Amazonプライム・ビデオで映画『三度目の殺人』を視聴。
今回もアマゾンにオススメされるまま、見ました。
是枝作品で、福山が出ていて、あと市川実日子さんも出ていましたね。
『そして父になる』も見たし、先日は『いま、会いにゆきます』も見たので、そのあたりを加味してのレコメンドでしょうか。
で、本作品。
現代の裁判の進み方を軸に、ある殺人事件を羅生門メソッドで描いてみました、というところでしょうか。
まーた役所さんが殺人犯演ってるー、とか、まーた福山がエリート役だー、とかありますけれども、そういうこれまでの日本映画での先入観をそのまま投影できて、こういうのが「あてがき」というやつでしょうか。
羅生門が示すのは、「事実は一つだけれども、真実は人の数だけ存在する」ということですよね。
しかし裁判というシステム上、一つのストーリーを作り、その上で量刑を判断しないといけないわけで、そこに色々と問題は出てくる、ということが作品の一つのテーマになってはいるようです。
ただ、それを「訴訟経済」と悪く言っただけで終えてしまうので、少し薄くなってしまっています。
もちろん時間の制約はあったでしょうけれども。
本作で特にややこしくなるのは、「真実は人の数だけ存在する」どころか、役所さんの供述が二転三転することで、その都度周りも振り回されるのですが、弁護士があんなに振り回されてはいけないような気が・・・。
タクシーのドラレコとか、ガソリンのついた財布とか、証拠ありましたよね?
それを差し置いても福山をテンパらせてしまう役所さんのキレっぷりを褒めるべきなのかもしれませんが、その意味で役所さんの演技力に負うところ大な作品と言えるかもしれません。
脚本は、色々と謎掛けとか伏線とか張り巡らされているようでいて、ほとんど回収されないので、だいぶ消化不良ではあります。
あと、「三度目の殺人」と言われて、そりゃ前科二犯なら死刑だろ、と思ったのですが、話が進む中でも前科一犯で、おかしいなー、と思いながら進んでしまったのですが、アマゾンレビューでの先人の解説を読んで合点がいきました。
「三度目」は役所さん自身が死刑を受け入れることを指していたのですね。
でもこれ、まだ地裁ですよね?
U-NEXTでも見られます。