9月2日、コロナ禍で中断していた稽古総見の公開
が久々開催された。薄暗いなかでかけて、できるだ
け前のほうに並ぶのを通例としていた。今回も同様
だった。ところが全くの徒労に終わった。
というのも、今回稽古だけでなく八角理事長の還暦
の土俵入りがおこなわれる。そのため、正面のマス
席、2階の正面前3列は関係者席としてすわれない
仕組みになっていた。おまけにエントランスに入っ
てから2階は別並びというから非常にわかりにくか
った。
そうしたなかで幕下、十両、幕内、三役+元大関の
順で申し合いがおこなわれた。申し合いは勝ち残り
だから、稽古量という面では難しい。東幕下筆頭塚
原が腰にテーピングがあったのが気になった。十両
では石崎改め朝紅龍、ウクライナ出身の獅司に注目
した。それなりにやりそうな感じはしたが、本場所
は別ものである。
幕内では貴景勝がしぼんだ印象だった。これが吉と
でるのか凶とでるのか。簡単にまわしを引かれる場
面もあった。元気いっぱいとはいいがたかった。
照ノ富士は、申し合いはしなかった。ぶつかり稽古
の胸を出しただけであった。まわしの白さがほかの
力士よりきわだっていた。横綱は稽古で自信をつけ
ていく。それがないということは、休場がありえる
のか。
稽古は10時半ごろ終わった。八角理事長の還暦の土
俵入りは11時ごろだというから時間が30分ほど空い
た。トイレタイムになってしまった。
呼び出しが触れ太鼓で土俵を3周ほどしていよいよ
還暦の土俵が始まった。露払い北勝富士、太刀持ち
隠岐の海を従えての赤い綱の土俵入りであった。
国技館を出ると外はまだ夏であった。