安いシャンプーと高いシャンプーって何が違うの?プロに教わる意外と知らないシャンプーの選び方

ほとんど毎日のように使っている、身だしなみにとっても大事なアイテムだけど、実はよくわかっていないものの代表選手といえば…そう、シャンプー。
たとえばスキンケアなら、お使いのものが保湿重視なのか、美白なのか、エイジングケアなのか…などをよくよく考えて選んでいる方も多いはず。でも、いつも使っているそのシャンプー、実は意外と深く知らずに「なんとなく、ダメージケアできそう」などの印象で選んでいませんか?

そこで、意外と知らないシャンプーの豆知識について、「ロレッタ」「ハニーチェ」「whews」
など、人気ヘアケアシリーズを多数手がけるb-exで新製品開発に携わる、ヘアケアのプロにうかがいました。

お話をうかがったのは…
b-ex R&D部 プロダクトアセスメント マネージャー
堀江薫さん

ヘアケア商品など、新製品開発の製品評価を行う部署にて責任者を務め、ヘアケアについて深い知識を持っている。

Q.シャンプーはどこを見て選ぶのがおすすめですか?

A.基本の区分としては、アミノ酸か、それ以外か。

選び方については、実は「この成分が入っていると、こんなお悩みの方におすすめです」となかなか言い切れない部分もありますが、わかりやすいところで大別すると「アミノ酸」系シャンプーか、それ以外かでざっくりわけることができます。

アミノ酸系シャンプー:洗い心地はマイルドで、ダメージケアやカラー褪色防止重視
それ以外のシャンプー:しっかりとした洗い心地重視

アミノ酸系のシャンプーはしっとりしやすい特徴がありますが、デメリットとしては、ご自身が思っているほどダメージが強くない際に、しっとりしすぎて重い印象になる可能性があります。もしこれといって重いスタイリング剤を使っていないのに「重い質感が気になる…」という場合は、一度「アミノ酸」以外のシャンプーを使ってみてください。

また、炭酸シャンプーをサブとしてひとつ持っておくと「週1で頭皮ケアをしたい」「しっとりしすぎない髪質に仕上げたい」という日に使いやすくおすすめです。

Memo:現在は「ノンシリコン」が大多数
以前のシャンプーは「白く濁り、少しキラキラとした成分が入っている」シリコン入りのシャンプーが標準でしたが、最近のシャンプーは透明の「ノンシリコン」のものが大多数になってきています(白く濁っているものが全てシリコン入りというわけではありません)。

Q.髪の悩み別におすすめシャンプーを教えてください!

A.多いお悩み別にご紹介します!


【髪が傷みやすい】アミノ酸系シャンプー

先ほどのように、洗浄力よりもダメージケアに重きを置いているため、傷みが気になる方はこちらを選んでください。

【頭皮が弱い】「敏感肌」「低刺激」タイプ

こちらは特定の成分というよりも、総合的にそのメーカーが「敏感肌向け」「低刺激」とうたっているものを選んで買うのがおすすめです。

【脂っぽくなる】「さっぱり系を選ぶ」or「洗う回数を見直す」

髪が脂っぽくなりやすい方は2つのパターンがあります。
「もともと皮脂が出やすい方」は、頭皮すっきりなどを打ち出しているスカルプ系やさっぱり系シャンプーがおすすめです。
ただ、もうひとつ「洗いすぎて、皮脂が過剰に出ている」パターンがあります。たとえば脂っぽさが気になると朝晩で1日2回洗っている人は、一度「1日1回」に減らして様子を見てください。本来は、1日1回洗えば十分です。

【ボリュームが欲しい】「ハリ・コシ・エアリー・さらさら」などのキーワードがあるもの

最近は「ボリュームアップ用」という用途で売られているシャンプーが少ない傾向にありますが、商品の打ち出し方として「ハリ・コシ・エアリー・さらさら」などのキーワードが入っているものは、結果的にボリュームアップして見える仕上がりになりやすいです。

ちなみに「オイル編」同様、シャンプーも裏側に「こんな方におすすめ」というものや仕上がりイメージ、使い方などがしっかりと書かれています。迷ったらここを読み込んでみましょう。

たとえば2種類のシャンプーと6種類のトリートメントがある「whews」シリーズ。表面はかわいいパッケージですが…

裏面を見ると情報がみっちり!

Q.シャンプーとトリートメントは、同じブランドをライン使いしたほうがいいですか?

A.同じブランドであれば、バランスのいい仕上がりに!

シャンプーとトリートメントを開発する際に「シャンプーをすすいで、トリートメントがどのくらい髪に乗るか」の組み合わせまで見ているので、ライン使いするとバランスのいい仕上がりになりやすいです。

実は、シャンプーとトリートメントの相性の良し悪しは、皆さんが思っているより強く出ます。シャンプーをすすいだ後に髪に残る成分と、その後に使うトリートメントの相性が悪い場合、それぞれひとつずつはいいものであってもギシギシしてしまい、トリートメントの効果が感じられず、宝の持ち腐れになってしまうケースもあります。もしシャンプーとトリートメントを別のブランドにしていて、「いいものを使っているはずなのにイマイチ…」と感じているなら、一度ライン使いに切り替えてみることをおすすめします。

Q.リーズナブルなシャンプーと高いシャンプーは何が違うんですか?

A.「大多数の方の合格点」か「何かに特化しているか」の違いです

安くて美味しいファーストフードか、凝った食材を使ったレストランか…の違いのようなものです。
一般的にドラッグストアで売られている、手が届きやすい値段のシャンプーは「大多数の方が、ある程度の合格点を出すもの」として作られています。多くの方に使ってほしいので、原材料もコストがあまりかからないものを探します。

一方でちょっとお値段が張る、サロン専売シャンプーなどは「ある機能に特化して、その方にしっかりと満足してもらえるもの」として作られているので、作る数もそこまで多くなく、原材料もお値段が張る特殊なものが多いです。それがそのまま販売価格の差になっています。

髪のお悩みがある方や「もうすぐシャンプーがなくなりそうだけど何を選べばいいか迷う…」という方、ぜひ参考にしてみてくださいね。

構成/後藤香織