がんばれ、ポセイドンジャパン!水球日本代表エース・稲場悠介、パリへの想いを語る「まずはベスト8に入りたい」

水球日本代表・稲場悠介選手から目が離せない!

7月26日に開幕したパリ2024オリンピック。本日は水球男子の初戦! ということで、昨年、53年ぶりにアジア王者に輝いた水球男子日本代表に直撃。ポセイドンジャパンのエース、稲場悠介選手に競技の見どころやパリへの想いをスポーツ大好きモデル・菜波が直撃しました!

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稲場悠介選手ってこんな人!

富山県出身の24歳。身長180㎝。持ち味の豪快なシュートで得点を量産する日本水球界のエース。高校生のときに水球が盛んなヨーロッパに渡ってプロチームで実力を磨く。ブルボンウォーターポロクラブ柏崎に所属し、現在は世界トップレベルのイタリアのチームにレンタル移籍中。

Career

  • 2017年
    U20世界ジュニア大会に出場
    モンテネグロのBudvaに所属
  • 2018年
    FINA 水球ワールドリーグにて日本代表に初選抜。得点王に輝く
  • 2020年
    イタリアSC Quintoに所属し、世界最高峰のセリエA1でプレー開始
  • 2021年
    東京オリンピックに出場し、ベストセブン(最優秀選手)に選出される
  • 2023年
    第19回アジア競技大会にて日本代表
    53年ぶりとなる金メダルを獲得
  • 2024年
    パリオリンピックにて日本代表に選抜

菜波の私的見解「稲場悠介選手のココがスゴイ!!」

日本が世界に誇る得点王の圧倒的なシュートは、見ていて気持ちがイイ!

©️Aflo

国際大会では2mを超える選手も少なくない水球。稲場選手と相手ゴールの間には常に高い壁が立ちはだかるも、水中でのジャンプ力と柔軟な肩甲骨から繰り出されるシュートの連続に興奮が止まりません!

稲場選手は実は香りフェチらしく、こだわりのシャンコンを常備している!?

天然パーマなのでシャンプーとコンディショナーは美容院でおすすめされたコタクチュールを愛用していて、合宿や遠征に持参しているそう! 香水やキャンドルなどイイ香りに包まれるのが好きらしく、このシャンプーもリラックス効果がありそうなフローラル系の香りでお気に入りとのこと♪

競技種目「水球」って?

  • 水球コートの大きさは、縦30m×橫20m
  • 1試合は、1ピリオド8分を計4ピリオド行う
  • 各ピリオドの開始は、自陣のゴールラインに並んだ選手たちがコートのセンターに浮かべられたボールを泳いで取りに行き、先にボールを取ったチームが攻撃権を取得
  • 相手ゴールにシュートを入れると1点、第4ピリオド終了時に得点が多いチームが勝ち

練習を重ねてきたから、試合には「勝つ気持ち」だけを持っていきます!

僕が水球を始めたのは7歳のとき。5歳上の兄の影響でした。そのときのプールの水深は4mもあったのですが、僕自身2歳から水泳をしていたので、まったく恐怖心もなくて。とにかく楽しかったですし、やっと兄がプレーしていた水球をできたのがうれしくてしょうがなかったです。初めてシュートを打ったときの爽快感は今でも覚えています。当時チームの他のメンバーは、5歳上の兄の同級生たちでしたが、負けず嫌いな性格もあって小1ながら6年生に劣らずプレーをしていました!

小学生チームの監督が、水球の街・柏崎市の僕が今所属しているブルボンのチームの選手だったので、小学生の頃から週末には富山から柏崎へ連れていってくれて、日本代表クラスの選手にもまれていたんです。そのときからの知り合いもいるので、今の日本代表のチームメイトは仲よしのお兄さんたちっていう感じの関係です(笑)。

中学に上がると夏休みは一日中プールで過ごして、家でも暇さえあれば海外選手のプレー動画をたくさん観てイメージトレーニング。没頭し続けました。特に練習を全力で頑張ったのは高校生のときです。一時、勉強が大変になって練習に身が入らなくなったことがあったんです。そのときに「このままでは活躍できない。世界をなめるな」と監督に言われて。ハッとしました。それ以降、学校のあとは毎日22時までプールに残って練習に次ぐ練習。世界ユース選手権の代表に選ばれて、そこでのプレーが評価されたことで高校2年のときに水球強豪国のモンテネグロでプレーをするチャンスをもらいました。もう迷いなく飛び込みましたね。でも、16歳でいきなり単身での海外生活はまったく英語も話せないので大変でしたよ。引っ越し早々にアパートの電気を誤って壊してしまって。すごく焦った思い出があります(笑)。

一方で、水球のほうは「なんだ、俺海外でも全然やれるじゃん♪」って感じで順調でした! そしてその後、自分的には「やっとか」と思ったくらいですが、日本代表にはじめて選ばれたんです。2021年には、念願の東京オリンピックに出場。毎試合2得点以上を獲得して、ありがたいことに大会のベストセブンにも選出していただきました。でも、日本代表としては予選敗退。すごく悔しかったです。僕は本当に負けず嫌いなんです。パリでは今回こそ、予選突破してベスト8を目指しています。


菜波がみんなの気になるコトを稲場選手に聞いてみた!

Q. オフの日はどんなことをされていますか?

僕は自然が大好きなので街に出かけるというよりはゆっくりアウトドア派です。今住んでいる家は、海から近いのでビーチで日光浴していることが多いです。日本にいるときも、実家が海から車で2~3分くらいだったので、よく海釣りをしていました! 春はブリが釣れて、自分でさばいて刺身や煮付けにして食べるのが好きでした。

Q. 海外生活をしていてホームシックになることはありますか?

高校生の頃から海外で生活をしていたのであまりホームシックになることはないですかね。イタリア人の陽気な感じも肌に合いますし。日本食が恋しくなるくらい…。でも、たまに祖父母に会いたくなります。両親が共働きだったので、小さい頃の水球の送り迎えを祖父母がしてくれていて。ふたりのおかげで今の僕があるんです!

/水球はキーパー以外は片手でしかボールを扱えないので、自然と利き手の右腕のほうが左よりも太くなってくるんです(笑)\

Q.稲場選手の好物といえばなんですか?

日本海沿いの富山出身なので小さい頃から寿司が大好きです。特にマグロの赤身! 今はイタリアのシチリア島に住んでいるので、帰国したときは友達と必ず寿司屋さんに行きますね。あと、シチリア島で人気の「グラニータ」というジェラートとシャーベットの中間みたいなスイーツがあるのですが、ピスタチオ味やアーモンド味がたまらなくおいしいんですよ。ブリオッシュっていうふわふわのパンと一緒に食べると絶品です!

Q.試合前に気合いを入れるために聴く音楽は?

コレという曲はないのですが、普段からラップやEDMが好きでよく聴きますね。中学生くらいの頃はAviciiが大好きで、必ず試合前に聴いて気分をアゲていました。最近はエミネムとか、Dr. Dreとかが好きかな。

Q.ファッションのこだわりを教えてください!

実は結構服が好きなんです。シンプルだけど、人とかぶらないようなアイテムを探しています。レザーのアイテムが好きなので、特に冬場は革ジャンとかブーツとかたくさん集めちゃいますね。一番のお気に入りは馬革のレザージャケット。すごく硬いので最初はなじませるために室内でもずっと着用していました(笑)。光沢感がイイんです。

Q.好きな異性のタイプと理想のデートは?

僕も陽気な性格なので、明るくて一緒にふざけたり、笑ってくれる人が好きですね。理想のデートはピクニックかな。サンドイッチとか軽食を持っていって、ビーチでのんびりするような、平和な時間を満喫するデートがリラックスできて幸せですね。


シュートを打つ瞬間がたまらなく気持ちイイんです。パリでもどんどんシュートを決めていきます!

【菜波】改めまして、撮影お疲れさまでした。大迫力のシュートを実際にスタジオで披露していただいて、あまりの速さに圧倒されてしまいました…!

【稲場】ありがとうございます(笑)。こういう撮影はあまり経験がないので僕も楽しかったです。新しいことをするのってワクワクしますよね。

【菜波】さて、私たちはパリオリンピックを楽しみにワクワクしているのですが、稲場選手の思う水球の面白さを教えてください。

【稲場】僕は昔っからシュートを決める瞬間が大好きなんです。「決まったー!爽快!」って。あとは水球って、プレーしている僕からすると色々なスポーツの要素が複合されている感じがするんです。格闘技のようにアグレッシブに身体をぶつけあうシーンもあれば、サッカーみたいにチームオフェンスをしたり。あるいはバスケのようなディフェンスの仕方をしたり。そんな複雑なスポーツだからこそ、チームで勝つときは本当にうれしいです。 観戦のポイントから言えば、ポセイドンジャパンは「どんどんシュートを狙っていこう!」という攻撃的なプレーなので展開も速くて楽しいと思います。

【菜波】たしかに、言われてみるといろんなスポーツの要素を感じるかもしれないですね。私はずっとバスケをプレーしていたのですが、水球の試合を観ているとバスケと似た動きを感じることがあります。

【稲場】そうですよね! 実際に僕も敵を引き離してからのシュートの仕方とか、NBAを参考にしたこともありますよ(笑)。でも、水中でのゴール前の激しいポジション争いの迫力は水球ならではだと思うのでぜひ注目してください!

【菜波】あの水しぶきを間近で感じたらもっと迫力がありそうですね。あ~パリに応援に行きたくなってきました(笑)。

ポセイドンジャパンは本当に仲がいいチームだからこの勢いに乗って、予選突破し、ベスト8を目指します!

【菜波】パリ五輪への意気込みをうかがえますか?

【稲場】そうですね。今回は日本代表史上初のベスト8進出を目指しているんです。個人的には得点王。それと、東京五輪では自分がいちばん若かったのですが、今回は年下の選手がいるのでチームを引っ張っていかなければならないと思っています。

【菜波】プレー面で稲場選手が今、意識していることはなんですか?

【稲場】1対1でディフェンスされていてシュートを決めるのは当たり前だとして何人が自分のマークに来ても、シュートを「打ち切る力」をつけたいと思っています。そのためにはやっぱりもっと身体を大きくしていかないといけないですよね。幼い頃から「世界イチの選手」を目指しているのでウェイトトレーニングも頑張っています!

【菜波】かっこいいです。応援しています! 最後に私も今回の取材を通して水球の面白さにハマりましたが、もっと多くの人に水球が広まるにはどういうことが必要だと思いますか?

【稲場】それはもう僕たちが結果を出すほかないですよね! 2015年にラグビーワールドカップで日本が南アフリカに勝ったじゃないですか。あんなふうに強豪チームへの大勝利をきっかけに知名度が広まるのを見ると、身が引き締まりますね。今チームはめちゃくちゃ仲がいいんですよ。ずっと昔から日本代表で一緒で、知っているメンバーと楽しみながら勝つぞ!っていう感じで一致団結していて。きっとスポーツの世界だから、がちがちの上下関係があって…っていう印象を持たれるかもしれませんが、こないだも合宿で半日オフがあったときにはみんなでBBQしたりして。このいいムードの勢いにのってまずはベスト8に入りたいですね!ぜひ水球日本代表を応援してください!

【菜波】本日は貴重なお話をありがとうございました!


パリオリンピックがいよいよスタート♡

連載に登場してくれた選手の他にも注目選手がたくさんっ!

▼バスケットボール日本代表・富樫勇樹選手


自力では48年ぶりのオリンピック出場を果たしたバスケ男子日本代表主将。身長167㎝と小柄ながらパワフルなプレーにしびれる!

▼バレーボール日本代表・髙橋 藍選手


史上最強と言われるバレーボール日本代表の活躍にも期待大! なかでも攻守のキーマンである髙橋選手に注目♪

▼サーフィン日本代表・五十嵐カノア選手

©️Aflo

昨年からハーバード大学院に通い始めたことでも話題の五十嵐選手、前回大会の雪辱を果たしての金に期待です!

▼柔道日本代表・阿部一二三選手

©️Aflo

前回大会では、兄妹で金メダルを獲得し話題となった阿部選手。男子のエースとしてオリンピック2連覇なるか、見逃せません!

CanCam2024年9月号「Go for it! Road to Paris」より
撮影/鎌田拳太郎 スタイリスト/与那嶺龍士 ヘア&メイク/Jhun Takayama 構成/山下 樹 WEB構成/久保 葵