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intabyu-


ウメハラ選手が12年前に配信で語った文字ベースのインタビューについての話が、切り抜き動画になっています。

これまで10年以上のプロ生活で100回、200回とインタビューを受けてきた経験のあるウメハラ選手だからこそ感じる文字ベースのインタビューに対する考えや、インタビューされる側のあるべき姿勢などを語っています。

また、優勝インタビューについては「凝る必要はない。プレイヤーはプレイで語って、もう言葉はいらないってのがあるべき姿。『この日のために~』とか言ったら台無し。」とコメントしています。







・これまで100以上インタビューを受けてる。200は言い過ぎかもしれないけど100後半はいってる。
・「なんか噛み合わないな・・・」とか「この話の流れからそれを聞いてくる?」ってインタビューがあったりする。出来上がった記事を見てもやっぱりぱっとしない。
・とあるインタビューで、インタビュアーの質問の仕方が「言わせたい事があるんだな」っていうインタビューの仕方だった。しかも攻撃的な内容だった。『今のこの世の中こういう事がダメなんだ!』みたいなことを言わせようとして誘導してくるのが手に取るようにわかった。それに乗っかってそのまま記事されたらたまったもんじゃないから、全く話に乗らないわけにもいかずに「そうですねーそういうところもありますけどーでもいろんな考えありますし」的な感じでどっちにも取れるようオブラートに包んだ。終始それだった。
・出来上がった原稿を見たら、案の定その人の意向というか世の中に対して攻撃的で『俺はこういう風にやってきたんだぜぇ!』みたいなキャラクターになってた。しのさんに速攻言って、「ちょっとこれ出せないでしょ」って言ったら、しのさんから「無かったことにしてもらいました」って。書き直すんじゃなくて無かったことになる、それくらい強烈にヤバかった。
・そこまではなくても、「これは誤解を招くなぁ」ってのはあった。こんな言い方しないのに、書き手の未熟さゆえに、自分の言い方も悪かったかもしれないけど「これは誤解されるなぁ」ってのはいくつもあった。
・あまりにも何も知らないし、何も興味ないんだなってインタビュアーもたまにいる。ゲームショウとかでついでに来る奴がいた時は、露骨に不機嫌にした。「何言ってんだコイツ、めんどくさ」と思って。「でもこれ記事になるんだよな、どうしたらいいんだろうな」って思いつつ「まあ〇〇じゃないですか・・・」みたいな。
・インタビューは結構腹が立つことが多い。「おまえ仕事じゃないの?」って思う。リサーチもそうだし、人から聞き出して掘ってっていうのが仕事でしょって。まずそこにモヤモヤする。
・あと、インタビュアーって選べない。おこがましいけど俺がどんな実績積もうが、とんでもないインタビュアーが突如現れることがある。仕事のキャリアに応じてインタビュアーのレベルが上がっていくことはない。ライターは運ゲー。
・文字ベースのインタビューはなくなる気がする。わけわからない奴に誘導されてその通りの内容にされて極稀だけど原稿チェックがない事もある。チェックなしでこの人の書く文章どうちゃっちゃうんだろうって怖くて。
・でも動画だと誤解を与えようがない。本人の自己責任。言葉の強さ、リズム。
・インタビュアーやライターを通すのは非常に危険だなと思う。本当に怖い。
・逆にインタビュアーに慣れてるからそう思うのかもしれない。喋るのが苦手な人からすると文字の方がありがたいこともあるかもしれない。あまり喋らなかったけど書き手の解釈で話を広げたりする利点もあるけど、俺個人としては怖い。
・相手に言わせようとするのは分かるし、あんまり気分良くないと思う。聞かれてる側は、「俺じゃなくてもいいんでしょ?」って思っちゃう。
・『大会の意気込みは?』とか俺がインタビュアーなら聞かない。そんなの「頑張ります」とかしかない。
・『あなたにとって〇〇とは?』っていう質問は嫌い。最初はすごく良かったと思う。最初に聞いた相手もかっこいいこと言ってバシッと決まったんだと思う。擦られすぎてて『あなたにとって格闘ゲームとは?』って聞かれて「まあ仕事ですよね。」って。
・昔国技館のスト2大会でダルシム使いの人が優勝して、インタビューの最後に『あなたにとってスト2とは?』って聞かれて「生き甲斐です!」みたいなことを言ってたけど、別に生き甲斐じゃないと思う。でもその場の『締めろよ?分かるな?』って空気で考える余地がなくて、俺みたいな奴じゃない限りは「生き甲斐です」って言って終わり。俺は文脈無視して「いや別に」って言うけど。答えが決まってる質問は良くない。
・はじめのインタビューは気持ち良かった。「勝ち続ける意志力」とかも結構インタビュー来て気持ち良かった。最初にこの人で本を書いていいのかどうかって決めるから、初めて出版の人達を前に語るわけだから気持ち良かった。
・落語家とかもこんな感じなのかなと思う。いつもインタビューで『そもそも何でそんなに格闘ゲームにハマったんですか?』っていうところから入る。
インタビューは語り口調が大事。「僕にとってゲームセンターは大好きな格闘ゲームをやる場所でもありましたけど、友達もいるとこでしたね」じゃ書く方もどうやって書くか迷う。内容は一緒でもちょっと間を置くだけで、結構それが文章に出たりする。
「う~ん・・・そうですね、まあちょっとその時々の年によって変わるかなぁ」ってまずは入りでそう言ってみると『そうなの?』ってなる。
書いてる側の興味を引くように喋らないとダメ。「ゲームセンターは格闘ゲームをやる場所で、友達もすごくいたんでその両方ですかね」じゃあ書いてる方もつまらない。入り口から書く方の興味を刺激しない、やっぱり良いものが出来上がらないと思う。
・今のインタビューはテープレコーダーで録音してそれを後から起こすから、やっぱりその時の雰囲気は出る。向こうもプロだし。「何にもニュアンス伝わってないじゃん」って下手なのもいるけど、そういうちょっとした話のコツは結構大事。
・インタビューに答える練習は若い頃に10代から20代くらいまで、駅から家まで歩く1時間くらいずっと自問自答してた。そうすると訓練になる。
・優勝インタビューで凝ろうと思ったことはない。理由はプレイで語ってるから。あまり語ると蛇足になっちゃう。優勝インタビューでペラペラペラペラ喋る奴が極稀にいるけど、「あぁ台無し」って思う。
プレイヤーはプレイで語っとけばいい。インタビューの時はちゃんと言葉があった方がいいけど、大会なんてプレイで全て完結してるんだから一言二言でいい。優勝インタビューで凝る必要はない。
十分いいプレイをした、皆が感動した、もう言葉はいらないってのがあるべき姿。「この日のために・・・」とか言ったら台無し。長い長い早く締めろと思っちゃう。
・聞く側としては「とは」配信で、一応こういう風に聞けばストーリー仕立てになるなというのはあるから、誰に聞いても一応形になると思う。起承転結があった方がいいかなと思う。
・いろんな人の人生を知ってるインタビュアーじゃないと難しい。そのジャンルの人にしか分からない苦労とかあるから幅広い知識とかいろんな人と会ってきた経験がある人じゃないと、本当の意味でいいインタビュアーにならないと思う。
・本当にいいインタビュアーは、人も見て変幻自在に内容を変える人だと思う。
・その時困ってる人に適切なアドバイスが出来る人は、人を見る目がある。人間観察が得意な人だからそういう人のインタビューは嫌でも良くなる。