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2016年6月5日(日)の韓国『STREET FIGHTER V CRASH』終了後に行われた、カプコン小野氏と綾野氏のインタビュー動画がYouTubeで公開されています。

約40分という長さのインタビューですが、先日話題になったカプコンUSAとのコミュニケーションに関する話をさらに掘り下げた真相など、様々な事が語られています。


以下、インタビュー内容の書き起こしです。




Q.今回の『Street Fighter CRASH』の感想

小野氏:
まずは、ストリートファイターファンの方たちに感謝したいです。
今後も鉄拳CRASHと同じように続いていく事を切に(×3)願いします。
印象に残った試合は、先週のときど選手の5本抜きや、今日のSandbag選手のようなチーム戦でしか見られないシーンが印象に残りました。
これまであまり見る機会のない盛り上がりを見る事が出来て非常に良かったと思います。
sandbag選手はあんなに髪を切り詰めてもカッコイイのでジェラシーを感じました(笑)。

綾野氏:
非常に光栄に思っています。
CRASHが毎週開催ということと、カプコンプロツアーの日程が被っている事があるので
今後開催される時はいかにして共存できるかを考えたい。



Q.ストVでは新規プレイヤーを獲得したいという狙いがありましたが、これまでと同じような顔ぶれが多かったという点についてはどう思われますか?

小野氏:
そこについては届けきれていないなと反省しています。
コンテンツの問題だったりだとか、非常に真摯に受け止めています。
6月にあるストーリーモードの配信などで、さらに新しいプレイヤーを獲得していきたいと思っています。



Q.韓国の選手についてどう思いますか?

綾野氏:
インフィル選手とPoongko選手飛び抜けて強い選手だなと思います。
昨日見ていた小規模なイベントでは知らないプレイヤーもいたので、ストリートファイターシリーズということで、ある程度固定化されてしまうということもあるかもしれませんが、草の根のカジュアルな大会で新しいプレイヤーが増えてきつつあるなという感じがします。



Q.カプコンプロツアーでチーム戦を導入する予定は?

小野氏:
そのあたりはチーム内でも話しています。
チーム戦のほうが興行的に分かりやすいという反面、運営上のノウハウなどあるかと思います。
ただ一点言わせてもらうとMOBAではありません。
1対1の戦いで誰が強いのかという焦点はぼかしたくないので、将来あるとすればチーム戦を入れたものと、本当の頂点を選ぶ2本立てになっていくのかなと思います。

(韓国で大きな事をやるっていう話はまだ正式には発表してないですよね?)




Q.キャラクターを発表する順番はどのような基準で決めていますか?

小野氏:
上手に出来上がったものから投入しています。
出来上がっているものもあるし、まだチューニング中のものもあるんですけど、我々が一番納得したものを出していこうというものがあります。
2016年シーズンで言えば、次に出せそうな仕上がり具合になったのが「いぶき」なので、1回触ってもらいたいなと思っています。

綾野氏:
そういった意味では、ジュリは出したいですけど、もうちょっと待ってくださいと(笑)。

小野氏:
E3で、いぶきが触れます。



Q.アメリカのメディアで、カプコンUSAとカプコンジャパンの間でコミュニケーションが上手く取れていないことについて記事が書かれました。それについてどう思いますか?


小野氏:
じゃあ当事者から(笑)。

綾野氏:
そういうことではないです(笑)。
それぞれ発表の権限を持っているという事と、日本と北米で時差があって
北米で何かホットな情報があった時に日本では深夜で2時とか3時、4時とかなので
日本と北米で何かやる時に合意して出しましょうというのは難しいという物理的な隔たりがある事をご理解頂きたい。

ロードマップの件は、発表後に日米でコミュニケーションを取って『こういうものを発表しましたよ』となって
日本でそれを受けて発表するかしないかは日米で合意を持って進めているので、コミュニケーションが取れていないというわけではありません。


小野氏:
短く言うと、喧嘩してたけど仲直りしましたってことね(笑)。
それはハッキリ言った方がいいよ(笑)。

綾野氏:
それは違う(笑)。
日本やアメリカ、韓国で情報をバラバラに出すのは良くないと過ちに気付いたので、そこは早急に体質の改善をしていきたいです。



Q.新日本プロレスのケニー・オメガ選手がVトリガーという技をつくった事について

小野氏:
僕が電話してもいいですか?
もしかしてこっちが思っているものと違う・・・こっちが訴えられるかもしれない(笑)。



Q.ユーザーの間では、いぶきだけではアップデートだけでは足りないという反応がありましたが?

小野氏:
今日の反応を見て、これだけでは足りないと重々承知しました。
この先は一瞬言いかけたけど、ちょっと我慢しました(笑)。
大会という事でいえば、ソニーさんと動いているのでプレイヤーの皆さんには大きな情報をお伝えできると思います。

(カプコンプロツアーのアジアファイナルが韓国でやるという事だけ決まっていて、まだ会場や日程は決まっていない。)




Q.今回、新規ユーザーに配慮したということでしたが、それでもマニア向けのイメージが強いです。さらなる新規ユーザー獲得にむけて何か考えていますか?

小野氏:
さきほどの質問にもありましたが、ストーリーエキスパンションモードの配信準備を進めています。
これは今までの格闘ゲームの体系ではない、ハードコアな皆さんではなくカジュアルな皆さんでも楽しんでもらえるようにしています。
E3でも体験出来るように出そうとしています。
格ゲーファンではなくアクションゲームファンにも楽しんでもらえる環境つくりが出来ないかなと思っています。
そこで獲得できなければ、また次の手を打ってストリートファイターの下の層を広げていく努力は続けていきたいなと思っています。




Q.e-Sportsとしてのアピールのための戦略は?

綾野氏:
プレイヤーの皆さんにプレイしてもらう、知ってもらうということを考えて
どんな小さなコミュニティの大会でも基本的にはお断りしないスタンスでやってますので
ストVの大会をやりたいというのであれば、どんどん企画して頂ければいいなと思います。

小野氏:
僕の個人的な見解ですが、e-Sportsと言われているタイトルについて
万人がe-Sportsに参加できるとは思っていないんですね。
でも万人がe-Sportsを観戦するとか楽しむ事が出来ると信じています。

今日のようなCRASHのあの舞台に立てる人達は、やはりトップの人達だと思うんです。
でもそのトップの人たちの戦いが見れるという環境を用意することによって
そのタイトルや環境に興味を抱いて頂くというのは万人の人が出来ると思います。

プレイで参加させるのではなく、その雰囲気に入ってもらうというところで
これからもe-Sportsの戦略を続けていきたいなと思っています。



Q.カプコンプロツアーの数を増やしていく計画はありますか?

小野氏:
答えはイエスです。
狭めていこうとは思っていなくて、条件とか運営の形とかe-Sportsということでなるべく公平性・公共性を担保していきたいと思っているので、そこをきちんとまわして頂けるコミュニティの方々とであれば、我々はメーカーでもいちユーザーでも合致できるところと組んでいきたいと思っています。




Q.大会で、今はアップデートで追加された新規キャラを使う事ができない制限がかかっています。昨日の大会でインフィル選手がアレックスを使っていいプレイを見せてくれました。制限をなくしていく事は考えていますか?

小野氏:
それはカプコンプロツアーとEVOの差を言ってるのかな?
EVOに関しては、我々が主催運営をしていないのでルール等については言及するところではありませんが
カプコンプロツアーでは・・・

綾野氏:
今は、公表はしていないんですけど1週間(の使用禁止期間)という

小野氏:
なので、制限するつもりはないんです。
そこはどうカプコンプロツアーの大会主催者と、元の大会のレギュレーションと
我々の大会のレギュレーションをどう融合していくかこれからまた課題が出てくるのかなと思っていますし
認識しているので、クリアにしていきたいと思います。




Q.プロゲーマーに対してのサポートは何か考えていますか?

小野氏:
スポンサーという考えは今はカプコンにないです。
大会のルールブックを作っているのに、誰かをスポンサードするのは公平性に欠けるのかなと。
じゃあどうすればプロやプレイヤーに還元できるかといったら、なるべく多くの大会を開いてあげる。
その大会の賞金を上げていくとか。
我々は2年連続で50万ドルの賞金総額を支出していますし、それ以外にもソニーさんをはじめとして
パートナーの方たちが独自に賞金を出して頂く大会が進められているので、そういった面でサポートをどんどん続けていきたいと思っています。
先日も北米でレッドブルさんが大会をコーディネートして頂くということで、大きな賞金を出してもらってますので、
そういった部分でプロとかトッププレイヤーにいい環境、ご飯が食べていける環境を提供していきたいなと思います。

ただカプコンがシャツにロゴをつけた選手を出すというのは考えていません。
より多くの大会で公平に多くの方に還元していきたいと思います。

そう言っておいて明後日くらいにチームPlayStationがでてきたりしてね(笑)。




Q.最後に一言

綾野氏:
僕らはアジアですごく力を入れていて、ソニーさんとタッグを組んでやらせて貰ってるんですが
本当に良かったなと思うのは、ローンチの段階で韓国語のローカライズをする事ができて非常に良かったなと思います。

これからもアジアに向けてe-Sportsもそうですし、ゲーム本編についても力を入れていって、アジアの皆さんと一緒に盛り上げていって、ひいてはワールドワイドに波及して盛り上げていきたいと思います。


小野氏:
僕からは、連休明けの火曜日にはSIKからCRASH2のリリースが流れる事をまず期待しておりますと。
流れない場合は皆さんメディアの力を使って『リリースがこないんですけどーー!?』と言って頂ければ非常にありがたいなと思っています。

Vに満足していない方が多くいることは、カプコンとしては理解していますし
そこに対してのアップデートやケアを絶え間なく続けていくつもりです。