“ドロンジョ”が、“ドロンジョ”として悪に手を染めるまでを描いた、全く新しい解釈の作品です。元々はアマチュアボクサーだった泥川七音という主人公が、なぜボクシングをすることになったのか、どれほど壮絶な過去を経てドロンジョになっていくのか…。見どころはたくさんありますが、特に注目してほしいのは主人公・七音の変化です。話が進むたびに、七音がどんどん更新されてドロンジョになるのですが、変化や成長の過程を見ていただくと、この作品を楽しんでもらえるのではないかと思います。
序盤は主に七音の生い立ちが描かれていて、結構ハードというか…見ていて辛くなるようなシーンも…。でもそこから風向きが変わって、自分の力で道を切り拓いていく主人公のカッコいい姿が見られます。全話見ていただけての『DORONJO/ドロンジョ』なので、3話くらいまでは(辛く感じるかもしれないけど…)頑張ってついて来てほしいな。絶望的な展開に見えるようで、最終的には生きるエネルギーや希望を感じてもらえると思うので」
今の時代にドロンジョが誕生することに意味がある
ーードロンジョについて、どんなイメージを抱きましたか?
「人生でなかなか味わうことのない、絶望から立ち上がる姿を、七音という主人公が体現してくれているように感じました。多分、今生きている人たちって、人生の選択肢が多くて悩んだり、変化が速くて絶望を感じてしまったり、苦しんでいる人が多いと思うんです。一歩を踏み出せなかったり、現状が壊れることを恐れて、感情をフルに使えていない人が多いんじゃないかな。今回のドラマでは、素直になれないとか、見て見ぬ振りをしてしまう人たちの代わりに、七音が100%絶望して100%あがいて…必死に立ち上がっていく姿が印象的で、世の中に溢れる悪意や理不尽な出来事によって再びドロンジョが誕生するところに意味やメッセージがあると思っています」
ーー演じてみてドロンジョのイメージはどう変わった?
「原作では、ドロンジョ、トンズラー、ボヤッキーの3人からなる“ドロンボー一味”は、軽快なノリとユーモアがあって、応援したくなる悪役の元祖だなと思いながら見ていました。一方でドラマ『DORONJO/ドロンジョ』は、ストーリーにダークな部分もあるのでテンションが原作と違っていて…でもボヤッキーとトンズラーがそばにいることで、“らしい”瞬間やシーンもありました。新しい解釈の脚本ではあるのですが、絶望にのめり込まない強さとか、生きることへの執着などは、どちらのドロンジョにも通ずるものがあると思います。どっちのドロンジョも好きですね」
ーー役作りで苦労した点は?
「自分とは正反対なキャラクターなので、七音の役に入るのは簡単ではなかったです。お話したように、特に1〜3話くらいまでは、正義を信じられなくなって、厳しい現実と争うことしかできなくて…演じていて精神的にキツいときもありました。あと、今回はボクサーの役なので、トレーニングや肉体改造にも力を入れていて、体は常に痛かったです(笑)」
撮影が少しでも空いたらミット打ちしてました
ーートレーニングはどのようにされましたか?
「今では考えられないくらい、撮影中はボクシングに夢中でした。ただひたすら基礎を繰り返す、という日々で、ワンカットでも撮影が空いたらミット打ちをして、技を覚えるというよりは、出来て当たり前の動きをきちんと出来るようにしていく感じ。撮影ではアクションシーンがとにかく多くあったので、その動きを覚えるのもなかなかハードでした。でも、ワイヤーなどを使わない、泥臭い殴り合いを観ていると七音のヒリヒリさも伝わるんじゃないかな」
ーー私生活との切り替えは大変でしたか?
「撮影は2ヶ月ほどだったんですが、体力的にすごくしんどかったです。ただ本番以外は、ボヤッキー役の矢本悠馬さんと、トンズラー役の一ノ瀬ワタルさんとワイワイ楽しくやっていたました。現場のムードも明るかったので、私生活で役に引きずられたりすることはなかったですね」
ーー最後に、七音を演じた感想とメッセージをお願いします
「とにかく毎日戦って、殴ったり殴られたりする日々だったので、記憶が若干薄れているのですが…(笑)、私としては、ドロンジョが自分の思う正義に突き進んでいくために体を貸したような気持ちです。撮影の最終日がいちばんハードな試合のシーンだったのですが、『クランクアップです!』と言われているのに立ち上がれなくて、このままリングの上で眠りたい、と思ったほど。心身共に燃え尽きて、リアルな『あしたのジョー』でした。皆さんには、過酷な運命にあらがい、泥臭くもがいて、生きることを諦めない新しいドロンジョの生き様を、見届けてもらえるとうれしいです」
CanCam歴代OGモデルインタビュー「池田エライザさん編」は、今回で最終回。CanCamでの“修行”を経て、自らの道を切り開いていくエライザさんには、まさにドロンジョと重なる芯の強さや信念を感じます。“女の子を守りたい”という想いを胸に、常に新しい世界を魅せてくれるエライザさんを『CanCam』はこれからも追いかけます♡
10/7(金)より放送・配信中 毎週金曜午後11:00 ※第1話無料放送(全11話)
1977年に初放送された国民的アニメ『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』で、正義の味方であるヤッターマン1号・2号の敵役として知られるドロンジョ。本作では、主人公の泥川七音が、ドロンジョとして悪に手を染めることになるまでの、知られざる過去や生き様を描くダークエンターテインメント作品。キャストは他に、山崎紘菜 矢本悠馬 金子大地 / 高橋和也 古田新太
★WOWOW公式YouTubeチャンネルにて、第1話無料配信中!